名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20190206

2019-02-06 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


少し苦しいので粘ります。
A 44歩 B 55歩 C 65歩

第2問


7,8筋の守り方は?
A 75歩 B 85歩 C 86歩

第3問


チャンスが来ました。
A 54歩 B 33歩成 C 73同銀成

第4問


きれいに寄せたいです。
A 74角 B 53銀打 C 53銀成
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大山将棋研究(1153);力戦矢倉(関根茂)

2019-02-06 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190206
昭和39年7月、関根茂先生と第4期棋聖戦第4局です。

カド番の大山先生は振り飛車をやめて矢倉です。

普通の矢倉ではありません。4筋の位を取りました。

関根先生は堅実な感じの指し方です。3筋の歩を切られましたが

早繰り銀で攻めていきます。

この44歩の意味がよくわかりません。疑問手だと思います。

大山先生は44同歩も37桂もありそうでしたが48飛。関根先生は銀をさばいて

角を64へ。

大山先生は銀を打って粘っている感じです。

後手の角を抑え込もうということですね。

64歩には銀を引いて

少し形が良くなりました。

関根先生も銀を打って7筋を攻めます。66銀74銀75歩65歩というところかと思えば

大山先生は44歩を取り込みたかったのですね。

関根先生の86歩(24歩同歩)86歩同飛という動きは善悪不明です。

7,8筋は攻めにくくなったのです。

42歩の受けに、大山先生は34歩を利かせ

銀をぶつけ

飛車を浮いて使います。

関根先生は端桂で85飛をねらい

大山先生は銀を打って守りますが

中央に転戦して、関根先生が有利になったか。

銀を打ちこむのは手ごたえありです。

だけど73歩を角で取ったのは失敗です。73同銀成同飛ならば有望ですが

33歩成は同飛と取るしかなく

角損です。

飛車を打ち込めば

桂馬は取り返せるのですが

大山先生の中段玉は捕まえにくいです。

戦力不足で、63歩の銀取りは寄せてくれというようなものです。大山先生が53銀打から

金を取れば

角を打って

即詰みでした。

まだ大山先生は振り飛車に完全な自信がなく、盤勝負でリードされると力戦居飛車に持ち込んでいたころなのでしょう。難しい戦いですが、このほうが力が出るのか、相手が間違えやすいと思っていたのか。初タイトルを目の前にした関根先生の心理も揺れているでしょうし。
大山先生の4筋位取り自体は面白い作戦ではないと思います。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1964/07/17
手合割:平手  
先手:大山棋聖
後手:関根茂7段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(78)
6 6二銀(71)
7 4八銀(39)
8 4二銀(31)
9 2六歩(27)
10 5四歩(53)
11 7八金(69)
12 3二金(41)
13 4六歩(47)
14 9四歩(93)
15 4七銀(48)
16 5二金(61)
17 5六歩(57)
18 4一玉(51)
19 4五歩(46)
20 5三銀(62)
21 4六銀(47)
22 3三銀(42)
23 3六歩(37)
24 3一角(22)
25 5八金(49)
26 7四歩(73)
27 2五歩(26)
28 4二角(31)
29 3五歩(36)
30 同 歩(34)
31 同 銀(46)
32 3四歩打
33 4六銀(35)
34 8五歩(84)
35 6九玉(59)
36 6四銀(53)
37 6六歩(67)
38 7五歩(74)
39 同 歩(76)
40 同 銀(64)
41 6七金(58)
42 4四歩(43)
43 4八飛(28)
44 8六歩(85)
45 同 歩(87)
46 同 銀(75)
47 同 銀(77)
48 同 角(42)
49 8七歩打
50 6四角(86)
51 6五歩(66)
52 7五角(64)
53 6六銀打
54 9三角(75)
55 7五歩打
56 6四歩(63)
57 5七銀(46)
58 6五歩(64)
59 同 銀(66)
60 6四歩打
61 7六銀(65)
62 7四歩打
63 同 歩(75)
64 6三銀打
65 6八金(67)
66 7四銀(63)
67 4四歩(45)
68 8六歩打
69 2四歩(25)
70 同 歩(23)
71 8六歩(87)
72 同 飛(82)
73 8七金(78)
74 8三飛(86)
75 8四歩打
76 同 角(93)
77 8六歩打
78 4二歩打
79 3五歩打
80 同 歩(34)
81 3四歩打
82 2二銀(33)
83 8五銀(76)
84 同 銀(74)
85 同 歩(86)
86 5一角(84)
87 4五飛(48)
88 3六歩(35)
89 3五飛(45)
90 9三桂(81)
91 5五歩(56)
92 7七歩打
93 7四銀打
94 5三飛(83)
95 7三歩打
96 5五歩(54)
97 7七角(88)
98 5六歩(55)
99 4六銀(57)
100 5七銀打
101 5五銀(46)
102 7三角(51)
103 3三歩成(34)
104 同 飛(53)
105 同 飛成(35)
106 同 金(32)
107 7三銀(74)
108 6八銀成(57)
109 同 玉(69)
110 5七歩成(56)
111 同 玉(68)
112 2七飛打
113 3七歩打
114 5六歩打
115 6七玉(57)
116 2九飛成(27)
117 7一飛打
118 5一桂打
119 6四銀(73)
120 6九龍(29)
121 6八歩打
122 5七歩成(56)
123 同 玉(67)
124 5九龍(69)
125 5八歩打
126 6三歩打
127 5三銀打
128 6四歩(63)
129 5二銀成(53)
130 同 玉(41)
131 7四角打
132 6三銀打
133 同 角成(74)
134 同 玉(52)
135 6一飛成(71)
136 投了
まで135手で先手の勝ち




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20190206今日の一手(その826);小駒だけの攻め

2019-02-06 | 今日の一手

20190206今日の一手

10月6日の名南将棋大会から、OさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
飛角香歩と金銀桂の交換、馬を作られています。持ち歩があるので歩を数えませんが、先手の駒損です。
玉の堅さは先手玉が堅いというか後手玉が薄すぎますね。
先手の攻め駒は85桂と持ち駒金銀桂で4枚。
後手の攻め駒は持ち駒飛香で2枚。
総合すれば先手有利です。

☆ 大局観として
先手は駒損ですが、玉の堅さ、攻め駒の数で上回っています。すぐに駒損を解消する見込みはないので、攻めれば良いだけですね。攻めが切れてしまうあるいは手数がかかるようだと形勢が悪化します。
懸念するのは大駒がないことです。攻め駒の枚数は4枚あっても足が遅いのです。後手玉に逃げ出されると取り残された攻め駒は攻め駒ではなくなってしまいます。
それを考慮して攻めていきます。何度も出てきますが、寄せのセオリーで考えていけばよいはずです。


△ 後手玉に直接迫る手として、実戦の74桂から考えます。取れば73銀ですから72玉

55歩同銀同銀同飛62銀同金同桂成同玉

後手の守備駒が減りましたが、後手玉を6筋まで逃げさせてしまいました。43銀くらいから挟撃にすればまだ戦えるのかもしれませんが、71銀63玉62金53玉73桂成

こうなると71銀を攻め駒だとは言いにくいです。後手玉は3筋まで逃げ出して捕まえられず、寄せ合い負けになってしまいました。

さて74桂72玉には55歩ではなく82銀

で詰めろをかけるくらいのほうが良いです。後手は駒を打って受ける手がなく、63玉73銀成53玉55歩43銀63金

飛車を取って攻めるのでまあまあですが、スマートな感じはしません。


△か× 93香を攻めるならば93桂成同歩

王手でもあるわけですが、攻めの拠点が消えた感じです。99香98香同香同馬というのは少し得だとしても、この後の攻め方が難しいです。


△ 94歩同香86桂

というのは元の93香を攻めつつ王手を含みにした厳しい寄せ方です。実は94桂以外に73桂成同玉74銀という寄せも見ています。後手にいろいろな受け方がある(84歩、71香、84歩、72玉)のですが、96馬ならば(73桂成同玉74銀を同馬と取れる)94桂72玉86金97馬75香

63玉73桂成53玉55歩43銀54銀

と攻めて飛車を取る(64同銀同歩同玉63銀)ことができそうなので、攻めはつながります。


△ 75歩は

74歩をねらうのですが、75同馬があります。86銀84馬75金

悪くはないけれど、後手の馬を相手にしているというのは気になります。


△ 75桂は

83の地点をねらっているというよりは、63の地点をねらっています。2手かけて52飛を攻めているような手です。62金には55歩

が受けにくそうです。

後手は96馬でしょうか。

これでも63の地点の守りに役立ちます。86金97馬55歩

金を使ったので心細いですが、後手玉を5筋方面に逃げ出されることはなさそうなので、上部脱出を防いではいます。

後手が馬を逃げる余裕がないとすれば85馬と切って

85同金99飛59金36歩同歩24桂

というような寄せ合いです。25銀から受けに回るか、36同歩のところで攻め合うか、先手有利ではあります。


× 53歩は52飛を攻めていますが53同飛

とされて73の地点を受けられている感じです。歩切れでもあり、この利かしは失敗でしょう。


○ 55歩と打つと

かなり後手玉から離れている銀ですが、後手は手を抜けません。55同銀には63金

が厳しいです。

43銀でも63金

(後手としては銀がぶつかっていないのでこちらのほうが受けやすい)71香にすぐに飛車を取らないで54歩同飛93桂成

から55香で飛車を仕留めます。

55歩に63銀ならば75桂74銀63金

ちょっと重いのですが、85銀に52金同金32飛

42飛同飛成同金62飛72飛91銀

71玉に72飛成同玉82飛~42飛成で寄りです。最後の91銀では72同飛成同玉63銀でも寄りそうです。攻め駒が1枚減ってもなんとかなりました。


△か○ 66桂は歩よりも大きな駒なので

やや劣ります。63銀に54歩

が結構うるさいのでこれでもよさそうです。


× 55銀は

盤上の駒(攻め駒に数えていなかった)の活用です。後手としては逃げると損なので55同銀に63金

と攻めることはできるのですが、駒損がひどくなるので指しにくい感じです。


× 55銀打だと63銀

引かれた時に攻めにくいです。

☆ まとめ
小駒だけで攻めねばならないときは、(有効に見えても)王手をかけないほうが良い場合が多いです。相手玉に逃げられてひどい手になりやすいのです。
74桂72玉はちょっと嫌な感じがします。
93桂成同歩は味消し。
75歩~74歩ならば良い感触ですが、ここでは馬で取られます。
94歩同香86桂~94桂は駒を取れるけれど後手玉を逃がしている感じです。しかし73桂成同玉74銀で上から押さえつけるのは感触が良いです。

後手玉を直接、あるいはその近辺を攻めても面白くないという場合は、後手玉のまわりの守備駒を攻めます。
75桂~63銀は案外に有力です。
55歩はどこかで打ちたいのですが、問題図ですぐに打つのが良いようです。
小さい駒から考えればよく、66桂、55銀、55銀打を考えるのは後回しです。

相手玉が堅い時に玉の近くの攻め駒を攻めるというのはよく出てくるのですが、相手玉が裸に近くて自分は小駒だけで攻めるという場合(守備力攻撃力ともに低い)場合も、相手玉の近くの駒を攻めるほうが良いようですね。

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