名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20190224

2019-02-24 | 大山将棋研究
先手番本間先生の手を考えます。

第1問


どこから仕掛けますか?
A 35歩 B 45歩 C 55歩

第2問


切れないように攻めます。
A 24歩 B 33歩 C 46銀

第3問


力をためます。
A 86桂 B 56桂 C 42歩

第4問


これで寄っている(はずでした)。
A 43桂成 B 53金 C 75銀
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大山将棋研究(1171);向い飛車に急戦(本間爽悦)

2019-02-24 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190224
昭和39年12月、本間爽悦先生と第5期棋聖戦第1局です。本間先生は田中魁秀先生の師匠なので名前だけ知っています。大山先生よりも3つ上なのですね。

大山先生は26歩のままなのに向い飛車です。

37桂を見て中飛車に振りなおして

32金と備えれば45歩の急戦を封じられます。

本間先生はどうやって攻めたものか。銀を86に出て端攻めを見せ、大山先生は63銀よりも端を守りやすい73銀で受け、

本間先生は7筋の歩を交換して銀は66へ。

中央から攻めます。凝った手順ですが攻撃力はあります。

大山先生は65歩から55歩と受けます。これは76歩が手持ちなので銀ばさみにはならず

64歩を打つのでは左銀が角筋の邪魔になっていないのでちょっと不満です。

本間先生は右の銀桂を使えて

桂を交換できて

55歩も取れました。少し指しやすいのだと思います。大山先生は63桂(振り飛車では珍しい桂打ちです)を打ち、銀を追い返すのですが

端に手を付けられました。

84銀と受けてから角筋を通せばまだまだ難しいです。

端は手筋で受けておきます。

本間先生は75歩のこじ開け。75同歩には74歩同銀86桂の筋でしょうが、銀の取り合いは得かどうか。

75同桂だったので少し攻めやすくなりました。55歩から56桂が好打になり

44歩を打つのが気持ちよく

飛車をさばけば指しやすいでしょう。大山先生は形勢が思わしくないので84歩から

97歩で反撃です。

本間先生は端を受けず、93香成から55桂。

大山先生は と金を作り、89桂を取ります。

本間先生は金をはがし

75桂を食いちぎり

55桂のお代わりから銀を捨て

一気に寄せの体制です。43銀を取れば2手すきくらいです。

大山先生は手抜いて88銀ですが、詰めろではありません。形つくりをしたというところです。ここで32成桂でも42成桂でも簡単だと思うのですが

74歩だったので成桂を取られました。

銀を取って飛車を成りきれいに寄せた、と言いたいところですが、竜を切っても後手玉は詰みません。詰めろで勝ちのようにも思えるのですが、飛車を渡しては逆転するかもしれません。

竜を逃げるのでは流れが怪しいです。大山先生は銀を使ってしまったので65桂を打ちますが

取られて55角が生じるので、やはりだめなのかと思うところでしょう。

本間先生はどんどん後手玉を追いかけて、ここで11角成が詰めろ。

王手で飛車を取れば勝ちのようですが

後手玉を捕まえるのは結構大変です。25銀で勝ちかどうかというところですが

踏み切れずに玉を逃げ出しました。大駒3枚あるので相入玉に切り替えたのです。

上手く入玉できないうちに、後手玉は安全になり

望みが無くなってここまで。

本間先生の残念譜です。大山先生がおとなしい指し方をしたということもあるのですが、工夫した仕掛けがうまくいきました。終盤も力強く寄せていったのですが、寄せをしくじって逆転されました。
大山先生は「助からないと思っても助かっている」でしたね。粘ってみるものです。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1964/12/20
手合割:平手  
先手:本間爽悦7段
後手:大山棋聖
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 5六歩(57)
8 5四歩(53)
9 5八金(49)
10 4三銀(42)
11 6八玉(59)
12 3三角(22)
13 7八玉(68)
14 2二飛(82)
15 3六歩(37)
16 6二玉(51)
17 4六歩(47)
18 7二玉(62)
19 3七桂(29)
20 5二飛(22)
21 2五歩(26)
22 3二金(41)
23 6八銀(79)
24 6二銀(71)
25 9六歩(97)
26 9四歩(93)
27 1六歩(17)
28 1四歩(13)
29 7七銀(68)
30 7四歩(73)
31 4七銀(48)
32 6四歩(63)
33 8六銀(77)
34 7三銀(62)
35 6八金(69)
36 6二金(61)
37 7五歩(76)
38 同 歩(74)
39 同 銀(86)
40 7四歩打
41 6六銀(75)
42 5一飛(52)
43 2六飛(28)
44 8二玉(72)
45 3五歩(36)
46 同 歩(34)
47 5五歩(56)
48 6五歩(64)
49 同 銀(66)
50 5五歩(54)
51 4五歩(46)
52 6四歩打
53 7六銀(65)
54 4五歩(44)
55 同 桂(37)
56 2二角(33)
57 4六銀(47)
58 4四歩打
59 3三歩打
60 同 桂(21)
61 同 桂成(45)
62 同 金(32)
63 5五銀(46)
64 6三桂打
65 6六銀(55)
66 3二金(33)
67 9五歩(96)
68 同 歩(94)
69 9三歩打
70 8四銀(73)
71 8六歩(87)
72 4五歩(44)
73 8五歩(86)
74 7三銀(84)
75 9五香(99)
76 9四歩打
77 同 香(95)
78 9三桂(81)
79 7五歩打
80 同 桂(63)
81 5五歩打
82 7二玉(82)
83 5六桂打
84 6三金(62)
85 2四歩(25)
86 同 歩(23)
87 4四歩打
88 5二銀(43)
89 2四飛(26)
90 3三角(22)
91 2五飛(24)
92 8四歩(83)
93 5四歩(55)
94 9七歩打
95 3四歩打
96 4二角(33)
97 9三香成(94)
98 同 香(91)
99 5五桂打
100 9八歩成(97)
101 7七角(88)
102 8九と(98)
103 4三歩成(44)
104 同 銀(52)
105 6三桂成(55)
106 同 玉(72)
107 8四歩(85)
108 5七歩打
109 同 金(68)
110 8四銀(73)
111 8五歩打
112 7三銀(84)
113 7五銀(76)
114 同 歩(74)
115 5五桂打
116 7四玉(63)
117 7五銀(66)
118 同 玉(74)
119 6六金(57)
120 8五玉(75)
121 8六金打
122 9四玉(85)
123 4三桂成(55)
124 8八銀打
125 8五銀打
126 8三玉(94)
127 8四歩打
128 7二玉(83)
129 7四歩打
130 4三金(32)
131 7三歩成(74)
132 同 玉(72)
133 2三飛成(25)
134 3一桂打
135 3二龍(23)
136 2三銀打
137 2二龍(32)
138 2一歩打
139 同 龍(22)
140 6五桂打
141 同 金(66)
142 同 歩(64)
143 5五角(77)
144 6三玉(73)
145 7五桂打
146 5四玉(63)
147 1一角成(55)
148 4六歩(45)
149 5五香打
150 4五玉(54)
151 5一香成(55)
152 5七歩打
153 同 金(58)
154 4七金打
155 8七玉(78)
156 5七金(47)
157 9四歩打
158 9五歩打
159 7六玉(87)
160 7三桂打
161 9五金(86)
162 5六玉(45)
163 5五飛打
164 4七玉(56)
165 4八歩打
166 5八玉(47)
167 9六金(95)
168 6四金打
169 5二歩打
170 7四桂打
171 同 銀(85)
172 同 金(64)
173 投了
まで172手で後手の勝ち







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20190224今日の一手(その835);玉の遠さを生かす

2019-02-24 | 今日の一手

20190224今日の一手

11月25日の名南将棋大会から、KさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
銀得で馬を作っていますから先手の駒得です。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。ただ上から(斜め上から)攻められたので薄さを感じます。同程度と見た方が良いのかも。
先手の攻め駒は37馬と持ち駒飛桂で3枚。
後手の攻め駒は持ち駒飛角金桂で4枚。十分です。

総合すれば先手有利です。

☆ 大局観として
先手が怪しいのは玉の堅さで、こびんを攻められて嫌な感じです。受けるべきか攻めるべきか。
駒得なので受けていても構いません。後手の攻め駒が多いので、食いつかれないように気をつけます。
攻めるには駒が足りないようですが、金銀2枚の穴熊は薄いので手段があります。
どちらを選びますか?


△ 受ける方から見てみます。75同歩が自然です。

でも角の王手がいつ来るかわかりません。玉が薄くなったと見れば自然な手ではないわけです。64桂68桂54角88玉86飛

87飛同飛成同銀86金同銀87飛

こうなるとまずいです。

64桂の時に55馬と使って

馬の利きで受ける方が良いです。76金88玉77歩同銀87飛78玉85飛成88歩

これくらいで悪くはないです。


× 77銀と守ると

76歩の時にどう応じるかが難しいです。76同銀64桂65銀75金

では危ないし

86銀65角

も危ないです。

66銀74桂75銀77金

というのを受けきるしかないですが、少し不安です。


○ 66歩とすると

柔らかい感じです。67金を見て、65角を消してもいます。76歩に75歩

75桂を避けていれば十分でしょう。(こういうところ75桂を打つのは攻防のようでも64桂と受けられて少し忙しくなります。)


× 攻めるとしたら実戦の84歩から考えますが

寄せのセオリーの一つ、小さい駒から使うです。64桂83歩成同銀31飛82金11飛成86歩

88玉87金同銀同歩成同玉86歩

先手玉が薄くなりました。86同玉88飛で敗勢です。
86同玉ではなく78玉87角79玉88銀68玉76桂57玉

怪しく後手に駒を使わせて、入玉を目指せばまだ勝ち筋はあったのですが、こういう順を考えるのは難しいです。


○ 次に小さい駒は桂で、74桂

空間があいたのでぴったりとした感じです。後手は駒損なので普通の受けではだめでしょう。64桂は攻防で、82桂成同金

飛銀の攻め駒だけでは足りません。強く64馬同歩74桂とお代わりすると72金打

位の受けです。82桂成同金71銀72金62金

(あるいは61飛か)後手は27角から粘れるとはいえ、先手玉が安全なので攻め切れるでしょう。

途中82桂成と清算せずに42飛

と打っておくのも良い手です。このほうが受けにくいのかも。


○ 82馬と切っても

ほとんど同じ局面になります。82同金74桂72金打82桂成同金71銀72金62金

というのは後手の歩が63か64かという違いだけです。このほうが27角の粘りがありません。

もちろん82桂成とせずに42飛

でもよいです。


○か△ 31飛とか一段目に打つのが普通の攻めで

71飛成をねらっています。64桂74桂76歩(75桂ねらい)75歩65金

75の地点をねらう攻防です。この辺で82桂成同金71銀72金61竜73飛62銀成

と攻めれば先手有利ですが、ちょっと複雑な手順です。

64桂に11飛成でも悪くはありませんが、74金

と攻防に打たれているとちょっと難しいです。


× 52飛など2段目だと

64桂74桂73銀75歩76金88玉75金

74桂を打ったのが良くないのですが、攻められないならば飛車を打った意味が薄いです。


× 74飛は変わった位置ですが

攻防に見えます。64金と打たれると71飛成同銀74金

飛車を切っても良いのですが、攻めは細くなります。73桂打75歩(64金~74歩ねらい)65角

これは後手もちです。


△ 43銀成はのんびりしていますが

4枚目の攻め駒にしようというわけです。76歩75歩64桂53成銀

まで使えればまずまずです。


☆ まとめ
天守閣美濃は手つかずだと堅いというか遠いです。横から攻めると88玉型よりもかなり遠く感じるのは、下の方から攻めることになるからでしょう。本局のような対穴熊でも有効なのですが、桂を攻めに使えないので88玉型や銀冠に比べて採用率は下がります。
さて75歩と突かれたところが問題図ですが、上から攻められるのは嫌な感じです。でもこの瞬間はまだ堅いので馬や飛を切ったり桂を渡したりしても大丈夫です。一気に後手玉に迫ることができました。74桂あるいは82馬から強襲して十分でした。

寄せのセオリーでは実戦の84歩を優先して考えるわけですが、85歩は大事な守りの駒でした。

ゆっくり指すならば66歩から守りを固める手、43銀成から攻め駒を増やす手が良さそうです。
元の形勢が良いので51飛~11飛成でも構いませんが、緩手になる可能性もあります。

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