A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記794 『self community 家族について』

2013-09-24 23:46:35 | 書物
タイトル:self community 家族について(box archive)
企画・発行:宮本博史
音声提供:浅野陽子、石井万里、磯山舞、伊藤安寿華、今津加央里、大石俊輔、大室直人、岡部太郎、小野耕治、小山冴子、柏戸喜貴、川又俊介、北原一輝、古山知恵、芹澤幸雄、田中朝子、丹正和臣、張雯、徳永貴子、西川勝、日尾野慶太、藤川哲、丸山真貴子、宮澤聡、宮田君平、山上渡、山口修平、山村幸則、鷲田めるろ
楽曲提供:Black&Mountain(江崎將史+貝つぶ)
楽曲録音:西川文章
物品提供:上埜妙子、宇尾野久美恵、奥野佐知子、佐久間里美、佐々木清子、芹澤幸雄、田中朝子、寺田就子、長山裕香子、西川勝、登久希子、日尾野慶太、廣瀬忠子、松井智惠、丸山真貴子、山村幸則
物品撮影:天野憲一
デザイン:SKKY Inc.
印刷:ITカラー印刷グラフィックグラフ
封筒制作:上埜妙子
空き缶収集:宇尾野久美恵、佐久間里美
協力:石丸彰子、竹内哲也、山岡敏明、芦屋市立美術博物館、たんぽぽの家、dommon cable、Port Gallery T
発行日:[2013]
定価:3,500円(税込)
形態:2冊組 ; 18×21cm(別冊のみ新聞紙による封筒に封入) ; CD3枚 ; 解答済A4アンケートコピー9枚 ; 空き缶入り
注記:ed. 011/300
内容:

缶を開けたところ


家庭にある物品を撮影した写真と家族にまつわる引用(アフォリズム)によって構成された本。

購入日:2013年9月8日
購入店:芦屋市立美術博物館
購入理由:
 芦屋市美で開催された「アートピクニックvol.3 マイホーム ユアホーム」は、「家族」や「ホーム」の有り様を考察するとても充実した展覧会だった。
 私の本展の目的は、宮本博史の作品であった。これまで大阪や奈良などで開催された展覧会で作品を見てきたが、毎回その展示に魅了された。宮本の作品は、日常のモノや他愛もない会話などを素材に展示、映像、音声などにより構成される。それらは、社会学的なアプローチが試みられているが、私が何より魅了されたのは、博物館的な展示方法であった。伝言が書かれたメモ用紙、チラシ、置き物、人形、備長炭、化粧品、写真などなど、家の中によくある品々が非日常的な物質性を醸しだし、不思議な魅力を感じてしまうのである。物には人の痕跡、気配があるのだろう。ただ置かれるだけで人柄が想像されておもしろい。

 本書は、会場にて販売されていた宮本によるアートブック。宮本が集めた30家族の会話を収めたCD3枚とその書き起こし、家族へのアンケート、家族に関する記事などをまとめた冊子がリユースのお菓子缶に収められている。私が購入したものは風月堂の缶だった。なかも冊子が古新聞による封筒に収められ、裏紙にクレジットが書かれていたりとすべて手製、リユースという徹底ぶり。恐るべし。

 この日は学芸員の方のご厚意でたまたま会場に来ていたご本人にもお会いすることができた。いろいろお話も聞けてよかった。どうもありがとうございました。