ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

甘くてラブリーなハートのペンダント

2007年11月20日 | ジュエリー作品&試作品
まだ11月なのに街はもうクリスマスムード。紅葉シーズンを飛び越えて一気に冬が来てしまったようです。
寒くなると急に動きが鈍くなり、脳が冬眠モードになる私(熊か!)制作活動のブログはしばらくご無沙汰してしまいました。

今日の作品はパーティシーズンに合わせたとっておきの一品です。
インカローズ
のハート型の石が可愛かったので衝動買いしましたが、このまま石枠をつけても芸がないなぁと思い、その面積と平坦な形を生かして、上からデコラティヴなフレームを作ってかぶせてみました。(爪は裏側にあります。)


真ん中のストーンはCZです。

せっかく、ロマンティックな感じになったので、バチカン部分も優しい雰囲気にしてみました。ゆらゆらと大きくゆれるローズ色のハートペンダントの完成です。

今回は地金にロジウムメッキをかけました。地金が酸化して黒くなった場合にシルバー専用洗浄液につけたり、超音波洗浄器にかけてインカローズが大丈夫かどうか心配だったからです。いぶし仕上げもちょっとイメージがかわってしまうかと思ったので、ロジウム仕上げにしました。ロジウムの白い冷たい輝きが青みのあるピンクに合うような気がします。


けっこう大ぶりです。

胸のあいたドレスに、太めのベルベットのチョーカーや、最初の写真のようなオーガンジーのリボン、あるいはベビーパールのネックレスに通して、首ぴったりにつけるもかわいいと思います。

マルチカラー・ストーンの伏せ留めリング

2007年11月06日 | ジュエリー作品&試作品

実はコレ、『作品』ではなく、かなり前に『伏せ込み』という石留めの練習台のリングです。ブサイクさもご愛嬌で記念にとっておくことにしました。

伏せ込み』とは、地金に石が埋まっているように見える石留めの方法です。爪がないので、ひっかかりがなく、シンプルな雰囲気に仕上がります。”チョコ留め”と呼ばれることもあります。

『練習なのだから、石は大きめのほうがやりやすかろう』と、4mmの石を使ってみたらこれが失敗のもとでした。伏せ込みは石が大きくなるほど難しいです。(・・・ということは後で知りました。)。無謀でした。・・・てか、よく石が割れなかったものだと思います。もうやりません。(笑)

石は全部で10石使っており、キュービックジルコニアの白、ピンク、ラベンダー、赤、オレンジ、天然石はアイオライト、ペリドット、ブルートパーズです。

石によってカットやプロポーションが違うので、ある石は地金ときれいなツライチにつるんと留まったり、またある石はなかなか留まってくれず、大苦戦でした。格闘の末、『ついに完成だ!』と超音波洗浄器にいれた途端、あえなく石落ちポロン(号泣)という感じで、やっとこさ、かろうじて全部の石が留まりました。(見た目はさておいて・・・)



なんか、ポップでキッチュで、夜店で売ってるオモチャの指輪みたいですねー。(笑)



~透かし珠シリーズ~ 花模様の珠ペンダント

2007年11月06日 | ジュエリー作品&試作品
”透かし珠”シリーズです。

◆これまでご紹介した作品◆
桜のペンダント ~桜珠(さくらだま)~
た~まや~♪ 花火柄の珠ペンダント

今回は、四弁のお花+ドット模様です。
これまで考案した模様は限りなくありまして、まだまだこのシリーズの展示は続けられそうです。 

ちなみに、誰でも考えそうな”地球”も作ってみましたが、見た目がまったく可愛くなく、ボツ決定!<鋳造するまでもなく、握りつぶし>でした。この球形には、同じ模様がランダムに配置されているのが可愛い、という結論にいたりました。 


ボリュームはありますが、とっても軽いです。


シルクコードで大人の雰囲気に。

でも、この透かし珠、大変な時間をかけて作る甲斐がないんです。厚さ1mmも無い薄い中空の球にランダムに模様を切り出していくという、非常に根気のいる手間のかかる作業なので、量産品としての”商品”展開は難しいです。珠をパーツに分けることで量産で似たようなものを作ることは出来ますが、どこかに”継ぎ目”を作らざるをえないので、まったく模様のニュアンスが異なってしまいます。

筆者も珠シリーズを自分でも常時着用しており、手前ミソながら、沢山の方からその意匠のユニークさに注目していただいて気をよくしており、おかげさまでオーダー制作の依頼も時々いただいてます
しかし、手間を考えると採算は度外視せねばなりません。模様彫りに没頭するという、私個人の楽しみとして作っているにとどまっています。

しかし、『同じの欲しいワ~!3000円くらい出せば作ってもらえます?』、って気の抜けちゃうようなことをのたまうオバチャンもいます。こちらの希望価格を伝えると、のけぞって、『そら、高いワー。シルバーなのに何でそんなにするん?ほな要らんわあ。』って、あのう、露店の安売りシルバーじゃないんだから、勘弁してぇな~

もし3000円で売ったら、材料費やキャスト代を差っ引いて、総制作時間で割ると、私の”工賃”は時給30円そこそこってことに?!いまどきの日本でそんな低賃金の仕事はないっつーの!オバチャン、ジュエリーメーキングつうのはね、1個1分でチャッチャッ、みたいな組み立て作業とちゃいまんがな~。



ネネのお兄さん: 天国にいった『ハル』 (2)

2007年11月04日 | ねこの話

ネネのお兄さん、『ハル』のお話のつづきです。 
あまりにも悲しい話でごめんなさい。思い出すのは私も辛いのですが、猫を飼っている方、これから飼う予定の方には是非読んで欲しいお話なのです。


オトウの出張についていきたい!

ハルの意識が戻らぬまま、夜が更けました。
翌朝、7時ごろ先生から電話がありました。
『どうか、ハルちゃんの意識が戻りましたと言ってください・・・。』
神様に祈る思いでした。

しかし、それは悲しい報告でした。

『ハルちゃんは先ほど息を引き取りました。』

先生は徹夜でハルを看ていてくださったようです。

結局、原因はわからないままでした。
先生は、『麻酔処置も手術も万全な体制で、看護婦と私の両方がついて、心拍数・脈拍などをチェックしながら慎重に進めたので、どう考えても何が原因か見当がつかないのです。』、とおっしゃいましたが、私はもやもやと疑惑の念を抱いていました。

先生は、『ハルちゃんには手術に耐えられないような重大な病気があったのかもしれません。もし、手術前に精密検査をしていたらこんなことになっていなかったかもしれません。大変申し訳なかったと思います。大変お気の毒なことでしたので、せめてハルちゃんの葬儀を出させてください。もし、ご納得がいかないようでしたら、病院としては精一杯できる限りのことをさせていただきますので、飼い主様のご要望をおっしゃってください。』、と提案されました。(つまり、賠償金、慰謝料を示唆されているのだと理解しました。)

 
寝るときはいつも大好きなネネと一緒。

病院では、前から判っている持病があったり、直前に実施する健康診断で異常がない限りは、避妊・去勢手術前に精密検査を行うことはないそうです。精密検査とは、人間でいえば人間ドックに相当する細かい検査です。『今となっては言い訳になってしまうかもしれませんが・・・、』と先生も決まり悪そうでした。

そこで私は、先生に、解剖をすれば何か手がかりがあるかもしれないのでどうか調べてくださいとお願いしました。先生はとても驚かれた様子でしたが『このままでは私も納得がいかないので、そういっていただけると大変ありがたいです』、とのことで、解剖を快く承諾していただき、ハルの亡骸を預けました。

数時間後、先生から、ハルに重度の心筋症があったとのご連絡をいただきました。心筋症とは、心臓の壁が分厚くなって、酸素を送り出す心室が極端に狭くなっており、正常な心臓に比べて機能が低下する病気です。この心筋症が原因で手術の負担にハルの心臓が耐えられなかったのだろう、ということがわかりました。

ハルは直前まで元気に駆け回って、ネネとふざけあっていたのでにわかに信じがたいことでしたが、先生の説明には説得力があり、その真剣な目を見て私は先生は嘘偽りを言っていないと確信しました。

もし、事前に超音波検査などをしていれば、病気がわかったかもしれない、とのことでしたが、精密検査自体、小さい動物には大変負担がかかるものなので、手術前の健康チェックで問題ない子に行うことはなかったそうです。

たとえ病院から事前に検査を提案されていたとしても、私も『ぜひやってください』と言っていたかどうかわかりません。これまでの手術が確率として100%検査なしでも大丈夫だったといわれたら、高い検査料を払って、しかも猫に辛い思いをさせてまで検査をお願いしていなかったかもしれません。

しかし、先生は、『今は去勢・避妊手術が安全なものになり、トラブルが発生するケースはほとんどないといっていいくらいなので、去勢・避妊の前に精密検査をしないことが日本の獣医界全体の長年の慣習になってしまっています。しかし、これを機会に考え直さなければならないでしょう。ハルちゃんのケースを学会で他の先生達にも紹介して獣医界に注意を喚起していくつもりです。』とおっしゃいました。

先生の専門分野は心臓・循環器系であり、ある大学でも治療・手術を行っているとのことでした。ハルの小さな心臓は、大学の若い獣医さんの勉強のために保存されることになりました。これからも動物医療の進歩のために役に立てていただけるでしょう。


手術前の日の夜、私の股座でくつろぐハル。
これが最後の写真となってしまいました。

ハルは、医院の取り計らいで立派な棺に納められ、自宅に戻りました。棺の中に、ちいさい花束が添えられていました。その花はどこかで見たことがあると思ったら、ふと、病院の周りに植えられていた花だということに気づき、胸が熱くなりました。ハルは、近くの動物霊園を併設するお寺で人と同様に丁重に弔われて火葬され、遺灰はペットの合同墓地に埋葬されました。

そして、先生は『このようなことがあっては、もうここには二度と来たくない思うのが当然でしょう。でも、もし許していただけるなら、この先もずっと、ネネちゃんやトモちゃんの健康を私が責任をもって守らさせていただきたいのです。』とおっしゃいました。先生の誠意と真摯な気持ちがひしひしと伝わりました。これからもこの先生にネネたちのホームドクターになっていただきたいと思いました。

 
 
TVが大好きだったハル。

心筋症を患っている子は予後が悪く、一生治療と投薬が続き、それでも長く生きられるケースがあまりないことをネットで知りました。

ハルとの生活は、たった3ヶ月間だったけど、本当に楽しい思い出をたくさん残してくれました。心から、ありがとう。。。。。


お兄ちゃん大好き♪


バンニャイ・コンビ(ハルとトモ)


そして2007年10月。ハルの死から1年後・・・・。

ようやく、ネネのもうひとりの兄弟『トモ』を去勢手術をする決心がつき、再び同じ病院を訪れました。

そこには、最新の超音波装置が導入されていました。超音波装置は以前もありましたが、新しい機械はさらに高性能なものなのでしょう。その機械が先生の決意のすべてを物語っているように思えました。

トモはもちろん、術前の検査をしてもらいました。
血液検査の結果、肝機能値が異常を示していました。安全のために手術は延期され、現在、肝臓の治療中です。

動物は、元気そうに見えても隠れた病気を患っているかもしれません。また、なんとなく調子が悪くても言葉で訴えることができませんから、人が気づいたときはすでに手遅れのことが多いのです。
でも、人間同様に、定期的な検査、早期発見で助かる命もあります。
たいせつなペットに健康に長生きしてもらうためも、定期的に健康診断を行ってもらうことをお薦めしたいです。



ネネのお兄さん: 天国にいった『ハル』 (1)

2007年11月03日 | ねこの話
ネネは、野良猫の子として生まれ、優しいご夫婦に保護されて、うちにやって来ました。4頭の兄弟でしたが、4頭ともひどいネコ風邪(ヘルペス)を患っており、どの子も両目が炎症でただれて潰れており、本当なら一番可愛い盛りのはずが、悲惨な状態の時にこの子達に出会いました。それでも何度かお宅に足を運ぶうちに、子猫たちに愛情が湧いてきて、ついに飼う決心がついたのです。

保護主さんのご一家の愛情のこもった懸命の育児と看病のおかげで、ねこ風邪はほとんど良くなりましたので、いわゆる”お見合い(※)”のために、4頭ともうちに2週間お預かりました。写真はその時のものです。
※お見合い: 里親になるまえに、ネコと人との相性や飼い主の飼育能力を見るために一時的に預かってテスト的に飼ってみること。

 
(左)生後3ヶ月。同じ器で仲良くごはんを食べています。
(右)ウチのベランダでなったゴーヤを不思議そうに眺める子猫たち
   ネネだけが女の子で、あとの3頭は男の子。

4頭とも引き取りたかったのですが、我が家は初めて動物を飼うため、多頭飼いには自信がなかったので、義母、私、夫でそれぞれ最も好きな子を1頭だけ選び、残った子を断腸の思いで元の飼い主さんにお返ししました。そのご夫婦は すでに沢山の猫を飼っていらっしゃいますが、その子を迎え入れられました。


我が家と義母の家にひきとられた3頭の子猫たち。
毛色がそれぞれ違い、同じ親の子と思えません。
左から、『トモ』(義母宅へ)、『ハル』、『ネネ』 
ハルは私、ネネは旦那のお気に入り。

今日は、私がこの4頭のなかで一番気に入っていた茶トラの男の子の『ハル』のことをお話をします。1つの貴重な経験として、猫を飼っている、あるいは、これから猫を飼いたいと思っているすべての皆さんにお伝えしたいことです。



ネネが一番大好きなお兄さんだったハルは、去年の10月、ちょうど1年前に天国に召されてしまいました。1年経ってようやく、気持ちの整理がつきました。ハルのことを忘れないためにも、写真とともにハルのエピソードをブログに残しておきたいと思います。


 

ハルは、男の子らしく大変やんちゃで活発な子でしたが、兄弟猫たちのリーダー的存在で、他の子たちは一方的にハルに甘えたり舐めてもらっていました。特に、ネネはハルにぞっこんで、いつも一緒にラブラブ、イチャイチャしておりました。

どの子もすくすくと育ち、生後6ヶ月の10月、こんな子供でも、もう繁殖ができる年頃なので、兄妹で間違いが起きてはいけないと、そろそろ去勢・避妊をしようということになりました。

 

まず一番発育がよく健康そうなハルが選ばれました。去勢手術は1泊入院すればすぐ戻れるということなので、土曜日の昼にハルを病院において、私たちはそのまま外出しました。

数時間後、病院から携帯に連絡がありました。手術が無事終わったという連絡だろうと思ったら、『手術後に突然ハルちゃんの容態が変わり、心肺が停止しました。すぐ来ていただけないでしょうか。』と告げられました。私は全身から血の気が引いて、その場で失神しそうになりました。

何故、去勢手術で、心肺停止???『医療過誤』、という言葉が頭をよぎりました。いい大人が恥も外聞もなくぽろぽろ泣きながら、タクシーで病院に向かいました。病院に到着すると、そこには酸素呼吸器をつけられたハルが手術台に横たわっていました。院長先生が蘇生術を施してなんとか心臓は動き出したようですが、普通ならもう覚めているはずの麻酔がかかったままのような、意識がほとんどない状態です。

『どうして去勢手術でこんなことになってしまったのですか?』と私は我を失って先生に詰め寄って怒鳴り、そしてその場にへなへなと腰を落として号泣してしまいました。

先生によると、手術は問題なく終了し、麻酔を解くための薬を投与してしばらくしたら容態が急変して心肺が停止したというのです。
院長先生は年間300件という去勢手術(ほぼ毎日ですね)をされていて、10年以上の経験があるがこうしたケースは初めてだとのことで、原因は詳しく調べないとわからないとのことでした。

でも、目の前のまだハルは生きています。薄目を開けて、苦しそうに呼吸しています。なんとか助かって欲しい!

先生に、『とにかく、できる限りのことをします。お預かりさせてください。ご心配でしたら何時でも会いにいらしてください。』と言われ帰宅しました。

その夜、先生から何度も経過報告の電話をいただき、『血液を調べたところ、肝機能の値がありえない数値を示していて大変危険な状態』との連絡を受けました。
 
(つづく)