さくら・たわわにたわごと

四季折々、愛しきものたちとの日々と思いを綴ります。

立春・黄鶯睍睆く

2021-02-11 | 旅・自然・動物
新暦の、およそ2月9日~13日ごろの今の時期は、
旧暦では立春(りっしゅん)の次候、
「黄鶯睍睆く(うぐいすなく)」
です。

黄鶯睍睆く とは、
春の到来を告げる鶯が、美しい鳴き声を響かせるころ です。
かつては、
梅の咲く季節「梅花乃芳し(うめのはなかんばし)」
とも呼ばれていたとか。

今日の日中はあたたかく、
ここちよい陽ざしを浴びながら、愛犬りんとお散歩できました。

お散歩ついでに、お世話になっている動物病院に行って
必要な薬と、自宅で点滴するための輸液をもらい、
少し足を延ばしてみると、きれいに咲いた白梅が。

 

近くの枝には、
やってくる野鳥たちのためなのでしょう、
ミカンが刺してあって、
それをめざしてヒヨドリやメジロたちが
何羽も飛んできていました。

りんを連れたまま、
窓口で買えるお店のパン屋さんや、
ひとつから買えるからあげ屋さんなどを通りかかれば
それらをいくつか買いもとめ…

さらには酒屋さんにまで足を延ばし、
一升瓶の地酒を1種類。
主人が一緒だったからこそできた買い物ですが、
帰りは両手にいっぱいの荷物に。

いつもより長いお散歩になりましたが、
りんも元気にトコトコ歩いておつきあいしてくれました。

日が暮れたら、一気に気温が下がって寒くなるようです。
あたたかい、貴重な日中のひとときでした。


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2019・夏の終わりの尾瀬

2019-09-14 | 旅・自然・動物
お盆が明けた次の週、
尾瀬を訪ね、歩いてきました。
滞在は8月23日~25日。

いくつか心配ごとを抱えていたので、
ぎりぎりまで、行けるかどうかハラハラでしたが、
ぶじ行くことができ、トラブルやケガもなく楽しんで帰って来られて
しあわせです。

8月22日の夜行バスで大阪から東京・新宿へ。
23日、関越バス・尾瀬号で戸倉へ。
そこからまたバスを乗り継ぎ…
大阪からだと、入山口にたどり着くまででも、いつもはるかな尾瀬です。

今回は、案内してくれる友人にお願いして、
鳩待峠から入山し、原を抜け、沼に向かい、大清水から下山するという、
いつもとは逆のコースで歩きました。

尾瀬の夏を代表する花、ニッコウキスゲのシーズンは終わっていましたが
夏の名残りの花、秋の咲き始めの花、これから咲こうとする花のつぼみたちに
たくさん出会うことができました。

滞在中はお天気に恵まれ、1度も雨具の出番はなし。
こんなことはめずらしいです。




入山した1日目にお世話になった山ノ鼻小屋。
こちらに泊めていただくのは初めてでした。




尾瀬ヶ原の池塘(ちとう)で、1輪だけ、咲いているのを見つけたオゼコウホネ。




ハンゴンソウ。




チョウジギク。
今回初めて見ました。
なんともユニークな姿の花で、1度見たら覚えていられそう。






トリカブト。
猛毒がありますが、尾瀬の秋を彩る美しい花です。




ワレモコウ。
ほっと癒される花です。




サワギキョウ。
これも、尾瀬の秋を代表する花のひとつです。




ミズオトギリ。
今回初めて見ることができた、可憐な花です。




大江湿原に咲く花たち。
コオニユリ、サラシナショウマ。

わたしはこの湿原がとても好きで、ここへ来ると、
ああ尾瀬に来たんだなという気持ちになります。










大清水平。
今回初めて行った場所です。




大清水平から戻る木道で遭遇した白っぽいアナグマさん!
うれしいサプライズでした。
しっかり目が合って、しばらく見惚れたまま、写真は撮れず…
ゆっくり動いてくれたので、じゅうぶん撮れそうだったのですが。
これは、友人がなんとか撮ってくれた写真。
また会えたらいいな。オコジョさんにも。




尾瀬沼。




2日目、尾瀬沼の見晴(みはらし)で泊まった長蔵小屋。
こちらは初めて尾瀬を訪れた2002年から、
何度もお世話になっているおなじみの小屋。




長蔵小屋の前にある水くみ場(冷たい清水で、とてもおいしい)。
その傍らに咲いていたチョウジギク、トリカブト、ゴマナ。




長蔵小屋の前に群生していたヤナギラン。


最後に、ヒツジグサを。
とても好きな花ですが、季節により、時間帯により、
ひらいているときに出会えるとは限りません。
今回はたくさんのヒツジグサが、
あちらにもこちらにも咲いているのが見られて大感激でした。

が、写真が撮れなかったので、これまた友人の写真を拝借。








今回は、クマの目撃情報が多く、注意を促されることがたびたびありました。
クマにこちらの存在を知らせるための熊鈴を、いつも鳴らしながら歩きますが
今回の旅では、その重要さをつよく感じたことでした。

こちらには書けていなかったのですが、
昨年の夏にも訪ねているので、今回が12回目の尾瀬への旅になりました。

シーズンオフ、と言われる時期でも、
その時期、その日、その時間でしか見られない花たちが、
風景が出迎えてくれます。

何度訪ねても、見たことのない絵を毎回見せてくれる尾瀬。

またできれば来年に、
来年がだめなら、また近いうちに行けますように。



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白露・草露白し

2018-09-07 | 旅・自然・動物
9月になりました。

新暦の、およそ9月7日~11日ごろ、
旧暦では白露(はくろ)の初候・「草露の白し(くさつゆのしろし)」。

白露とは、大気が冷えてきて露を結ぶころのこと。
ようやく残暑が引いていき、本格的に秋が訪れてくる、
とあります。

草露の白しとは、草に降りた露が白く光って見えるころ。
朝夕の涼しさが、くっきりと際立ってきます…
とのこと。

しかし、近年では
あなどれぬ残暑が9月いっぱいほども続きますね。
暑さ寒さも彼岸まで…という昔からのいわれも、
だんだん当てはまらなくなってきそうです。

これも、止められずにいる温暖化のためでしょう。

今年は地震、大雨、台風と、次々自然災害に見舞われている日本。
どの地方にも、いつ何が起こるかわからないという思いです。
日本だけでなく、海外の地震や台風のニュースもしばしば流れ、
地球規模での環境の変化、地殻変動が急速に起こっているのだと
思わせられます。

不安は尽きず、落ちつかない日々ですが、
今、とにかくもぶじでいるこの日常をありがたいと思いながら、
自分のやるべきこと、できることをやっていくしかありません。

災害で、いま日常生活がままならぬ状態にある方々には、
1日も早く安心して暮らせる環境がととのいますように。




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2017・夏の尾瀬

2017-07-28 | 旅・自然・動物

ちょうど2年ぶりに、夏の尾瀬を訪ねました。
2002年に初めて訪れてから、
今回でなんと10回目になります。

撮った写真をいくつかご紹介いたします。
撮影は、すべて2017年7月21日です。

15年前に初めて尾瀬を訪れた頃からしばらくは、
行くたびに古い(重い!)ペンタックスXPを持参して
扱いに手間取りながらも写真を撮ったものですが、
それが壊れてしまってから新しいカメラも買っておらず、
写真はデジカメ持参の友人におまかせです。

カメラを持たないわたしはスマートホンで、ちょいちょいと撮るだけ。
ところが、電波の届かない高山で電池の消耗が激しいものですから、
1日目の沼にいる間にほとんどアウトになってしまいました。
充電器も持って行かなかったので、
下山するまでスマートホンは、ただの板~状態です。
まあ、たまにはそんなのもいいでしょう、と
緊急の連絡が来ていないことを祈りつつ…

そんなわけで、1日目の尾瀬沼付近で撮ったものだけで、
2日目の見晴(みはらし)~尾瀬ヶ原~下山口の鳩待峠までの写真は1枚もありません。
友人の撮ったものを後日、楽しみにみせてもらうことにします。




群馬県からの入山口のひとつ、大清水から尾瀬入り。
少しきつい登りもありますが、がんばって三平峠まで来ました。
ここまで来るとホッとします。




湿地帯で、つつましやかに出迎えてくれたギンリョウソウ。




1日目の尾瀬沼での宿・長蔵小屋の前に咲いているヒメサユリ。
自生したものではなく、むかしここに持ち込まれたものらしいと聞いていますが、
初めて訪れたときから目にしているわたしには、
ここで咲いていることが自然のように思えます。
可憐なピンクの花です。




大江湿原に咲いていたハクサンチドリ。
今回の尾瀬で、元気にたくさん咲いていた花のひとつです。




これも大江湿原に咲いたホソバノキソチドリ(と思われます)。
見分けのむずかしい花のひとつで、まちがっていたらごめんなさい。




大江湿原の木道。
ニッコウキスゲとワタスゲが同時期に群生しているという、
めずらしい風景がみられた今年の夏の尾瀬でした。




大江湿原。
こんな絵が、360度見渡すかぎり広がります。
ニッコウキスゲが黄色い絨毯のようになる最盛期には、それはみごとです。
それでも、訪ねるたびに、以前より花の数はかなり減っているように感じます。




夏の尾瀬を代表するニッコウキスゲ。
今年は、雪どけが遅かったためか、花の開花時期も遅れているようです。
今週末あたりが最盛期でしょうか。

それにしても、
15年前に初めてこの季節に訪れて、
言葉をうしなうほどこころに迫ってきたニッコウキスゲの群生は
あれ以来みられません。

シカの食害が進み、株じたいが激減しているのでしょうか。

それでも、ここ十数年くらいの間に、
池塘などで無残に荒らされていたミツガシワ(シカの好物)が、
設けられた柵のおかげか、少し復活しているような場所も見かけられました。
写真には撮れていないのですが…


尾瀬では、ザックにつけたクマさん除けの鈴を鳴らしながら歩きます。
クマさんには出会わずにすみましたが、
会いたいオコジョさんにも、今回も出会えずでした。
いつかきっと~!

写真には撮れませんでしたが、であえた花や虫、鳥たち。
とてもかわいい花が多いのですが、おみせできないのが残念です。
興味のあるかたは、調べてみてくださいね。

林の中では、
ミヤママタタビ、ケナツノタムラソウ、レイジンソウ、オオウバユリ、
マイヅルソウ、ゴゼンタチバナ、ズダヤクシュ、ギョウジャニンニク、
ショウキラン、ハクサン(?)シャクナゲ、ヤマオダマキなど。

尾瀬ヶ原では、
カキラン、コタヌキモ、オニノヤガラ、サワラン、トキソウ、タテヤマリンドウ(花も跡も)、
モウセンゴケ(花も)、ナガバノモウセンゴケ、、ミズチドリ、
ヒメシャクナゲ、ツルコケモモ、キンコウカ、ニガナ、
ヒオウギアヤメ、カキツバタ、ヤナギトラノオ、レンゲツツジ、
クロバナロウゲ、ミタケスゲ、ミカヅキグサ、ミヤマホタルイ。

オトギリソウとスミレは、その種類まではわからず。
アオヤギソウ、コバノトンボソウ(?見分けが難しい)、
ノアザミ、チングルマ、ネバリノギラン。

沼でたくさん見られたワタスゲはなく、
原で群生していたのは、
サギスゲ(ワタスゲのように丸まっておらず、筆のようにみえます)。

池塘ではヒツジグサ(開花前のつぼみがひとつ)、オゼコウホネ(開花したのが3つくらい)。

緑はとんでもなく成長したミズバショウの葉。
(白い苞…花と思われているものがきれいに残っている株もひとつふたつ、発見!))
ヤチヤナギ(いい香りです)、コバイケイソウ、ヤマドリゼンマイ、チシマザサ。

ルリイトトンボとハッチョウトンボ。
鳥はホオアカ。
鳴き声だけなら、カッコウも。


いつもそうですが、
尾瀬を出るときは名残り惜しく、
下山して帰ったとたん、
尾瀬を訪れ歩き、見た風景の数々は夢ではなかったのか
という気になってしまいます。

その風景にもういちどであうために、
風や空気を味わうために、
あれが夢でなかったことを確かめるかのように、
またわたしは尾瀬を訪ねずにはいられないのでしょう。

大阪から夜行バスで東京へ。
早朝、新宿からバスか鉄道を使って(今回バスが予約できず鉄道で)
登山口の大清水まで5時間弱。

はるかな尾瀬です。


それにしても、山で食べるごはんは、
なぜあんなにもおいしいのでしょうか。
食材や日用品の数々を黙々と運んでくださる歩荷(ボッカ)さん、
山小屋のみなさんに感謝です。

もちろん、おいしいお酒も味わいました。

なぜかさいごは食い気に。。。^^;







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友を偲んで

2016-08-31 | 旅・自然・動物
お盆を過ぎた8月の日曜日、
高校時代の演劇部仲間9人で、愛知県愛西市に出かけた。

昨年12月に亡くなった、わたしたちのもうひとりの仲間の家を訪ねるために。
最寄りの駅は「永和」。

転勤が多く、関西を離れて長い友とは
みんな20年ほども会っていなかった。
年賀状のやりとりはしていたが、誰も、何も事情を知らなかった。

今回、亡くなった友のご主人との連絡をとる役をしてくれた仲間の話で、
病気であったことを知った。
病気のことは、何も話さずに逝ってしまった友。

永和駅から、歩くこと20分くらいだったろうか。
なつかしい友の、終の住処がそこにあった。
ご主人が出迎えてくださる。

見晴らしのいい、風通しのいい、3階のその部屋に、
変わらぬ友の笑顔があった。
遺影であるのが信じられなかった。

9人の仲間がひとりずつ遺影に手を合わせ、祈ったのち、
ご主人が経過を静かに語ってくださった。

7年ほども前から、闘病生活だったと。

脳腫瘍。

手術を2回、放射線治療、抗がん剤治療、ガンマナイフ…

できうる治療を、長いことがんばっていたんだね。

見せてもらったアルバムには、
友のしあわせな笑顔があふれていた。

ご主人やふたりのこどもたち、ご主人のご両親とともに
しあわせな日々を過ごしていたのだなあと、
友の笑顔が教えてくれた。

わたしたち9人の仲間は、それぞれ、
新神戸からふたり、新大阪から5人、東京からふたり出発して、
名古屋で合流した。
そこから1時間もかからず、たどり着ける友の家。

どうして元気なときに、会いに来なかったのだろう。

みなひとしく、おなじことを悔いた。

けれどもそれ以上に、

こどもの頃からおとうさんがおらず、ひとりっ子で、
おかあさんとおばあさんと一緒に暮らしていた友が、
その後おばあさんもおかあさんも見送り、
ほかに身寄りもなくひとりで暮らしていた友が、
ご主人という伴侶を得て、ふたりのこどもにめぐまれ、
ご主人のご両親にもかわいがられて
いい家族ができたこと…

こんなにもしあわせであったこと。

それが、とてもうれしかった。

友にそっくりな男の子と女の子は、19歳と16歳。
9人で押しかけたわたしたちオバサンを、
ふたりともやさしく迎えてもてなしてくれた。

この子たちのなかにも、友が生きている。
友の生きた証が、ここにもちゃんとある。

それを実感できて、よかった。
みんなでここに来られてよかった。

あいたいと思いながらも、きっかけがないままにあえずにいた仲間を
もういちど集わせてくれたね。

ありがとう。

忘れないよ。



写真は、仲間のひとりが向かい側ホームから撮ってくれたもの。
そんなわけで、写っているのは8人です。
日傘必須の、暑い暑い夏の日でした。



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