名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集20191001

2019-10-01 | 大山将棋研究

後手番西村先生の手を考えます。

第1問

 

持ち駒の桂を使いたいのです。

A 95歩  B 75歩  C 84桂

 

第2問

 

玉頭を制圧したいです。

A 74銀  B 83桂  C 65歩

 

第3問

 

気持ちよく攻めましょう。

A 85銀  B 86歩  C 66歩

 

第4問

 

先手玉が詰んでいます。余詰めがいっぱいありますが19手でしょうか。

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大山将棋研究(1363);向い飛車に57金戦法(西村一義)

2019-10-01 | 大山将棋研究

今日の棋譜20191001

昭和44年8月、西村一義先生と第10期王位戦第2局です。

西村先生の向い飛車です。後年は振り飛車穴熊を指すのですが、この頃は普通の対抗型を指していたのでしょう。

大山先生は57金戦法(金立ち戦法)です。対中飛車に使うのが普通ですが、升田先生が四間飛車に使ったこともありましたっけ。

西村先生は2筋から急戦です。

でも右桂を使われるとこれ以上は攻めることができません。

大山先生は金を66に出て

中央での戦いになりました。

1手で66から56に寄れるというのが金の良いところです。さらに4筋も突いて

桂を交換しました。金で攻めているので反撃筋は少ないです。

西村先生は75歩。取れば76桂ですね。この受け方は悩ましいのですが

大山先生の77銀76歩86銀というのはおかしな形です。76歩を同銀のつもりを方針変更したのでしょうか。

西村先生は83桂を打ち

銀を端に追いやります。

54歩の合わせに、大山先生は76歩を右銀で払い

左銀も使いたいので86歩。取れば84歩があります。

西村先生は中央を制圧し、76歩と突き出し、

角筋を通して

74銀としておく、好手順です。この間に大山先生は二枚の金を守りに使っておきます。

西村先生は87歩から75桂と跳ね

銀をぶつけて攻めます。銀交換ならば優勢。

大山先生は銀桂交換で

どうにか収めるのですが

強く角を出られてしまいました。

金銀が2枚だけなので自玉は堅くできません。84桂から

飛銀取りで反撃し

飛を取って62飛

桂を成って盛り返しました。

でも49角は痛いです。77飛ではつぶれそう(76銀同飛同角成同玉75飛の筋がある)なので76歩と受けました。27角成ではなく85歩だったので、一度飛を逃げておけば(47飛)と難しくなったのだろうというところですが

95歩は厳しくないです。65銀左に88桂と使わされて、飛車を取られると

77桂は良さそうな手でも37飛でピンされて足りません。

73成桂同金63歩成というのは形つくり。

詰まされて終わりです。

 

金立ち戦法は柔軟に攻めやすいのですが、玉が薄くなるのが難点です。大山先生が指しても勝率が悪く、今ではほとんど見られません。

 

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1969/08/06
手合割:平手  
先手:大山王位
後手:西村一義5段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 3二銀(31)
9 6八玉(59)
10 4三銀(32)
11 7八玉(68)
12 2二飛(82)
13 3六歩(37)
14 6二玉(51)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 5八金(49)
18 7二玉(62)
19 5六歩(57)
20 8二玉(72)
21 6八銀(79)
22 7二銀(71)
23 5七金(58)
24 2四歩(23)
25 同 歩(25)
26 同 角(33)
27 4六歩(47)
28 3二金(41)
29 1六歩(17)
30 4二角(24)
31 2五歩打
32 3三桂(21)
33 3七桂(29)
34 5四歩(53)
35 1五歩(16)
36 2一飛(22)
37 4七銀(48)
38 5一飛(21)
39 6六金(57)
40 6四歩(63)
41 5五歩(56)
42 6三銀(72)
43 2四歩(25)
44 2二歩打
45 5六金(66)
46 7二金(61)
47 4五歩(46)
48 同 歩(44)
49 同 桂(37)
50 同 桂(33)
51 同 金(56)
52 4四歩打
53 4六金(45)
54 7四歩(73)
55 5四歩(55)
56 同 銀(63)
57 5五歩打
58 6三銀(54)
59 5六銀(47)
60 7五歩(74)
61 7七銀(68)
62 7六歩(75)
63 8六銀(77)
64 8四歩(83)
65 2七飛(28)
66 7三桂(81)
67 6六歩(67)
68 8三桂打
69 6七銀(56)
70 8五歩(84)
71 9七銀(86)
72 5四歩打
73 7六銀(67)
74 7五歩打
75 6七銀(76)
76 5五歩(54)
77 8六歩(87)
78 5四銀(43)
79 8五歩(86)
80 4五歩(44)
81 4七金(46)
82 7六歩(75)
83 同 銀(67)
84 6五歩(64)
85 5二歩打
86 6一飛(51)
87 5七金(47)
88 7四銀(63)
89 6八金(69)
90 8七歩打
91 同 銀(76)
92 7五桂(83)
93 7六銀(87)
94 8五銀(74)
95 5一歩成(52)
96 同 飛(61)
97 7五銀(76)
98 同 角(42)
99 8六歩打
100 8七歩打
101 7九角(88)
102 7四銀(85)
103 8七玉(78)
104 5六歩(55)
105 同 金(57)
106 6六角(75)
107 同 金(56)
108 同 歩(65)
109 5二歩打
110 6一飛(51)
111 8四桂打
112 8三金(72)
113 7二角打
114 6三飛(61)
115 同 角成(72)
116 同 銀(54)
117 6四歩打
118 5四銀(63)
119 6二飛打
120 9三玉(82)
121 7二桂成(84)
122 4九角打
123 7六歩打
124 8五歩打
125 9五歩(96)
126 6五銀(54)
127 8八桂打
128 2七角成(49)
129 7七桂(89)
130 3七飛打
131 7三成桂(72)
132 同 金(83)
133 6三歩成(64)
134 7六銀(65)
135 同 玉(87)
136 6七銀打
137 8七玉(76)
138 7五桂打
139 投了
まで138手で後手の勝ち

 

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20191001今日の一手(その926);自然な寄せからの好手

2019-10-01 | 今日の一手

 20191001今日の一手

7月6日の名南将棋大会から、私とAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

前回の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

金銀銀と角香(歩2)の交換で馬成桂を作っています。少し先手の駒損ですが終盤なので重視しません。

玉の堅さは後手のほうが堅いです。

先手の攻め駒は34角54飛と持ち駒飛桂香で5枚。

後手の攻め駒は66銀と持ち駒金で2枚。

総合すれば互角です。

 

何手で詰めろかを数えてみると

後手玉は72成桂~61成桂で詰めろ。現状は3手すきです。

先手玉は77歩~78歩成58玉57歩49玉36歩~37歩成で詰めろ。現状は4手すきくらい。攻め駒が少ないので受けてもっと長くなりそうです。

寄せ合いでは先手有利か優勢です。

 

☆ 大局観として

この将棋は中盤で私が優勢になり、でも明快な寄せを逃して、まぎれてきたところです。よく見ればまだまだ有利なのですが、実戦心理では焦っていました。

飛角の両取りですが、どちらを取られてもまだ先手玉を寄せるには時間がかかります。先手有利ですから、自然な寄せ方をすれば勝ち筋はいくつかあるはずです。どれを考えますか?

 

☆ 簡単なまとめ

実戦でも指した72成桂が

23銀を見た自然な寄せです。少し後で

この図で良い手が欲しいです。わかりますか?

 

 

○ 自然な寄せ方は72成桂です。

問題図までの手順を書いていないのですが、66桂~74桂~82桂成と指しているのですから、その成桂を使うのが手の流れです。こう指さないのならば前の何手かが無駄になってしまいます。

ねらいは23銀41玉61成桂で詰めろ。2手すきです。後手は23銀を打たせたくはないので34銀は必然でしょう。34同歩77歩

この歩は詰めろでもない2手すきくらいの手なのですが、受けても仕方ないでしょう。実は23銀同玉35桂32玉23銀41玉52歩成

飛を切って後手玉が詰んでいるはず(52同金上同飛成同金32金同銀同銀成同玉33歩成以下など)でした。34銀同歩が入ると後手玉は2手すきが詰めろになってしまうのです。

 

実戦は詰みを逃して(詰んでもおかしくはないと思いつつ)安全に35桂の詰めろ。

銀1枚多いので難しくない詰めろです。先手玉は詰まないから勝った、と思うときが危ないのです。78歩成59玉68角

より王手がかからないからと59に逃げたら王手桂取りです。35角成とされて勝ちがありませんでした。これも有利優勢から2回間違えています。この日はひどい出来でした。

 

 

○か△ 先手から43角成とすると

43同玉は55銀とするのが攻防です。

66銀が消えれば怖いところがないですし、55同銀同馬も楽勝。

 

後手は43同金と取ります。困ったようですが34銀を打って

54金72成桂39飛59桂77歩23銀打

飛を取らせて銀を手に入れると、23銀打と43銀打が残ります。そしてこの図は後手玉がぴったり詰んでいるのです。

 

 

○ 44飛として飛のほうを切ってみると

34銀同歩は何とでもなるでしょう。44同銀に56桂53銀44桂打

桂2枚になったので継桂で寄せることができます。(この場合は後手の53銀の前に39飛ならば59馬で間に合う。)

 

 

△ 56桂は変わった手ですが

56同桂同飛が銀取りです。

飛を渡さなければ銀取りで十分。銀を取れば23銀もあります。

 

後手は34銀、角のほうを取ると

34同歩でも良さそうですし、44桂43玉94飛35銀55桂

これでも勝ち筋です。

 

 

○ 良い手はまだあります。58桂

66銀を目標にするもの良い手です。54銀66桂が銀当たりになるので43銀23銀

41玉に43角成同金72成桂。自玉が安全なので(王手馬取りはありますが)寄せは

簡単です。

 

 

△か○ 68香だと

54銀66香の時が何でもないので39飛59飛

合駒に工夫が必要です。これが見えていれば。

 

 

× 23桂は31銀を相手にしているのですが

77歩31桂成同玉23歩78歩成59玉32金打

粘られてみると難しそうです。まだ先手の勝ちかもしれませんが。

 

 

△ 16桂は24桂ねらい。

34銀同歩77歩

こうなると24桂はあまり厳しくありません。1手パスよりも良いかもしれませんが。16桂が29香でも同じようなものです。34角が消えると効果が薄くなります。

68金78金同金同歩成同玉77金69玉67銀成58金

先手は受けに回ってまだ残っています。

 

 

× 他には52歩成同金上

このやり取りは損をしています。飛を切っても寄せきれません。でもほかの変化に影響がない場合もありそうですが。

 

 

× 48馬57歩の交換も

得をしたとは言えないでしょう。

 

 

☆ まとめ

有利優勢の終盤(寄せ合いとしては2手勝ち)ならば、自然な手で構いません。ただしどこかでちょっとした好手が必要なことが多いです。

つまり72成桂が自然な手で

少し進んで

この図で即詰みを見れば勝ちです。この場合は35桂の詰めろでも良い手なのですが、王手で抜かれないように。

 

他の変化を見てもらえばわかりますが、角や飛を切っても良いです。でもその後には好手の用意がないとおかしくなっていきます。

自然な手は有利が少し広がります。勝ち切るためには、どこかでもう一段良い手が必要になることが多いでしょう。

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