先手番大山先生の手を考えます。
第1問
後のことを考えて手堅く受けます。
A 56歩 B 46歩 C 37銀
第2問
そろそろ切り札を出します。
A 96歩 B 86歩 C 44歩
先手番大山先生の手を考えます。
第1問
後のことを考えて手堅く受けます。
A 56歩 B 46歩 C 37銀
第2問
そろそろ切り札を出します。
A 96歩 B 86歩 C 44歩
今日の棋譜2230127
1953年12月、大山康晴先生と王将戦第2局です。
大山先生の先手で矢倉です。
升田先生は54歩も64歩も保留して棒銀
ではなくて早繰り銀でした。大山先生は46角でけん制します。
54歩66歩53銀上67金右44銀。升田先生は左銀も繰り出すのですが、
25歩55歩同歩同銀右
24歩同歩同角23歩68角。手順に角を逃げられては空振りです。もっと早くに(左銀を繰り出す前に)55歩同歩同銀とすべきだったのでしょう。
31角46歩
64角47銀。これでは55銀が前に進めないので
73角と引いてから、互いに玉を移動します。先手玉のほうが堅く、後手に代償がないので、先手の作戦勝ちです。
16歩53銀15歩54銀、升田先生は銀を立て直しますが手損です。
37桂64歩56歩44銀
27飛65歩。なるほど65同歩に84角66銀73桂と攻めるのか
と思ったら65同歩には同銀66歩54銀。2歩持っているという主張ですが、先手ももち歩があります。端に弱点があって、玉の堅さで負けているので、やはり作戦負けです。
18香33銀45歩24銀。端を受けましたが
46銀52飛。この52飛は受けの意味です。85歩と突いた手がぼけるので得ではありません。
29飛22玉59飛
51飛に26歩。大山先生はこんなとこころに歩を打てるのか。桂を跳ねる準備ではあるのですが、切った歩を打つ人はいないのでは。
62角55歩63銀56金。これは26角とかすめられても35歩同歩29飛と返せるので問題なし。中央を厚く構えて抑え込みの体制です。
升田先生は端を攻めるのですが、保留した方が良いです。まあ勝負としてはあるのですが、作戦負けのほうから動かないほうが良いでしょう。
95同歩同香97歩65歩
65同歩84角。攻めの体制を作っていきます。
44歩同歩45歩73桂
44歩52銀66銀。後手玉は堅くなったと言えるかどうか。攻め駒は増えたけれど、9筋と6筋をからめて攻められるかどうか。
64歩同歩65歩
77銀64飛67歩。6筋に位を取りましたが、駒のぶつかりは減っています。
47歩57銀
44飛45歩64飛47飛。右桂を跳ねる形にならないので、攻めは難しいです。
43歩と受けたら96歩。前に指した端の形をとがめられました。
96同香97歩、97同香成は同玉とされます。何かあれば良かったのですが、35歩と突くのは後手の右翼で手が無かったということです。
44歩36歩25桂
44歩96歩35銀。香と歩2の交換は駒損です。
54歩の突き出しは取ると55香があるので43銀
46銀同銀同角。61飛には35香とか53銀とか。
54同飛55香、これで投了しています。64飛52香成63飛42成香同金、金損になるのでしかたないか。
升田先生は急戦矢倉で動いたはずなのですが、戦果がありませんでした。すると作戦負けになるわけです。大山先生が後手ならば、何もしないで待っているところなのでしょうが、升田先生は体力に不安があるから動きたくなる、難しくなっても決め手はない、平凡な対応をされても悪くなる。という流れです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1953/12/10(木) 00:00:00
棋戦:王将戦
戦型:矢倉
手合割:平手
先手:大山康晴
後手:升田幸三
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(78)
6 6二銀(71)
7 2六歩(27)
8 4二銀(31)
9 4八銀(39)
10 5二金(61)
11 7八金(69)
12 3二金(41)
13 6九玉(59)
14 4一玉(51)
15 5八金(49)
16 9四歩(93)
17 9六歩(97)
18 7四歩(73)
19 3六歩(37)
20 8五歩(84)
21 5六歩(57)
22 7三銀(62)
23 7九角(88)
24 6四銀(73)
25 4六角(79)
26 5四歩(53)
27 6六歩(67)
28 5三銀(42)
29 6七金(58)
30 4四銀(53)
31 2五歩(26)
32 5五歩(54)
33 同 歩(56)
34 同 銀(64)
35 2四歩(25)
36 同 歩(23)
37 同 角(46)
38 2三歩打
39 6八角(24)
40 3一角(22)
41 4六歩(47)
42 6四角(31)
43 4七銀(48)
44 7三角(64)
45 7九玉(69)
46 4二金(52)
47 8八玉(79)
48 3一玉(41)
49 1六歩(17)
50 5三銀(44)
51 1五歩(16)
52 5四銀(53)
53 3七桂(29)
54 6四歩(63)
55 5六歩打
56 4四銀(55)
57 2七飛(28)
58 6五歩(64)
59 同 歩(66)
60 同 銀(54)
61 6六歩打
62 5四銀(65)
63 1八香(19)
64 3三銀(44)
65 4五歩(46)
66 2四銀(33)
67 4六銀(47)
68 5二飛(82)
69 2九飛(27)
70 2二玉(31)
71 5九飛(29)
72 5一飛(52)
73 2六歩打
74 6二角(73)
75 5五歩(56)
76 6三銀(54)
77 5六金(67)
78 6一飛(51)
79 4九飛(59)
80 9五歩(94)
81 同 歩(96)
82 同 香(91)
83 9七歩打
84 6五歩打
85 同 歩(66)
86 8四角(62)
87 4四歩(45)
88 同 歩(43)
89 4五歩打
90 7三桂(81)
91 4四歩(45)
92 5二銀(63)
93 6六銀(77)
94 6四歩打
95 同 歩(65)
96 6五歩打
97 7七銀(66)
98 6四飛(61)
99 6七歩打
100 4七歩打
101 5七銀(46)
102 4四飛(64)
103 4五歩打
104 6四飛(44)
105 4七飛(49)
106 4三歩打
107 9六歩(97)
108 同 香(95)
109 9七歩打
110 3五歩(34)
111 4四歩(45)
112 3六歩(35)
113 2五桂(37)
114 4四歩(43)
115 9六歩(97)
116 3五銀(24)
117 5四歩(55)
118 4三銀(52)
119 4六銀(57)
120 同 銀(35)
121 同 角(68)
122 5四飛(64)
123 5五香打
124 投了
まで123手で先手の勝ち
先手番広津先生の手を考えます。
第1問
後手陣に隙があります。
A 83角 B 44角 C 53角
第2問
後手の攻めを催促します。
A 66歩 B 54歩 C 67香
今日の棋譜20230126
1953年12月、広津久雄先生と共同杯です。
広津先生の先手で相掛りです。
互いに引き飛車で
5筋を突き合う旧相掛り。
ここまで先後同型ですが
46銀44歩で攻守が分かれます。升田先生は受けるならば74歩を突く前に44歩とすればよいのに。35歩を突かれたときの受け方が悩ましいのですが、
55歩42銀上35歩43銀。これならば左銀の受けが間に合いました。
34歩同銀24歩
24同歩同飛23金28飛24歩。よくある手順ですが、後手の陣形が崩れました。
54歩同銀58飛、中央に目を向けられて、どう受けましょうか。43銀左55銀53歩か、52飛か。
45歩はいかにも危なさそうな強い受けでした。22角成に同金ではばらばらなので
22同飛としたのですが、54飛46歩や55銀同銀同飛も怖いところでした。本譜はおとなしい37銀だったので、55歩と受けて一安心
とも言えませんね。44角がありました。飛を逃げるわけにはいかないので64角
22角成同金38金44角。升田先生は角使いの名手と言われます。大野先生ならば飛、大山先生ならば金です。さて後手陣に隙が減ったのですが、まだ83飛はありますね。
だから66歩には82歩の我慢かと思ったのですが、56歩の突き出し。
56同飛55銀59飛56歩。銀を使って攻めようというのですが。
83飛は桂取りで、63飛成ねらいでもあるので73桂。
81飛成71金91竜。飛香と角の交換で竜を作られているのですから後手の駒損です。
66銀56飛
55銀59飛65桂。竜取りですが、先に58歩同飛57歩のほうだったか。
92竜58歩同飛56歩。右桂はさばけたのですが、
68銀に57歩成と攻めてもたいしたことはありません。なので75歩としたけれど
67香で催促は困りました。57歩成
57同銀同桂成同飛82角。これで飛桂香歩2と角銀の交換。駒損は広がっていきます。
36桂の角取り、35角の飛取りで返しましたが、構わず82竜と角を取られました。57角成71竜でも勝てないけれど
82同金55飛はよりひどいでしょう。ここまで。
共同杯のシステムがわかりませんが、B級以下の棋士と当たっているので、升田先生は気合が入っていないのかも。思い付きを試している感じがします。広津先生はおかしな手もなく、自然に指して快勝しています。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1953/12/05(土) 00:00:00
棋戦:共同杯
戦型:その他の戦型
手合割:平手
先手:広津久雄
後手:升田幸三
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 8四歩(83)
3 2五歩(26)
4 8五歩(84)
5 7八金(69)
6 3二金(41)
7 2四歩(25)
8 同 歩(23)
9 同 飛(28)
10 2三歩打
11 2八飛(24)
12 3四歩(33)
13 7六歩(77)
14 8六歩(85)
15 同 歩(87)
16 同 飛(82)
17 8七歩打
18 8二飛(86)
19 4八銀(39)
20 6二銀(71)
21 5六歩(57)
22 5四歩(53)
23 5七銀(48)
24 5三銀(62)
25 6九玉(59)
26 4一玉(51)
27 9六歩(97)
28 1四歩(13)
29 1六歩(17)
30 9四歩(93)
31 3六歩(37)
32 7四歩(73)
33 4六銀(57)
34 4四歩(43)
35 5五歩(56)
36 4二銀(31)
37 3五歩(36)
38 4三銀(42)
39 3四歩(35)
40 同 銀(43)
41 2四歩打
42 同 歩(23)
43 同 飛(28)
44 2三金(32)
45 2八飛(24)
46 2四歩打
47 5四歩(55)
48 同 銀(53)
49 5八飛(28)
50 4五歩(44)
51 2二角成(88)
52 同 飛(82)
53 3七銀(46)
54 5五歩打
55 4四角打
56 6四角打
57 2二角成(44)
58 同 金(23)
59 3八金(49)
60 4四角打
61 6六歩(67)
62 5六歩(55)
63 同 飛(58)
64 5五銀(54)
65 5九飛(56)
66 5六歩打
67 8三飛打
68 7三桂(81)
69 8一飛成(83)
70 7一金(61)
71 9一龍(81)
72 6六銀(55)
73 5六飛(59)
74 5五銀(66)
75 5九飛(56)
76 6五桂(73)
77 9二龍(91)
78 5八歩打
79 同 飛(59)
80 5六歩打
81 6八銀(79)
82 7五歩(74)
83 6七香打
84 5七歩成(56)
85 同 銀(68)
86 同 桂成(65)
87 同 飛(58)
88 8二角(64)
89 3六桂打
90 3五角(44)
91 8二龍(92)
92 同 金(71)
93 5五飛(57)
94 投了
まで93手で先手の勝ち
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
大山先生らしい我慢です。
A 15同香 B 14歩 C 12歩
第2問
平凡な寄せなのですが、それで後手有利になっています。
A 69銀 B 58馬 C 66歩
第3問
安全運転で寄せます。
A 68銀成 B 68金 C 67歩
今日の棋譜20230125
1953年12月、大山康晴先生(王将)と王将戦第1局です。
升田先生の先手で矢倉です。
6筋と4筋の歩を突く矢倉、現代(昭和の終わりから)に入ると消えるのですが、この2人が指すのでまだ続きます。
大山先生は袖飛車から7筋の歩を交換します。
升田先生は中央の位
と4筋の位を張って大模様。
3筋の歩を角で交換します。
76歩も打てたし、先手の作戦勝ちになるか。
大山先生は四手角で
矢倉崩しの理想形は作れそうですが、先手の手厚いところを攻めることになりそうです。
升田先生は38飛としたのに18飛、手損しているのはちょっとおかしいかな。
65歩15歩で攻め合いです。形勢は互角でしょう。
15同歩同香、香交換は先手良しですが、12歩の受けに14歩を 打ったというのが甘い感じです。13に何か打ち込めば端が破れるのですが、今はありませんから。
74銀54歩同歩37桂、これで後手から攻めが無いというわけではありません。はやり14歩は保留して、2筋か4筋の継ぎ歩攻めを見たほうが良かったでしょう。それか、後手63銀の形で75歩を突いてしまうか。
93角に75歩。こっちから攻めるのは升田先生らしくはあるのですが。
75同角76金93角75歩、歩切れになります。
75同銀同金同角63銀
71飛62銀不成81飛73銀不成。金歩3と銀桂の交換は駒得とも言えないです。後手玉のほうが堅く、攻め駒は2対2(15香18飛81飛を入れたら4対3ですが)、後手有利と見るところなのでしょう。
76歩同銀66角77歩39角成。馬ができて後手の駒得としてよいでしょう。
72銀不成41飛65銀左、歩を補充して先手駒得と言えるかどうか。
67歩19飛38馬13桂。端を清算してもらえたら先手有利なのですが、
28馬69飛27馬
67飛36馬
21桂成同飛64角55桂、まあこの桂は取るしかなく
55同銀同歩54歩でどうか。
58馬53歩成41金。金と桂桂の交換で馬と金あり、は先手の駒得として、まだ後手玉は堅く、攻め駒は4対3。先手有利なのか。 現実問題としては、67馬同金は許しにくいです。76銀と引きたいけれど、67馬同銀66歩同銀69飛くらいで嫌なのか。寄せ合いの速度で見ると飛馬交換の後では後手の攻めが3手すきくらいで続くのです。後手玉は と金で金をはがすのに2手、それでも詰めろはかからないので4手すき以上でしょう。寄せ合いは後手有利なのですね。
66飛57銀16飛67歩。先手玉は68歩成が詰めろなので2手すきです。後手玉に詰めろ以上で迫れるかどうか。
98玉68歩成88金69馬。早逃げしてみましたが、延命できません。
19飛に78金で詰めろ。
78同金同馬も詰めろ。受けはないです。13金と打ち込んで
13同歩同歩成31玉52と
42金打同角成同銀まで。
升田先生が75歩同角76金・・・と動いていった辺りから、形勢は思わしくないようです。金銀交換で銀を打って桂を取ったけれど、そのあとに打った銀が働きませんでした。それは先手玉が薄いから良くならないということにつながっています。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1953/12/02(水) 00:00:00
棋戦:王将戦
戦型:矢倉
手合割:平手
先手:升田幸三
後手:大山康晴
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 6八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(68)
6 4二銀(31)
7 2六歩(27)
8 6二銀(71)
9 4八銀(39)
10 3二金(41)
11 7八金(69)
12 5二金(61)
13 5八金(49)
14 4一玉(51)
15 6九玉(59)
16 6四歩(63)
17 2五歩(26)
18 3三銀(42)
19 4六歩(47)
20 7四歩(73)
21 4七銀(48)
22 6三銀(62)
23 3六歩(37)
24 7二飛(82)
25 5六歩(57)
26 7五歩(74)
27 同 歩(76)
28 同 飛(72)
29 5五歩(56)
30 7二飛(75)
31 5六銀(47)
32 8五歩(84)
33 4五歩(46)
34 3一角(22)
35 7九角(88)
36 4二角(31)
37 3五歩(36)
38 同 歩(34)
39 同 角(79)
40 3四歩打
41 4六角(35)
42 5一角(42)
43 7六歩打
44 3一玉(41)
45 6六歩(67)
46 4二金(52)
47 7九玉(69)
48 8四角(51)
49 6七金(58)
50 9四歩(93)
51 8八玉(79)
52 7三桂(81)
53 3八飛(28)
54 9五歩(94)
55 1六歩(17)
56 1四歩(13)
57 1七香(19)
58 2二玉(31)
59 1八飛(38)
60 6五歩(64)
61 1五歩(16)
62 同 歩(14)
63 同 香(17)
64 1二歩打
65 1四歩打
66 7四銀(63)
67 5四歩(55)
68 同 歩(53)
69 3七桂(29)
70 9三角(84)
71 7五歩(76)
72 同 角(93)
73 7六金(67)
74 9三角(75)
75 7五歩打
76 同 銀(74)
77 同 金(76)
78 同 角(93)
79 6三銀打
80 7一飛(72)
81 6二銀(63)
82 8一飛(71)
83 7三銀(62)
84 7六歩打
85 同 銀(77)
86 6六角(75)
87 7七歩打
88 3九角成(66)
89 7二銀(73)
90 4一飛(81)
91 6五銀(76)
92 6七歩打
93 1九飛(18)
94 3八馬(39)
95 1三桂打
96 2八馬(38)
97 6九飛(19)
98 2七馬(28)
99 6七飛(69)
100 3六馬(27)
101 2一桂成(13)
102 同 飛(41)
103 6四角(46)
104 5五桂打
105 同 銀(56)
106 同 歩(54)
107 5四歩打
108 5八馬(36)
109 5三歩成(54)
110 4一金(42)
111 6六飛(67)
112 5七銀打
113 1六飛(66)
114 6七歩打
115 9八玉(88)
116 6八歩成(67)
117 8八金(78)
118 6九馬(58)
119 1九飛(16)
120 7八金打
121 同 金(88)
122 同 馬(69)
123 1三金打
124 同 歩(12)
125 同 歩成(14)
126 3一玉(22)
127 5二と(53)
128 4二金打
129 同 角成(64)
130 同 銀(33)
131 投了
まで130手で後手の勝ち
後手番原田先生の手を考えます。
第1問
研究手順が決まります。
A 34角 B 47角成 C 28飛
第2問
好手があります。
A 67金 B 54角 C 83角
今日の棋譜20230124
1953年11月、原田泰夫先生と共同杯です。
升田先生の先手で横歩取り模様でしたが、原田先生の23歩は横歩取らせともいわれます。
34飛88角成同銀(45角は35飛27角成15角41玉36歩~38金がある)25角、ここは36飛と引く手もある(NHK杯で羽生先生が指した)のですが、
32飛成同銀38銀まではよくある定跡手順です。飛と金歩の交換は一応2枚替えだけど先手の駒損です。先手玉のほうが堅く、攻め駒は2対2。でも後手の25角が使いにくいから先手有利だとされます。どこかで35金と打って角を捕獲することもできますし。AIの評価も先手有利です。
33銀に45角は昔の定跡です。角を打たずに68玉が発見され(私が子供のころに読みました)、後に16歩も指されました。さて54歩の受けが難しいのですが、
原田先生は62玉。升田先生は23角成を急がず77銀。23角成は防ぎにくいだろうということですね。14角、34角、22銀、34銀、22飛、24飛、どれも利かされです。
後手の84飛を見て23角成とした。これが失敗です。原田先生の研究にはまりました。
47角成同銀28飛。角を捨てての馬金桂取りですが、38銀23飛成は、お荷物の角がさばけて竜ができるので駒得の後手有利です。ということで升田先生の23角成がまだ早かったのでした。
33馬(これが厳しくない形)78飛成で詰めろ。
69金89竜43馬。飛桂と角銀の交換になりました。先手玉の堅さは評価しにくいです。攻め駒は3対3。とりあえず形勢は互角なのですが、
78金と打たれては駒損になるでしょう。先に78銀と打つチャンスがありませんでした。受けきれないので75角で攻め合いです。
69竜48玉52金打。当然52同馬同金84角だと思ったのですが、35桂から攻められて悪いのでしょう。
ちょっとひねって84角43金22飛
52桂21飛成46歩同銀77金。金と歩3の交換で駒損です。後手玉のほうが堅く、攻め駒は4対3、後手有利。
58銀78竜55桂。銀を守りに打ってから寄せ合いです。63桂成や43桂成が厳しいので、普通の受けは54銀か角なのですが、
原田先生の83角は攻防手です。61金にひもを付けて、47銀ねらい。(74角でも良いですが。)
56歩54金43歩。升田先生の攻めは遅いです。47玉と逃げたいけれど、45銀くらいで悪いから仕方なし。
67金42歩成58金。後手に遊び駒がありませんね。
58同金47歩(47同玉には38銀)49玉56角。これは48歩成からの詰めろです。63桂成同玉61竜74玉でも後手玉が詰まないから
68歩26歩、これは48銀からの詰めろです。
26同竜69竜59歩。こうなっては勝ち目がなく、
48歩成同玉39銀。取れば58竜で必至。
57玉65金まで。
原田先生の研究(だと思います)がはまりました。47角成同銀28飛の筋に気をつけねばならないと認識されたのはこの将棋からとなるのでしょうか。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1953/11/27(金) 00:00:00
棋戦:共同杯
戦型:横歩取り
手合割:平手
先手:升田幸三
後手:原田泰夫
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 8四歩(83)
5 2五歩(26)
6 8五歩(84)
7 7八金(69)
8 3二金(41)
9 2四歩(25)
10 同 歩(23)
11 同 飛(28)
12 2三歩打
13 3四飛(24)
14 8八角成(22)
15 同 銀(79)
16 2五角打
17 3二飛成(34)
18 同 銀(31)
19 3八銀(39)
20 3三銀(32)
21 4五角打
22 6二玉(51)
23 7七銀(88)
24 8四飛(82)
25 2三角成(45)
26 4七角成(25)
27 同 銀(38)
28 2八飛打
29 3三馬(23)
30 7八飛成(28)
31 6九金打
32 8九龍(78)
33 4三馬(33)
34 7八金打
35 7五角打
36 6九龍(89)
37 4八玉(59)
38 5二金打
39 8四角(75)
40 4三金(52)
41 2二飛打
42 5二桂打
43 2一飛成(22)
44 4六歩打
45 同 銀(47)
46 7七金(78)
47 5八銀打
48 7八龍(69)
49 5五桂打
50 8三角打
51 5六歩(57)
52 5四金(43)
53 4三歩打
54 6七金(77)
55 4二歩成(43)
56 5八金(67)
57 同 金(49)
58 4七歩打
59 4九玉(48)
60 5六角(83)
61 6八歩打
62 2六歩打
63 同 龍(21)
64 6九龍(78)
65 5九歩打
66 4八歩成(47)
67 同 玉(49)
68 3九銀打
69 5七玉(48)
70 6五金(54)
71 投了
まで70手で後手の勝ち
後手番升田先生の手を考えます。
第1問
この66角が変な手なので、何か手がありそうです。
A 73桂 B 66同飛 C 56歩
第2問
寄せの手筋です。
A 57同馬 B 59金 C 48金
第3問
まだ大変そうに見えますが、この3手で寄るのです。
A 28角打 B 58竜 C 66竜
今日の棋譜20230123
1953年11月、星田敬三先生と共同杯です。
星田先生は中飛車。まだ振り飛車は珍しい時代です。
62銀55歩同歩同角、これは詰めろなのですが、77角と上がっているので手得にはなりません。48玉~55歩同歩同飛~59飛のほうが働いていたでしょう。
角をぶつけられて66歩と止める。55歩を打つよりも良いのかなあ。この辺りの感覚はよくわかりません。
升田先生は端の位を取って
右銀を繰り出します。
28玉55歩47銀。5筋の歩を交換されて55から受けた形ですから、少し手得している感覚でしょうか。
右金も繰り出して位を守ります。
右桂を使う前に65歩で1歩交換をねらいますが、星田先生は38銀上、振り飛車としては取らないで美濃囲いを完成させる方が自然に見えます。
66歩同金62飛。戦場は6筋です。
68飛は当然、94歩に67金と引くのでは元気がないかな。まだ疑問手というほどではないですが。
74歩に66角というのがわからないです。73桂には84角でけん制しようというのでしょうか。でも飛の前に障害物が多いです。角はすぐに追われそうですし。
56歩同金55銀。すぐにとがめられてしまいました。ただし55銀では55金のほうがわかりやすかったのかも。飛が向かい合っている間に、大きな駒があるほと負担が大きいのですよね。
55同角68飛成
22角成同玉77角、王手竜取りがあって
77同竜同桂88角。角銀交換で済んだのでまだ戦えます。(先に55銀のところで55金とされていたら、56金54金を交換していたということになります。) 先手玉のほうが堅く、攻め駒は2対2(88角を数えなければ)。形勢としては五分と見ても良いのですが、77角成とされるのは嫌ですね。
55歩44金65桂55金
61飛51歩81飛成。駒損は消えました。というか二枚替えで先手の駒得か。
69飛58銀。駒得なので長期戦にしようというのですが、
99飛成に26桂32香はあまり得ではないです。
91竜56金同銀66角成。後手の攻め駒が4枚になっていて(先手の攻め駒も4枚はありますが)、これはピンチなのです。とりあえず57歩のほうが粘れそうに思いますが、
57金で馬を追うつもり、でも59金と打たれました。59同金同竜49金48金としがみつかれると、端の位を取られているので寄り形なのです。困りました。57金を57歩に代えて、59金48金打で粘れたかどうか。
なお後手の59金ではなくて48金のほうが良く出てくる手筋ですが、48同金56馬同金39銀37玉のほうが後手の攻めが難しい図です。
66金58金、取れば39角が王手金取りなので
55角44銀を入れてから58金
39角37玉69竜は2手すき。
48金打55銀同銀。金銀が多いので、まだ粘れそうにも見えますが、
58竜同金57金で詰めろ。28を受けて58金を取られてもだめなので、
34桂同香59金
48角打同金25桂
26玉48角成まで。詰みではないですが、駒を取られるだけです。
まだ振り飛車ブームの前ですが、プロは香落ち上手を経験しているので振り飛車を指せるはず。でも先手の指し方が洗練されていませんね。升田先生の鋭い寄せが目立ちます。76手目59金からしがみつく寄せ方、あまり出てこないので忘れていました。端の位を取っているのが大きいのか。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1953/11/16(月) 00:00:00
棋戦:共同杯
戦型:対中飛車
手合割:平手
先手:星田啓三
後手:升田幸三
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 5八飛(28)
8 6二銀(71)
9 5五歩(56)
10 同 歩(54)
11 同 角(77)
12 4二玉(51)
13 7七角(55)
14 3二玉(42)
15 6八銀(79)
16 3四歩(33)
17 6六歩(67)
18 4二銀(31)
19 6七銀(68)
20 5二金(61)
21 4八玉(59)
22 1四歩(13)
23 3八玉(48)
24 1五歩(14)
25 5六銀(67)
26 5三銀(62)
27 4六歩(47)
28 4四銀(53)
29 2八玉(38)
30 5五歩打
31 4七銀(56)
32 6四歩(63)
33 3六歩(37)
34 6三金(52)
35 7八金(69)
36 5四金(63)
37 6七金(78)
38 6五歩(64)
39 3八銀(39)
40 6六歩(65)
41 同 金(67)
42 6二飛(82)
43 6八飛(58)
44 9四歩(93)
45 6七金(66)
46 7四歩(73)
47 6六角(77)
48 5六歩(55)
49 同 金(67)
50 5五銀(44)
51 同 角(66)
52 6八飛成(62)
53 2二角成(55)
54 同 玉(32)
55 7七角打
56 同 龍(68)
57 同 桂(89)
58 8八角打
59 5五歩打
60 4四金(54)
61 6五桂(77)
62 5五金(44)
63 6一飛打
64 5一歩打
65 8一飛成(61)
66 6九飛打
67 5八銀打
68 9九飛成(69)
69 2六桂打
70 3二香打
71 9一龍(81)
72 5六金(55)
73 同 銀(47)
74 6六角成(88)
75 5七金打
76 5九金打
77 6六金(57)
78 5八金(59)
79 5五角打
80 4四銀打
81 5八金(49)
82 3九角打
83 3七玉(28)
84 6九龍(99)
85 4八金打
86 5五銀(44)
87 同 銀(56)
88 5八龍(69)
89 同 金(48)
90 5七金打
91 3四桂(26)
92 同 香(32)
93 5九金(58)
94 4八角打
95 同 金(59)
96 2五桂打
97 2六玉(37)
98 4八角成(39)
99 投了
まで98手で後手の勝ち