まさか、洋食、ラーメン、中華料理をお目当てに佐渡へ来る観光客はおるまい。何故なら佐渡くんだりなんぞへ行かなくとも本州にはその手のお料理の美味しいお店は幾らでもあるからだ。佐渡へ旅行した時に是非共訪ねたいお店は佐渡産の素材を上手に調理する和食のお店であろう。佐渡島内にある食堂の大半は和洋中何でもござれの所謂「何でも屋」さんだが、日本料理を主体とした名店も少なからずある。筆者の第一のお勧めは、小木は宿根木地区にある1)「菜の花」さんだ。ここのご主人の作る和風創作料理の数々は、島内他店の追随を全く許さないほどのレベルの高さを維持している。都会の高級料亭のお味に慣れ親しんだ食通観光客には是非共訪ねて頂きたい名店である。両津に目を転ずると、2)梅津の「漁場」と夷地区にある居酒屋の3)「喜林亭」さんがお勧めである。
金井地区では割烹の4)「石山」のご主人が作る豪快にして繊細な日本料理を是非共味わって頂きたいと思う。佐和田地区では吉兆の流れを汲む日本料理屋5)「ちょぼや」さんを勧めたい。おやじさん亡き後、息子さんが家業を継いでいる。是非共応援してやって頂きたい。おやじさんの頃は正統派日本料理が堪能できたのでその精神は必ずや受け継がれているものと思う。佐和田地区でのもう一つのお勧め店は魚介料理のコース料理に定評のある6)魚処「かすけ」さんである。
相川地区では板前のお店7)「竹屋」と割烹8)「中庄」さんがお勧めである。最後に忘れてはならないのが畑野宮川地区に昨年オープンした9)「神楽」さんだ。今も客足が絶えないと聞く。モードでモダンなお店であり、神楽御膳や夜の会席コースは都心の一流料亭に決してひけをとらないできばえである。勿論、これら以外にも美味しい和食料理を提供するお店はあると思うが、いずれも筆者が絶対の自信を持ってお勧めできるレベルには到達していないと感じたのであえて紹介するのを避けた。そうしたお店を訪ねる際は何がしかのリスクを覚悟の上で暖簾をくぐった方が無難であろう。