名南将棋大会ブログ 名古屋

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20190109今日の一手(その812);先に受けるほうが手堅い

2019-01-09 | 今日の一手

20190109今日の一手

9月30日の名南将棋大会から、SさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは(相手の駒を考えないで)先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は21竜と持ち駒銀桂で3枚。
後手の攻め駒は38竜49角で2枚。

総合すれば先手有利です。

☆ 大局観として
何手で詰めろか数えてみると、後手玉は53桂~61桂成~62成桂までは必要で現状は4手すき。
先手玉は58角成~で詰めろの2手すきです。
寄せ合いとみれば後手のほうが速いので有利ですから、先手はどこかで受けなければならないです。後手の49角が厳しい手だということはわかるでしょう。ただし後手の攻め駒は2枚しかないので、受けることは難しくないです。


× 攻める手を考えてみると、63銀は

63同銀61竜72銀打とかもよくわからないですが、58角成とされたら同金同竜67角

と詰めろを受けるしかないでしょう。68竜同玉57金77玉67金86玉31金打

詰めろは続かなくなるのですが、竜取りで金を打たれると、銀の質駒があるので後手の攻め駒が減りません。


× 63桂のほうが厳しそうですが

58角成同金同竜67銀打

銀で済むというのも利点です。68竜同玉57金77玉67金同玉57歩成77玉31金打ち

やはり竜取りに金を受けられて、63桂を取られるかもしれません。


△ 53桂ならば

先ほどの変化と同じように進んで

31金打にも61桂成が利きます。85銀の詰めろには79角

と受ければ大丈夫でしょう。(寄せ合いの勝負手と見れば成功です。)

ということで53桂には71金

を利かすことができます。これが有効な利かしになる変化があるかもしれません。


△ 32竜として金を取るのが自然な攻め方ですが

後手玉への寄せの速度には関係していなさそうです。反面では31金打を避けています。
58角成同金同竜67銀打

68竜同玉57金77玉85銀79角の時に68銀

後手玉が安全そうなので銀を打って攻められるかもしれません。68同角67金88玉68と98玉78と41飛

でも先手玉は詰めろではなく、後手玉は銀をもらったので41飛が詰めろになっています。

ということで寄せ合いでは先手が勝ちそうですが、竜を切らずに49竜

とか逃げられるとまだまだ形勢不明です。


△ 実戦では47銀と打ちました。

竜取りになる「強い受け」です。28竜32竜37銀成

でも後手は遊んでいた26銀を攻め駒として使うことができました。これで受ける手段がほぼなくなったのですが、63金47成銀に72金同金63銀・・・と金銀の打ち替えですが千日手になったはず。それでは不満だと75桂を打ったら58成銀

75桂は2手すきのままの手(72金同銀63桂成が受けにくくはなった)で、58成銀が詰めろ。寄せ合い負けにしてしまいました。


○ 受けるならば59歩と打つのが

「しっかりとした受け」です。58角成同歩の時に歩の壁(受けるための壁、防御壁というべきか)ができるのです。後手は戦力不足ですから、取れる駒が歩では攻めが切れてしまいます。
受けるしかないのですが、金取りなので42金くらい。ここで11竜が良い手で4枚目の攻め駒です。すなわち37銀成には63香

52金寄には55香

うまい使い道があるので、香を取るのが良い手なのです。


○ 59銀打も「しっかりした受け」で

この場合は戦力が低下するので59歩よりも劣りますが、42金に11竜以下有利を保てます。


△ 67銀打

でも悪くはないです。攻めて来れば37銀成32竜47成銀59金打

しっかり守れます。


× 48銀では

58角成同金37銀成

の時に受けにくいです。


△ 48桂ならば

58角成とか37銀成とか攻められても59銀打と受けることができます。48桂で受けの壁を作っている感じです。


△ 59金引は

角切りを避けているのですが、38竜の利きをさえぎるのが68銀1枚だけです。「薄い受け」という感じがします。後手から57歩成があって(これがなければ角取りの「強い受け」ですが)、49金68と同金49竜

32竜とすると56桂

では寄せ合い負けです。

32金を取らないで53桂71金62銀と攻めたいですが31金打

でややこしいです。


☆ まとめ
先手玉が2手すきなので先に受けるほうが手堅い原則で、受けるほうがわかりやすいです。
「しっかりした受け」が59歩か59銀打か。どちらも先手優勢に近いでしょう。寄せ合いで2手は稼いでいて、さらに受けることもできます。
実戦の「強い受け」47銀は寄せ合いで2手稼いだ(4手すきにした)ことになるのですが、戦力が低下してしまうので後手玉も4手すきです。先手番なので先手有利ですが、千日手の受けを回避できませんでした。
それ以外の受けも一応は見ておいてください。

先手玉の2手すきを受けないで、何か攻めの手を指して、58角成の詰めろの時に受けるのは難しくなります。



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