ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

CADソフト、ライノセラスをついに購入!

2008年01月29日 | ジュエリーよもやま話

CADソフトをついに買ってしまいました!

写真の右側が、ライノセラス(Rhinoceros、通称:ライノ)、左側が、ジュエリー用のプラグインソフトのCDです。ラ・ヴァーグジュエリースクールのオリジナルコマンドが入っています。

ちょっとワケあって、まだプラグインソフトがインストールできていません。ベンダーさんにCDを再作成していただく必要があって、それを待つ間、ジュエリーの演習は出来ないので、”裸のライノ”で遊んでいます。幸い、チュートリアルがついていたので、それを使って復習をかねていろいろいじってみているところです。



学校と家では、これまでライノの3.0を使っていましたが、最近4.0にメジャーアップデートがあり、ツールアイコンのユーザインタフェースがすっかり変わっていました。これからはコマンドラインで入力することに慣れたほうが操作も早いように思います。(なんとなくそのほうがプロっぽいし。)

ライノは、当然ながら、お絵描きソフトではありません。実際の工業製品を設計するためのCADツールですから、非常に複雑で難解です。『NURBS曲線』によるモデリングの基礎が理解できていないと、ツールメニューの用語すらもちんぷんかんぷんです。

学校では、あまりCADの部分を意識することなく、平易な表現のわかりやすいテキストでジュエリーを造形するための基礎的な操作を学ぶことができましたが、いかんせん応用力がありません。校長先生いわく、習った操作の組み合わせだけで、だいたいのものは作れるはず、とのことなのですが、実際にまったくオリジナルなものを何か作ろうとすると、ごく簡単なフォルムでさえもどう作ればいいのかわからなくて腕組みして考え込んでしまいます。おまけに、トラブルに見舞われると、リカバリ方法がわからず立ち往生してしまいます。

私の頭が悪い(3D認識能力が弱い)こともおおいに起因しているのですが、やはりまだまだライノというソフトウエアに対する理解が足りないんだと思います。とにかくイジリ倒して、体に覚えさせるしかないでしょう。

さて先日、学校で、”フラミンゴ(FLAMINGO)”というライノ専用のレンダリングツールで描画したサンプル作品を見せていただきました。貴金属のテクスチャーや宝石が超リアル。まるでホンモノを写真撮影したみたいな驚異の表現力。このツールも欲しくなってしまいました。

ああ、たまらん!

2008年01月25日 | ねこの話

カメラが超苦手なネネが久々にえらく可愛く写ってたので、忘れんうちにアップしときました。親ばかですねー。

親ばかで思い出しましたが、年賀状に毎年、毎年、子供の顔だけの写真ばかりよこす人がいますよね。生まれた報告ならまだしも、幼稚園、小学校、・・・と毎年しつこく子供だけしか写っていない写真を送られ続けると、貰うほうは正直うんざりです。子供の写真をもらってよろこぶのは、当事者の近しい親族だけだと思うんですが・・・。
”子供はもうわかったから、要するにあんたの近況を知りたいんだよっ(怒)”って思います。せめて、家族写真にしてくれればいいのにと思います。

中高生くらいになるとさすがに写真は恥ずかしいのか、こんどは文章ときれいなレイアウトで、○子はなんとかに夢中で、X郎は受験勉強でどうこうだ、とあいかわらず子供の報告が続きます。正直、何のための年賀状かわかっていない。ご無沙汰の挨拶のつもりなら子供中心のネタはいい加減にしろといいたい。

そういう人には、こんどから毎年毎年ネネの写真とネネの近況文をおくってやろうかな。

ねね 初オバカ

2008年01月20日 | ねこの話

久しぶりの『ねね』ネタです。

昨夜、夜中にごそごそする音がしたので音のする部屋へ行ってみると、ねねがなにやら体にくっつけて歩き回っていました。

あ、もしかして、これ私のサンバイザーだ!つばが広くて、黒いけど透明でフルフェースになる、例のアレです。どっから出してきたんだろう。



おばかなことに、自分で勝手に”装着”したくせに、
脱げなくなってしまったようです。


え~ん、とれなーいっ(汗) 

しばらく、放置してサンバイザーと格闘してジタバタするザマを見て笑ってやりました。


ふぅ、もうちょっとなんだけど、お尻が抜けないよう。
ひどいわ、ひどいわ・・・・。


テクスチャー入りシンプルリング

2008年01月12日 | ジュエリー作品&試作品

今日は、わたしを悩ませる『巣』のおはなしです。

ワックス原型を地金にキャスト(鋳造)すると、時々、””という小さな穴が地金の表面にあいていることがあります。豆腐を煮すぎて小さいあなぼこができることを”巣が立つ”と言いますがあの巣と同じ意味です。針の穴のように小さいものから、ゴマ粒大の目立つものまでいろいろです。巣が出来たり出来なかったりは、いろいろな原因があるのでしょうが、原型制作サイドのミスとしては、地金の厚みにムラがあったり、ワックスの中に不純物が混じったりすると出来やすいようです。

キャストを発注して地金になったジュエリーが戻ってきたものを点検するときはいつもドキドキです。特に一点物として鋳造した作品は、やりなおしがきかないので、キャストあがりを見る時は緊張します。1つも巣がなくきれいに上がっていると、思わず、心の中で『よしっ!』とガッツポーツしてしまいます。
 
巣が出来ないようにするのはもちろんキャスト屋さんの技術と腕にもかかわってきます。最近は機械も性能が良くなったせいか、前ほどひどい巣は出来なくなったようですが、うまいキャスト屋さんでもたまーに巣が出来てしまうことがあります。
 
苦労して彫ったワックスが地金になった喜びも束の間、巣を発見した途端、一気に萎えます。楽しい仕上げの前に、憂鬱な仕事が増えるからです。小さな巣の場合は、磨きヘラで潰したり、表面を皮1枚削ってしまうなどでリカバリできますが、大きく目立つ巣や、地金の奥深くまで穴が貫ぬいているものは修復に苦労します。あまり大きい場合はあえて穴を広げてそれを埋めるための地金を別に用意して、穴の大きさに”すり合わせ”し、ロウづけして磨きなおすといったこともするのですが、その作業自体大変だし、シルバーの場合はロウづけしたロウ目が時間と共に目立ってくることがあるのであまりやりたくありません。 (巣穴のいい処理方法をご存知な方がいらっしゃいましたらぜひご教授ください!)

さて、写真のリングは特に目的があって作ったわけではなく、木目状にテクスチャをつける実験作として作り、そのテクスチャが地金になるとどんな感じになるか見てみたかったので地金に鋳造しました。しかしキャストから上がってみると目立つ部分に巣が!!穴は小さいので何とか修復できそうだと、地金を少し削ってみると穴がさらに大きくなってしまったので、たぶん深くて、しかも奥で範囲が拡がっているようです。

しばらく思案した結果、”リペア”はあきらめ、”リフォーム”することにしました。巣の部分をドリルで穴を開けて、リューターポイントで拡げ、キュービックジルコニアのメレを留めつけてみました。1個じゃなんか変なので2個配置しました。そしたら、あたかも最初からそういうデザインだったかのような、なんとなく良い感じになりました。

 

”巣入り”ジュエリーが、思わぬ怪我の功名で、”巣立ち”しました。

ジュエリー作りは毎回が冒険です。予想もしないいろんなトラブルに見舞われることがあります。キャストが完全に失敗したときはもう潔くあきらめもつきますが、一番痛い失敗は、うまく原型が出来てキャストも成功し、ピカピカに磨き上げて、さあ最後の石留めというときに石にひびをいれてしまったり、もっと悲しいのが石留めまで成功したのに最後の仕上げ研磨で不注意で石を傷つけて駄目にしてしまった時です。

大量制作している企業ならまだしも、個人で制作をやってる場合は失敗のコストロスはバカにならないので、作品の1つ1つが真剣勝負です。


2008年はジュエリーCADを使い倒します!

2008年01月08日 | ジュエリーよもやま話
初詣に行った神社で買ったおみくじが大吉でした。年明け早々、なんだかとっても幸先が良いスタートで、ウキキ♪な気分です。

さて、人間はいくつになっても成長する動物だとはよく言ったもので、年齢的には、完全に脳の成長は止まった(これからは退化する一方)私でも、2007年はジュエリーCADという新しい世界に踏み出しました。

CADソフト並びに、独自に開発されたジュエリー用のプラグイン・コマンドは、共にすごい勢いで進化し続けています。(実際の話、ライノは、授業を受け始めたころは2.0だったのに、1年足らずで今はもう4.0までメジャー・バージョンアップしている!)そして、習得はけして簡単ではありません。それでもなお、バーチャルな世界でモノを創造するという、えもいわれぬ新しいヨロコビに触れた私は、ジュエリーCADに対する興味は尽きることがありません。

ジュエリーCADを学んでみての1年を振り返ってみた感想は、やっぱりやってよかった!ということです。 

これまでの私は、技術不足で自分の手で作ることができない技巧は自分のデザインに取り入れることが出来ませんでした。でも、ジュエリーCADを学んでから、これまで絶対に無理とあきらめていた技術や、非常に細かい細工にも取り組むことができるようになりました。
1年前にラ・ヴァーグさんの門を叩いたのは、彫り留めをマスターして、パヴェ・リングが作れるようになりたい・・・という動機からでしたが、たった半年でその願いは叶いました。まさか、コンピューターが私の手の代わりになってくれるとは・・・。
自分の中では飛躍的な進歩の1年だったと感動しています。

ついに最後の課題まで進んできましたが、これが終わるとつまり全過程が終了です。ラ・ヴァーグに通うことは私にとって非常に癒される楽しい時間なので、ついに卒業かと思うと悲しくてなりません・・・。

お正月休みにこれまで学習したジュエリーCADのレッスンを最初から復習してみたところ、忘れてること、忘れてること。。。『こんなコマンド、あったっけ??』『これ、どうやるんだっけ?』なんていう箇所がボロボロでてきました。体が覚えていない・・・。こんなんじゃ、ダメだと思いました。

彫金やワックスモデリングといったリアル世界の技術と同様に、ジュエリーCADもやはりデザインを具現化するための道具でしかなく、いろんなパターンの作品を沢山作って、いっぱい失敗したり、試行錯誤しながら、コツやノウハウは体で覚えるしかないんだなと思います。

よく、職人さんにどうしたら早く上達できるか聞くと、彼らは『要は、慣れだよ。』 と口を揃えて言います。長年の経験から自然と体が技術を覚えていくものであり、秘訣もコツも近道もないと言います。

ジュエリーCADは、原型制作を手でやるかわりにコンピュータにやってもらって、ある意味、ヒトが造形の過程で楽をするための道具ですが、その技術ひとつとってみても、やはり熟練していないと使い物になりません。
この世の技に、楽して簡単に熟達する方法なんて、何一つないのだと思います。『芸の道に近道なし』、ってことでしょうね。

2007年はジュエリーCAD、ライノセラスという道具の使い方の初歩の初歩を覚えた1年でした。まだまだ、修業は始まったばかり。いっちょまえの”ライノ使い”になるのが私の2008年の目標です!そして次は・・・・。ムフフ。