今年入手した古いヘンのブルー・ダンハックルですが、ウェットフライのみならずドライフライにも使えるのではないかと思い、何本か同じ毛鉤を巻いておりました。
水面に浮かぶためのハックルは古い英国のジンジャーコックハックル 。それを巻き止めた間に青色のアクセントをつけるためにブルー・ダンのヘンハックルを巻いていきジンジャーとブルーが混ざる様な色合いにします。光線の科学には疎いのですが、赤色と青色の光がその色を反射するハックルに出会うと全体の輪郭をぼやかせる(?)という様な理論でブルー・レッドのハックルが珍重された等々。ジンジャーは経験上魚へのアピール度が強いハックルですがそこに青色も加えてみれば更にアピールするのではないかとの、自然観察とは一線を画した単純な推測。
このドライフライのボディーにはイエローに染色したピーコッククイル、テイルはスペインのスペードハックル。養沢では山女魚、虹鱒が水底より泳ぎ上がり毛鉤を咥えてくれました。
奥日光は湯川の小滝の下の瀬ではブルックトラウトが、スレた魚の警戒心も余り示さずバッサリと咥えてくれました。
流れが緩いところになると下から浮き上がって毛鉤の直下で見切られるということが繰り返されましたが、ドラグがかかっていたのか1号のハリスが目立ったのか、はたまた何なのか分かりませんものの魚にはアピールした様子でした。途中で他の毛鉤に変えると魚の反応が低下したこともあり、毛鉤の効果ではないかと思っております。
そして、話は脈絡もなく変わりますが、夏の丸沼。ダム側を望んだところ。
湖畔のホテルを望んだところ。
ホテル側の岸から立ち込んで釣る以外に魚が釣れたところを余り見ない夏の丸沼ですが、発電所の放水があったことから、水が動くところには魚影もありとLRH Dry Wet 9'3''に自分でコーティングしたシルクラインの組み合わせでZuluを水の流れに投入し十分沈んだところでゆっくりとリトリーブしたところ、食いついたのがこの虹鱒。下顎が網に隠れて一見変わった顔に見えるのがご愛嬌。帰国してからLRH Dry Wetを曲げてくれる魚に出会わなかったのですが、この鱒は竿を曲げてリールからラインを引っ張り出してくれ、久しぶりに鱒釣りの楽しさを味わえました。
このZuluが虹鱒を捉えたその毛鉤。南アフリカのズールー族が名前のルーツと思います。何故その様な名前になったのかは19世紀末の英・ズールー戦争の影響で黒と赤のこの毛鉤がズールー戦士を連想させたからなのではないでしょうか。英国では非常にポピュラーな毛鉤ですが、我が国では殆ど見聞きしない毛鉤です。オリジナルはタグをレッドウールとしておりますが、それが無いので赤に染めたグースで代用。ハックルは古い英国のアンダルシアコックハックル。水中で目立つ黒色且つ赤色もついて虫の様に見えるとの思惑で巻いておいたものですが、殆ど釣った試しのない私の丸沼釣行でその威力を見せてくれたのでした。
コメントを頂き大変ありがとうございました。
このZuluですが、英国ではButcher、March Brownと共にスタンダード中のスタンダードという風情ですが、その実、私はZuluでもButcherでも日本で釣った試しがこれまで無く、オーストリア等、欧州のブラウントラウトにしか効かないのだろうか?と思っていたものです。
丸沼で釣りをする前、昆虫をイメージさせ、且つ目立つ毛鉤を考え、黒色のZuluで一丁試してみようかと巻いておいたものです。絶望感の溢れる丸沼で魚に見つけてもらえて本当に良かったです。
Blue Zuluとか英国では色々バリエーションもあり実績が伺えますが、何故か日本ではButcher同様ダメなのですよ。私の腕の問題なのかも知れないですが。