A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記181 「横尾忠則 画境の本懐」

2008-04-14 23:59:20 | 書物
タイトル:KAWADE道の手帖 横尾忠則 画境の本懐
発行:河出書房新社
発行日:2008年3月30日
内容:
書き下ろしエッセイ
「幼い老人 「隠居宣言」のための未完のメモ」横尾忠則

対談
「Pressure to Paint 横尾忠則再入門」難波英夫×横尾忠則
「日本美術史の中の横尾忠則」辻惟雄×横尾忠則

論考
「横尾忠則の全体性」中条省平
「主体のスプリット 「Y字路」から見直す横尾芸術」平野啓一郎
「画狂人が神秘に触れるとき」峯村敏明
「アカシック・レコードから読み解く横尾忠則の過去・現在・未来」宮沢みち

Yへの手紙
瀬戸内寂聴、梅原猛、三宅一生、森山大道、細野晴臣、なかにし礼、立花ハジメ

なにをみてもYをおもいだす
三輪明宏、高田純次、プリンセス・テンコー、蜷川実花、浅野忠信、山本精一

三島由紀夫との交歓
「無礼な芸術」「薔薇刑」「ポップコーンの心霊術」三島由紀夫
「ミシマーッ! カッコイイー!!」「三島由紀夫のこと」「三島由紀夫とそのぬいぐるみ」横尾忠則

ヨコオにみ(せ)られた人々
富岡多恵子、寺山修司、野坂昭如、瀧口修造、種村季弘、東野芳明、山口昌男、大島渚、よしもとばなな、黒澤明、亀倉雄策、河合隼雄、ドナルド・リチー

横尾忠則略年譜

(本書目次より)

購入日:2008年4月5日
購入店:SHIBUYA TSUTAYA
購入理由:
今週末から東京・世田谷美術館において開催される<冒険王・横尾忠則>展のための予習として。
私にとっての横尾忠則への興味は、<Y字路>シリーズであった。現実にあるY字路をモチーフにしながらも、リアリズムに陥ることなく絵画的豊穣さへと膨張していくその展開に微笑とともにこちらの気持ちを軽くさせてくれた。そんなわけで久しぶりの関東圏での今回の展覧会を機に横尾忠則という人物、その作品について考えてみるのもいいかもしれないと思い購入した。そんな思いを抱かせたこのムック本の発売を知ったのは、3月にとあるギャラリーにおいて開催された峯村敏明氏のトークショーでの場でだった。その時は横尾忠則について語る場ではなかったのだが、氏の芸術観、横尾忠則への評価に興味深いものを感じ、テキストを読んでみたいものだと感じた。雑誌での横尾忠則の特集などいまさら珍しくもないのだが、充実したページ数で論考などの読み物がたっぷりが収録されているので頼もしい。なお、横尾忠則ほどの人物になると特集に寄稿する人選、対談する人物も常連ばかりで新鮮味が薄れてくるものだが、今回の特集では、中条省平、平野啓一郎など渋い人物も選ばれており好感がもてる内容である。


<冒険王・横尾忠則>
2008年4月19日-6月15日
世田谷美術館