ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

どんびきな広告

2009年01月28日 | ジュエリーよもやま話

たまたま、あるメルマガを見ていたら、鬼気迫る広告が目に入ってしまいました。

広告は、ジュエリー関係の書籍出版ではお馴染みの、柏書店松原さんの宣伝ページと同じ内容です。
-----------------------------------------------------
季刊TOKYO JEWELERとうきょうジュエラーズ54号

☆TJ緊急提言『正念場 日本の宝飾』
―――我ら日本の宝飾はいま本当に終りかけている!
終らないための道筋を提言する雑誌「とうきょうジュエラーズ」は――

・・・中略

「とうきょうジュエラーズ」は、沈み行く豪華客船タイタニック号の一艘の救命ボートであると信じます。
-----------------------------------------------------

ちなみに、この広告は、じゅわいよくちゅーるマキ、の三貴が民事再生手続きの適用を申請した話題と一緒に載っていました。

たしかに強烈な広告で興味を惹きますが、人々の不安を煽って自分達のビジネスのネタにするという、健康商法だとか、印鑑商法みたいな広告っていかがなもんでしょうか。宝飾業界が厳しいのは事実なのでしょうが、これを見た人はさらにドヨヨンな気分になってしまいますよ。

タイタニック、って、絶対確実に沈む運命、って言い切ってますか。しゃれにならないっす。  だいたい、一艘のボートじゃ、たいして救えません。それに乗り込もうとして我も我もと殺到して沈んじゃうかも?!映画のタイタニックでは無理にボートに乗り込もうとした男性を船員が射殺してましたよね。史実なだけに、たとえが悪すぎます。。。。


ライノセラスのトレーニング・テキスト

2009年01月27日 | ジュエリーよもやま話
IJT2009はいかがでしたか?

今年は、公私ともに猛烈に忙しくまったく時間が取れませんでした。1年に1度のチャンスなのに、しかもジュエリーCADに関するイロイロな情報を入手できる絶好の機会なのにとても残念です。。。

今回の展示会をきっかけに、ジュエリーCADの購入を決められた方々、ぜひお友達になってください。m(^^)m

  

さて私事で恐縮ですが、最近、バイオリズムが低迷気味なのか、体調も気分も優れず、ブログもジュエリー制作もサボり気味となっておりました。その間、実は遊んでいたわけではなく、今、水面下で実行していることがあります。それは、ちょっと本題のジュエリーからそれてしまいますが、ライノセラスのオフィシャル・トレーニングの自主受講です。

汎用CADとしてのライノのオフィシャル・トレーニングスクールでは、BasicとAdvancedのトレーニングコースを用意しています。このコースを受講してテストに合格すれば、トレーナーとしての認定証を授かるとのことですが、太っ腹なことに、そのコーステキストが無償で提供されています。

ここからどうぞ。(容量注意。Basic:314頁 20MB Advanced:243頁 17.5MB。)

コーステキストとは有償講習の価値の半分以上を占めるといっても過言ではありませんが、これがまったくのタダというのは大変ありがたいことです。

このコースで教材となるサンプルデータは、ライノセラスをインストールしたときに自動的にローカルディレクトリに落とされています。知らないとただのゴミですよね。これを活用ないのはモッタイナイ。

もちろん、スクールに行ってジュエリーCAD勉強してる人には必要ないことですが、ただ、私個人はもっとライノセラスについて知りたいと思ったので、ひととおりやってみることにしました。すでに、ライノ+プラグインで学習を完了した方も、一読の価値があるかと思います。 

帰り道セール (^^;)

2009年01月17日 | ROSE POSYのひとりごと
御徒町の、ある業者さんからDMが来ました。

なんか、この1枚の短冊のようなちっちゃなチラシがROSEのハートにささったので、ブログネタにさせていただきます。

----------------------------------------------------
「IJT国際宝飾展の帰り道SALE」

IJTには出展しておりませんが、期間中は特別に夜8時まで
営業いたしますのでビッグサイトの帰り道に御徒町まで
ぜひおこし下さい。○万円以上で○%OFF
1万円以上お買い上げでスピードくじにチャレンジ!空クジなし!
----------------------------------------------------

”帰り道セール”とは面白いコピーを考えたなぁと思いました。
IJTでしこたま仕入れをした人々が御徒町に寄り道するって感じでもないと思いますが、逆に、平日昼間は出歩けない人(つまりIJTに行けないということですが)にとっては、グッドな企画だと思います。めったにないセールだし、なにか景品ももらえるようだし、夜8時まで開いてるのだったら、会社の帰りに行こうかな~、っていう気になってきます。
 
ただ、御徒町は、どこもお店が閉まるのが早いので、夜8時の御徒町ってーと、まるでゴーストタウンですし、シャッターの降りた真っ暗の通りを歩くのはかなり怖いかも・・・。この期間だけ、御徒町の業者さんたちが一斉に”帰り道セール”を実施して、夜遅くまでお店開けてくれたら、いいのになぁ。 

「IJT行けない組」のお客と「IJTお留守番組」の業者さんで繰り広げる、夜のランデブー!なんちゃって。(^^;;;


Ferrisの新製品

2009年01月16日 | ジュエリーよもやま話

私は、ジュエリーの制作方法だけでなく、ジュエリー制作につかわれる材料や道具がどこでどんな風に開発されているかとても興味があり、よくメーカーのサイトに遊びに行くことがありますが、そこら、いろんな面白い学びや発見があり、1人で感動したり喜々としています。

さて、FerrisというWAX製品のブランドは、ワックス・モデリングをする方ならどなたもご存じかと思います。今日は私のお気に入りのメーカー・サイトのひとつとして、新製品情報とともにクローズアップしたいと思います。

このブランドを作っているのは、Kindt-Collins Companyというアメリカのオハイオ州にある会社で、この会社自体は90年以上前からワックス製品を作っており、ジュエリー用のワックスは1970年代半ばから売り始めたそうです。今では、ジュエリー用WAXではトップシェアを誇り、世界中のジュエリーメーカーの人々ががFerris製品を愛用しています。

ワックス製品の市場がほぼ成熟した現在でもこの企業は、次々と新しいプロダクトを世に送り出し続けています。常時、新しいアイデアを募集しており、ユーザーの声から生まれた商品も多いのではないかと思います。その企業姿勢は素晴らしいと思います。成長する企業の経営者とは、顧客の声に真摯に耳を傾け、顧客の視点でものづくりを実践していける人のことだと思います。

FerrisのHPにあった新製品案内で、私が超食いついたのが、上の写真のCowdery Profilesという製品です。いろいろな断面形状の棒状のハードワックスです。さまざまなパーツの製作場面で応用することができる製品です。


形状も径のサイズも豊富。
(クリックすると拡大ページが表示されます)

FerrisのHPではブレスレットのヒンジ留め具、上記の表にないですが、涙型のパイプを利用してバチカンを作る例が紹介されています。
円形や四角形は爪なんかにも使えますね。パイプ状のものは、メレの石座に便利そうです。

おそらく、これらは日本の職人さんみたいに手先が器用じゃない、いや失礼、何かにつけて作業の効率化を重んじる、つまり楽したがるアメリカ人のアイデアから生まれたのではないかと思います。

『こんなもん、いらないよ。』って言う人もいると思いますが、私はとても欲しいですね~。ちっちゃいパーツを正確に削り出すのは結構大変です。(アメリカ人と同じ発想?)

日本国内で販売しているところを探したのですが見つかりませんでした。
特に、円形の取り扱いがあると嬉しいのですが・・・。
どなたか、東京都内か、ネット販売で取り扱っているお店をご存じのかたがいらっしゃいましたら、どうか教えて下さい。m(^^)m


異業種のジュエリー

2009年01月16日 | ジュエリーよもやま話

これ、どこのメーカーのジュエリーだと思いますか?

当たった人スゴイ!これは、Mont Blancという高級筆記具メーカーのジュエリーです。ROSEも、進学祝に父からシルバー製のモンブランの万年筆を贈られ、それは有頂天になったものでした。

そのMont Blancがジュエリーのブランドで今、注目を浴びています。
おそらく、見たところ、ほとんどの製品はジュエリーCADを使っていると思います。気になる作品の画像を本家Mont Blankのサイトから借用させていただき、アップしてみました。

真珠とオニキスを半分ずつセットしたリングです。

無機質な中にも、人為的な意匠で今風テイストを・・・。
 


Mont Blancのロゴを生かしたリングデザイン。

レジンでインレイを施したコンテンポラリーなデザイン。


で、最近、Crossも、万年筆とコーディネートした、カフリンクのコレクションを発表しました。 


既存の万年筆デザインとコーデしたカフリンク


筆記具とのコーディネート例

Mont Blancは、あまりにも有名なそのロゴのシェイプから発展して本来の筆記具とは別の発展を遂げましたが、Crossはあくまでも既存のプロダクトラインから派生したデザインで、常時筆記具を携帯する男性をターゲットにコーディネートを提案しています。 

前に、Pentelがデジタルペンというツールを販売開始したお話を紹介しました。アイデア勝負の文具メーカーならではの積極的なマーケティング姿勢が、カテゴリーキラーの商品を生み出しているようです。

Mont Blancにしても、Crossにしても、『うちは文房具屋。』という既成概念を超えて、異業種に果敢に踏み込んでいくそのチャレンジングな姿勢に感銘を覚えています。

もっとも、今どきの消費者もバカではないですから、”有名ブランドだから”、という理由で買うことはないでしょう。しかし、意外性は話題性でもあります。話題性はステータスにもなります。贈答にしても自家用にしても、ただ変わっているのではなく、その商品の出生の意外性で、ひとしきり会話に盛り上がるでしょう。特に米国ではそうした風潮があります。Mont BlancもCrossも、もともとハイソサエティの人たちが愛用しているブランドですので、ジュエリーとは目の付け所がいいですね。

このように、ジュエリー制作のノウハウがない企業も、アウトソーシングによって、マイ・ブランドのジュエリー、アクセサリーのプロデュースが可能な時代になりました。とくに、コーポレートロゴやマスコット、あるいは既存商品のデザインの延長で商品化する場合、ジュエリーCADが重要な立役者になっていることはまちがいないでしょう。


デンタルCAD

2009年01月12日 | ROSE POSYのひとりごと

最近はデンタルの世界にもCAD/CAMが導入されていることを知りました。欧米ではすでに20年以上の歴史を持っているそうで、日本でも最近普及してきており、国内にすでに数百システムが導入されているそうです。 

デンタルCADは、歯の詰め物やクラウンといった修復物を造形するときに使います。『セレック3D』というシステムを使った工程は以下のとおりです。
  1. 古い詰め物やクラウンを取った状態の患者さんの歯を特殊カメラで光学スキャンする。

  2. 歯科医師がデンタルCADソフトで詰め物のデータを完成し、切削機がセラミック製の歯を造形する。(30分から1時間程度)

  3. 歯科医師は造形された詰め物を患者の歯にセット、微調整する。
患者さんは撮影が終わったら、待合室で待っている間に詰め物を造ってもらい、その日のうちに治療を完了することも可能だそうです。仮の詰め物をする必要もないわけですね。

待合室内に見世物としてミリングシステム(レーザー切削造型機)を置いている医院もあり、患者さんはおもしろがって、セラミックが削られていく様子をじっと見ているそうです。

(治療プロセスのイメージはこちらをご覧下さい。)

切削用のセラミックは何種類もの色調パターンが用意されているので見た目も綺麗、しかも10年間で90%以上の残存率で長持ちするのが特長です。また、費用も従来より安くなるそうです。



このシステムでは、歯科技工士の代りにCAD/CAMが正確な造形を行い、患者の歯にセット後のあとの微調整は今まで通り歯科医師が行います。いままで技工士に外注していた工程を歯科医院内で内製できるようになります。 

   

ロストワックスジュエリーの技法はもともと歯科技工の方法から生まれたと聞いたことがあります。ワックスを彫るスパチュラなども最初は歯科技工士の道具がそのまま使用されていました。ジュエリーとデンタルは、一見関係ないようで、テクノロジーはシンクロしているといってもいいかもしれません。

しかし、デンタルCADソフトの場合は、”進化の最終形”に近い完成段階に来ているようです。シンプルなインタフェースで簡単に短時間で作業が完了できます。もちろんCADの専門的な知識は必要ありません。

歯医者さんと、ジュエリーデザイナーまたは原型職人、このユーザの共通点はコンピュータに関しては素人であるということと、本業を維持しながら、新しい専門知識や技術を習熟する時間がなかなか取れない、ということです。導入したら短時間の学習だけですぐに利用しはじめられることが求められるでしょう。

   

使う相手が誰であるかをよく考えて作れば、利用者ニーズに応えた製品が出来上がっていくのは当然だと思います。
ジュエリーCADソフトウエアも、究極的にはデンタルCADと同じ方向に向かって成熟していくかもしれません。

ジュエリーCADに限らず、どんなソフトウエアでもそうですが、いまは未完成であっても、新し物好きで忍耐力のある、一部の”ビジョナリー・ユーザ”の力で製品を進化させることが可能です。

しかし、開発側がユーザの不満や要望を受け入れて努力しなければ、製品はそうしたビジョナリー以外には売れません。売れなければ開発者は改良・改善のための原資が得られません。それでソフトの進歩は打ち止めとなってしまいます。にわとりとたまごの関係です。

ジュエリーCADの今後の将来は、今のユーザの”忍耐力”と開発ベンダーに要望や不満を強く働きかけることにかかっていると言っても過言ではないと思います。

    

ワインを美味しくする”バイオマドラー”

2009年01月09日 | ROSE POSYのひとりごと
KEN BLOODさんのWebサイトより画像を借用させていただきました)

昨日のテレビ東京の『ワールドビジネスサテライト』でベンチャー企業や町工場といった小規模企業の面白い製品をハイライトする”トレンドたまご”のコーナーで、ワインをおいしくする”バイオマドラー”というものが紹介されていました。

TV東京のWBS番組サイトの転載ですみません。
-----------------------------------------------
商品名

パオマドラー

商品の特徴

ワインに2~3秒浸しただけで、熟成を早めて化学変化を起こして、味をまろやかにしてくれるマドラー。ただし浸しすぎると飲み頃を通り越してしまう ので、注意が必要。その秘密はおコメのもみ殻から注出した新素材バイオシリカを混ぜ込んでいるから。貴金属なのでジュエリーとしても使える。

問い合わせ

デスク・トゥー・ワン

山梨県甲府市中央5-2-25

(以下略)

-----------------------------------------------

実際の商品は以下のようなものです。KEN BLOODという甲府のシルバージュエリーのメーカーさんが作っておられます。

商品その1 商品その2 商品その3 商品その4

マドラーには胸ポケットに差して引っかけるためのフックがついており、飾りの部分をちょこっとポッケからのぞかせるという、アクセサリーとして使える趣向になっています。

  

製造元のデスク・トゥー・ワン(DESK21)さんは、甲府の貴金属卸の会社として設立され、様々な分野で事業を展開されておられるようです。

今回のTV放映は、同社が大学と産学協同で開発した、『バイオシリカ』という米の籾殻から作ったシリカをK18に混ぜ込んだ『PAOメタル』の応用商品ということでの紹介でした。TVのインタビューでの社長さんのお話ですと、『甲府の地場産業の活性化になれば・・・』、とのことでした。

マドラーをわざわざアクセサリーするアイデアは甲府の貴金属屋さんならではですね。甲府はワインの生産地でもあるので、ワインのための道具に着目したのは面白いアイデアと思います。

   

このTVコーナーの意図(肝)は、商品紹介が目的ではありません。『自社の得意分野を活かして、ユニークなアイデアで新たな活路を見出すべく頑張っている企業』の取り組みを紹介する、全国の中小企業やベンチャー企業に向けた応援企画です。

こういう話がでると、こんなもの売れないよ、などと批判したり嘲笑する人がいますが、いままでにないような発想をすることが大切であって、とにかく実現してみないことには結果は誰にもわからないと思います。

”こんなもん売れるかいな?”というものが、大ヒットしたり、日本国内ではだめでも海外でバカ売れしたりする、多様性の時代です。

日本のメーカーさん、モノ造りの会社さん、どうか頑張ってください。

   

このマドラーに対する、ROSEの個人的な感想ですか?えっと・・・・、とても欲しい!です。(笑)家で安ワイン飲むときに、”うひょひょひょ、ホントに味が変わったわい♪”とほくそ笑んでみたいです。でも、そんな程度の動機で買うには手がでないお値段です。買えないけど、もらったら嬉しい。きっと、他の人も同じことを思っているかな。
orz


災いから身を守れ!

2009年01月08日 | ジュエリー作品&試作品

なんだか、新年早々、物騒なタイトルになってしまいましたが、こういう厳しいご時世でありますので、厄や災いから身を守るおまじないのためのジュエリーを作ってみました。


K18
ダイヤモンド
ブルートパーズ

自宅にある道具が非常に乏しいことと、彫金(メタルワーク)は久しくやっていない故、不出来な点はどうぞお手柔らかにお見逃し下さい。m(^^;)m

大写しにするのがかなり恥ずかしい状況なのですが、これはワックスモデリングではなく、すべてメタルから作りました。初心に帰った気分で、4年ぶりの彫金ワークです。あれ?フクリンの石座ってどうやって作るんだっけ?、みたいな。(^^;もともと”日曜ジュエラー”暦5年程度で、彫金経験は1年程度ですんで、瑣末な点はほんとにゴカンベンください。(^^;
  
K18の板や線はその頃の制作で余ったのをとってあった端財だし、ダイヤモンドは私が昔買ったプチネックレスからはずしたもので、まさに”リサイクルジュエリー”です。


オメガ用に作ったバチカンですが、
細いチェーンに通しても
バランスよくなるようにしています。
前後左右に滑らかにスイングします。

ヨーロッパの中世に使用された盾(シールド)をかたどったストーンです。カッティングは素晴らしいのですが、石がユニークな形のためデザインが難しかったです。あえて、バチカン側にデザインの比重を置いて、石のインパクトとのバランスを取ってみました。


おせちは自己満足的アートだ!

2009年01月03日 | ROSE POSYのひとりごと

新年、あけましておめでとうございます。

上記の写真のおせち料理は、わずか15cm角のお重に詰めた品々でございます。そんな小さなスペースですが、20種類以上の料理を用意しました。
(2日目以降、あいたスペースはまた違うものが入る趣向です)

こちらは、夫の実家に持参するために用意した、二段重です。



いずれも、一の重は、二の重は・・・といったしきたり(ルール?)は無視して、テキトーに並べています。

お料理はもちろん味も大切ですが、盛り付けは大変重要なファクターだと思います。お節料理の場合は、『配置』、ということになりましょうか。まさに、見た目麗しく美味しそうに見せることは、一種の美術ともいえます。

お節料理の各アイテムを作る時は何も考えず一心不乱にせっせと作ればよいのですが、いざ重箱に詰めるときは、うーん・・・としばし考え込み、並べる時間は作る時間よりも時間がかかってしまいます。

私は、実はお節料理が嫌いです。はっきり言って面倒くさいし、365日、ご馳走は何でも手に届く現在に何の意味があるのかわかりません。しかも、個人的に、きんとん、伊達巻、黒豆、昆布巻き、たつくり、、、といったお節の主要アイテムである甘いものや味の濃いものが大の苦手なのです。それなのに大変な思いをして作っても、三日目に、”お節はいい加減あきたわねー。”などとケチつけられた暁には、”ッザケンナ、オラー!もう金輪際、二度とつくらねーからな!!”と、ちゃぶだい(があったら)ひっくりかえしたい気分になってしまいます。

    

一昨年と去年は、仕出しのおせち料理にしましたが、目新しさや、ロブスターなど家庭で手に入りにくい材料を使っていることもあって、誰も文句いわないどころか、むしろ、異常なほど喜ばれました。しかも、家庭で作る場合にかかるコストと比較しても、外部に注文したほうが安いくらいです。まったく、家庭で作るお節なんて、単なる”自己満足”に過ぎないと思ったほとでした。

   

しか~し、自己満足的アートとしてのお節を作る楽しみは、主婦ならではのものです。毎年のことですと、”ああ、またこの時期が来た・・・”と憂鬱になりそうですから、アウトソースのサービスもうまく利用して、やりたくないときはやらない、でもなんとなく気持ちが乗ったときは、精一杯作りこみを楽しみ、”フォフォフォ!あたしもやるときはやるのよ!”と家族に主婦の威光を見せ付けるのもよし、だと思います。

まあ、いまどきのお節は、外注しても家庭内で作っても、味にはあまりかわりないようですので、ワークロードはほどほどに・・・。