佐渡の翼

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みなみ旅館の朝食     投稿者:佐渡の翼

2008年12月27日 06時04分47秒 | 佐渡のお宿評価
朝食は7時に大広間に用意されていた。昨日の宿泊客は筆者と山形からの6人の観光客だけ。6人のうち、4人は早朝からお弁当持参で釣りに行ったよし。残り二人と筆者の分のお膳が用意されていた。女将さんが筆者の背後に立ち、食べ物を残しはしないかと、しっかりと監視している。焼き鮭を食べた後「ちょっとしょっぱいですねえー」と言うと、女将さんは「うん、少し塩気が回ったかもしれんなあー」と言いながら、「つべこべ文句を言わずに黙って食え!」とでも言いたげな表情でテレビのリモコンを操作し始めた。筆者が、アルミ箔の上にあるバターの意味を尋ねたら、女将さんは「そこに卵を乗せて、目玉焼きでもスクランブルでも自由に料理して楽しんで下さい」と言った。当方が「えー、自分で料理するんですかあー」と不満気に言うと、「はいはい、それでは、卵だけ私が割ってあげますからね」と言いつつ、アルミ箔の上に卵の中身を乗せ、それをアルミ箔で包んで蒸し焼きにしてくれた。次いで、女将さんが、海苔が入った袋を破ろうとしたので、筆者が「あ、それは要らないから」と手を振りながら言うと、女将さんは「まあーそう言わずに食べてみて下さいよ、山葵が入っていますからね。この人はすぐ何でも要らないというんだから」と、全く困ったもんだとでも言いたげな表情でつぶやいた。参ったなあー女将さん!そして実に愛すべき女将さんだ。いごねりを一口食べてみたら、いつもの早助屋製とは違う味わいだったので「このいごねりは?」と問いかけると、女将さんは「うちの自家製なのよ、美味しいでしょ。いごねりは自由に硬くも柔らかくもできるので、うちで作っています」と続けた。あらめの煮物(後から持ってきたので画像中にはありません)に手をつけたら、「あらめはねえー、作るのに手間がかかるのよ。まず細長く切ってから干し、それを一度水に戻す。次に米のとぎ汁で煮てから乾燥させる。そうやって初めて柔らかいあらめになるのよ。手間隙かけているんだから残しちゃだめよ」とおっしゃった。そして湯豆腐をつけたダシ汁はお湯で薄めて飲み干しなさいとのご指示。言われた通りにしてみたら実に美味しかった。いやあー何だかんだ言いながらも全量を完食した。お野菜、卵、海藻類、豆腐、お米に到るまで全て地の物を使用している。文句なしの★★★。食事を終えて部屋から出ようとしたら、筆者のアーネストソーンのスリムストレートジーンズの足下に隠れたアーガイル柄のソックスをめざとく見つけた女将さんが、「お客さん、隠れたところでお洒落をしているんですね」と言った。この女将さん、見ていないようでけっこう客の特徴を掴んでいる。旅館の女将の鑑のようなお方だ!

一泊2食にビールを一本飲んだお代は16,687円。会計の時に端数の7円を探そうと財布をひっくり返したら、こんどは女将さんが「7円はいいからいいから」と言った。筆者が「いやそういうわけにはいきません。きっちりと払いますから」と言うと、女将さんは「おたくさん、きっちりしてるね。銀行の方ですか?」と真顔で尋ねてきた。筆者は「銀行員でなくともきっちりした人はいっぱいいますよ」と答えながら心地よい気分でみなみ旅館さんを後にした。筆者は、このみなみ旅館さんは両津一、いや佐渡で一番の旅館だと密かに思っている。


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