思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

英国マテリアルとの出会い

2013-10-14 17:43:47 | 毛針/Flies
出会いは不思議なもの。会った時はそうとは分からないのですが、後から振り返ると何やら定められ、まるで必然であったような出会いというものも、長い年月生きているとあるものです。

Albert Partridge wide gape up eye hookが後1本しかなくなってしまったのが、そもそもの発端でした。
インターネットという便利なものがあるこの世の中。早速、ネットを探しますが、何回チェックしても世界中のどこにも同じような針は見つかりません。Sealey等も探しましたがありませんでした。最も、針の探索はその後Sprite Hookにたどり着きましたが。。。。と、そのSprite Hookも英国からの便りでは、製造者が引退し、そのビジネスを受け継ぐ者がいないので既に生産中止とか。

針が無ければ、古いドライフライを探せば良いと思いつきました。別にたいした毛針でなくとも、針さえ良ければマテリアルをむしり取れば良いのです。Charles RitzのA Fly Fisher's Lifeにも、英国の針が入手出来なく成った戦時中のパリで釣具店の閉店・在庫整理の際、英国の良い針を使った毛針を兎に角探したというエピソードがあったのを思い出したのです。そこで英国の付き合いのあるアンティーク商に古い毛針はないかと問い合わせを入れてみました。

毛針は今手元にないが、気をつけて見てみるとの返事があり、その後暫く忘れていたところ、英国の某所で引退したお医者さんの残した古いマテリアルがあるが興味ないかとそのアンティーク商より連絡がありました。


皮のマテリアルボックスにキチンと整理されて収納されたマテリアルの数々。ハックルケープ、ハックル、ゴッサマーのタイイングシルク、ダビング材、クイル、馬素、えさ釣り用の針等々。古い物は1910年代、新しいものでも1950年代の前半の記載が入ったマテリアルの数々でした。

マテリアルの内容について確認するため、アンティーク商と何回かやり取りをします。アンティーク商は竿、リールの事は良くわかっていてもハックル等マテリアルは良くわかっていないので写真も送ってもらい慎重にチェックします。そしてここまでやったら後は結果がどうであれ受け入れようと思い、注文を入れました。


残念ながら、アップアイのドライフライ針は手に入れる事は叶いませんでしたが、その替わり、もう手に入れる事がほぼ不可能な素晴らしいハックルの数々を手に入れる事が出来たのです。

Partridgeの針探しが、古いOld English Game Cockのハックルにたどり着く。遠くはなれた英国の釣り人の残した宝物が東京の拙宅に今あるこの不思議な縁に感慨を覚えます。
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