A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記739 『空即是色』

2013-06-03 23:33:49 | 書物
タイトル:藤永覚耶 : 空即是色
別タイトル:KAKUYA FUJINAGA: vanity is color
シリーズ名:APMoA Project, ARCH vol.6
企画:中西園子(愛知県美術館学芸員)
撮影:林育正
デザイン:伊藤敦志(AIRS
発行:愛知県美術館
発行日:2013.5
形態:1枚 ; 26cm
注記:展覧会リーフレット
   会期・会場: 2013年4月26日-6月23日:愛知県美術館 展示室6ほか
内容:
「ゆらぐ色彩に身をゆだねて」中西園子
図版
作家略歴

頂いた日:2013年6月1日
 展示はGWに見に行っていたが、まだリーフレットはできていなかったため、後日作家の方よりご恵贈頂いた1冊。どうもありがとうございます。
 藤永はインクを溶かすことで生れる色彩のゆらぎと流動性を特徴とする絵画を制作している。以前は、支持体の布を吊るしたりすることで、外部環境によるゆらぎも作品に作用させていたが、近年は絵画面におけるゆらぎを作りだすことに傾倒している。逆にそれが、物質としての絵画と展示環境との関わりを問いなおしているようだ。
 藤永の絵画は、一見すると抽象画だが、そもそもは自身で撮影した写真から出発している。絵画の基底に現実の物質があることで、イメージは飛躍することができる。具体的には、描画した後にインクを溶かし、イメージの生成と崩壊という両義性をあわせ持った「未生」の絵画を生み出すのである。まさに「空即是色」である。
 本展では、過去作から新作の大作まで並び、近年の藤永の充実した作品を見ることができる。