名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20171211

2017-12-11 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


軽く動いてポイントを稼ぎました。
A 36歩 B 77桂 C 86歩

第2問


後のことを考える奥の深い手でした。
A 37桂 B 37銀 C 26歩

第3問


大山先生はここが重要だと見ました。
A 75歩 B 47歩 C 13歩成

第4問


この手が勝ちを決めたのかも。
A 26金 B 56銀右 C 38金上

第5問


銀上りを悪手にさせました。
A 55歩 B 53歩 C 24歩
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大山将棋研究(730);三間飛車に中央位取り(青野照市)

2017-12-11 | 大山将棋研究
今日の棋譜20172111
昭和58年8月、青野照市先生と第42期名人挑戦者リーグです。

大山先生の先手三間飛車で、青野先生は74歩を突いて急戦を考えていたのですが、中央位取りに。大山先生は四間飛車で56歩を突いて中央位取りを避けていた(のでしょう)のに、先手三間飛車では位を取らせるというのは不思議です。

先に美濃囲いを組み終わるわけで、角を引いて72飛を強制し

8筋に転戦し

飛車をぶつけました。86同飛同角87飛82飛64歩同角82飛成同角成、というようになれば振り飛車が指せます。だから青野先生は歩を謝りました。(いつでも謝ってもらえるわけではありませんから注意です。)

青野先生は後手番ですし、もっと囲ってから動けばよいのに、と思うのですが、チャンスと見て端角で動きました。

14歩の取り込みを許して46を押さえます。

5筋も謝らせて気持ちはよいです。

大山先生は角を追って46歩の拠点を消しに行き

端を攻められたら金で守ります。これで金銀4枚がバラバラ。

さらに56歩も払ってもっとばらけてきます。

ずいぶん攻められて大丈夫かなあと思うところですが

57歩も取り切って案外に隙がありません。青野先生が決めそこないました。65で銀を交換すべきだったか。

大山先生は53歩と叩いて

香を入手して中央を押さえます。青野先生はあきらめたのか

田楽刺しをくらい

銀を放り込まれての投了図。33同玉に45桂から角を取って75角でしょうか。観戦記向けの派手な終わり方にしました。

順位戦なので青野先生は動かないで指すものかと思いましたが、作戦負けだからと言って動くとよくないことが多いです。一見はよく見える手順なのですが、反撃のほうが強いものなのです。
私はこういう金銀バラバラが大好きなので楽しんで並べます。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
開始日時:2017/11/21 10:27:23
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:青野照市8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 3四歩(33)
7 6六歩(67)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5二金(61)
15 5八金(69)
16 7四歩(73)
17 2八玉(38)
18 5四歩(53)
19 3八銀(39)
20 5五歩(54)
21 6七銀(68)
22 5三銀(62)
23 4六歩(47)
24 5四銀(53)
25 5九角(77)
26 7二飛(82)
27 8六歩(87)
28 同 歩(85)
29 8八飛(78)
30 8二飛(72)
31 8六飛(88)
32 8五歩打
33 8八飛(86)
34 6四歩(63)
35 7七桂(89)
36 7三桂(81)
37 3六歩(37)
38 4二銀(31)
39 4七金(58)
40 1四歩(13)
41 1六歩(17)
42 4四歩(43)
43 8九飛(88)
44 8四飛(82)
45 5六歩(57)
46 同 歩(55)
47 同 銀(67)
48 5五歩打
49 6七銀(56)
50 4五歩(44)
51 同 歩(46)
52 1三角(22)
53 1五歩(16)
54 4五銀(54)
55 1四歩(15)
56 2四角(13)
57 2六歩(27)
58 4六歩打
59 3七金(47)
60 5六歩(55)
61 5八歩打
62 7五歩(74)
63 2五歩(26)
64 3三角(24)
65 4七歩打
66 同 歩成(46)
67 同 銀(38)
68 1六歩打
69 4六歩打
70 5四銀(45)
71 2六金(37)
72 7六歩(75)
73 同 銀(67)
74 6六角(33)
75 5六銀(47)
76 5七歩打
77 1六香(19)
78 5八歩成(57)
79 同 金(49)
80 5七歩打
81 4八金(58)
82 6五桂(73)
83 同 桂(77)
84 同 歩(64)
85 6七銀(76)
86 2二角(66)
87 5七金(48)
88 4三銀(42)
89 5三歩打
90 同 金(52)
91 1三歩成(14)
92 同 香(11)
93 同 香成(16)
94 同 桂(21)
95 5五歩打
96 同 銀(54)
97 同 銀(56)
98 同 角(22)
99 5六香打
100 6四角(55)
101 5三香成(56)
102 同 角(64)
103 3三銀打
104 投了
まで103手で先手の勝ち
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20171211今日の一手(その615);終盤は駒の損得よりも速度

2017-12-11 | 今日の一手

20171211今日の一手

9月17日の名南将棋大会から、KさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
角銀と飛金歩の交換です。後手に持ち歩があるので歩を考慮せず、わずかに先手の駒得です。
玉の堅さは少し後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は66飛と持ち駒飛金銀で4枚。53歩成でもう一枚増えるかも。十分にあります。
後手の攻め駒は48角と持ち駒銀銀で3枚。

総合すれば少し先手有利です。

☆ 大局観として

わずかな差ですが玉の堅さ以外は先手が優っています。ですから
先手玉を堅くするか、後手玉を薄くするか、
で有利が広がるわけですが、角を打たれて両取りをかけられています。わずかな駒得は消えてしまいそうです。
さて、「両取り逃げるべからず」とは言いますが、例外も多い格言なので盲信してはいけません。両取りを回避する(両方受ける)か、片方を逃げる(か守るか)の判断が必要です。取られたくないのはどちらでしょうか。


△ 両方受けるのは36飛です。

66歩同金33角56金55銀57銀27銀

というのが一例ですが、わけのわかりにくい攻防です。先手玉が薄いのが嫌味ですが。


○ 実戦では61飛成と切ってしまいました。

61同銀に22飛72銀打53歩成

と金を作ったので駒損ではないです。66歩68金引67銀88玉68銀成同金67歩成同金58飛

しかし と金を抜かれてしまいました。68金打53飛成45桂59竜69金打54竜

金を使わされて長期戦になりました。角金交換でやや駒損です。ここから攻めたり受けたり、寄せ合いで1手負けに終わりました。

先手が工夫できるのは、と金を作るより21飛成

で駒得にしてしまうか

1段目から飛を打つか

これなら72銀打というわけにはいきません。角取りも受けにくいですね。


△ 62歩と工夫すると

66角成61歩成67馬同玉66歩78玉61銀

は難しいです。

狙いとしては62歩に同角

と取ってもらって、62同飛成同金53歩成61金62銀

で先手よしかと思えたのですが。


△ 飛を切らずに53歩成だと

37角成は63とですから、66角成同金57銀

金が離れて行くのが嫌なのです。56金には68歩

が痛いです。

56金ではなく67金で

38飛68歩58銀不成

79金には67銀成が嫌なので、58同金同飛成79金53竜、とやはり と金を取られてしまうのでうまくないです。

57銀の時に62歩でどうか。

71金31飛38飛

68歩とは打てません。58歩に同銀不成(か同銀成か)51飛成69銀不成(か69成銀か)67玉

先手玉は詰まず、後手玉は詰めろ。でも後手は1回61歩もあるし、難しい終盤です。


△ 45桂と桂を逃げると

と金を抜かれる変化を回避しています。66角成同金57銀67金38飛68歩

今度は58銀不成同金同飛成79金、でまあまあです。


△ 飛を打ち込んだらどうか。22飛は

66角成同金33角21飛成66角62銀

両取りをかけさせて寄せに行きます。これで勝ちに見えるのですが、57角成(詰めろ)68歩39飛(詰めろ)79金打

くらいが仕方ないです。67歩に88玉68歩成

早逃げするのは69飛成の詰み筋を避けるためです。これで先手玉はゼットに見えるのですが、飛を渡すと詰まされます。71角や61銀不成や61銀成も57馬の利きで詰めろになりません。ということで実はこの図は後手の勝ちか。


△ 1段目から31飛(あるいは41飛)

とすると、66角成同金57銀67金に66銀打

38飛の方は68歩で怖くないから、こちらで攻められるかも。66同金同銀成88玉38飛78銀

でもこれも互角です。31飛があまり厳しく見えないのが難点ですが、先手が悪いというわけでもないです。


△ いろいろ保留して68歩だと

66角成同金38飛53歩成57銀に56金

金を56に逃げられる(後手から68歩を打たれない)という違いが出てきます。58銀不成に79金

とかわすことができます。

67歩に27角

で難しい戦いです。


△ これまでの変化で37角成は怖くないのだとわかってきました。ならば57銀と打ってしまいます。

持ち駒を使って桂損で馬を作らせる、というのは普通は損な取引です。しかし61飛成同銀41飛

で駒損を取り返せます。(実戦の61飛成同銀に57銀37馬41飛でも同じことかも)
後手から75桂があるのが難点ですが、51飛成67桂成同玉72銀打

くらい。53歩成47馬62金と確実に迫って

後手玉は詰めろで先手玉は詰まず。先手勝ちのような気はするのですが、まだ92玉とか(72金同銀82銀でどうか)あるので難しそう。


○ であれば57金打

のほうが良いのかも。37角成なら61飛成同銀41飛

で75桂が厳しくないです。

ただ57金打は角取りでないのが不安ですが、33角61飛成同銀31飛51歩45桂

角を逃げられても桂馬を使えるなら大丈夫です。


☆ まとめ
「両取り逃げるべからず」は逃げない好手があるかも、くらいに思っておけばよい将棋の格言です。
少なくともどちらかを取られるとまずいから、相手が両取りをかけているわけで、手抜きが成立するほうが少ないです。ただし両方とも取られることは少ないので、ということなのです。

66角成同飛は駒損とも言えないけれど、先手玉の守りが薄くなるので避けた方が良く
37角成は桂を取られて馬を作らせるひどい駒損だけれども、先手玉が堅いです。

飛車を66で取らせない方が良いので、61飛成と切ってしまえ、という実戦でのTさんの判断は正しかったです。飛がいなくなると後手からの66歩が厳しいので、その前に41飛から寄せてしまえるかどうか。それを読めばよかったです。

少しタイミングをずらして、57銀か57金打と入れてから飛を切ったらどうか。これがかなり有力でした。
△ 「両取り逃げるべからず」
○ 「終盤は駒の損得よりも速度」に玉の堅さをプラスして考えましょう。
駒損でも早く攻めるか、駒損でも自玉が堅いままで攻めるか、両方の意味をもった格言だととらえます。
(駒損で攻めが切れてはいけないのですが。)



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