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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
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大山将棋研究(806);四間飛車に75歩急戦(前田祐司)

2018-02-25 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180225
昭和60年5月、前田祐司先生と第8回オールスターです。

大山先生の四間飛車に前田先生は75歩の急戦、ななめ棒銀の含みです。

大山先生は7筋を低く受けて

いつもの袖飛車に。今回は78金を保留しています。

前田先生は銀を出て受けましたが、大山先生は銀を追いかえしてから飛車を7筋へ。この指し方は初めてです。

金銀はバラバラですがうまくまとめられるか。

前田先生は角筋を通して65歩の狙いです。

43金右は前田先生ならずとも指しそうな手ですが、端角でけん制されました。73歩と51角成があります。両方防ぐのは・・・71飛がありました。でも72歩同飛51角成で歩得で馬を作らせるのはどちらが良いか。

前田先生はおとなしく75歩だったので、歩損しないで馬を作れば大山先生が指しやすいです。

馬を作られたというのは駒損の一種ですから、ゆっくりはできません。65歩が唯一の対抗手段です。

この時に大山先生の46銀が生きています。55歩から左銀をかわしつつ使います。

66歩には77飛、こういうのが振り飛車党でないと気付きにくい手で、飛車の横利きを使っています。

銀を渡しても69銀がないという効果もあるのですね。銀取りには歩を突きだします。44同金45銀左というのは手の調子が良いです。43金引44歩というのは後手まずそう。44同角45銀左62角ならあるかも。本譜は取り合いで

大山先生は馬を潜ります。

銀をぶつけられたら金で支えて

ここで前田先生は投了してしまいました。確かに悪いけれどこれくらいならまだ指せそうな気がします。52銀71馬84飛ではつまらないか。56歩を取られたくないから67銀とか68銀とか。
馬を作られたところであきらめてしまったのでしょうかね。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:前田祐司7段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 5四歩(53)
9 4八玉(59)
10 4二玉(51)
11 3八玉(48)
12 3二玉(42)
13 2八玉(38)
14 5二金(61)
15 3八銀(39)
16 1四歩(13)
17 1六歩(17)
18 4二銀(31)
19 6七銀(78)
20 7四歩(73)
21 4六歩(47)
22 8五歩(84)
23 7七角(88)
24 5三銀(42)
25 4七銀(38)
26 7五歩(74)
27 3六歩(37)
28 7六歩(75)
29 同 銀(67)
30 7二飛(82)
31 6七銀(76)
32 4二金(41)
33 3八飛(68)
34 4四銀(53)
35 5六歩(57)
36 6四歩(63)
37 4五歩(46)
38 3三銀(44)
39 7八飛(38)
40 7三銀(62)
41 4六銀(47)
42 7四銀(73)
43 5九角(77)
44 4四歩(43)
45 同 歩(45)
46 同 銀(33)
47 4五歩打
48 5三銀(44)
49 5八金(69)
50 4三金(52)
51 9五角(59)
52 7五歩打
53 5一角成(95)
54 8二飛(72)
55 9五馬(51)
56 6五歩(64)
57 5五歩(56)
58 6四銀(53)
59 5六銀(67)
60 6六歩(65)
61 7七飛(78)
62 5五歩(54)
63 4四歩(45)
64 5六歩(55)
65 4三歩成(44)
66 同 金(42)
67 5一馬(95)
68 5五銀(64)
69 4七金(58)
70 4二銀打
71 6一馬(51)
72 4六銀(55)
73 同 金(47)
74 投了
まで73手で先手の勝ち


20180225今日の一手(その653);実質的な手番

2018-02-25 | 今日の一手

20180225今日の一手

1月6日の名南将棋大会から、HさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
角歩と銀の交換で持ち歩があるので歩を数えませんが、先手の駒損です。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は28飛と持ち駒銀で2枚。
後手の攻め駒は66角45桂と持ち駒角銀で4枚あります。

総合すれば後手有利です。

☆ 大局観として

序盤がわかりませんが、角換わり早繰り銀だったのでしょうか。後手の角は55にあって、駒損の先手が56に銀を打ったら66の歩を取って後手の角に切り込まれたという図です。
後手玉も薄いですが先手玉も薄いです。特に28飛38金という形が守りに働いていないのがつらいです。

とりあえず57桂成あるいは57角成が見えています。どう受けましょうか。駒を取り返すことはできて、駒損は解消しそうなのですが、その時に(実質的に)どちらが手番を握っているのかというのが重要です。


×か△ だめな方から見ておきます。46銀あるいは48銀58銀でも同じことになるのですが、銀を打つと

57桂成同銀84角

桂馬は取り返せたので2枚換えです。67歩と受けると59銀58玉69角同玉57角成

詰めろ銀取りではまずいです。

58歩と受けて66銀

というほうがまだましなのでしょう。銀をもらえば34銀もあります。後手は銀を打たないで力をためておくべきか。ならば大差でもないですね。


× 48金と寄せたいですが39角

で(も39銀でも)はっきり悪いです。


× 67金だと

57桂成同金79角

79同玉57角成68桂66歩78銀67銀

駒得で受けているとはいえ、56銀68桂に働きがないのでつぶされます。

57に駒を足して受けるならば、盤上の駒よりは持ち駒の銀を打つ方が手堅いとは言えます(が形勢は悪いです)。


であれば有力なのは66同銀と45銀の二択です。
○ 実戦は66同銀の方で

66同歩に45銀

駒得になりました。でも86歩同歩同飛87歩67銀

というのがつぶれています。(87銀と受けていてもだめです。)

なので実戦では54桂

の目くらましを打ちましたが逃げられて駄目でした。

45の桂を取る余裕はありません。55角

が攻防の角打ちです。65銀と打たれて73角成56銀

と切り込まれたら、56同歩67銀同金同歩成同玉66歩

裸の玉で王手が続き、どこかで詰めろをかけられて必死になりそう。

65銀に飛車を取りに行くのは負けです。45銀とかわして桂を外しておきます。

67銀59玉78銀成34桂41玉21銀

34桂の反撃に51玉だと73角成とできるというのが心強いです。後手玉は薄いので攻めてしまえば先手有望です。(48玉~36歩~37玉というかわし方ができれば粘れます。)

後手としては65銀では足りなかったので62飛

でしょうか。攻め駒を増やしておきます。ここで21銀とかけて、33金なら45銀

で詰めろなのでまあまあの形勢です。


○ 角を取らないで45銀というのが受けの手で

後手から77角成同桂66歩

というのは先手の手番です。これなら55角で互角以上。

後手は角を逃げるなら84角くらい。67歩33銀36歩

歩切れなので角歩と銀桂の交換は得ではないのですが、35歩~34歩や37桂~25桂を見て先手のほうが攻めやすそうです。


☆ まとめ

駒損を解消できるチャンスではありましたが、角桂の両方を取るのは先手玉が危ないです。

無難なのは小さなつづらで、桂馬を取って二枚換えだと主張します。角と銀桂の二枚換えは同等と言われますが、長い戦いならば二枚もっている方が有利になりやすいです。
戦力としては角角VS銀銀桂桂です。銀銀桂桂4枚を働かせるには手数が必要で、長い戦いのほうが良いわけです。大駒のほうが性能が良いので、短期決戦ならば角角のほうが使いやすいでしょう。

66同銀は後手の歩が進むので悪手に見えたのですが、その角を55に打つのが好手でした。


最初に実質的な手番はどちらか、と書きましたが
66銀同歩45銀では後手に攻める手番が渡ります。だからかなり怖くて、つぶされてしまいます。

66銀同歩55角なら、後手が受けていると先手に攻める手番がまわり、後手のほうが悪くなります。だから後手は受けずに65銀とか62飛とか攻めの手を探して寄せ合いです。

単に45銀なら角取りが残ります。後手が手番が欲しくても、77角成同桂66歩では先手が受ける手を指せます。(66銀同歩45銀と比べてみてください。)
45銀に84角と引きあげれば、67歩と傷を消すことができて、戦いは一段落するのです。


大山将棋問題集 20180224

2018-02-24 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


18に銀を引いた構想の継続手は?
A 19玉 B 48金引 C 37角

第2問


これで実現しました。
A 27飛 B 37金左 C 44銀

第3問


地味な手ですが感心します。
A 46歩 B 68角 C 37金左

第4問


ここまでが構想です。
A 62銀 B 52銀 C 25歩


最後は後手番谷川先生の寄せです。
第5問


きれいに寄せましょう。
A 27同金 B 58飛成 C 47銀

大山将棋研究(805);四間飛車に端攻め持久戦

2018-02-24 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180224
昭和60年4月、谷川浩司先生と第46期棋聖戦です。

大山先生の四間飛車に谷川先生は玉頭位取りを目指したのだと思いますが、位取りを拒否されました。ならば引き角にするのかというところですが

左銀を出て

端攻めです。無理な感じはしますが

銀香交換でも玉の堅さに違いがあります(1筋に嫌味がある)から形勢は互角なのでしょう。

でも持久戦になると駒損はひびいてくるわけで、作戦負けのはず。こういうところが序盤が下手だと言われるところでしょう。

大山先生は8段目に金銀を引きました。27飛の構想ですね。25歩同歩同飛24歩85飛まで実現できれば有利です。

谷川先生は動かねばなりません。

それでも27飛を実現して、大山先生の構想通り。

角を使われたらぶつけてさばきます。

角交換の後に33金寄とするのは谷川先生辛抱の手ですが

25歩にはどうしたものか。

とりあえずの(だと思いますが)57歩成に、大山先生は手抜いて攻めてしまいます。

金は逃げられず

寄り筋に見えるのですが、大山先生の44角成は指し過ぎだったようです。47と を取っておく方が良かった。

当然ですが飛車を取る前に金を剥がされて

端に逃げた形に寄せが見えません。大山先生は飛車を取られるのは24銀を24歩だと勘違いしたものか。

谷川先生の寄せは速いです。飛車打から金を置いて

銀を捨て

合駒は詰んでいるようです。39玉には27金で必至。

作戦勝ちから大山先生の着地失敗。手術の後はかなり好調なので体力の心配はないと思いますが、終盤のうっかりです。この将棋については勝ちを急ぎすぎました。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:谷川浩司名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八銀(39)
12 1四歩(13)
13 1六歩(17)
14 5四歩(53)
15 3九玉(48)
16 4二銀(31)
17 6七銀(78)
18 3三銀(42)
19 3六歩(37)
20 5三銀(62)
21 4六歩(47)
22 5二金(61)
23 5八金(69)
24 8五歩(84)
25 7七角(88)
26 2四銀(33)
27 2八玉(39)
28 1五歩(14)
29 同 歩(16)
30 同 銀(24)
31 同 香(19)
32 同 香(11)
33 2六歩(27)
34 1一香打
35 1七歩打
36 2四歩(23)
37 2七銀(38)
38 4四歩(43)
39 3八金(49)
40 4三金(52)
41 5六歩(57)
42 3三角(22)
43 4七金(58)
44 4二金(41)
45 9六歩(97)
46 9四歩(93)
47 6九飛(68)
48 7四歩(73)
49 5九角(77)
50 6四歩(63)
51 5八銀(67)
52 6二飛(82)
53 9七香(99)
54 9二香(91)
55 6七飛(69)
56 2二玉(32)
57 1八銀(27)
58 3二金(42)
59 4八金(47)
60 4五歩(44)
61 同 歩(46)
62 5五歩(54)
63 4七銀(58)
64 5六歩(55)
65 同 銀(47)
66 5四銀(53)
67 2七飛(67)
68 5五歩打
69 4七銀(56)
70 4五銀(54)
71 3七金(48)
72 5六歩(55)
73 5八歩打
74 6六角(33)
75 7七角(59)
76 同 角成(66)
77 同 桂(89)
78 3三金(43)
79 4六歩打
80 5四銀(45)
81 5三角打
82 6一飛(62)
83 2五歩(26)
84 5七歩成(56)
85 2四歩(25)
86 4七と(57)
87 2三銀打
88 同 金(32)
89 同 歩成(24)
90 同 金(33)
91 2四歩打
92 同 金(23)
93 同 飛(27)
94 2三歩打
95 4四角成(53)
96 3三銀打
97 5四馬(44)
98 3七と(47)
99 同 金(38)
100 2四銀(33)
101 3二金打
102 1三玉(22)
103 2一金(32)
104 5九飛打
105 3八金(37)
106 2六金打
107 2七金打
108 4七銀打
109 同 金(38)
110 3九角打
111 3八玉(28)
112 5八飛成(59)
113 投了
まで112手で後手の勝ち

大山将棋問題集 20180223

2018-02-23 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


7筋の受け方は?
A 22角成 B 75歩 C 64歩

第2問


天守閣美濃の急所を攻めましょう。
A 35歩 B 37桂 C 77桂

第3問


3筋を攻めます。
A 34歩 B 37香 C 26桂

第4問


36桂は怖いけれど攻めるしかないです。
A 33歩 B 47桂 C 79飛

第5問


詰めろです。どう受けますか?
A 59桂 B 18歩 C 25桂

大山将棋研究(804);四間飛車に右四間飛車(森雞二)

2018-02-23 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180223
昭和60年4月、森雞二先生と第6回日本シリーズです。

大山先生の先手四間飛車で、森先生は腰掛銀にして右四間飛車を目指します。

75歩~78飛は嫌なので85歩を突きます。

大山先生の78金はよく見る手ですね。

85歩は突いてありますが、森先生の右四間飛車+天守閣美濃です。腰掛銀と天守閣美濃というのは良い組み合わせです。

右四間飛車ではよく見る7筋の歩交換で戦闘開始です。

角を交換せずに歩を取り返し

大山先生は75歩(取れば王手飛車がある)から6筋の歩を取り込みます。

66歩に同飛というのも手筋。

飛角交換から35歩が急所です。(この時に後手53銀よりも54銀の形のほうが少し受けに役立っているのです。)

飛車を打ち込まれても23玉を狙う角打ちが好点です。

森先生は2枚の角を狙って反撃します。

角は頭が丸いので

中央にあった2枚の角を解消できました。

大山先生は36桂を防ぎつつ、3筋を攻めていきます。

桂馬に逃げられてもしつこく攻めます。

控えの桂を打って

後手玉を追いつつ端を攻めます。

後手玉も案外耐久力があって、まあまあというところでしたが、森先生の66角が悪手でしょう。攻防に見えるのですが

手順に78金を逃げられて大損です。こんなことなら怖くても78金を取ってしまうほうが良かったはず。

失敗して駒損ながら粘るというのも森先生の持ち味です。

どうにか攻めも落ち着きました。が、角銀と桂歩歩の交換では大きな駒損です。

47香から16桂と攻めましたが

大山先生に脱出路をあけられては(数はあるので切れないのですが)戦力不足(というかかなり遅い)です。

先手玉が安全なので大山先生に手がまわれば速く

飛車も切って

受けなしです。

森先生の将棋は、形勢が少し悪くなっても粘れるという精神力にあります。それで終盤の逆転劇も起こるのですが、駒損が大きすぎました。早指しということもあり、3筋の攻撃に専念した大山先生の方針が良かったということでしょう。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:森雞二9段
後手省略名:森
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八銀(39)
12 6四歩(63)
13 3九玉(48)
14 6三銀(62)
15 6七銀(78)
16 5四銀(63)
17 7五歩(76)
18 8五歩(84)
19 7七角(88)
20 5二金(61)
21 2八玉(39)
22 1四歩(13)
23 1六歩(17)
24 2四歩(23)
25 7八金(69)
26 2三玉(32)
27 5六銀(67)
28 6二飛(82)
29 4六歩(47)
30 3二銀(31)
31 3六歩(37)
32 7四歩(73)
33 同 歩(75)
34 7二飛(62)
35 6五歩(66)
36 7四飛(72)
37 7五歩打
38 8四飛(74)
39 6四歩(65)
40 6六歩打
41 同 飛(68)
42 同 角(22)
43 同 角(77)
44 3三桂(21)
45 3五歩(36)
46 6九飛打
47 6七角打
48 6四飛(84)
49 6五歩打
50 同 銀(54)
51 5五角(66)
52 5六銀(65)
53 同 角(67)
54 5四飛(64)
55 9一角成(55)
56 5六飛(54)
57 同 歩(57)
58 8九飛成(69)
59 8一馬(91)
60 6三歩打
61 3七香打
62 2五桂(33)
63 4五銀打
64 3七桂成(25)
65 同 桂(29)
66 3五歩(34)
67 4七桂打
68 1二玉(23)
69 3四桂打
70 3三銀打
71 1五歩(16)
72 2一玉(12)
73 3五桂(47)
74 6六角打
75 6七金(78)
76 3四銀(33)
77 同 銀(45)
78 4四角(66)
79 3六歩打
80 1五歩(14)
81 1二歩打
82 同 香(11)
83 2三桂成(35)
84 同 銀(32)
85 同 銀成(34)
86 3一桂打
87 3三銀打
88 同 角(44)
89 同 成銀(23)
90 1一銀打
91 9二飛打
92 3二歩打
93 3四成銀(33)
94 4七香打
95 5八金(49)
96 1六桂打
97 同 香(19)
98 同 歩(15)
99 2五桂(37)
100 同 歩(24)
101 2四桂打
102 2二銀(11)
103 3七玉(28)
104 1七歩成(16)
105 6一角打
106 5一香打
107 1二桂成(24)
108 同 玉(21)
109 2四銀打
110 4二桂打
111 5二飛成(92)
112 同 香(51)
113 2三香打
114 同 桂(31)
115 同 成銀(34)
116 同 銀(22)
117 1三金打
118 2一玉(12)
119 2三銀成(24)
120 投了
まで119手で先手の勝ち



20180223今日の一手(その652);相手の大駒をさばかせない

2018-02-23 | 今日の一手

20180223今日の一手

1月6日の名南将棋大会から、HさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

先手の3歩得です。後手に持ち歩がないので先手の駒得です。
玉の堅さは同程度。ただし左が壁なのが気になります。後手のほうが少し堅いと見るべきか。
先手の攻め駒は34銀1枚。38飛は使えそうですが。
後手の攻め駒は51飛13角で2枚。さらに33桂43銀も使えそうです。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として

先手の歩得で指しやすそうでしたが、銀をぶつけられて嫌な感じです。駒得していた分だけ手が遅いですし、34まで進出した銀を3段目か4段目で交換するのでしょうから手損です。
放置すると34銀同歩57角成ですね。それを受けないといけません。どれが良い手でしょうか。

大きく分けると34銀を後手から取らせるか、自分から銀か桂を取るか、という2つの方針があります。



× 実戦は24歩同角と突き捨てて(24歩に手抜くのもあり得る)68金と守りました。

後手に歩を渡して駒得は消えています。34銀同歩45桂

これで後手の攻め駒は4枚です。実戦では35銀37歩

でぼろぼろになりました。駒損が避けられなくて受けているだけではどうしようもありません。

37銀ではなく46歩と妥協して57桂成同金55歩

こちらのほうがましではありますが、55同歩に56歩も痛いです。


× 単に68金だと

先ほどと同じ順で(34銀同歩45桂46歩57桂成同金55歩同歩同飛)

1歩余計に渡していないので56歩と叩かれることがなくても、56歩に25飛でさばかれた形です。


△ 角には角というか壁を解消したというか、79角は良さそうに見える手で

34銀同歩45桂に47金

79角成同金37歩同桂同桂成同飛

というのは33歩成があるからまあまあの図です。

後手は角を交換した後で37歩ではなく46歩かもしれません。

46同金57桂成33歩成67成桂

取れば王手飛車です。88玉57角55金

は形勢互角。後手が強襲して、37歩同飛79角成同玉78銀同銀68金

は実戦的には後手が勝ちそうかもしれませんが、まだわかりません。


○ 角筋から金を逃げる47金

は薄いようでも本筋です。34銀同歩45桂に46歩

先にかわしているので歩を打てます。(79角を選択することもできますが。)37歩同桂同桂成同飛35桂57金48銀

ずいぶん攻められていますが、17飛57銀成同飛47金59飛46金76歩

後手は歩切れなので攻めは遅いのです。76歩と指せれば先手も悪くありません。


△ 66金は違和感がありますが

34銀同歩45桂に33歩成

右金を狙われない形なので、攻めに転じることができます。37歩同桂47銀39飛57桂成32と56銀成

金得ですがずいぶん攻められています。76銀か56同金か79角と受けて余せるかどうか。


○ 金にひもを付けるとか逃げるとかを先に書きましたが、43同銀成(あるいは不成)というのは自然な応手です。

43同金なら46銀と打っておきます。後手は成銀を取る前に45桂と跳ねて46金なら43金45金56飛

57飛成と26飛の両方を受けるのは難しそうです。44歩(53金46銀を狙う)に54金くらいか。

45桂には47金で

43金46歩のほうがしっかりしています。

これは先に47金と逃げていた形と少し違う(32金34歩の形だった)のです。55歩同歩44金45歩同金

桂得になりますが、飛角金銀で攻められています。駒得で受けているのですからまあまあの展開で、46歩が普通ですが76歩や79角や46銀というのもありそう。受けに自信があれば悪くない図です。


○ 33銀成(あるいは不成)もあって

33同金68金32金76歩

銀と桂歩3枚の交換です。これでも先手の駒得で、歩を渡さないので受けやすいかも。だんだん良く見えてきました。



☆ まとめ

後手から34銀を取らせるかどうかという選択がありました。
取らせれば歩が進んで33歩成の攻め味がありますが、13角の利きが通ってしまいます。つまり反撃を考えているのです。
43銀成あるいは33銀成(不成でも同じ)だと35歩の形です。後手は角筋が通っていないので少し攻めが遅れます。このほうが(受けだけ考えれば)受けやすいはずです。

後手から銀を取らせるのならば45桂が見えていますから57金をかわしておくのが本筋です。47金が普通で、66金はさらに攻め合いを意識していました。
金にひもを付けるというか57の地点を強化するならば、68金よりは79角がぴったりした手でしょう。「角には角で対抗」しておけば互角で推移する可能性が高くなります。

13角を封じたままで受けるのならば、43同銀成が素直な手で、45桂を利かされるのがしゃくではありますが、その桂を取れるのでまあまあ指せました。
43同銀成の他に33銀成がありました。先に損をするようですが、45歩を守る唯一の手だったというわけです。後手を歩切れのままにしておけばどこかで桂を打って銀か金を剥がせる展開が望めます。

後手の攻め駒が4枚に近く、受けにくそうな形ではありましたが、飛角を歩で止めているというのが受けやすいわけで、その歩を取られないようにあるいはずらされないようにしておけば、十分に受けがあるのでした。


大山将棋問題集 20180222

2018-02-22 | 大山将棋研究
後手番大山先生の手を考えます。

第1問


損の少ない受け方は?
A 62飛 B 84歩 C 65歩

第2問


こう指すのが大山先生の好みです。
A 42角 B 55歩 C 35歩

第3問


4筋の受け方は?
A 55銀 B 33桂 C 46歩

第4問


自然な攻め方は?
A 27竜 B 57歩成 C 65桂

第5問


どれもよい手ですが、大山先生らしさを感じます。
A 66歩 B 75歩 C 76銀

大山将棋研究(803);四間飛車に居飛車穴熊(田丸昇)

2018-02-22 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180222
昭和60年4月、田丸昇先生と第8回オールスターです。

大山先生の四間飛車に田丸先生は居飛車穴熊を選びました。

65桂をみせられて、66歩が普通ですが

田丸先生は攻めの棋風です。角をかわして7筋を攻めます。

銀を繰り出しましたが角を追われたらここまで。

角の動きで1手損したのですが組みあがれば影響はなさそうです。

角を引いて45歩に46歩で開戦です。

居飛穴としては右桂を使えればまずまず。

大山先生は64角でけん制しようとします。

それを避けて24歩同歩を入れておけば、64角に24飛とできるので問題なし。逆に催促して

51角と引かせて中央での戦いです。

互いに飛車をまわり

田丸先生が22歩同飛を利かせ45桂と跳ねれば

大山先生も46歩から銀を出ます。

このやり取りで桂馬が死んでは田丸先生の失敗です。

桂損でも手をつくれるかどうか。飛車を逃げる余裕はなく

42歩成や23歩を利かせて飛車を切り違え

24角。大山先生は桂得だったのに33に合駒では有利とはいえないです。47飛成から と金攻めで勝ち、まで読むのが面倒だったか、受けに回ります。

田丸先生は と金を作って盛り返しました。

でも両取りみたいな飛車打ちがあってはまだ悪いです。

大山先生は角を取らずに穴熊攻略へ向かいます。

互いに金を剥がして互角の寄せ合いのようですが

大山先生はもう一度 と金を作って攻めることができました。

穴熊が大分薄くなったのですが、2手かかっても7筋の歩を突きだして攻めるものなんですね。

田丸先生は77桂を取られる前に攻め続けたいところです。でも金駒を使い切って81金では寄っていない。(73桂成同玉というのも大山先生の待ち受けているところなのですが。)

銀も取れましたが

後手玉に寄りがないのでここまで。

田丸先生はかなりの攻め将棋ですが、居飛穴だと攻め駒が足りなくなることが多いでしょう。細い攻めをつなげるタイプではない(玉が薄くても攻撃力を重視するタイプ)ですから、急戦のほうが向いているように思います。大山先生相手だと急戦も難しいのですけれど。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:田丸昇7段
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二銀(71)
13 5七銀(48)
14 7一玉(62)
15 7七角(88)
16 5二金(41)
17 8八玉(78)
18 4三銀(32)
19 9八香(99)
20 6四歩(63)
21 9九玉(88)
22 7四歩(73)
23 8八銀(79)
24 7三桂(81)
25 8六角(77)
26 6三金(52)
27 7五歩(76)
28 同 歩(74)
29 6六銀(57)
30 8四歩(83)
31 2五歩(26)
32 3三角(22)
33 7五銀(66)
34 8五歩(84)
35 6八角(86)
36 7四歩打
37 6六銀(75)
38 2二飛(42)
39 7九金(69)
40 8二玉(71)
41 5九金(49)
42 8三銀(72)
43 6九金(59)
44 7二金(61)
45 3六歩(37)
46 9四歩(93)
47 7八金(69)
48 5四歩(53)
49 1六歩(17)
50 9五歩(94)
51 4六角(68)
52 1四歩(13)
53 3七角(46)
54 4五歩(44)
55 4六歩(47)
56 同 歩(45)
57 同 角(37)
58 4四銀(43)
59 3七桂(29)
60 4五歩打
61 6八角(46)
62 6五歩(64)
63 7七銀(66)
64 4二角(33)
65 2四歩(25)
66 同 歩(23)
67 4三歩打
68 5一角(42)
69 6六歩(67)
70 5五歩(54)
71 同 歩(56)
72 5六歩打
73 4八飛(28)
74 5二飛(22)
75 2二歩打
76 同 飛(52)
77 4五桂(37)
78 4六歩打
79 同 飛(48)
80 5五銀(44)
81 4九飛(46)
82 4四歩打
83 5三歩打
84 4五歩(44)
85 同 飛(49)
86 5四金(63)
87 4二歩成(43)
88 同 角(51)
89 2三歩打
90 1二飛(22)
91 4二飛成(45)
92 同 飛(12)
93 2四角(68)
94 3三桂打
95 4三歩打
96 6二飛(42)
97 5一角打
98 6三飛(62)
99 5二歩成(53)
100 6六歩(65)
101 6四歩打
102 同 飛(63)
103 4二角成(51)
104 2七飛打
105 6四馬(42)
106 同 金(54)
107 6一飛打
108 6七歩成(66)
109 同 金(78)
110 同 飛成(27)
111 6二と(52)
112 同 金(72)
113 同 飛成(61)
114 7二金打
115 6一龍(62)
116 5七歩成(56)
117 6八歩打
118 5六龍(67)
119 2一龍(61)
120 6七歩打
121 同 歩(68)
122 同 と(57)
123 3三角成(24)
124 7七と(67)
125 同 桂(89)
126 4六角打
127 8九金(79)
128 7五歩(74)
129 6五桂打
130 7六歩(75)
131 8一金打
132 9三玉(82)
133 7三桂成(65)
134 7七歩成(76)
135 8三成桂(73)
136 同 金(72)
137 7七銀(88)
138 7六歩打
139 投了
まで138手で後手の勝ち



大山将棋問題集 20180221

2018-02-21 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


45歩がくる前に。
A 55歩 B 25歩 C 27銀

第2問


大山先生ならこう指しそうです。
A 85飛 B 55同歩 C 76飛

第3問


難しいところですが、大山先生はこれで有利とみたのです。
A 68角 B 72歩 C 15歩

第4問


後手玉を横から攻めようとは考えませんでした。
A 17同香 B 82歩 C 85飛

第5問


飛車を手持ちにしたので攻めの筋が広がりました。
A 13歩成 B 82飛 C 24歩

第6問


これで勝ちを決めました。
A 36歩 B 54歩 C 58香