つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

ガール・ミーツ・ボーイ

2007-02-27 23:56:03 | ファンタジー(現世界)
さて、やっぱりというか当然と言うかの第819回は、

タイトル:9S <ナインエス> VI
著者:葉山透
出版社:メディアワークス 電撃文庫(初版:H17)

であります。

あとがきを読むまでもなく、読んだあと「あぁ、やっぱり」と言うことで、ADEM編、中巻となった第6巻。
5巻のラストでやむなく黒川の手に落ちた由宇。黒川の舞台「海星」の侵攻に晒されつつも凌ぐNCT研究所……黒川の思惑に翻弄される由宇と闘真のふたりと、ADEM。
さて、肝心のストーリーは、

「底知れぬ男、黒川謙がとうとう牙をむいた。合理的かつ合法的にNCT研究所へと侵攻していく黒川の軍勢。老人達はただ、黒川の動静を見守るしかなかった。
その頃、黒川により逃げ場を失った闘真は焦りを感じていた。囚われの由宇に残された時間は限られている。その時、忽然と現れる人影。闘真はついに超越者と対面する。そして……。
高々度上空に存在する飛行要塞フリーダム。そこに由宇はいた。遺産の情報を求め由宇へと迫る黒川。世界最高峰の頭脳VS冷酷な悪魔の息詰まる攻防の行方は――!? 闘真と由宇。すれ違う想いは、再び相まみえることができるのか!?」

さすがに中巻ともなると、徐々に盛り上がってきて、おとなしくて物足りなかった上巻(5巻)よりも、引き込まれる強さというものが感じられる。
NCT研究所で繰り広げられる攻防に、毒カプセルの融解時間に縛られつつも捕らえられたフリーダムの中で静かな戦いを演じる由宇、タイムリミットを前に再び禍神の血を覚醒させ由宇を助けるために立ち上がる闘真。

いくつかの重要な謎の片鱗を語りつつ、終盤に向けて加速中、と言ったところだろうか。

しかし、いろいろと序盤中盤と見せ場はあるものの、やはり最大の見せ場はラストだろうねぇ。
自らを律し続け、あらゆる望みに背を向けてきた由宇が初めて律を超えて望んだ心の叫び。

エピソードやキャラの背景はいろいろあるけれど、ある人物との触れ合いの中で自らの心の真実に気付く、なんてネタは古今東西かなりの頻度で使われたお約束。

……お約束とは言いながら、こういうシーンは大好き(笑)
「幸せになりなさい」みたいな感じであたたかく見守ってあげたくなるねぇ(爆)
……なんか、かなりオッサンな感じ方だよなぁ……。
実際、そうなんだけど……。

とは言え、次巻への引きとしてはかなり強力。
由宇を死へと導くタイムリミットとも相俟って、これをリアルタイムで読んだひとはかなり下巻が待ち遠しかったであろうことは想像に難くない。
……まぁ、私も残りを全部買って、6巻を読んでから寝ようと思って読み始めたばっかりに、結局7巻に手を出さざるを得なくなったわけで、さらにそのせいで寝たのは夜中の4時過ぎてたりしたけど……(爆)

ともあれ、だいぶん盛り上がってきて、勢いも復活。
おもしろくなってきたぞぉ(笑)



――【つれづれナビ!】――
 ◆ 『9S <ナインエス>』のまとめページへ
 ◇ 『ライトノベル一覧表(その1)』へ
 ◆ 『つれづれ総合案内所』へ