今日の棋譜20171206
昭和58年7月、谷川浩司先生と第4回日本シリーズです。谷川先生は名人になったばかりのころ。

大山先生の四間飛車に谷川先生は急戦です。54歩を見て35歩はななめ棒銀を見ています。

大山先生は32金から43銀とおとなしく受けました。43金では97角があるから危険なのでしょう。

谷川先生は端角でけん制して

55歩は取れないので取り込ませて飛を浮きます。

大山先生は角をぶつけました。交換して56飛は谷川先生の味が良いのですが

角の打ちあいはつまらなかったようです。馬を作らせても右の銀桂を使ってどうか。

馬飛の作り合いで飛車をぶつけられました。これは後手から取らせて馬を作るほうが良いのですが

単に交換すると大山先生の52銀と引く味が良いです。

飛の打ちあいから

歩を打って と金を作り合いますが、先手だけ桂を損します。

37同飛成でも大山先生が十分ですが

74桂を利かせようとしたら右銀を逃げられて角を取りました。

これでも銀と馬の交換で攻められます。

左桂が銀に替わって

銀を絡めば受けにくいのでした。

谷川先生は74桂打ちをみての勝負ですが、よく見れば駒が足りません。

64歩と用心されては困りました。

先手玉は金が無いと受けられません。

どうにか形を作らせてもらえましたが

そのまま攻め合って投了図。
居飛車が飛角だけで攻めているので攻めを続けるのは難しい将棋です。端角にしないで銀を出て抑え込めるか、という指し方のほうが良かったと思います。大山先生の54歩は隙を見せた手なのですが、とがめるのは難しいですね。52同銀と引けたところ、駒の取り合いでも52同馬と引けたところ、感触が良い手が続いて快勝です。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:谷川浩司名人
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5八金(49)
14 8二玉(72)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 6八銀(79)
18 7二銀(71)
19 3六歩(37)
20 4三銀(32)
21 2五歩(26)
22 3三角(22)
23 5七銀(68)
24 5四歩(53)
25 3五歩(36)
26 3二金(41)
27 3四歩(35)
28 同 銀(43)
29 3八飛(28)
30 4三銀(34)
31 9七角(88)
32 5二飛(42)
33 8六角(97)
34 5五歩(54)
35 6六銀(57)
36 5六歩(55)
37 3六飛(38)
38 4二角(33)
39 同 角成(86)
40 同 飛(52)
41 5六飛(36)
42 2七角打
43 8六角打
44 4五角成(27)
45 5三飛成(56)
46 5二飛(42)
47 同 龍(53)
48 同 銀(43)
49 3三歩打
50 同 桂(21)
51 2一飛打
52 2七飛打
53 3七桂(29)
54 3四馬(45)
55 5四歩打
56 3六歩打
57 5三歩成(54)
58 3七歩成(36)
59 5二と(53)
60 同 馬(34)
61 3七銀(48)
62 7四桂打
63 4八銀(37)
64 8六桂(74)
65 同 歩(87)
66 2九飛成(27)
67 5九銀(48)
68 5七歩打
69 同 銀(66)
70 4五桂(33)
71 1一飛成(21)
72 5七桂成(45)
73 同 金(58)
74 3七角打
75 5八銀(59)
76 4八銀打
77 6六桂打
78 3一歩打
79 4六銀打
80 5七銀(48)
81 同 銀(46)
82 6四歩(63)
83 3三歩打
84 5九金打
85 5三歩打
86 6三馬(52)
87 5四銀打
88 同 馬(63)
89 同 桂(66)
90 5八金(59)
91 同 金(69)
92 6九銀打
93 8八玉(78)
94 5八銀(69)
95 5二歩成(53)
96 6七銀成(58)
97 6一と(52)
98 8九龍(29)
99 投了
まで98手で後手の勝ち