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"The best advice I can give a beginner is to chose a cane rod of one of the following types: Parabolic 8 1/2 ft. normal, Ritz Parabolic 8ft.2in., or Ritz Super-Parabolic P.P.P., Master 8ft.3in., or Power Plus P.P.P. according to the amount of money you have to spend. I only give these rods as examples; any other make providing a similar action will be just as suitable."
これはシャルル・リッツのA Fly Fisher's Lifeの58ページでリッツが初心者に奨める竿の幾つか。支払っても良い金額に従ってこういうアクションの竿を選んだら間違いないよ、と言っておるものです。彼が上げる竿の中の二番目、二番目にお手頃な価格なのかも知れませんが、そのParabolic Ritzを私も実は所有しております。
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竿のインスクリプションはこの通り。AFTMで4/5とされております。因みに、私がプラスチックラインの規格を書く時、何時も"AFTM"と記載し、"AFTMA"と書かないことに以前からお気付きの方もいらっしゃると思います。AFTMはAssociation of Fishing Tackle Manufacturersを省略したもの。一方、AFTMAはAmerican Fishing Tackle Manufacturers Association。。。因みに、リッツの本では"AFTM"で解説されております。
さて。。。本稿の表題の「プゾン・エ・ミシェル」にギョッとされた方も多いものと思います。実は、本稿をアップロードした数時間後に天啓の様に閃いたのですが。。。「ぺゾンの竿ではリッツのデザインでない良竿も多いよね、例えばBretonvilliers、ブルトンヴィリエとか。。。あのDubos、店の近所の通りの名前、地名をデュボスは彼のデザインした竿の名前にしてたんですね。。。St. Louisは店の側のセーヌ川の中州サン・ルイ島の名前だし、Sully、シュリーはそのサン・ルイ島にかかる橋の名前だし。。。でも日本ではフランス語の発音通りに誰も読まないなぁ。。。」と思った時、それは起こりました。フランス語の発音で"e"の音は軽く曖昧に"ゥ"と発音されるか、無音になります。Café de Parisの発音は「カフェ・ドゥ・パリ」、パリ弁では「キャフェ・ドゥ・パリ」。"エ"と発音するには、”é:アクサン・テギュ”を付ける(長い発音だとè:アクサン・グラーヴ)。。。そう、その時遂に気付いたのです。"Pezon"の"e"はアクセントの付いていない"e"であることに!!
それこそフランス語を勉強する前からぺゾンと読んできて、全く疑いを挟む余地すらないこの名前の発音に疑問を抱いた瞬間、私のこれまでの世界は崩れ去りました。。。セントルイスではなく、サン・ルイ、ブレトンビリエールではなく、ブルトンヴィリエ、サリーではなく、シュリー、だよなと知ったかぶりをしていた私は本家本元の名前をフランス語の通りに読んでいなかったのです。恐る恐る、Google Traductionを開き、Pezon et Michelとフランス語の欄に記入し、発音を聞くと、そこからは「プゾン・エ・ミシェル」という非情な、機械的な女性の声での発音が出てきたのでした。。。(因みに、ドイツ語を選んで"Gebetsroither"と入力して発音を聞いて頂ければ、私が過去書き散らかしてきたことを理解頂けると思います)
この衝撃から今後どのように立ち直れば良いのか。。。個別モデル名は、オリジナリティを尊重して、その発音をフランス語に準拠して書くつもりですが、この"Pezon"は日本で過去数十年以上呼ばれてきたように、「ペゾン」と記載するつもりであります。。。今の所。
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バットのトリコロール(三色旗)の下には68とあります。何の意味か私には分かりません。
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コルクグリップの上には製造番号と思われるものが書いてあります。724...
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48..
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25..
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9。72448259となります。以前Sawyer Nymphの際、スナフキン様からご教示頂いた情報では7-244-82-5-9と5つの要素に分解し、最初の7と四番目の5が75年、244がモデルコード、82が8'2''を示し、最後の9が多分75年に作られた本機種の9本目となります。
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ラッピングは緑の単色。
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とてもシンプルで、リッツの言うようにコストが余りかかっていないような感じです。
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Pezon et Michelの多くの機種が採用するStaggerd Ferrule。
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ティップ側にも68と謎の文字が記載されております。
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コルクグリップにはプラスチックカバーが未だかけられており、使用された形跡は見られません。
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リールシートはゴムボタンをつけた金属製。
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これはリングがわを回して行くとドンドン伸びて行ってリールシートを取り付けられるようになる仕掛け。
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ゴムボタンは地面に置く際の衝撃を吸収するものですが、取り外しも効きます。
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手持ちのPezon et Michelの他の竿と並べて見ます。下から本竿Parabolic Ritz、次はSt. Louis 8'1''、そしてFario Club 8'5''、一番上はSawyer Nymph 8'10''。St.Louisのグリップが短いことに気付かされます。
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PPPシリーズの二本に比べ、Parabolic Ritzのティップセクションが比較的長い(バットセクションが短い)ことが見て取れます。
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コルクグリップに着く金属製のキャップの色ですが、Parabolic RitzとFario Clubは濃い色、St. LouisとSawyer Nymphは薄めの色。理由は不明です。
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Sawyer Nymphのものは薄い色であることがお分かりになると思います。
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赤いポチ同士を合わせればリングも一直線に竿を繋げます。
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Pezon et MichelがHardyに発注したMarquisリール、Super Parabolicリール76、3インチを着けてみました。
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Parabolic Ritz竿のバット側に着くプロテクターはシンプルにコルクがメスフェルールに入るようになっているもの。PPPシリーズですとそれがコルクではなく金属になっていてコストがかかっているのがみて取れます。
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PPPシリーズのラッピングは緑に赤の線が着くもの。
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一方、Sawyer NymphとParabolic Ritzは単色のラッピング。
この竿は、数年前まだチュニジア在住の時、米国のオークションに参加した際、全然ダメ元でこれくらいの価格までなら良いや、と入札して置いたらその価格以下で落札してしまったもの。米国からは日本の実家に直送してもらい、その後釣りに使うことなく今に至っているものです。振ってみただけの感想なので正確ではありませんが、竿の中央部まで曲がる一方、ロッドティップも曲がると言う、使い方によっては7:3調子でも使え、確かにリッツが言うように万人向けのアクション。Pezon et Michelにとってのスタンダード竿というところでしょうか。ハーディーで言えばゴールドメダルやパーフェクションが、ハーディーにとってのスタンダードなアクションを示しているようなものか?私はPezon et Michelには詳しくありませんので、戯言を申し上げているとすればご容赦下さい。
実釣で試せば良く分かるものと期待しているのですが、残念なことです。
サワダで輸入していたペゾンのリールシートはポケット&リングですが、この金属製のリールシートも良さそうですね。
80年代のサワダのカタログでは、PPPシリーズが2トップで18万3千円だったのに対して1トップのリッツは13万5千円とリーズナブルでした。
それでもリッツの名が冠されていて、所有者の心を満足させてくれます。
パラコナ竿と同様、トップが太目で神経質にならずに気楽に使える楽しい竿ですね。
コメントを頂き大変ありがとうございました。
日本で当時目にしたぺゾン竿はオールコルクでポケット&リングだけだった様に記憶しております。この金属製のものは欧米向けだったのでしょうか。。。しかし、80年代の価格は今と比べても高いものだったのですね。私が90年代中頃、輸入ディーラーがイナガキに代わった後購入したPPPシリーズSt. Louisは2トップで確か12万円代だったような。。。18万円代では決してありませんでした。それでも当時は清水の舞台から飛び降りるところまでは行きませんでしたが覚悟を持った支出でした。当時はハーディーの竹竿もアーニックのハーディーに注文して作ってもらったCC de France 8'くらいで不治のパラコナ病にかかる直前くらい。話が脱線しましたが、このパラボリック・リッツは当時の価格からすれば申し訳ない落札価格で、ぺゾン竿やハーディーのマーベル等米国でも人気があった竿を安く入手するには米国のオークションが穴場だと思っております。またまた脱線しました。パラボリック・リッツのアクションがぺゾンの考えるスタンダードなのかどうかは私には分かりません。ただ、スタンダードアクションの竿はどんな状況であっても釣りの道具として機能する良い竿だと思います。
今は、製造していない、VINTAGE な品を数多く所有されて、うらやましい次第です。
自分の師匠は、竹竿は重いので、#4までで、それ以上の重さのラインだと、1日中キャストするには無理とのことです。
今は、#4のRITZは、なかなか市場に出回りませんね。
自分は、最近Pezon et Michel Super Parabolic PPP Mirage-type Riccardi 6’6 1m98cm 108g38/0oz#4/5 を入手しました。
説明には、RITZの竿と書かれていましたが、梱包を開けてみて、竿のどこにも、RITZの文字はありませんでした。
Mirage Type Riccaldiに関して何かご存知でしたらお教えください。
tokimasoto
コメントを頂き大変ありがとうございました。
お師匠様のお言葉に反論するのは気が進みませんが、今から50年前までは釣り人は8~9フィートある竹竿を普通に一日中使って釣りをしておりました。竹竿でAFTM 4番以上のラインのものが重すぎて使えないというのは、投げ方に問題があるというのが私の結論です。軽いカーボン竿でディスタンスキャスティングをするような無理な投げ方をする、あるいは手首でピッピと竿を振っているというカーボンだからなんとかやれるような投げ方を竹竿でもやろうとするとそれは無理と思いますが、手首ではなくて腕で竿を振り、且つ、無理な姿勢で竿を振らなければ普通の体格の人であれば9'の竹竿でも一日釣りをするのは問題ありません。
PPP MIrageはイタリアの著名な釣り人Mario RiccardiがデザインしたPezon et Michelの竿で、Charles Ritzはそのデザインには係わっておりません。そのため、竿の員スクリプションにRitzの名前が出ていないものと思います。
Ritzでなければダメということはなく、同じPezon et MichelのMichel DubosがデザインしたSt. Louis 8'1''はRitzデザインのFario Clubとは違った愉しさがありますし、純粋に素晴らしいPPPシリーズの竿での釣りを堪能されればと思います。ただ、4番以上の竹竿が重くて釣りにならないという説に対しては、実際に4番以上の竹竿を使い、昔から伝わるスタンダードな投げ方を実践した上で、回答を自ら下されることをお勧めさせて頂きます。