昭和60年5月、前田祐司先生と第8回オールスターです。

大山先生の四間飛車に前田先生は75歩の急戦、ななめ棒銀の含みです。

大山先生は7筋を低く受けて

いつもの袖飛車に。今回は78金を保留しています。

前田先生は銀を出て受けましたが、大山先生は銀を追いかえしてから飛車を7筋へ。この指し方は初めてです。

金銀はバラバラですがうまくまとめられるか。

前田先生は角筋を通して65歩の狙いです。

43金右は前田先生ならずとも指しそうな手ですが、端角でけん制されました。73歩と51角成があります。両方防ぐのは・・・71飛がありました。でも72歩同飛51角成で歩得で馬を作らせるのはどちらが良いか。

前田先生はおとなしく75歩だったので、歩損しないで馬を作れば大山先生が指しやすいです。

馬を作られたというのは駒損の一種ですから、ゆっくりはできません。65歩が唯一の対抗手段です。

この時に大山先生の46銀が生きています。55歩から左銀をかわしつつ使います。

66歩には77飛、こういうのが振り飛車党でないと気付きにくい手で、飛車の横利きを使っています。

銀を渡しても69銀がないという効果もあるのですね。銀取りには歩を突きだします。44同金45銀左というのは手の調子が良いです。43金引44歩というのは後手まずそう。44同角45銀左62角ならあるかも。本譜は取り合いで

大山先生は馬を潜ります。

銀をぶつけられたら金で支えて

ここで前田先生は投了してしまいました。確かに悪いけれどこれくらいならまだ指せそうな気がします。52銀71馬84飛ではつまらないか。56歩を取られたくないから67銀とか68銀とか。
馬を作られたところであきらめてしまったのでしょうかね。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山十五世名人
後手:前田祐司7段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 5四歩(53)
9 4八玉(59)
10 4二玉(51)
11 3八玉(48)
12 3二玉(42)
13 2八玉(38)
14 5二金(61)
15 3八銀(39)
16 1四歩(13)
17 1六歩(17)
18 4二銀(31)
19 6七銀(78)
20 7四歩(73)
21 4六歩(47)
22 8五歩(84)
23 7七角(88)
24 5三銀(42)
25 4七銀(38)
26 7五歩(74)
27 3六歩(37)
28 7六歩(75)
29 同 銀(67)
30 7二飛(82)
31 6七銀(76)
32 4二金(41)
33 3八飛(68)
34 4四銀(53)
35 5六歩(57)
36 6四歩(63)
37 4五歩(46)
38 3三銀(44)
39 7八飛(38)
40 7三銀(62)
41 4六銀(47)
42 7四銀(73)
43 5九角(77)
44 4四歩(43)
45 同 歩(45)
46 同 銀(33)
47 4五歩打
48 5三銀(44)
49 5八金(69)
50 4三金(52)
51 9五角(59)
52 7五歩打
53 5一角成(95)
54 8二飛(72)
55 9五馬(51)
56 6五歩(64)
57 5五歩(56)
58 6四銀(53)
59 5六銀(67)
60 6六歩(65)
61 7七飛(78)
62 5五歩(54)
63 4四歩(45)
64 5六歩(55)
65 4三歩成(44)
66 同 金(42)
67 5一馬(95)
68 5五銀(64)
69 4七金(58)
70 4二銀打
71 6一馬(51)
72 4六銀(55)
73 同 金(47)
74 投了
まで73手で先手の勝ち