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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集20191015

2019-10-15 | 大山将棋研究

先手番佐藤先生の手を考えます。

第1問

 

前に指した手を生かします。

A 93歩成  B 66飛  C 66銀

 

第2問

 

俗手で十分です。

A 55香  B 65銀  C 66角

 

第3問

 

これが利くのならば簡単によりそうです。

A 52馬  B 42銀  C 41銀

 

 

 


大山将棋研究(1377);四間飛車に玉頭位取り(佐藤大五郎)

2019-10-15 | 大山将棋研究

今日の棋譜20191015

昭和44年11月、佐藤大五郎先生と第19回NHK杯です。この時は白黒TVで16人のトーナメントのようです。

佐藤先生の四間飛車です。マキ割り流の無敵四間飛車と言われました。

大山先生は玉頭位取りに。

44歩はちょっとおとなしいです。34銀66銀を避けたかったということかもしれませんが

そのために佐藤先生は気が変わって66飛から石田流へ。

大山先生は7筋の歩を切られてもかまわないです。

この歩を突くのは悪手の場合が多いですが、ここでは77角の位置なのでないことはないのでしょう。6筋の歩を交換します。

佐藤先生は強気の振り飛車なので角交換をねらいます。

大山先生は角交換を避けて

佐藤先生は72歩同飛に95歩。端攻めだけでは決まりませんが、1歩補充できるようにということでしょう。

大山先生は端を手抜いて62飛。佐藤先生は64歩から

飛を抑えて端を取り込み

破ります。

後手の攻めをいなしつつ駒を取りに行きました。

6筋はどうにか対応して

香を取ります。

大山先生は5筋を突き捨てて継ぎ歩攻めですが、これが強すぎました。

勢いで銀をぶつけるのですが

田楽刺しは痛いです。

佐藤先生は駒得で玉が堅いわけで、飛を追いかけながら攻めていきます。

飛を追って81桂も取れば勝ちでしょう。大山先生は飛取りで返しました。74同飛65飛84飛とか66角65飛同銀76香33角成とかもありますが、

飛の取り合いです。53金と活用できるので佐藤先生の有利。

大山先生は金交換から金を打ち

玉をかわして何とかしのぎます。

佐藤先生は43成銀としなかったのが不思議ですが、角を交換し

手番が来るので金取りで角を打てばよし、と見たのでしょう。

43金には24金から銀を取り

竜を潜って32銀。41銀同銀24角成などの空き王手の筋はやらないほうが良いのでしょう。

桂を取って24桂のほうが攻め駒が増えているので確実です。

41金の受けには51竜の押し売り。マキ割り流はこういう強い手が好きなのです。

攻め駒4枚、後手玉は裸です。

43飛の受けには24銀で上部をふさぎ

31桂に41銀と言うのもマキ割り流でしょう。41同飛33金同桂同銀成21玉41馬という寄せがあるので

22玉には32金から52銀不成。2手すきくらいが続きます。

飛を取って41馬から

33銀打には銀を取って

31桂を取って受け無し。

 

マキ割り流はマキを斧で割るような強い攻めの振り飛車です。アマチュアには理解しやすい将棋ではないでしょうか。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1969/11/28
手合割:平手  
先手:佐藤大五郎7段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 8四歩(83)
5 7八銀(79)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5四歩(53)
13 2八玉(38)
14 5二金(61)
15 6七銀(78)
16 1四歩(13)
17 1六歩(17)
18 5三銀(62)
19 5八金(69)
20 4二銀(31)
21 3八銀(39)
22 3五歩(34)
23 4六歩(47)
24 3三銀(42)
25 6五歩(66)
26 8五歩(84)
27 7七角(88)
28 4四歩(43)
29 7五歩(76)
30 3四銀(33)
31 5六銀(67)
32 4二金(41)
33 9八香(99)
34 2四歩(23)
35 6六飛(68)
36 2五歩(24)
37 7六飛(66)
38 9四歩(93)
39 9六歩(97)
40 3三角(22)
41 7四歩(75)
42 同 歩(73)
43 同 飛(76)
44 7三歩打
45 7六飛(74)
46 6四歩(63)
47 同 歩(65)
48 同 銀(53)
49 4五歩(46)
50 5三銀(64)
51 4四歩(45)
52 同 銀(53)
53 7二歩打
54 同 飛(82)
55 9五歩(96)
56 6二飛(72)
57 6四歩打
58 同 飛(62)
59 6五歩打
60 6三飛(64)
61 9四歩(95)
62 5五歩(54)
63 6七銀(56)
64 6五飛(63)
65 9三歩成(94)
66 4六歩打
67 6六銀(67)
68 6三飛(65)
69 9二と(93)
70 6五歩打
71 6四歩打
72 同 飛(63)
73 7五銀(66)
74 5四飛(64)
75 9一と(92)
76 5六歩(55)
77 同 歩(57)
78 5五歩打
79 同 歩(56)
80 同 銀(44)
81 5六歩打
82 6六銀(55)
83 同 銀(75)
84 同 歩(65)
85 5五香打
86 6四飛(54)
87 6五歩打
88 同 飛(64)
89 5二香成(55)
90 同 金(42)
91 5四銀打
92 6四飛(65)
93 6五金打
94 7四香打
95 6四金(65)
96 7六香(74)
97 5三金(64)
98 同 金(52)
99 同 銀成(54)
100 4三金打
101 6二飛打
102 2三玉(32)
103 6六角(77)
104 同 角(33)
105 同 飛成(62)
106 5三金(43)
107 4二角打
108 4三金(53)
109 2四金打
110 2二玉(23)
111 3四金(24)
112 同 金(43)
113 6二龍(66)
114 3二銀打
115 4四歩打
116 同 金(34)
117 8一と(91)
118 5二歩打
119 2四桂打
120 4一金打
121 5一龍(62)
122 同 金(41)
123 3二桂成(24)
124 同 玉(22)
125 5一角成(42)
126 4三飛打
127 2四銀打
128 3一桂打
129 4一銀打
130 2二玉(32)
131 3二金打
132 1二玉(22)
133 5二銀(41)
134 2二銀打
135 4三銀成(52)
136 同 金(44)
137 4一馬(51)
138 3三銀打
139 2二金(32)
140 同 銀(33)
141 3一馬(41)
142 投了
まで141手で先手の勝ち


20191015今日の一手(その933);寄せ合い負けならば

2019-10-15 | 今日の一手

20191015今日の一手

9月15日の名南将棋大会から、KさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

銀と角桂の交換で と金を作っていますから、先手の大きな駒得です。

玉の堅さは後手のほうが少し堅いです。これは金銀の連携によるもので、先手の79角は受けに働いていない感じです。

先手の攻め駒は持ち駒飛角桂で3枚。33と もすぐに使えそうです。

後手の攻め駒は28飛と持ち駒銀銀で3枚。

 

総合すれば先手やや有利です。

 

☆ 大局観として

先手の駒得が大きいですが、29桂は取られそうなので大差ではありません。ひたすら受けて長期戦を目指してよし、とは言いにくいのです。寄せ合いにするか、少し受けておいて攻めるか、少し方針の分かれるところです。後手からどれだけ厳しい攻めがあるか考えてみましょう。それがうるさいのならば受けておくほうがよいです。

 

☆ 簡単なまとめ

25角が攻防になります。

これは32飛(どこから打つかは微妙)47銀の時に打ってもよいです。

 

 

△ 実戦は32飛でした。どこから打つべきかは難しいのですが、飛を打って寄せ合うのは常識的です。

47銀68金寄58銀打

銀で絡まれて厄介です。77玉69銀成同金29飛成78銀58銀成

後手に47銀を活用されて(好手)少し悪くなりました。58同金79飛成で後手よしで、そこから粘れませんでした。

 

途中78銀ではなく78金とすれば

58銀成には68銀で守れるので形勢は互角くらいでした。

 

もっと戻って47銀に25角

これは攻防の手ですね。58銀成同金29飛成68金

62金寄43と から分岐します。34歩

25角の筋をずらして攻めようという手。

 

41金と打って

手を稼ごうとする手は攻撃力が落ちるのであまり怖くないか。

 

86桂から

86同歩87銀同玉79飛成88銀89竜43と

これは先手の寄せ合い勝ちでしょう。

分岐はありますが、先手有利のようです。

 

 

△ 飛の打ち場所としては22飛

これは後に後手が31金と打つのが有効になるかもしれません。42と33銀というのも場合によって成立するので、32飛のほうがよいか。

 

 

△ 41飛は

1段目が良いか2段目が良いかというのと、42と と使えるのがスムーズだけれど、51金引で当てられるのも気になります。(でも11飛成が自然で悪くはないです。)

 

 

△ 21飛か31飛か

後手が角を持っていないので、この2つはどちらも違わないようです。

1段目の影響は、47銀25角58銀成同金82玉68金62金寄43と

53と同金61角成があるので、1段目でもよいというか、元の後手玉が1段目なので1段目の飛打ちのほうが厳しい感じです。

 

 

△か× 44桂で攻めるのは

小さな駒から使うという寄せのセオリーに従っています。62金寄42と47銀68金寄58銀打

寄せの速度としては上がっていないですし、52と から金をはがしても と金+桂 VS 金ですからあまり得ではないです。飛+と金 で と金VS金 で交換する方が得です。(この図を避けて47銀の時に25角を打ちたいのですが、利きがダブっている=重い感じです。)

 

 

△ 43と と捨てて

43同金41飛52銀11飛成29飛成

52銀を打たせたので、後手からの攻めを緩和しています。この図は先手よしなのでしょうが、ぴったりした攻め方がわかりません。

 

 

○ さて何度か出てきた25角ですか、問題図ですぐに打ってもよいです。

受けるならば先に打つ方が手堅い原則です。47銀がなければ29飛成くらい。43と51金引31飛

(52とがあるので)82玉53と51歩32飛成19竜63と

後手は厳しい攻めがないので桂香を拾うくらい。先手は と金で銀を取れるでしょう。駒得が大きいです。

 

 

○ 47角はもっと受けに片寄っているのですが

29桂を守り、のちに25角から攻める手を見ています。先に受ける方が手堅い+駒を打つ方が手堅い 両方の原則に従っています。それでいて攻め駒不足も緩和しているのです。27歩成41飛36歩

後手は25角と出させない攻め方をして、36同歩38銀同角同飛成42と

これは先手が47角を打って後手の攻めを遅らせたのです。42同金同飛成47銀58角59金打

今度は金を手に入れているので金を埋める受け方もできます。

 

 

○ 68金寄は

47銀を避けた受けの手です。これも先に受ける方が手堅い原則ですね。持ち駒を打っていないので攻撃力はそのままです。47銀には25角がより効果的ですから、29飛成41飛51金引11飛成

こんなところでしょうか。19香も取られたとして、銀角交換+と金があるので先手の駒得を保っています。

 

 

△ 68銀も受けの手ですが

47歩に59金寄

48銀には69金なので、不安が残りますが問題はないようです。

 

 

△か× 48銀では

後手から47歩もありますし、27歩成~38と で当たってくるので薄い受けに見えます。

△ 68角は

29飛成41飛88銀59桂

これでも先手有利ですが88銀を打たせるか、打たれる前に59桂が必要か、というのは指しにくい手順です。

 

☆ まとめ

後手からの47銀68金寄58銀打というのがうるさい攻めでした。

寄せ合いでは負けそうなのです。

① 受けて手を延ばす

② 攻防の手を指す

どちらかが必要でしょう。

 

それ以前に、先に受ける方が手堅い原則にのっとり、後手からの47銀を避けて、68金寄や47角などの受けを考える方が、受けとしてはやさしいです。

また、先に25角の攻防手を打っておくのもよいです。