後手番大山先生の手を考えます。
第1問
先手に攻めの形を作られましたが、形勢は悪くありません。
A 75歩 B 55銀右 C 53角
第2問
受けの手はいくつか見えますが、これが一番良いようです。
A 35歩 B 45銀 C 46歩
第3問
この形は寄せがあるのです。手としては限られるのでノーヒントで良いでしょうか。
後手番大山先生の手を考えます。
第1問
先手に攻めの形を作られましたが、形勢は悪くありません。
A 75歩 B 55銀右 C 53角
第2問
受けの手はいくつか見えますが、これが一番良いようです。
A 35歩 B 45銀 C 46歩
第3問
この形は寄せがあるのです。手としては限られるのでノーヒントで良いでしょうか。
今日の棋譜20230130 その2
1954年1月、大山康晴先生と王将戦第4局の千日手指し直し局です。当日ではなくて、第5局の日程で行われたようです。
升田先生の先手で矢倉です。
46歩と54歩の対抗で
升田先生は袖飛車に。
3筋の歩を切って予定通り、ではあるのですが39飛と引きたいところでは。
大山先生は総矢倉から6筋の位を取ります。
36銀34歩
25歩64銀。攻め合いは先手のほうが速そうで、
45歩同歩26角
44銀37桂、先手だけ右桂を使えています。
55銀右45桂64角。こうなると先手が攻めにくそうですね。33歩から攻めるしかないのですが、
その前に79玉86歩同銀31玉。後手玉のほうが堅く、升田先生は飛角銀桂、特に飛銀を使い切れるかどうか。
68金右22玉18香。まだ33歩と攻めないで
46歩39飛。ここで35歩と突かれたら33歩42金寄35銀45銀を攻め切れるのか? 35歩に同角47歩成というのも自信なしでしょう。後手の64角55銀は受けに働いているのです。46歩を打たれる前に攻めないといけなかったでしょう。
大山先生は66歩同歩47歩成を選んだ、ということは47同銀に45銀でも35歩でもなく、66銀67歩28角成のほうをねらっています。
65歩86角
86同歩に46と と引いて、角銀交換でも と金が働いて銀を取れば二枚替えだと。升田先生は33歩しかないでしょう。
清算して24歩の利かし、24同歩ならば23歩~15桂の筋ができます。
大山先生は手抜いて36と。角を成らせて
86飛で十分なのか。まだ先手の飛が攻めに働いていないからという判断です。87歩ならば76飛なのでしょう。46飛~48飛成を受けにくいと。升田先生は77金右と受けたのですが、
88銀同金68銀。ここで投了です。78玉77銀成同金66桂・・・受けきれないですね。
升田先生はまたもカド番に。
47銀型での袖飛車は、矢倉崩しの理想形を作れそうなのですが、相手がしっかり受けの形を作れば難しいです。本局では飛を攻めに使いきれませんでした。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1954/01/23(土) 00:00:00
棋戦:王将戦
戦型:矢倉
手合割:平手
先手:升田幸三
後手:大山康晴
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 6八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(68)
6 3二金(41)
7 4八銀(39)
8 4一玉(51)
9 3六歩(37)
10 6二銀(71)
11 7八金(69)
12 5二金(61)
13 4六歩(47)
14 4二銀(31)
15 4七銀(48)
16 5四歩(53)
17 5八金(49)
18 7四歩(73)
19 2六歩(27)
20 3三銀(42)
21 6九玉(59)
22 6四歩(63)
23 3八飛(28)
24 4四歩(43)
25 3五歩(36)
26 同 歩(34)
27 同 飛(38)
28 4三金(52)
29 3八飛(35)
30 8五歩(84)
31 7九角(88)
32 3一角(22)
33 6八角(79)
34 5三銀(62)
35 5九角(68)
36 6五歩(64)
37 3六銀(47)
38 3四歩打
39 2五歩(26)
40 6四銀(53)
41 4五歩(46)
42 同 歩(44)
43 2六角(59)
44 4四銀(33)
45 3七桂(29)
46 5五銀(64)
47 4五桂(37)
48 6四角(31)
49 7九玉(69)
50 8六歩(85)
51 同 銀(77)
52 3一玉(41)
53 6八金(58)
54 2二玉(31)
55 1八香(19)
56 4六歩打
57 3九飛(38)
58 6六歩(65)
59 同 歩(67)
60 4七歩成(46)
61 6五歩(66)
62 8六角(64)
63 同 歩(87)
64 4六と(47)
65 3三歩打
66 同 桂(21)
67 同 桂成(45)
68 同 銀(44)
69 2四歩(25)
70 3六と(46)
71 7一角成(26)
72 8六飛(82)
73 7七金(68)
74 8八銀打
75 同 金(78)
76 6八銀打
77 投了
まで76手で後手の勝ち
今日の棋譜20230130
1954年1月、大山康晴先生と王将戦第4局です。
大山先生の先手で矢倉です。この2人は同じ戦型が続くことが多いのです。
今回は5筋を突き合って
よく見る形なのですが、大山先生は9筋を受けました。雀刺し対策でしょうか。端歩を突き合う雀刺しの形もあるのですが。現代矢倉だと、棒銀で攻められて損をするというのが常識です。今はしっかり組み合う矢倉が減っているので、また評価が変わっているのでしょう。
升田先生の73桂はまだ雀刺しを見ていたのかもしれません。ならば大山先生の46歩は損な手なのですが。
47銀37桂の形を作りました。
升田先生は雀刺しをあきらめて、64歩を突いてゆっくり。
先後同型になりました。
今でもたまに出てくる先後同型ですが、45歩同歩同桂あるいは45歩同歩35歩44銀36銀、先手が攻めてまあまあというくらいでしょうか。でも大山先生は右銀を引いて攻めてこいと。升田先生のほうから65歩同歩に同桂か75歩と攻めるのもまあまあだと思いますが、
2人とも攻めないで角を移動します。
意味合いは四手角です。
升田先生は75歩同歩同角とすることもできたのですが、銀を引いたのでまたも先後同型に。
49飛66歩同銀53銀。総矢倉の先後同型に近くなりました。それは先手が攻め切れなくて千日手がとりあえずの結論だったわけですが。でも後手が66歩同銀を入れてしまったのが問題で、(1歩渡したので)この形ならば24歩同歩25歩と攻めて先手十分になるはずです。ここから57銀上61飛となっていたら、より理解できるでしょうか。
でも大山先生は攻めません。77銀84角26角61飛66歩。これだと互いに攻めにくくて
81飛17角82飛28角。後手が何か動けば44歩同銀左45桂と反撃できるのですが、
81飛17角82飛28角を繰り返して千日手になりました。
現代だと先手が攻めないならば後手がダメもとで攻めそうな形が何か所かあります。升田先生は先手に攻めさせる予定だったのでしょう。大山先生は攻める気がなくて(最後まで58銀の形でした)千日手に。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1954/01/10(日) 00:00:00
棋戦:王将戦
戦型:矢倉
手合割:平手
先手:大山康晴
後手:升田幸三
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(78)
6 6二銀(71)
7 4八銀(39)
8 3二金(41)
9 7八金(69)
10 4一玉(51)
11 2六歩(27)
12 4二銀(31)
13 5六歩(57)
14 5四歩(53)
15 6九玉(59)
16 5二金(61)
17 5八金(49)
18 9四歩(93)
19 9六歩(97)
20 7四歩(73)
21 3六歩(37)
22 7三桂(81)
23 4六歩(47)
24 3三銀(42)
25 1六歩(17)
26 1四歩(13)
27 4七銀(48)
28 3一角(22)
29 3七桂(29)
30 6四歩(63)
31 6六歩(67)
32 4四歩(43)
33 6七金(58)
34 4三金(52)
35 7九角(88)
36 4二角(31)
37 6八角(79)
38 3一玉(41)
39 7九玉(69)
40 6三銀(62)
41 8八玉(79)
42 2二玉(31)
43 2五歩(26)
44 8五歩(84)
45 5八銀(47)
46 5一角(42)
47 5九角(68)
48 6二角(51)
49 4八角(59)
50 8一飛(82)
51 3九角(48)
52 7一角(62)
53 2九飛(28)
54 9三角(71)
55 1七角(39)
56 6五歩(64)
57 4五歩(46)
58 5二銀(63)
59 4九飛(29)
60 6六歩(65)
61 同 銀(77)
62 5三銀(52)
63 7七銀(66)
64 8四角(93)
65 2六角(17)
66 6一飛(81)
67 6六歩打
68 8一飛(61)
69 1七角(26)
70 8二飛(81)
71 2八角(17)
72 8一飛(82)
73 1七角(28)
74 8二飛(81)
75 2八角(17)
76 8一飛(82)
77 1七角(28)
78 8二飛(81)
79 2八角(17)
80 8一飛(82)
81 千日手
まで80手で千日手