三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 2月17日 当たり前のこと・・・

2016-02-17 | メンテナンスお気楽日記
以前にも同じ質問を受けたが「糸巻き(シリンダー)のキャップに付いているテグスは何ですか?」

前は、撚糸屋さんの見学に誘った製糸屋さんから、今日は巻き屋さんを紹介した編み屋さん。
答えようにも「・・・・」。 あまりも当然すぎて、即答が出てこない。

まず、シリンダーからの解除糸のビリを消す効果。でも、ビリのない糸にも使っているから
テンションの均一化?にも影響しているのか?

もう、あまりにも使うのが当たり前の様に作業しているから、使わない時の不便差なんて感じていない。
只、テグスへの「こだわり」は各自持っている。太さ・長さ、テグスの切り口でも張力は変わってくる。


高年齢者工場では、自らの経験と知恵で試行錯誤して選んだ「作業技術」
でも、二代目三代目には「当たり前の作業」としか見えないし、教えられてもいない。
なぜ、こうするのか?これを使うのか?わざわざ「伝承」することも無かった。

それを知る機会は、他社(工場)と比べることでしかない。テレビの「ケンミンショー」にも似ている。
当たり前と思っていることが、実は変な事?であったり、大変な技術でもあったりする。

しかし、工場交流、まして同業他社の工場見学・意見交換のチャンスは極めて少ないのも現状。
二代目三代目はモンモンと作業をこなしている。外に出る機会(ヒマ)も見えない。

後継者への「技術の伝承」は引き繋がれてはいると思う。伝わらなかったのは「なぜ、どうして」で、
結果のみが、当たり前の作業方法として伝承され、考える余地がなかったのかもしれない。

地場産業としての技術、自社加工の技術。それは他から見ればスゴイ事なのかもしれない。
でも、それは特殊な機械や機器を使っている訳でもなく、一見しても見えない事の方が多い。


一番、伝えなければいけなかった事。それは、「自社の強み」と「ものづくりの自信」
客先から信頼され期待され、まだまだ開発もできる喜びだったかも知れない。

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メンテお気楽日記 2月16日 タラ・レバ(鱈レバー)ナラ・シカ(奈良鹿)

2016-02-17 | メンテナンスお気楽日記
「うまく行ったら、仕事が決まれば、ワインダーが4台は必要になる。集められるか?」

こんな話は、9割いや9割5分は、いつの間にか無かった話になってしまう。

まず、設備のない工場に仕事が廻る訳もなく、燃台仕事の他にワインダー作業を受ければ、
設備費は準備できたとしても、人件費コストは毎月掛ってくる。儲けも飛んでしまう?

それでも、仕事を確保したい工場は、社長自らの作業で対応を考えている。
燃台の合間に?ワインダーに糸をセット、そしてタイマー稼働。そんな旨くいくハズがない。

当然?事故率やロス率は高くなる。目の届かない仕事は「品質」さえ危うい。
それ以上に、糸の上げ下ろしや梱包は手間がかかる。出荷検査もおろそかにならざるを得ない

ものづくりは手間を掛けた分の工賃。設備費をいくら掛けたとしても所詮「機械まかせ」?
材料費や維持費なんて微々たるモノ?どれだけ、手を掛け、目を掛けたかが「加工賃」である。

「人件費」こそが、ものづくりの基礎ってことが、忘れられたのか?出来なくなったのか?
昔のエライ人は「人は石垣、人は城」と言ったそうだ。今こそ「人は最高の機械」と言いたい。


「この仕事なら○○撚糸、こんな仕事は○○撚糸しか頼めない」こんな工場もあります。(ました)
確かに、じいちゃんとばあちゃん、そしてたまに来るお手伝いさんの3人しか見かけません。

設備は古いし、工場もISOとは程遠い。足の踏み場もないと言った方が正解かも?
人の嫌がる仕事(加工・量)でも、こつこつとこなしています。無理な仕事はしません。

こだわりは、客注に応じること。自分で機械を調整し、回転数を選び、ベルトの張りを確認
セット加工では、空セットの二度手間までしていた。水分率が違うらしい。

まだまだ、目に見えないコツや方法がいっぱいありそうだが、後継者はいない。
手間を掛け、時間をかけて、それこそ客注のため「どうすれば」と考えながらの作業。

ところが、その工場もばあちゃんが体を壊したかで、休業中?との話も聞いた。

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