米国のカリフォルニア州では最早ハイブリッドカーはエコカーとは見なされておらず自動車税の減税対象からは除外されている。カリフォルニア州で減税対象となっているのは電気自動車とPHVだけであり、日本では東京都もそうである。充電設備のインフラは急速な勢いで日本全国に拡充されつつあり、電気自動車とガソリン車の中間的な存在であるPHVの重要性は増すばかりなのだが、「残念ながら、一般の人々のPHVに対する理解の不十分さから、プリウスのPHVの売れ行きはさほど伸びていない」と、トヨタのセールスマンはこぼしているそうだ。一般の人々の電気自動車やPHVに対する理解は、「充電する手間がかかるんでしょ？」「ガソリン車よりパワーがないんでしょ？」「故障し易く維持費が嵩みそう」「遠出した時に充電施設を探す手間がかかるし、万が一電欠になったらどうするの？」である。だが、いずれの理解も全て誤解である事に気づける人はそう多くはあるまい。だから電気自動車やPHVはハイブリッド車ほど売れないのだ。
１）電気自動車は充電する手間がかかるが、PHVは普通に乗る分には充電の必要はない
２）電池モーターのトルクの強さはガソリン車とは比較にならないほど強い！
３）電池バッテリーの性能向上により、維持費はガソリン車とほとんど変わらない
４）i8の場合、ガソリンを満タン(タンク容量は42L)にしておけば電池モーターとの併用で最大航続距離は500km以上ゆえ、東京から新潟まで無給油で走行できる。ちなみに電池モーターだけならば満充電の状態で28kmまで走行可能だ。
５）全国の主要な観光地の駐車場には充電設備が整備されており、しかも利用車両が少ないために、他の駐車場が満車状態でも、充電設備のある駐車場に最優先で駐車出来ると言う特権を享受出来る
６）佐渡では、30分で満充電可能な急速充電器を備えた施設は、2015年4月現在では、サテライトショップ佐渡（相川）、日産サティオ新潟日産佐渡販売（佐和田）、JA佐渡の、金井・両津の両支店の計４箇所である。ただし、i8はi3と違い、急速充電器は使えず200Vの普通充電装置しか使用出来ない。
今でこそ、ETCの搭載率は90%に達しているが、筆者が利用し始めた2000年頃のETCの搭載率は、PHVの自動車全体に占める割合と同じ数%であった。つまりだ、PHVは、「ガソリン車に比べ初期投資が割高で、かつ自宅に充電設備を備える必要がある」と言う経済的な欠点を克服出来る人には、PHVの販売台数が少ない今こそが買い時なのである。何を隠そう、筆者とてここまで理解するのに2週間を要した。
前置きがかなり長くなったが、そういう訳で、筆者は次の新車はPHVにしようと決めていた。そんな中で現れたのが、その外観が近未来的なコンセプトカーi8だった。筆者は1月22日に、ディーラーの担当者に電話をしi8購入の意志を告げたところ、担当者は「納車まで2年を要します」と答えた。これだけの人気カーである、BMWは2013年11月にi8の初受注を開始したが、日本初納車は1年後の2014年の11月であった。そして2014年発売分は完売で、更に2年間分に相当する数百台のバックオーダーを抱えているとあっては、納期が2年後でも止むを得ないかなと考えていた。だが、2年も経過すると通常の市販車ならばモデルチェンジの時期となり、注文車はすぐに旧型と化す。納期2年はあまりにも長いのでは？そこまで待つ甲斐のある車なのか？そんな疑問も頭をもたげた。そして2月1日に、修理が完了した車を引き取るためにディーラーを訪ねたところ、担当者はi8のカタログを携えながら姿を現し、意外な事を口にした。
JA佐渡金井にあった急速充電器
表参道ヒルズに駐車すると、このように、機械式でない平置きの駐車場に停めさせてくれる
i8の側面
i8の後面
充電中
このサイドピラーが独特だ！
ステアリング
分厚いサイドシル
ブレーキキャリパー
お弁当
