第1問
軽く動いてポイントを稼ぎました。
A 36歩 B 77桂 C 86歩
第2問
後のことを考える奥の深い手でした。
A 37桂 B 37銀 C 26歩
第3問
大山先生はここが重要だと見ました。
A 75歩 B 47歩 C 13歩成
第4問
この手が勝ちを決めたのかも。
A 26金 B 56銀右 C 38金上
第5問
銀上りを悪手にさせました。
A 55歩 B 53歩 C 24歩
20171211今日の一手
9月17日の名南将棋大会から、KさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
角銀と飛金歩の交換です。後手に持ち歩があるので歩を考慮せず、わずかに先手の駒得です。
玉の堅さは少し後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は66飛と持ち駒飛金銀で4枚。53歩成でもう一枚増えるかも。十分にあります。
後手の攻め駒は48角と持ち駒銀銀で3枚。
総合すれば少し先手有利です。
☆ 大局観として
わずかな差ですが玉の堅さ以外は先手が優っています。ですから
先手玉を堅くするか、後手玉を薄くするか、
で有利が広がるわけですが、角を打たれて両取りをかけられています。わずかな駒得は消えてしまいそうです。
さて、「両取り逃げるべからず」とは言いますが、例外も多い格言なので盲信してはいけません。両取りを回避する(両方受ける)か、片方を逃げる(か守るか)の判断が必要です。取られたくないのはどちらでしょうか。
△ 両方受けるのは36飛です。
66歩同金33角56金55銀57銀27銀
というのが一例ですが、わけのわかりにくい攻防です。先手玉が薄いのが嫌味ですが。
○ 実戦では61飛成と切ってしまいました。
61同銀に22飛72銀打53歩成
と金を作ったので駒損ではないです。66歩68金引67銀88玉68銀成同金67歩成同金58飛
しかし と金を抜かれてしまいました。68金打53飛成45桂59竜69金打54竜
金を使わされて長期戦になりました。角金交換でやや駒損です。ここから攻めたり受けたり、寄せ合いで1手負けに終わりました。
先手が工夫できるのは、と金を作るより21飛成
で駒得にしてしまうか
1段目から飛を打つか
これなら72銀打というわけにはいきません。角取りも受けにくいですね。
△ 62歩と工夫すると
66角成61歩成67馬同玉66歩78玉61銀
は難しいです。
狙いとしては62歩に同角
と取ってもらって、62同飛成同金53歩成61金62銀
で先手よしかと思えたのですが。
△ 飛を切らずに53歩成だと
37角成は63とですから、66角成同金57銀
金が離れて行くのが嫌なのです。56金には68歩
が痛いです。
56金ではなく67金で
38飛68歩58銀不成
79金には67銀成が嫌なので、58同金同飛成79金53竜、とやはり と金を取られてしまうのでうまくないです。
57銀の時に62歩でどうか。
71金31飛38飛
68歩とは打てません。58歩に同銀不成(か同銀成か)51飛成69銀不成(か69成銀か)67玉
先手玉は詰まず、後手玉は詰めろ。でも後手は1回61歩もあるし、難しい終盤です。
△ 45桂と桂を逃げると
と金を抜かれる変化を回避しています。66角成同金57銀67金38飛68歩
今度は58銀不成同金同飛成79金、でまあまあです。
△ 飛を打ち込んだらどうか。22飛は
66角成同金33角21飛成66角62銀
両取りをかけさせて寄せに行きます。これで勝ちに見えるのですが、57角成(詰めろ)68歩39飛(詰めろ)79金打
くらいが仕方ないです。67歩に88玉68歩成
早逃げするのは69飛成の詰み筋を避けるためです。これで先手玉はゼットに見えるのですが、飛を渡すと詰まされます。71角や61銀不成や61銀成も57馬の利きで詰めろになりません。ということで実はこの図は後手の勝ちか。
△ 1段目から31飛(あるいは41飛)
とすると、66角成同金57銀67金に66銀打
38飛の方は68歩で怖くないから、こちらで攻められるかも。66同金同銀成88玉38飛78銀
でもこれも互角です。31飛があまり厳しく見えないのが難点ですが、先手が悪いというわけでもないです。
△ いろいろ保留して68歩だと
66角成同金38飛53歩成57銀に56金
金を56に逃げられる(後手から68歩を打たれない)という違いが出てきます。58銀不成に79金
とかわすことができます。
67歩に27角
で難しい戦いです。
△ これまでの変化で37角成は怖くないのだとわかってきました。ならば57銀と打ってしまいます。
持ち駒を使って桂損で馬を作らせる、というのは普通は損な取引です。しかし61飛成同銀41飛
で駒損を取り返せます。(実戦の61飛成同銀に57銀37馬41飛でも同じことかも)
後手から75桂があるのが難点ですが、51飛成67桂成同玉72銀打
くらい。53歩成47馬62金と確実に迫って
後手玉は詰めろで先手玉は詰まず。先手勝ちのような気はするのですが、まだ92玉とか(72金同銀82銀でどうか)あるので難しそう。
○ であれば57金打
のほうが良いのかも。37角成なら61飛成同銀41飛
で75桂が厳しくないです。
ただ57金打は角取りでないのが不安ですが、33角61飛成同銀31飛51歩45桂
角を逃げられても桂馬を使えるなら大丈夫です。
☆ まとめ
「両取り逃げるべからず」は逃げない好手があるかも、くらいに思っておけばよい将棋の格言です。
少なくともどちらかを取られるとまずいから、相手が両取りをかけているわけで、手抜きが成立するほうが少ないです。ただし両方とも取られることは少ないので、ということなのです。
66角成同飛は駒損とも言えないけれど、先手玉の守りが薄くなるので避けた方が良く
37角成は桂を取られて馬を作らせるひどい駒損だけれども、先手玉が堅いです。
飛車を66で取らせない方が良いので、61飛成と切ってしまえ、という実戦でのTさんの判断は正しかったです。飛がいなくなると後手からの66歩が厳しいので、その前に41飛から寄せてしまえるかどうか。それを読めばよかったです。
少しタイミングをずらして、57銀か57金打と入れてから飛を切ったらどうか。これがかなり有力でした。
△ 「両取り逃げるべからず」
○ 「終盤は駒の損得よりも速度」に玉の堅さをプラスして考えましょう。
駒損でも早く攻めるか、駒損でも自玉が堅いままで攻めるか、両方の意味をもった格言だととらえます。
(駒損で攻めが切れてはいけないのですが。)