誰しも、人生初の海外旅行の思い出は忘れないものだ。それが新婚旅行であるにせよ何にせよだ。筆者にとっては、アイルランドの首都ダブリンで開催された国際学会に出席するための、英国、アイルランドを巡る旅が人生初の海外旅行となった。何せ初めての海外旅行である、後年習慣化した個人旅行などと言う無謀な事はできるわけもなく、旅行社主催のツアーに参加しての旅だった。カメラは今でこそ当たり前となっている、自動焦点合わせ機能が付いた、キャノンの「オートボーイ」を購入して持参した。当時は、成田・ロンドン間にシベリア上空を通過するヨーロッパ直行便が開設されていなかったため、米国のアンカレッジ経由で英国へ向かった。成田からアンカレッジまでの飛行時間は6時間で、アンカレッジからロンドンまでは8時間のフライトだったように記憶している。アンカレッジ空港には、免税店が軒を連ねていて、無理やり買い物をさせられたような記憶がある。航空会社は日本航空を利用したが、ロンドンヒースロー空港上空に差し掛かったら、着陸混雑時間帯だったらしく、筆者の搭乗機は、着陸許可が下りるまで空港上空を1時間ほど旋回した。眼下にはレンガ造りのロンドンの街並みが間近に迫り、初めてみる外国の景色に大いに感動した。ヒースロー空港では、エジンバラ行きの英国航空のシャトル便に乗り継いだ。エジンバラからは、グラスゴー、バーミンガムへと移動し、シェークスピアの里である、ストラッドフォードアポンエイボンやウインダミアーの湖水地方を訪ねた後、エアーリンガス機でダブリンへと向かった。無事ダブリンでの学会を終えた後、再びロンドンへと戻った。アイルランドには、米国からの飛行機が到着するシャノン空港と言うのがあり、英国には国内線専用のギャトウイック空港と言うのがある。米国のニューヨークには、国際空港としてのジョンFケネデイ空港の他に、国内線専用のラガーデイア空港と言うのがある。筆者には、ギャトウイックとラガーデイアの両空港を利用した経験がある。
ツアー最終日のロンドンでは4★ランクのホテルに宿泊した。割り当てられた部屋に入ると、電話機の側に、今で言うデリヘル、即ちコールガールを派遣する業者の電話番号一覧を記載した紙が置かれていた。女を買うのも海外旅行の一つの楽しみ、それを逆手に取ったホテル側のサービスなのだろう。筆者は試しに、その中の一つに電話をかけてみた。すると、「一時間3万円で、女の子の送迎代はお客様負担」と言われたのを確認し、「No thank you」と言って電話を切った。当時はAIDSの流行が社会問題化しており、翌日、ツアーの同僚から「昨日は随分楽しんだよ」と聞かされた時は、「お前、AIDSは大丈夫か?」と問うたらば、彼は「なあ~に、コンドームを使用したからバッチリさ」と答えた。コールガールと言えば、佐渡にはデリヘル嬢はいるのだろうか?アングラ情報では、あるとも無いとも定かではないが、あっても不思議はないだろう。
画像は、若者向けファッションストアの「HARE」が9月1日に売り出した、刺繍が縫い込まれた厚手のキャンバス生地のトートバッグである。パリとニューヨーク編もある。