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TVを見ていることが多いし、いろいろ感じることがある。

歴史に学ばず、現場を知らず~

2020-05-01 07:46:25 | 社会

新聞記事から。抜粋ですが長いかも。

 

人文知を軽んじた失敗。

歴史に学ばず、現場を知らず、統率力なき言葉

藤原 辰史

京都大学人文科学研究所 准教授

 

ワクチンと薬だけでは、パンデミックを耐えられない。言葉がなければ、

激流の中で自分を保てない。言葉と思考が強ければ、視界が定まり、

周囲を見わたせる。どこで人が助けを求めているか。流れを読めば、

救命ボートも出せる。歴史から目を逸らし、希望的観測に曇らされた言葉は、

激流の渦にあっという間に消えていく。

 

歴史の知はいま、長期戦に備えよ、と私たちに伝えている。

長期戦は、多くの政治家や経済人が今なお勘違いしているように、

感染拡大がおさまった時点で終わりではない。パンデミックでいっそう

生命の危機にさらされている社会的弱者は、危機の終息後も生活の闘いが

続く。誰かが宣言すれば何かが終わる、というイベント中心的歴史教育は、

二つの大戦後の飢餓にせよ、ベトナム戦争後の枯葉剤の後遺症にせよ、

戦後こそが庶民の戦場であったという事実をすっかり忘れさせた。

封鎖下の武漢で日記を発表し、精神的支えとなった作家の

方方:ファンファン氏は

「一つの国が文明国家であるかどうかの基準は

(中略)ただ一つしかない。

それは弱者に接する態度である

と述べたが、

これは「弱者に愛の手を」的な偽善を意味しない。

在宅勤務が可能な仕事は、「弱者」の低賃金労働に支えられていることに

寄ってしか成立しないという厳粛な事実だ。今の政治が医療現場にピントを

合わせられないのは、世の仕組みを見据える眼差しが欠如しているからである

 

南洋の戦場に行き、生還後、人間より怖いものはないと私に教えた

元海軍兵の祖父、感染者の出た大学に脅迫状を送りつけるような現象は

関東大震災のときにデマから始まった朝鮮人虐殺を想起する、と

伝えてくれた近所のラーメン屋のおかみさん。そんな重心の低い知こそが、

私たちの苦悶を言語化し、行動の理由を説明する手助けとなる。

 

これまで私たちは政治家や経済人から「人文学の貢献は何か見えにくい」と

何度も叱られ、予算も削られた。

だが、いま、以上の全ての資質に欠け事態を混乱させているのは、

あなたたちだ。

長い時間でものを考えないから重要なエビデンス(証拠)を見落とし、

現場を知らないから緊張感に欠け、

言葉が軽いから人を統率できない。

アドリブの利かない痩せ細った知性と感性では、濁流には立てない。

コロナ後に弱者が生きやすい「文明」を構想することが困難だ。

危機の時代に誰が誰を犠牲にするか知ったいま、

私たちはもうコロナ前の旧制度には戻れない。

藤原さんの論考

「パンデミックを生きる指針 歴史研究のアプローチ」は

ウエッブサイト「B面の岩波新書」に掲載中。 

第一次世界大戦は、戦後の飢餓と暴力、そして疫病による死者の方が

戦争中よりも多かった、そうです。

うろ覚えですが、人文学は不要みたいなことを言われたことあった。

そんな前でもないと思う。

上記に、何度も叱られ、予算も削られたと書かれている。

最初、読んだ時、難しいと思いましたが、何回か読んで分かりました。

~~~

友人がメールで「今、少しずつ部屋の片付けをして、

捨てる物が山のように出てきます。

たくさん捨ててるのに、全然スッキリしません()」と書いてありました。

 

 

 

 

 

 



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