さて、1年も前かよ……の第817回は、
タイトル:七姫物語
著者:高野和
出版社:メディアワークス 電撃文庫(H15)
であります。
日曜版(ラノベの日)のネタを探し、図書館にあるかを検索し、予約がなくすぐに借りられるかを確認してヒットしたのがこれですが、ぢつは1年以上も前に相棒が「デビュー作」の魔力に負けて読んでいました(爆)
と言うわけで、またもや図らずもクロスレビューとなってしまった本書ですが……。
「ある大陸の片隅、そこでは七つの主要都市が先王の隠し子と呼ばれる姫君を擁立し、国家統一を目指して割拠した。その中の一人、七宮カセンの姫に選ばれたのは九歳の孤児カラスミだった。彼女を担ぎ出したのは、武人のテン・フオウ将軍とその軍師トエル・タウ。二人とも桁違いの嘘つきで素性も知れないが、「三人で天下を取りにいこう。」と楽しそうに話す二人の側にいられることで、カラスミは幸せだった。しかし、彼女が十二歳になった時、隣の都市ツヅミがカセンへの侵攻を始める……。
第9回電撃ゲーム小説大賞<金賞>受賞作。時代の流れに翻弄されながらも、自らの運命と真摯に向き合うひとりの少女の姿を描いた新感覚ストーリー。」
だそうです。
……うん、間違ってはない……と言うか、電撃文庫の編集ってこういう紹介文、うまいんじゃないかとよく思うよなぁ。
ゼッタイ私が書くよりわかりやすい……(爆)
さておき、まずは初手から。
数十ページで文体に挫折しそうになったよ……。
無駄に多い体言止め。
これには本気で辟易した。
……とは言え、そうした個人的な好みを差っ引いて見れば、カラスミの視点で語られるこの文章は、作品の雰囲気によく合っており、時折見える少女らしい仕草など、カラスミの魅力を伝えるのには十分役立っている。
またこうしたふわふわとした雰囲気を見せる文体は、作品の世界観にも合っており、著者あとがきに「世界観が独特と審査員の方々に評価」とあるように、確かに和風だが和風すぎない独特の世界観を読む者に感じさせる要因となっている。
ただ、こうした世界観、雰囲気が合っているからと言っても、縹渺として浮ついたものでなければ、の話。
あとがきの上記評価のあとの「世界観なんかどうでもよかったというのが本音」との言葉に集約されていると思うが、雰囲気はあるが地に足のついていない世界観では、物語も薄っぺらに見えてしまう。
実際のところ、ストーリーはどうか……と言う話になると、すいません、もうストーリー紹介見なければ思い出せません。
このあとすぐ「狼と香辛料4」を読んだのが最大の原因なんだけど、それでもここまで印象に残らないストーリーも珍しい。
まぁ、ツヅミの襲撃からこっち、カラスミと護衛の少年ヒカゲふたりでうろうろ(だけではないが)しているうちに、なんかテンとかが戻ってきて、あっさりとツヅミなんかを攻略してしまったので、激しく盛り上がりに欠けているのも原因だろうとは思うけど。
雰囲気が感じられる作品ってのは嫌い……じゃなくてむしろ好きなんだが、別の作品を読んだだけであっさりと消えてしまうような雰囲気とストーリーじゃ、いつもながらに雰囲気がどうのと言ってる私でも評価はしづらい。
ラノベ点を考慮しても、ぎりぎり及第には届かないか。
――【つれづれナビ!】――
◆ 『七姫物語』のまとめページへ
◇ 『ライトノベル一覧表(その1)』へ
◆ 『つれづれ総合案内所』へ
タイトル:七姫物語
著者:高野和
出版社:メディアワークス 電撃文庫(H15)
であります。
日曜版(ラノベの日)のネタを探し、図書館にあるかを検索し、予約がなくすぐに借りられるかを確認してヒットしたのがこれですが、ぢつは1年以上も前に相棒が「デビュー作」の魔力に負けて読んでいました(爆)
と言うわけで、またもや図らずもクロスレビューとなってしまった本書ですが……。
「ある大陸の片隅、そこでは七つの主要都市が先王の隠し子と呼ばれる姫君を擁立し、国家統一を目指して割拠した。その中の一人、七宮カセンの姫に選ばれたのは九歳の孤児カラスミだった。彼女を担ぎ出したのは、武人のテン・フオウ将軍とその軍師トエル・タウ。二人とも桁違いの嘘つきで素性も知れないが、「三人で天下を取りにいこう。」と楽しそうに話す二人の側にいられることで、カラスミは幸せだった。しかし、彼女が十二歳になった時、隣の都市ツヅミがカセンへの侵攻を始める……。
第9回電撃ゲーム小説大賞<金賞>受賞作。時代の流れに翻弄されながらも、自らの運命と真摯に向き合うひとりの少女の姿を描いた新感覚ストーリー。」
だそうです。
……うん、間違ってはない……と言うか、電撃文庫の編集ってこういう紹介文、うまいんじゃないかとよく思うよなぁ。
ゼッタイ私が書くよりわかりやすい……(爆)
さておき、まずは初手から。
数十ページで文体に挫折しそうになったよ……。
無駄に多い体言止め。
これには本気で辟易した。
……とは言え、そうした個人的な好みを差っ引いて見れば、カラスミの視点で語られるこの文章は、作品の雰囲気によく合っており、時折見える少女らしい仕草など、カラスミの魅力を伝えるのには十分役立っている。
またこうしたふわふわとした雰囲気を見せる文体は、作品の世界観にも合っており、著者あとがきに「世界観が独特と審査員の方々に評価」とあるように、確かに和風だが和風すぎない独特の世界観を読む者に感じさせる要因となっている。
ただ、こうした世界観、雰囲気が合っているからと言っても、縹渺として浮ついたものでなければ、の話。
あとがきの上記評価のあとの「世界観なんかどうでもよかったというのが本音」との言葉に集約されていると思うが、雰囲気はあるが地に足のついていない世界観では、物語も薄っぺらに見えてしまう。
実際のところ、ストーリーはどうか……と言う話になると、すいません、もうストーリー紹介見なければ思い出せません。
このあとすぐ「狼と香辛料4」を読んだのが最大の原因なんだけど、それでもここまで印象に残らないストーリーも珍しい。
まぁ、ツヅミの襲撃からこっち、カラスミと護衛の少年ヒカゲふたりでうろうろ(だけではないが)しているうちに、なんかテンとかが戻ってきて、あっさりとツヅミなんかを攻略してしまったので、激しく盛り上がりに欠けているのも原因だろうとは思うけど。
雰囲気が感じられる作品ってのは嫌い……じゃなくてむしろ好きなんだが、別の作品を読んだだけであっさりと消えてしまうような雰囲気とストーリーじゃ、いつもながらに雰囲気がどうのと言ってる私でも評価はしづらい。
ラノベ点を考慮しても、ぎりぎり及第には届かないか。
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