石丁場とは、椿尾の石工達が、地蔵、石仏、石灯籠などの石造を作製するための原石を切り出した場所である。大掛かりな石丁場としては、栃木県にある大谷石などの砕石場が有名だが、椿尾の石丁場はそれよりも遥かに規模は小さいように思う。2012年の3月に初めてこの地を訪ねた時は生憎の名残雪と倒れた笹の木に行く手を阻まれ、到達できなかったため、昨夏にこの地を再訪してみた。椿尾集落では下水道工事のため通行止めの箇所があり、迂回させられたが、BMWでも到達可能な場所にこの石丁場への入り口があった。車を降り、徒歩で100メートルほど進むと、目の前に石丁場が姿を現した。何だこの程度の大きさか、もう少し大規模な場面を想像していたので、拍子抜けした。石を切り出した跡が残されていたが、石の表面は風化しており、指でなぞると容易にポロポロ剥がれてくる。「意外に脆いな」と言うのが実感である。だけど、こんな山中に地蔵用の石の塊があるのを発見した人は大したものだと思う。単なる石で鉱脈ではないので、さほど金にはならないだろうが、石工達に取っては貴重な石場であったろう。「石丁場、1」と言う看板名から察するに、2か所目の石丁場があるのかもしれないが、案内看板が無かったので探索はしなかった。石丁場の前は周囲が樹木で覆われ、天空が開けていなかったので、GPSの誤作動に備え、100メートルほど離れた地点の緯度経度も記録しておいた。なお、この山の中には今でも現役の石工さんが利用する石丁場があるそうだ。
なお、宿根木(小木)の日本料理の名店「菜の花」さんが、2012年12月をもって閉店しました。「あの名店が?」と訝る読者は多いと思うが、新天地を求めての発展的な理由からの閉店かもしれない。誠に残念至極だが、菜の花さんの今後のご発展をお祈りしたいと思う。
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