つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

誰か作ってくれ

2007-02-08 23:31:23 | 木曜漫画劇場(紅組)
さて、読むたんびに思うんだよなぁの第800回は、

タイトル:カードの王様(全9巻)
著者:立野真琴
出版社:白泉社 花とゆめコミックス

であります。

鈴:マジで発売されたらはまりそうだと思うLINNで~す。

扇:ルールの曖昧さがネックだなと思うSENでーす。

鈴:あー、そうね。
けっこう解釈の部分が大きいから、審判の役割ってすんごいでかいよな、このゲーム。

扇:その意味では、競技には向いてないゲームだわな。
神話伝説好き同士が、その手の四方山話をしながら遊ぶにはいいかも知れん。

鈴:せやな。
でも、遊び心満載なのは確かやと思うぞ。
実際、マンガでもクリスマスにちなんだ技で勝敗が決まったりして、ある意味、想像力や発想に左右されるところがあるから、頭の体操にはいいんじゃないかえ?

扇:うむ、仲間内で遊ぶのはかなり楽しかろうて。
前の記事でも言ったが、これ、裁判ごっこに近いんだよね。
プレイヤーが検事と弁護人で、審判が判事ってとこだ。

鈴:あー、裁判ね。
確かに、天使軍と悪魔軍に分かれてやるところなんか、そういう感じだぁねぇ。
でも、本気でこのゲーム、やってみてぇ……(笑)
相棒はTRPGでGMとかやってたから、けっこう審判できそうな気がするけど?

扇:できるなぁ……あっちと同じで、プレイヤーやらせてもらえそうにないけど。(爆)
でも、このゲームって、悪魔側がかなり不利でねーか?
神話ネタを漁ったら、善側が悪魔側をとっちめる話の方が多いような気がするぞ。

鈴:いや、そう言い切れるものでもないな、読んでる限り。
キリスト教の天使は天使側だし、神話とかで善悪がはっきりしてるのは、天使、悪魔で区別されてるが、妖精や精霊とかは中立でどっちでもOKだし、イベントを起こす女神とかは、どっちでも使えるから、一概にそうは言えないんだよな。
ただ、イベント起こすのは、けっこうプレイヤーのセンスにかかってるとこが、このゲーム難しそうな感じがあるんだよなぁ。

扇:そこらへんは、知識と舌先三寸だろうな。
それを裁定せねばならん審判が一番悲惨なのは変わらんだろうが。
作中でも、主人公が突飛な作戦を思いつくたびに、頭捻ってたからなぁ……審判。

鈴:捻ってたかどうかはわからんが、まぁ、対戦相手に「それはありかよ!?」とか言われて、ルールブック見ながら「ありだな」とか言ってたしなぁ。
でも、ルールブックじゃぁどうにもならんイベントとか多かったような気がするが……。

扇:閃きと強運がまなみの強さのすべてだからなァ……。
重箱の隅をつつくような豆知識で形勢逆転して、選ばれた者だけが使える究極の役で一発勝ちしちまうんだから、審判も対戦相手もやってられんだろうよ。

鈴:まぁなぁ……。いちおう、主人公だから、そこまで負けさせるのはいかんのはあるだろうがな。
ただ、そうは言っても、蔑ろにされがちな弱いカードのイベントでどうにかしたりすることがけっこうあるから、なんか許せちまうところがあるんだよなぁ(笑)

扇:つーか、それは少年バトル漫画の基本だ。
いかにして決め技(まなみだと『魔道天』)を妨害するか、必殺技を封じられた状態で、いかに主役が逆転の手を打つか、そこに醍醐味があるのだからな。
あ……これって少女漫画だったっけ?

鈴:まごうことなき少女漫画だ。

扇:そだな……彼氏候補も『優しいけど頼りない系』と『怖いけど格好いい系』、ちゃんと二人用意してたしな。
で、どっちとくっついたんだっけ?(爆)

鈴:いちおう、「優しいけど頼りない系」のほうとくっついたな。
まぁ、このラストのこれには、かなり親心というか、よかったねぇ、あんた……って、ある意味、涙を誘ったよな(笑)

扇:いわゆる、『ヒロインの幸せを考えて、自分から身を引くタイプの男』だったからなァ。
それまでの見守りっぷりと、苦悩っぷりを見る限り……あれでフラれたら悲惨過ぎる。

鈴:悲惨だよなぁ。
あれでフラれたら、きっとあの子には同情票が山ほど白泉社に届いただろうことは想像に難くない。
じゃぁ、その同情票をもらいそうなヤツの話も出たことだし、そろそろキャラ紹介に行っとくかね。

扇:その前に、ちょっと真面目な話をしよう。
今日の記事は、第135回の記事のリバイバル・バージョンです。
前回紹介した時は連載中だったのですが、その後完結したので、もう一度やることにしました。
旧記事を読みたい方は、最下段のリンクをクリックしてやって下さいませ。
では、いつものようにCMでGO!


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鈴:では、主人公兼ヒロインの水見まなみ。
大好きな従兄の影響でカードゲーム「CHAOS」を始めることとなり、最初の初心者用スターターキットで、極めてレアなカードである「大魔導士サガン」を手に入れたことで様々な相手と対戦をすることになる。
と、それは結局、カードゲームの話で、まなみの話としては、対戦をするときに見るサガンの夢、従兄の保での失恋とその後の恋の行方が見どころか。
基本的に、「CHAOS」では、サガンとの夢からゲームでは勝ち進むことになるが、それ以外では少女マンガではごく当たり前に恋愛に悩み、趣味(「CHAOS」)に熱中する少女である。

扇:では、まなみの従兄弟で、一巻でいきなり彼氏候補戦線から脱落した風間保。
まなみの憧れの相手で、彼女をカオスの世界に引きずり込む案内役……だったが、早々に恋人がいることが判明したこと、実力派のゲーマーと言われながら殆ど対戦シーンがなかったことから見事に没落、脇の一人と化してそのまま上がってこなかった。(笑)
さりげに、まなみのことも意識していたようだが、優柔不断な性格が災いして、一途さが売りの皇と強引さが持ち味の涼に押されまくり、くっつくとかフラれるとかいう以前の状態で終わる。
まぁ、薄いキャラの末路なんてそんなものだろう。

鈴:ひでぇキャラ紹介……まぁ、否定はせんが……(笑)
では、次に第1話から登場の東城皇(シャレじゃないです)
しばらく誰とも対戦しなかったが、クリスマスのイベントでまなみと対決することなる、堅実なゲーム運びが売りの「優しいけど頼りない系」の少年。
1巻ですでにまなみに惚れているような描写もあり、まなみを傷つける相手に殴りかかるなど、まなみの見ていないところで、熱血をかますが、まなみを目の前にすると優しいだけのキャラになってしまう難儀なひと。
ただ、ラストではまなみのハートをゲット(さぶっ!!)することなり、きっと全国の読者のほとんどが「よかったねぇ」と思う結末になっている。

扇:黙ってりゃ涼やかな美形なのに、実は妹より確実に御子様だったな、皇君。
ま、そこが可愛いんだろうが。
では、少年漫画で言うところの最強のライバル(※本当は違います)で、彼氏候補筆頭……だった荒木涼。
少女漫画定番のちょっとワルでクールな黒髪男であり、まなみが有するレアカード『サガン』のモデルと関係がある人物。
ダーク系の雰囲気が新鮮だったのか、天然箱入り娘のまなみは、一時期本気でこいつに転びかけていた。涼の方もまんざらではなかったようだが、パターン外し大好き人間の作者の陰謀により、二人は引き裂かれる。(ん? 何か違うか?)
『魔道天』と互角の威力を誇る必殺技『凛霊天』を使うが、実はプレーヤーとしては中堅クラスなんじゃないかと思うのは私だけか?

鈴:なんか、違ってるような違ってないような……(笑)
では、東城皇の妹の聖口宮子。離婚した両親のため、名字は違う実の兄妹であり、その財力にものを言わせ、強いカードを手に入れ、それが勝利のためと信じていた子。
サガンを手に入れたまなみと最初に対戦したが、使えないとされたカードの逆襲(付喪神?)に晒され、あっけなく撃沈。
その後は、同年代の女のコの友人として、まなみと付き合うようになる。
ちなみに、兄の皇よりも先に、年下の彼氏をいつのまにかゲットするという、皇を焚きつける役目を担いながら自分もしっかりちゃっかりをかますというしたたかな一面を見せた。

扇:兄貴と違って要領いいキャラだったな、宮子は。
最後に、保の恋人で、最強プレイヤーの立花美沙。
まなみを最初に破ったキャラで、必殺技を持たないかわりに、緻密な計算と豊富な知識で相手を完膚無きまでに叩きのめす孤高の存在。
お蝶夫人から亜弓さんに至るまで、この手の女王様キャラは、天才肌の主人公に追いつかれるものと相場が決まっているが、もともとカードゲームに執着していない上、まなみとの対決で多少の柔軟さも身に付け、最後まで崩れることなく地位を保持した。
後に、まなみとコンビを組んで大会に出場するが、「反則だろ、をい!」と突っ込んだのは、私だけではないはず。
ちなみに、何で保ごときと付き合っていたかは永遠の謎である。(笑)

鈴:謎……でも、確か、この美沙のほうから付き合ってくれと言う話だったはずなんだがなぁ。
あとは……まぁ、おらんか。
いちおう、1巻で出て、まなみに対戦を仕掛け、あえなく破れたあと、結局アドバイザーのひとりになった氷神理季がいるくらいかなぁ。
中学生だが、いつのまにか、宮子の彼氏に収まる=宮子に誑かされた、というところで、アドバイザー以上の扱いをいちおう受けたな。

扇:まぁ……何というか……罠にはまったって感じだよね、氷神。
しかし、こうやってキャラ並べてみると――
まんま少年漫画だな。
対戦相手が仲間になるってのもそのまんまだし、最強の敵が最強の相棒になるってのも定番だ。
美沙なんか、一輝兄さんと立ち位置まったく同じだしね。
ともあれ、しっかり少女漫画してたりするので、恋愛物が好きな方にもオススメです。
では、今日はこのへんで……さーよーなーらー。

鈴:そうねぇ。
少年マンガらしいところ、少女マンガらしいところとしっかりあるから、どっちでもOKだよな、このマンガ。
実際、個人的には立野マンガの中では1、2を争うくらい好きだしね(^^)
と言うわけ、木劇リバイバル第2回はこの辺でお開きでございます。
では、再見~



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