だはは~。プラモデルみたいですね。
これはジュエリーCADで設計後、切削造形直後の写真です。
私にしては珍しく小さなオブジェクトなのです。
こういうチッコくて華奢なものは、造形後のサポートの除去作業などの後処理に苦労します。
かなり拡大してますが、実際のサイズは人指し指の腹に乗る位のものです。

こんな感じ。
2mmのシルクコード使用。
私自身は大ぶりのデザインが好きなのですが、学校の展示会向けの企画ということで、
想定来客層に合わせて、チッコイ作品も作ってみた次第です。 ちっちゃいハートやクロス、流行ってますものね。
石の直径が2mmとかなり小さいのですが、ためしにオレンジムーンストーン、シトリン、ブルトパ、アイオライト、ガーネット、スモーキークォーツなど同サイズのいろいろな天然石を買って合わせてみたところ、小さすぎてそれぞれの石の良さが活かされず、ことごとく精彩を欠き、『地味だなぁ~』・・・。そんなこんなで、輝きだけはダイヤモンドクラスのキュービックジルコニアの色石を使ってみたらこれがなかなか存在感が出てGOODでした。
まず、上から、”パライバ・カラー”といわれる色です。
写真だとただのブルトパみたいですが、実物は、しっかりとパライバの醒めたネオンブルーな感じで、輝きも手伝って清々しい色にうっとりします。

『パライバ・カラー』
マーキスシェイプのパーツの表面は、肉眼でようやっと、”もしかしてミルっぽいプチプチ模様がついてる??”と識別できる程度ですが、実際、CAD上では直径0.5mmでミルグレイン様のモデリングをしています。しかし、切削造形時にけっこう落ち、磨きでもさらに落ち、プチプチなんだかぎざぎざなんだか、なんだかよくわからなくなっちゃいました。もともと板厚0.7mm仕上がり想定での設計なので、ミルを乗せるのはちょっと無謀だったかな。(笑)
次に、『シャンパン・カラー』 肌なじみが大変よく、優しい印象です。
日本人のオークル系の肌色にとても似合う色で、最初は地味かなと思いましたが、
”意外といいじゃない!”と思いました。自分でも、”これ、ほすぃ!”と思ったほどです。
(たぶん、自分のためにリピ制作しそう)

『シャンパン・カラー』
続いては、日本人のお肌にとってもにマッチする、ラベンダー色です。ちょっと色が薄いのですが、アメ独特の濃い紫よりもCZですと、むしろ薄い色でちょうどいい感じです。

『アメシスト・カラー』
そして、赤。CZの赤って、なかなか、いい色が出ないんですねぇ。
これもガーネット色といってますが、CZはキラキラ感が強いだけに、ガーネットとしてはビミョーというか・・・。このままだと、ガラスみたいです。むしろ、輝きが近いルビーやピンクサファイアに近づけたほうが成功するように思います。

『ガーネット・カラー』
グリーンも同様なんですよねぇ。エメラルド・カラーというより、どうみてもグリーン・クォーツといったところ。でも、つけた感じはとても肌なじみがよく、好感度は高いです。単品使いよりも、他の色(シャンパンや赤)と上下2連使いしたら印象的で可愛いと思います。

『エメラルド・カラー』
ちなみに、この5点を12月のラヴァーグ展示会に出品したところ、上から3点をお買い上げいただきました。クリスマス・フェアということで、赤と緑は必須かな~、って思い作りましたが、やっぱりなあ、という感じです。(苦笑)このご時世は、自己主張の強いデザインや元気な色使いよりも、おとなしくて見た目に優しいものが求められるようです・・・。
カラーCZには、他にもレモンイエロー、オレンジ、タンザナイト、ペールグリーンなど優しい色だけれど存在感ある可愛い色がいろいろあります。
私が思うに、カラーCZは、わざわざ天然石に似せたり、近づける必要はないと思うのです。CZが目指すところは、もっと別の方向性であってほしいです。いくら天然石の真似をしてみたところで、見る人が見ればバレるに決まってます。せっかくの人の科学の粋から生まれた技術なのですから、天然石では再現できないカラーやカットで勝負してほしいと思います。
いまや、スワロフスキーがビーズジュエリーやコスチュームジュエリーでのステイタス素材であるのと同様に、CZも、人造ならばこその自由自在な色使いやカットの面白さで頑張っていただき、クリエーター、ユーザともどもも、『なんだCZか』ではなく、『これはCZなの!』と胸を張って言えるようなマテリアルとなるべく、ぜひ頑張って欲しいものだと思います。
CZメーカーさん、頑張ってくださいね。何度も言います!けして天然石に似せなくていいです。
天然石にはない魅惑的な素材を作り出してください!応援しています!