☆ 昨日の復習

後手番大山先生の次の手は?
☆ 今日の棋譜
昭和54年10月、大内延介先生と第12回連盟杯争奪戦です。

大内先生が先手で石田流

当然穴熊です。大山先生はいつものように7筋を受けないで銀冠に。

33桂と跳ねるのは、24角の移動が制限されるので簡単に跳ねてはいけないのですが、46歩~57銀の形をとがめようとしています。

大内先生の66銀は誘いの隙ですが、45歩はわかり切っているのですから2手損しなくてもよいのになあ、とおもうところです。

46銀が不安定で、53銀と使ったところでは大山先生の作戦勝ちでしょう。

86歩同歩(飛車交換ができない)87歩はゆさぶりで

47歩を打たせて

角を切って87銀の両取りの筋を決行しました。

大内先生の桂を捨てて一つ飛車を浮くのが見えにくい手。

74歩で取り返そうというのです。銀桂損なのですが

かなり後手陣が味が悪く、バランスが取れています。

これで飛角を取り合って

と金を作る。銀損でも98成銀が遊んでいるので互角のわかれです。

と金で銀を取れて

さらに桂打ちです。馬は捨ててもよい、というのが穴熊らしい指し方です。

すんなり64馬と逃げて、大内先生がうまくやったようですが、大山先生の47桂というのは逆モーションで気が付きにくい、指されてみればなるほどという手です。

これで金を剥がせます。

大内先生も金を剥がし

剥がしたり埋めたりの繰り返しで

攻防が続きます。

この角打ちも攻防の手。

金銀を剥がして、大山先生になにかありそう。47銀28金とするのは得かと思ったのですが、金銀で穴熊を攻めるのは受けが利きます。

54金打から44銀と角馬の筋を止めて受けました。

大内先生は馬角を切って迫ります。(82馬と逃げておくべきかどうか、というのが検討の余地あり)

大山先生は受けきれないので攻め合いです。ここで大内先生は金を打つべきだったか。

銀で受けたので手順に角を打たれ

懸命に受けるのですが

これは寄り筋です。

66角には28銀成同玉27金同玉35桂、と王手を決めてしまうほうがわかりやすかったか。この桂も手筋ですが

39の銀を取られるので長いです。

さて先手玉は2手すき。大内先生は詰めろ以上で迫れば勝ち筋です。

24桂から44香でうまくいったように見えます。

銀取りで角を配置できましたが(43香成も有力ですが、後手は35桂が詰めろで負けか)

36桂同歩77飛成で詰めろ。後手玉もかなり危ないです。詰みがあるかどうか。

銀が足りなくて詰まないみたいです。

投了図。わずかに詰みません。
なかなかの好勝負でした。198手ですが、ずっと良い勝負です。
大山先生の作戦勝ちから、強引に技をかけに行きましたが、駒損でも と金を作って悪くない、という大内先生もさすがです。その後も力のこもった攻防が続きました。上の図面だけでなく、手順を追いかけてみると、よりわかると思います。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.30 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大内延介8段
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 9六歩(97)
4 4四歩(43)
5 7五歩(76)
6 5四歩(53)
7 7八飛(28)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5二金(61)
15 7六飛(78)
16 3三角(22)
17 2八玉(38)
18 2二玉(32)
19 1八香(19)
20 3二銀(31)
21 1九玉(28)
22 1四歩(13)
23 2八銀(39)
24 1五歩(14)
25 3九金(49)
26 4三金(52)
27 5八金(69)
28 2四歩(23)
29 4八金(58)
30 2三銀(32)
31 7七桂(89)
32 3二金(41)
33 9七角(88)
34 2五歩(24)
35 5六歩(57)
36 8四歩(83)
37 5七銀(68)
38 9四歩(93)
39 4六歩(47)
40 2四角(33)
41 9八香(99)
42 3三桂(21)
43 7九角(97)
44 8五歩(84)
45 6六銀(57)
46 4五歩(44)
47 5七銀(66)
48 4六歩(45)
49 同 銀(57)
50 5三銀(62)
51 7四歩(75)
52 同 歩(73)
53 同 飛(76)
54 7三歩打
55 7六飛(74)
56 6四歩(63)
57 6六歩(67)
58 8六歩(85)
59 同 歩(87)
60 8七歩打
61 8五桂(77)
62 7二飛(82)
63 4七歩打
64 8八歩成(87)
65 同 角(79)
66 4六角(24)
67 同 歩(47)
68 8七銀打
69 7三桂成(85)
70 同 桂(81)
71 7五飛(76)
72 8八銀成(87)
73 7四歩打
74 8四角打
75 7六飛(75)
76 9八成銀(88)
77 6一角打
78 7一飛(72)
79 8三角成(61)
80 7五香打
81 8四馬(83)
82 7六香(75)
83 7三歩成(74)
84 8一飛(71)
85 7五馬(84)
86 7九飛打
87 3八金(48)
88 7七香成(76)
89 6三と(73)
90 6七成香(77)
91 5三と(63)
92 同 金(43)
93 6五桂打
94 4三金(53)
95 6四馬(75)
96 2六歩(25)
97 同 歩(27)
98 4七桂打
99 4八金(39)
100 2七歩打
101 同 銀(28)
102 3九桂成(47)
103 同 金(38)
104 同 飛成(79)
105 3八金(48)
106 4九龍(39)
107 5三桂成(65)
108 同 金(43)
109 同 馬(64)
110 3五桂打
111 2八銀打
112 4三金打
113 7五馬(53)
114 5七成香(67)
115 6五歩(66)
116 4七成香(57)
117 3九金打
118 7九龍(49)
119 6六角打
120 5五歩(54)
121 7七歩打
122 7一飛(81)
123 6四馬(75)
124 6八龍(79)
125 5五馬(64)
126 2七桂(35)
127 同 銀(28)
128 3八成香(47)
129 同 金(39)
130 5四金打
131 2五桂打
132 4四銀打
133 同 馬(55)
134 同 金(54)
135 同 角(66)
136 同 金(43)
137 3三桂成(25)
138 同 金(32)
139 2五桂打
140 2一桂打
141 4五香打
142 4七角打
143 3九銀打
144 3八角成(47)
145 同 銀(27)
146 6六角打
147 4九金打
148 5八金打
149 4八桂打
150 同 金(58)
151 同 銀(39)
152 同 角成(66)
153 同 金(49)
154 同 龍(68)
155 2八金打
156 3九銀打
157 6六角打
158 2七桂打
159 同 金(28)
160 3八龍(48)
161 3九角(66)
162 2七龍(38)
163 2八銀打
164 3八銀打
165 2七銀(28)
166 同 銀(38)
167 5二飛打
168 3二金打
169 3三桂成(25)
170 同 桂(21)
171 2四桂打
172 同 銀(23)
173 4四香(45)
174 2三銀打
175 5四角打
176 3六桂打
177 同 歩(37)
178 7七飛成(71)
179 3五歩(36)
180 4五歩打
181 3二角成(54)
182 同 銀(23)
183 同 飛成(52)
184 同 玉(22)
185 4三銀打
186 2一玉(32)
187 1三桂打
188 同 銀(24)
189 3二金打
190 1二玉(21)
191 2三金打
192 同 玉(12)
193 3三金(32)
194 同 玉(23)
195 3四銀成(43)
196 2二玉(33)
197 2三金打
198 3一玉(22)
199 投了
まで198手で後手の勝ち

後手番大山先生の次の手は?
☆ 今日の棋譜
昭和54年10月、大内延介先生と第12回連盟杯争奪戦です。

大内先生が先手で石田流

当然穴熊です。大山先生はいつものように7筋を受けないで銀冠に。

33桂と跳ねるのは、24角の移動が制限されるので簡単に跳ねてはいけないのですが、46歩~57銀の形をとがめようとしています。

大内先生の66銀は誘いの隙ですが、45歩はわかり切っているのですから2手損しなくてもよいのになあ、とおもうところです。

46銀が不安定で、53銀と使ったところでは大山先生の作戦勝ちでしょう。

86歩同歩(飛車交換ができない)87歩はゆさぶりで

47歩を打たせて

角を切って87銀の両取りの筋を決行しました。

大内先生の桂を捨てて一つ飛車を浮くのが見えにくい手。

74歩で取り返そうというのです。銀桂損なのですが

かなり後手陣が味が悪く、バランスが取れています。

これで飛角を取り合って

と金を作る。銀損でも98成銀が遊んでいるので互角のわかれです。

と金で銀を取れて

さらに桂打ちです。馬は捨ててもよい、というのが穴熊らしい指し方です。

すんなり64馬と逃げて、大内先生がうまくやったようですが、大山先生の47桂というのは逆モーションで気が付きにくい、指されてみればなるほどという手です。

これで金を剥がせます。

大内先生も金を剥がし

剥がしたり埋めたりの繰り返しで

攻防が続きます。

この角打ちも攻防の手。

金銀を剥がして、大山先生になにかありそう。47銀28金とするのは得かと思ったのですが、金銀で穴熊を攻めるのは受けが利きます。

54金打から44銀と角馬の筋を止めて受けました。

大内先生は馬角を切って迫ります。(82馬と逃げておくべきかどうか、というのが検討の余地あり)

大山先生は受けきれないので攻め合いです。ここで大内先生は金を打つべきだったか。

銀で受けたので手順に角を打たれ

懸命に受けるのですが

これは寄り筋です。

66角には28銀成同玉27金同玉35桂、と王手を決めてしまうほうがわかりやすかったか。この桂も手筋ですが

39の銀を取られるので長いです。

さて先手玉は2手すき。大内先生は詰めろ以上で迫れば勝ち筋です。

24桂から44香でうまくいったように見えます。

銀取りで角を配置できましたが(43香成も有力ですが、後手は35桂が詰めろで負けか)

36桂同歩77飛成で詰めろ。後手玉もかなり危ないです。詰みがあるかどうか。

銀が足りなくて詰まないみたいです。

投了図。わずかに詰みません。
なかなかの好勝負でした。198手ですが、ずっと良い勝負です。
大山先生の作戦勝ちから、強引に技をかけに行きましたが、駒損でも と金を作って悪くない、という大内先生もさすがです。その後も力のこもった攻防が続きました。上の図面だけでなく、手順を追いかけてみると、よりわかると思います。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.30 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大内延介8段
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 9六歩(97)
4 4四歩(43)
5 7五歩(76)
6 5四歩(53)
7 7八飛(28)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5二金(61)
15 7六飛(78)
16 3三角(22)
17 2八玉(38)
18 2二玉(32)
19 1八香(19)
20 3二銀(31)
21 1九玉(28)
22 1四歩(13)
23 2八銀(39)
24 1五歩(14)
25 3九金(49)
26 4三金(52)
27 5八金(69)
28 2四歩(23)
29 4八金(58)
30 2三銀(32)
31 7七桂(89)
32 3二金(41)
33 9七角(88)
34 2五歩(24)
35 5六歩(57)
36 8四歩(83)
37 5七銀(68)
38 9四歩(93)
39 4六歩(47)
40 2四角(33)
41 9八香(99)
42 3三桂(21)
43 7九角(97)
44 8五歩(84)
45 6六銀(57)
46 4五歩(44)
47 5七銀(66)
48 4六歩(45)
49 同 銀(57)
50 5三銀(62)
51 7四歩(75)
52 同 歩(73)
53 同 飛(76)
54 7三歩打
55 7六飛(74)
56 6四歩(63)
57 6六歩(67)
58 8六歩(85)
59 同 歩(87)
60 8七歩打
61 8五桂(77)
62 7二飛(82)
63 4七歩打
64 8八歩成(87)
65 同 角(79)
66 4六角(24)
67 同 歩(47)
68 8七銀打
69 7三桂成(85)
70 同 桂(81)
71 7五飛(76)
72 8八銀成(87)
73 7四歩打
74 8四角打
75 7六飛(75)
76 9八成銀(88)
77 6一角打
78 7一飛(72)
79 8三角成(61)
80 7五香打
81 8四馬(83)
82 7六香(75)
83 7三歩成(74)
84 8一飛(71)
85 7五馬(84)
86 7九飛打
87 3八金(48)
88 7七香成(76)
89 6三と(73)
90 6七成香(77)
91 5三と(63)
92 同 金(43)
93 6五桂打
94 4三金(53)
95 6四馬(75)
96 2六歩(25)
97 同 歩(27)
98 4七桂打
99 4八金(39)
100 2七歩打
101 同 銀(28)
102 3九桂成(47)
103 同 金(38)
104 同 飛成(79)
105 3八金(48)
106 4九龍(39)
107 5三桂成(65)
108 同 金(43)
109 同 馬(64)
110 3五桂打
111 2八銀打
112 4三金打
113 7五馬(53)
114 5七成香(67)
115 6五歩(66)
116 4七成香(57)
117 3九金打
118 7九龍(49)
119 6六角打
120 5五歩(54)
121 7七歩打
122 7一飛(81)
123 6四馬(75)
124 6八龍(79)
125 5五馬(64)
126 2七桂(35)
127 同 銀(28)
128 3八成香(47)
129 同 金(39)
130 5四金打
131 2五桂打
132 4四銀打
133 同 馬(55)
134 同 金(54)
135 同 角(66)
136 同 金(43)
137 3三桂成(25)
138 同 金(32)
139 2五桂打
140 2一桂打
141 4五香打
142 4七角打
143 3九銀打
144 3八角成(47)
145 同 銀(27)
146 6六角打
147 4九金打
148 5八金打
149 4八桂打
150 同 金(58)
151 同 銀(39)
152 同 角成(66)
153 同 金(49)
154 同 龍(68)
155 2八金打
156 3九銀打
157 6六角打
158 2七桂打
159 同 金(28)
160 3八龍(48)
161 3九角(66)
162 2七龍(38)
163 2八銀打
164 3八銀打
165 2七銀(28)
166 同 銀(38)
167 5二飛打
168 3二金打
169 3三桂成(25)
170 同 桂(21)
171 2四桂打
172 同 銀(23)
173 4四香(45)
174 2三銀打
175 5四角打
176 3六桂打
177 同 歩(37)
178 7七飛成(71)
179 3五歩(36)
180 4五歩打
181 3二角成(54)
182 同 銀(23)
183 同 飛成(52)
184 同 玉(22)
185 4三銀打
186 2一玉(32)
187 1三桂打
188 同 銀(24)
189 3二金打
190 1二玉(21)
191 2三金打
192 同 玉(12)
193 3三金(32)
194 同 玉(23)
195 3四銀成(43)
196 2二玉(33)
197 2三金打
198 3一玉(22)
199 投了
まで198手で後手の勝ち