ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

鋳造勉強会に行ってきました! その2

2008年03月16日 | ジュエリーよもやま話
鋳造勉強会 その2です。 【その1はこちら

途中の工程の写真がとれてなくて、鋳型の作成部分は、またしても安井インターテックさんのホームページからの借用です。許してください。

■鋳型の作成


1)ワックスツリーに金属の容器をかぶせます。ワックスにさわらないよう慎重に・・・。

2)埋没材という石膏のような白い粉と水を規定量計ってミキサーで攪拌します。なめらかな生クリームのようです。おいしそう~。


3)埋没材をトロトロと目張りした金属型に流し込みます。


4)『真空脱泡機』という機械で埋没材の中の空気を抜きます。真空状態では、水は常温で沸騰するのだそうです。この中の埋没材もグツグツと沸騰して泡だらけになってました。泡が抜け切ったら完了です。
埋没材はすぐに固まり始めます。これが鋳型のもとです。


5)金属容器を、高温の電気炉に入れます。埋没材の中のワックスは溶けてツリーの根元となる部分の穴から落ちてしまいます。その後、約700℃で10時間、焼成することで鋳型が完成します。

 
電気炉は中で回転し、焼きムラを防ぎます。
右が、溶けたワックスが落ちて固まったもの。お役目ご苦労!

1日目の講習は、この電気炉に入れるところまでで終了しました。

■鋳造

いよいよ、鋳造です。
2日目は、電気炉から鋳型を取り出すところから始まりました。電気炉は600度まで下がっていたとはいえ、扉から猛烈に熱い熱風が出てきます。もろにあびると大やけどですから非常に危険を伴う作業です。

 
真空吸引加圧鋳造機』という舌をかみそうな名前のマシンに、地金と鋳型をセットします。(ちなみに、金とシルバーはこの機械ですが、プラチナはまた別の種類の機械を使います。次回にご紹介します)

地金の種類や組成によってあらかじめ調整された設定で、あとは全自動でコンピューターが鋳造機を制御します。ハイテクですね~。真空吸引+アルゴンガスを入れることで、無酸化状態を作り出しているそうです。このメカニズムにより、超細いとか超薄い鋳型にも地金がうまく誘導され、また地金の劣化が防げるそうです。(受け売りでスイマセン。間違ってたらご指摘ください。)

まさにこの鋳造機は物理学+化学+メカニカルエンジニアリング+コンピューター工学の粋を集めた機械です。しかも、純国産です。Yasuiの鋳造機を世界中のジュエリーメーカーがこぞって輸入しているのです。これって、すごいことだと思いませんか。世界に誇るべき日本の素晴らしい技術力です。日本の”ものづくり”は、まだまだ捨てたものではありません。Yasuiガンバレ!

そうこうして驚嘆している間に、機械のほうは黙々と鋳造の準備を完了し、地金がとけて鋳型に落ちました。落ちて流れる瞬間を1つの鋳型につき限定1名様だけ見れます。(笑)


おーーー! マグマだーっ。 (なにげに黄色いマークがかわいい)


現在温度は、1030度でございまーす。

 
鋳造が完了すると、ピーッピーッと音でお知らせ♪
なんと、鋳型が自動的に下からせりあがって登場した!
なんか紅白の演歌歌手みたいだ。

右側が、今回の講習の先生を務めてくださった安井インターテックのエース・マーケッター、山鹿さんです。自社製品のセールスプロモーションのために世界中を飛び回っているそうです。カッコイイですね!


じゃじゃーん。鋳造過程は完了でーす。(でも、まだまだ終わりじゃないんだな。)しばらく床に放置して冷ましておきます。うまくできているとよいなー。

■洗浄処理


ある程度冷めたら、鋳型を水の中につけます。大沸騰・地獄谷状態です。その時、埋没材が割れてモロモロと崩れ落ちます。


ウォータージェットという機械です。シルバーに絡みついた埋没材を水圧の力で吹き飛ばします。


さすがに水しぶきで中は良く見えませんでした。山鹿さんの作業風景でゴカンベンください。(^^;


チャンチャカチャーン! ついにシルバーが出ました!
みんな感動しまくりです。でも、なんか黒くて汚いねー。


この黒い酸化膜をとるために、酸にしばらく漬けておきます。
下は電熱器です。温めると早くとれるんですね。


真っ白な鋳肌になり、ついに本当に完成しました。


各々、自分の分をニッパーで切り取って、MY作品の出来上がり!おうちでせっせと磨きましょう。(^^;

これにて、2日間の鋳造ドキュメントは幕を閉じました。(おおげさだっちゅうーの)無事に全員の作品もうまく吹き上がりました。

2日間、長時間に渡っておつきあいくださった安井インターテックの皆様の特別なお取り計らいには感謝に尽きません。私たちはとても幸運でした。本当にありがとうございました。

ラヴァーグの松尾先生、このような貴重な機会を与えていただきましてありがとうございます。素晴らしい企画でした。

さてひっぱりますが、プラチナの鋳造の機械もご紹介したいし、まとめをしたいので、次号の最終回までお付き合い下さい。



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