タイトル:土偶・コスモス
並列書名 : Dogū, a cosmos
編者:MIHO MUSEUM
アート・ディレクション:有山達也
デザイン:中島美佳(アリヤマデザインストア)
発行:東京 : 羽鳥書店
発行日:2012.9
形態:341p : 挿図, 地図 ; 25cm
注記:展覧会カタログ
会期・会場: 平成24年9月1日-12月9日:MIHO MUSEUM
主催: MIHO MUSEUM, 京都新聞社
年表: p [14]
参考文献: p259-262
遺跡一覧: p264-268
定価:3,000円+税
内容:
土偶大集合
みみずく、遮光器、十字形、ハート形、河童形――縄文15000年の想像力
国宝3点・重要文化財21点を含む、土偶・土器、総数320点
現代人の魂を揺さぶる土偶のたくましい生命感に迫る
MIHO MUSEUM「土偶・コスモス展」公式カタログ
(本書帯より)
ごあいさつ
凡例
「土偶・コスモス」辻惟雄
遺跡地図
年表
第1章 土偶・コスモス
1 縄文土偶――物語性の造形
2 五体を揃え、女性らしくなる土偶
3 壊された土偶
4 さまざまなポーズ、異形のものたち
5 意味を持つ数
6 多様化する土偶と遮光器土偶の展開
7 西日本の土偶
8 縄文ランドスケープ“大湯環状列石”
9 ストーンサークルと「第二の道具」
10 縄文に魅せられた現代文化人
第2章 数字からみる土偶
1 土偶の種類
2 出土状況
3 出土点数
4 大きさ
5 壊れ方
6 色彩
第3章 土偶の世界
1 「縄文土偶の誕生、そして大変身」小林達雄
2 「縄文文化における数の観念」西田泰民
3 「西アジアの土偶:シリア~パレスチナを中心に」泉拓良
4 「現代の土偶現象」ニコル・クーリッジ・ルーマニエール
参考文献
遺跡一覧
出品目録
購入日:2012年12月2日
購入店:MIHO MUSEUM
購入理由:
縄文土偶の展覧会がどれほど開催されているのか知らないが、この展覧会は最高だった。もはや考古学や美術などのジャンル分けがいかにくだらないかが思い知らされた。一般的に考古学系の展覧会は教科書的、アカデミックな内容で、あまり食指が動かない。だが本展は違った。これほどエンタテインメント性がありつつアカデミックな展覧会ができるとは、ただただ賛嘆する。
それもそのはず、本展は2009年から2010年に東京国立博物館で開催された「国宝 土偶展(The Power of Dogu)」の企画者で、世界で初めて縄文土偶の展覧会を行なったニコル・クーリッジ・ルーマニエールが手がけているからである。公式カタログである本書に収録された論文では、現代の土偶現象を日本の漫画、蓑虫山人、川端康成、岡本太郎などのエピソードを紹介し、日本人の私でも知らなかった土偶表象の変遷を教えてくれる。恥ずかしながら蓑虫山人のことは初めて知ったが、すごい人がいるものだと知的好奇心を刺激された。
本書の作品撮影は、かつて土門拳の助手を務めていた藤森武が手がけている。本書の藤森の写真は、土門拳の「古寺巡礼」シリーズを想起するようなすばらしいクオリティである。黒バックによる作品写真というのは、通常の考古学系図録ではありえないだろうが、アートとして縄文土偶を捉えている心意気が伝わってくる。デザインも地味な考古学・歴史系図録の通念を破るスタイリッシュな内容で痺れる。これがデザインの仕事である。
展覧会の内容について触れるとキリがないが、「2 五体を揃え、女性らしくなる土偶」に展示されていた小型土偶がクッキーに見えて仕方なかった。とても15000年前とは思えない焼っぷりがすばらしい。「3 壊された土偶」は、HANARARTで展示して頂いた菅原布寿史さんの絵画、シルクロードの破損・損壊した洞窟壁画を思い起こした。破壊された美しさにただただ圧倒される。欠片ひとつまで存在感があり、縄文のすごさに圧倒される。
並列書名 : Dogū, a cosmos
編者:MIHO MUSEUM
アート・ディレクション:有山達也
デザイン:中島美佳(アリヤマデザインストア)
発行:東京 : 羽鳥書店
発行日:2012.9
形態:341p : 挿図, 地図 ; 25cm
注記:展覧会カタログ
会期・会場: 平成24年9月1日-12月9日:MIHO MUSEUM
主催: MIHO MUSEUM, 京都新聞社
年表: p [14]
参考文献: p259-262
遺跡一覧: p264-268
定価:3,000円+税
内容:
土偶大集合
みみずく、遮光器、十字形、ハート形、河童形――縄文15000年の想像力
国宝3点・重要文化財21点を含む、土偶・土器、総数320点
現代人の魂を揺さぶる土偶のたくましい生命感に迫る
MIHO MUSEUM「土偶・コスモス展」公式カタログ
(本書帯より)
ごあいさつ
凡例
「土偶・コスモス」辻惟雄
遺跡地図
年表
第1章 土偶・コスモス
1 縄文土偶――物語性の造形
2 五体を揃え、女性らしくなる土偶
3 壊された土偶
4 さまざまなポーズ、異形のものたち
5 意味を持つ数
6 多様化する土偶と遮光器土偶の展開
7 西日本の土偶
8 縄文ランドスケープ“大湯環状列石”
9 ストーンサークルと「第二の道具」
10 縄文に魅せられた現代文化人
第2章 数字からみる土偶
1 土偶の種類
2 出土状況
3 出土点数
4 大きさ
5 壊れ方
6 色彩
第3章 土偶の世界
1 「縄文土偶の誕生、そして大変身」小林達雄
2 「縄文文化における数の観念」西田泰民
3 「西アジアの土偶:シリア~パレスチナを中心に」泉拓良
4 「現代の土偶現象」ニコル・クーリッジ・ルーマニエール
参考文献
遺跡一覧
出品目録
購入日:2012年12月2日
購入店:MIHO MUSEUM
購入理由:
縄文土偶の展覧会がどれほど開催されているのか知らないが、この展覧会は最高だった。もはや考古学や美術などのジャンル分けがいかにくだらないかが思い知らされた。一般的に考古学系の展覧会は教科書的、アカデミックな内容で、あまり食指が動かない。だが本展は違った。これほどエンタテインメント性がありつつアカデミックな展覧会ができるとは、ただただ賛嘆する。
それもそのはず、本展は2009年から2010年に東京国立博物館で開催された「国宝 土偶展(The Power of Dogu)」の企画者で、世界で初めて縄文土偶の展覧会を行なったニコル・クーリッジ・ルーマニエールが手がけているからである。公式カタログである本書に収録された論文では、現代の土偶現象を日本の漫画、蓑虫山人、川端康成、岡本太郎などのエピソードを紹介し、日本人の私でも知らなかった土偶表象の変遷を教えてくれる。恥ずかしながら蓑虫山人のことは初めて知ったが、すごい人がいるものだと知的好奇心を刺激された。
本書の作品撮影は、かつて土門拳の助手を務めていた藤森武が手がけている。本書の藤森の写真は、土門拳の「古寺巡礼」シリーズを想起するようなすばらしいクオリティである。黒バックによる作品写真というのは、通常の考古学系図録ではありえないだろうが、アートとして縄文土偶を捉えている心意気が伝わってくる。デザインも地味な考古学・歴史系図録の通念を破るスタイリッシュな内容で痺れる。これがデザインの仕事である。
展覧会の内容について触れるとキリがないが、「2 五体を揃え、女性らしくなる土偶」に展示されていた小型土偶がクッキーに見えて仕方なかった。とても15000年前とは思えない焼っぷりがすばらしい。「3 壊された土偶」は、HANARARTで展示して頂いた菅原布寿史さんの絵画、シルクロードの破損・損壊した洞窟壁画を思い起こした。破壊された美しさにただただ圧倒される。欠片ひとつまで存在感があり、縄文のすごさに圧倒される。