ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

おとなしいデザインが買い?!の日本市場

2009年02月25日 | ジュエリーよもやま話

春の訪れを告げるように、路傍のあちらこちらで小さな命が芽吹いています。
 
テーマに沿う画像がないエントリーの日は、私がここ最近つれづれなるままに撮影した写真を挿絵代わりに入れさせていただこうと思います。

楽天ショップで今一番売れているリング、”ななこリング”についてのエントリーに対して、とぱーずさんという方からコメントをいただきました。
そのまま転記させていただきました。 

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お邪魔致します (とぱーず)
2009-02-24 10:58:30
まさに、ななこエタニティ買おうとしてました(笑)
しかもレビューの多さに惹かれて。無難、普段使い、飽きがこない。三十路過ぎてシルバーとジルコニアはちょっと…でもプラチナなんか買えないし。やっぱり素材はゴールドとダイヤね!て(笑)本当におっしゃる通りです。

でも、専業主婦としては、2~3万の買い物も大金!気が引けるんですよね。だから『毎日家事育児頑張ってる』『クリスマスだし』『誕生日だし』とか理由を付けて年に一度買ったりはしてます。
ただ、ジュエリーは癒やしや元気の素だけど、贅沢品、て気持ちもどこかにあるから…気軽に手を出せない憧れの領域でもありますね。
でも、無難な物が好まれるのは分かります。私もやっぱり無難なデザインに目がいきます。

特に小さい子供がいるからかもしれません。家事育児に邪魔にならず、ママ友にもひがまれず(その前にジュエリー買えないけど)『素敵ね~』『ネットで安かったのよぉ』と気軽に話せる物。決して『うわ~高そう~』『そんな事ないわよ~』『うぅん、素敵よぉ(旦那いくら稼いでんのかしら。それともただの浪費家?公園にこんな宝石つけてきて嫌みねぇ)』とならない物(笑)。だから、皆がしてそうな無難で気軽につけれる物に目がいきます。私は今時の日本人…なんでしょうね。

好きな物を長く愛用し、それを子供に…ていうのが理想ですが、私の中で、一生物=高価というイメージがあるのでなかなか難しいです。

長々失礼しました。また拝見させて頂きます。
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とぱーず様のおっしゃっていることはまさにその通りだと思います。
でも、エタニティリングはエンゲージリングやマリッジリングなどと一緒に重ね着けしてボリューム感を出すことができたりしますので、年をとったら似合わなくなる、といったことのない賢いお買い物アイテムだと思います。

宝飾業界の皆様、日本の一般的な女性のユーザ視線、というのを感じていただけたでしょうか。



日本人女性の多くは、やはり”人目”が気になるのです。
専業主婦の方に限らず、オフィスで働く女性も、周囲の目を気にして控えめになりがちです。結婚式のような晴れの舞台でも、”ゴージャス過ぎていやみにならないように”との配慮から、皆さん判で押したように似たようなフォーマルドレスに、イミテーションパールやスワロフスキーのおとなしいアクセサリーをつけていらっしゃいます。
 
 

でも、実は、人は自分が思ったほど他人のことは気にしていないものなのです。自分がどう思われているか?どう見られているか?という自意識が強い人ほど、他人をまったくみてません。日本人は『自意識の美学』があります。だからこそ控えめなのかもしれません。人より目立っていないことが美徳であり、また安心感なのだと思います。


パソコン作業にオススメのデスクチェア

2009年02月22日 | ROSE POSYのひとりごと

我が家に新しいデスクチェアがやってきました。

エルゴヒューマン』(Ergohuman)というブランドのアメリカ製のチェアです。

パソコン家具やオフィス家具のショップやショールームで、何十種類もの椅子を座り比べて、惚れこんだ椅子でした。

オフィスチェアは男性を基準にして作られているのか、女性で体が小柄だとなかなかしっくりとくるチェアに出会えません。ところが、このエルゴヒューマンだけは違いました。


横から見るとしっかりした腰の
サポート部がわかります。
 
座面の高さだけでなく、座の奥行きの調節もでき、背面、アームレスト、ヘッドレストも高さと角度、ロッキングの硬さも変えられます。体に触れるすべての部位がアジャスタブルで細かい調整が可能です。私のような小さいヒトにもぴったりと体に沿わせることができ、まるでおあつらえで作ってもらったようです。




人気のハーマンミラー社のアーロンなどの他の高機能チェアも試しましたが、いずれもエルゴヒューマンの包み込むようなホールド感と座り心地のよさにはかないませんでした。”Ergo(エルゴ)”は、エルゴノミクス(人間工学)からとったネーミングどおり、ヒトの体をよく考えて作られていると思います。

機能性だけでなく、デザイン性にもググっと来るものがありました。前、横、後ろ、どこからみても美しい。

長時間デスクワークをする人に是非おすすめしたいチェアだと思います。ちなみに、パソコンはついつい前傾姿勢になりがちですが、整形外科の専門家によれば、後継姿勢のほうが体のためによいのだそうです。この椅子は背中と腰のサポートがしっかりしているので、パソコン作業に向いているといえます。

値段はちょっとお高めですが、他の機能チェアに比べると、コストパフォーマンスは優れていると思います。長年使用するものですし、毎日快適な作業環境が得られ、腰痛が予防できることを考えたら、グッド・ディールではないでしょうか。

お近くに実際に座って試せるお店がないという人は、楽天のレビューなどをご参考にされてみてください。

エルゴヒューマン公式サイト


昔のジュエリーデザイン図案集

2009年02月18日 | ジュエリーよもやま話

『我ら日本の宝飾はいま本当に終りかけている!』というタイトルで震撼させた、あの”とうきょうジュエラーズ”の柏書店松原さんが、なかなか素敵な本を出版されました。

新刊案内を見て気になってしょうがなかったのですが、先日表参道の書店で実物を見つけて惚れ込んでしまい、即買いしました。

『帝政ドイツのジュエリーデザイン図案集2000』復刻版

”19世紀ウィーンで出版されたDIE PERLEと題する、金銀細工師のためのデザイン見本帳と思われる原本を、現代に復刻印刷したもの。”

だそうで、まったく何の前置きも説明もなく、1ページ目からひたすらモノクロのデザイン画が150ページ以上にわたって繰り広げられます。


精巧な手描きのデザイン

2000種の図案にちなんでか、お値段2000円(税抜)、というのがこれまたニクイなぁ。柏書店さんのギャグか冗談かわからないような、ビミョウなセンスが好きです。それにしても、よく復刻してくださったなぁ、出版を企画した方に心から敬意を表したいです。 

原本は1800年代後半に作られたらしいですが、その時代といえば、イギリスではヴィクトリア時代後期、フランスではベル・エポック様式の盛隆期を迎えていますが、この画集はその時代に流行したスタイルだけではなく、古くはアングロサクソン時代やルネッサンス時代に用いられた様式も見られます。

図案を描いたデザイナーによるオリジナルの図案もあるでしょうが、その時代からみて”アンティーク”として存在したジュエリーの模写もあったのでしょうか。ヨーロッパ近代宝飾デザインの礎となった古今東西の意匠のエッセンスがぎゅっと凝縮されているようです。

神聖ローマ帝国皇帝ルドルフII世の王冠など、すでに存在したジュエリーを模写した図もあります。また、ジュエリーだけではなく、リアリティにあふれた虫類のスケッチもあり、ちょっと気持ち悪いのですが、虫はその当時からジュエリーによく用いられたモチーフだったことがうかがわれます。

その当時はまだジュエリーデザイナーという職業がまだ確立していなくて、画家や芸術家が余技でジュエリーのデザイン図案も描いたといわれているそうです。こうした図案集を工房の親方さんが購入して、自分の好きな部分だけを使って、作品を作っていたともいわれているそうです。

モノクロの正面図のみで正確な指示書もない、こうしたネタ帳だけを頼りに、こんな複雑な意匠のジュエリーを手作りで作った当時の職人さんたちの腕前は本当に凄いと思います。少ない情報から芸術的な作品を生み出すためには、技術だけでなくセンスも相当必要ですよね。

モノクロの世界というのは実に想像力をかきたてられます。
何も語らない、しかしそこにある図画が雄弁に語っている。この画集にゾクゾクするほど魅了されました。ジュエリーの歴史の変遷に思いを馳せながら、精緻な図案を眺めていると時間が経つのを忘れてしまいます。


ねこまくら

2009年02月17日 | ねこの話

暖かくなったとおもったら、急に寒気が戻ってきましたね。全国の「家ねこ」のみなさん、冬の寒い夜はどこで寝ていますか?

ねねは、ROSEと一緒のお布団で寝ています。湯たんぽならぬ、ねこたんぽ、ですにゃ。

ある日、私のまくらの隣に、冗談半分に小さなまくらを置いてみました。羽根布団を買ったときについてきたおまけなのですが、小さすぎて使い道に困り、いつもベッドの上に意味も無くころがしてあったものなのです。気づいたら、私の横でねねが枕をして寝るようになっていました。

こちらが、”まくら”を使用中のねねちゃんでございます。朝、お目覚めのところを激写。


とってもちっさい羽根枕です。
向かって左が私の枕。



まさに、”川の字”ですよ~
掛布団は私と共有で一緒に寝てます。

ミニミニ枕、とてもお気に召していただいているようです。
”マイまくら”にアゴを載せてうつぶせに寝たり、横や上を向いて寝てみたり・・・。掛け布団から首だけ出して、真上を向いて寝てる姿なんか、まるでヒトのようで笑えます。


寝起きを撮られて、超不機嫌~。むぅー!


プレゼントは組みモノで・・・

2009年02月14日 | ジュエリー作品&試作品

久々に組み物(ビーディング)のアクセサリーを作りました。ちょうどお使い物があったので何点かまとめて作りました。

上の写真は、オレンジアゲート、トルコ石、淡水パールのピアスです。

組み物は、地金から作るアクセサリーに比べると短時間で出来るので、ちょっとしたプレゼントやお礼などに重宝しています。

その人の性格、体型、肌や髪の色、ファッションや装飾品の傾向、好みの色などを普段からよく観察しておいて、自分なりにその人に似合いそうなアクセサリーを作っています。ギフト用ですので、あまり独創性を出さず、ありきたりかしら?くらいに押さえておくのがポイントです。

こちらは、今月お誕生日を迎える友達へのプレゼント。


アメシスト、シトリン、
淡水パール(ライス白・ポテト黒)
めがね留めで丁寧に仕上げました。


Tピン、9ピンは使わず、
ワイヤーワークで留めています。


こちらは、先日、本をお借りした方へのプチギフトです。

アメシスト、サンゴ、淡水パール

作る楽しさに贈る喜び、一粒で二度美味しいですよね。(^^)

バレンタインデー&ホワイトデーに体験スクールのススメ (^^)/ 

2009年02月12日 | ROSE POSYのひとりごと

今年は、2月14日が土曜日にあたることから、勤務先で配布する義理チョコ需要が低迷しているそうです。土曜日に勤務がある人でも、今年はやめにしとこう、とか、個別包装ではなく、大入りパックを買って”回覧”するといったように1人あたり単価が下がっているそうで、どうでもいい相手に対しては(笑)できるだけ節約したい女性の気持ちが表れているようです。

そんな状況下、チョコレートメーカーも知恵を絞って売り上げを挽回しようと頑張っています。”逆チョコ(男性から女性に贈る)”、”自分チョコ(女性が自分へのご褒美のために買う。あるいは本命がいないので慰めに自分に贈っちゃう。)”なる珍提案まで飛び出してきました。

さて、”逆チョコ”という発想は実は変だってご存じですか?
 
欧米でのバレンタインデーの習慣は、このように説明されています。
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男性も女性も、花やケーキ、カードなど様々な贈り物を、恋人に贈ることがある日である。
カードには、"From Your Valentine" と書いたり、"Be My Valentine." と書いたりもする。
(出典:Wikipedia
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アメリカ暮らしが長い人の話によれば、恋人だけでなく友達、お母さん、会社の秘書など、日頃お世話になっている女性に対して、男性から”いつもどうもありがとう”という感謝の気持ちを込めて、チョコやキャンデーなどお菓子をあげる、いわゆる日本でいうところの”義理チョコ”に近い習慣があるそうです。 

また、夫婦や恋人同士で行われる”本命”のギフトは、男性から女性に対して、お花やレストランでのディナーをプレゼントするケースが多いようです。日本で、今頃”逆チョコ”と言い始めたことが、欧米では、とっくの昔からフツーの習慣だということです。

いっそのこと、バレンタインデーを欧米と同様にオトコもオンナもお互いに欲しいモノを贈り合おう!という習慣にしたほうが自然だし、経済効果も大きいと思われます。

  

さて、こんなご時世です。あまりお金を使いたくないけど、そこそこ見ばえも良くて、ハートがこもったプレゼントをしたいという男女におすすめしたいのが、彫金・アクセサリー教室の無料体験教室です。

材料費数千円程度でリングやペンダントをその日のうちに完成して持ち帰れる所がほとんどです。純銀粘土はもちろんのこと、彫金の体験講座の中にも、半完成品を使って、蝋付け、磨き、石留めをすべて1日で体験させ、完成品が仕上がるようにしているスクールもあります。

スクールは、アクセサリー造りに興味を持って欲しくて体験講座を開いていてるわけですから、インストラクターが最後まで懇切丁寧にサポートし、体験講座で失敗させるようなことはまずないといってもよいです。あなたがうまく出来なくても先生が手助けしてくれて、ちゃんとそれなりの物に仕上げてくれます。(笑)

女性から男性へのプレゼントはもちろんのこと、男性が『世界にひとつしかないんだから、なくすなよ。』とかなんとか言って、無造作に渡す・・・・かなりカッコイイと思います。(女性は意外性にとても弱いのデス!)

相手のリングサイズがわからない場合、あらかじめ先生に事情を話せば、たいていはペンダントトップなどへアレンジをさせてもらえます。体験講座を通じて、自分自身も充実した時間を持てますし、自分の作ったモノをだれかにあげるというのは楽しい気持ちになれるものです。

男性諸君、ホワイトデーまであと1ヶ月ありますよ。手作りアクセサリー体験はいかがですか?

  

さて、オマケとして、バレンタインデーにまつわる面白いサーベイをご紹介します。
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『バレンタインデーにチョコと一緒に欲しいものランキング』
(Gooランキング)

2007年の結果
1位:ネクタイ 2位:お酒・ワイン類 3位:財布 4位:時計 5位:金券

2008年の結果
1位:愛 2位:食事 3位:時計 4位:財布 5位:ネクタイ
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この結果を見て、皆さんはどうお感じになりましたか?


冬はアクア・パッツァ!

2009年02月12日 | ROSE POSYのひとりごと

いやはや、前のエントリ、”これからコンピュータ関連の仕事に就く人へのメッセージ”、非常に大きな反響がありまして、驚くほどのアクセスをいただきました。

コンピュータを使う現場の環境改善は遅々として進んでいません。エルゴノミクス的な観点からの労働環境の見直しはすでに始まっていますが、人の心の問題は、今後専門家によって大いに議論・研究の上、科学的に改善されるべきだと思います。

さて、重い話の後は、気分転換しましょう。
 
今日は、良い魚を手に入れました。鯛とカサゴです。立派でしょう?


塩コショウの薄化粧をして料理されるのを待つ
まな板の上の”タイ”と”カサゴ”(^^;

どちらも、勿論お刺身や焼き魚、煮魚で美味しいおさかな達ですが、このお魚を白ワインとともに楽しめるレシピがあります。
まさに冬にぴったりの温まるメニュー、それは、『アクア・パッツァ』
 
Wikipediaの定義によると、
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アクアパッツァ(acqua pazza) は、魚介類(白身魚と貝類)をトマトや
オリーブなどとともに水で煮込んだイタリア料理。ブイヨンなどを
用いずシンプルに水で煮込むことによって、魚介のうま味を引き出し
ている。白ワインで煮込む場合もある。
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アクア・パッツアの意味は、”狂った(暴れる)水”とのことです。水で煮ると泡がぐつぐつと立ってきますね。そんなイメージでしょうか。作り方は拍子抜けするくらいとっても簡単なんです。


塩コショウして小麦粉をかるくはたいた
おさかなをオリーブオイルでソテーします。
(オイルはニンニクやガーリックパウダーで
香り付けするとよいです。)


おさかなが裏表、キツネ色になりましたら、
水+オリーブ+ミニトマトを投入。
トマトの水煮缶を入れるのはROSE POSY風。


沸騰したら弱火にしてフタをして、6~7分
蒸し煮にします。その後、アサリを投入し
貝が開いたら出来上がり。


スープを味見します。アサリの塩分がけっこう出ているので
味付けはこの段階で行います。
イタリアンパセリをあしらって、フライパンのまま
食卓へGO!
(うちでは食卓で電気保温プレートの上にのせます)

冷たいワインと温かいアクアパッツァ。スープは魚、トマト、オリーブから出たダシだけで奥深い味わい。ヤバウマーッ。
 
最後のシメのお楽しみは、イタリアン鍋でもご紹介しましたが、なんといっても、ご飯とチーズを投入して、”簡単リゾット”でしょう。スープパスタにしてもGOODです。


これからコンピュータ関連の仕事に就く人へのメッセージ

2009年02月10日 | ROSE POSYのひとりごと

今日は、『適性』のお話です。ちょっと重たいかもしれません。

モアイ』の感想を書いていて、前から思っていたことを書きたくなりました。

この話は、これからコンピュータ関連の仕事に就きたい方、そしてジュエリーCADをはじめようと思っている人や、職業としてCADオペレーターになることを検討している方々にぜひ読んで頂けたらと思います。 

いまさらながら自分の過去をカミングアウトしますと、私は以前、IT企業でシステムエンジニアとして、ソフトウエアの設計開発やサポート、海外製品のテストやローカライズといった仕事に従事していました。その間に心の病にかかる人に何人も遭遇しました。当時は欝病などへの理解のなさと偏見からあまり情報がありませんでしたので、自分の身の回りに起こる問題に対処しながら、個人的にコンピュータと心の病気をテーマに自分なりに勉強・研究してきました。

ジュエリーCADオペレーターは、宝飾業界の中のお仕事ですが、ITつまりコンピュータを扱う仕事です。ITでいうとプログラマーのポジションに似ています。ジュエリーを作るというより、終日コンピュータを操作することが仕事の主体になりますので、ジュエリーCADを採用する企業も、IT業界同様に従業員のメンタル・ケアを重視する必要があると考えます。

◆ ◆ ◆ 

大手のコンピュータ会社やソフトウエア開発企業では、新卒の新入社員採用試験の中に、『適性試験』を実施しているところがあります。適性試験とは、その人がプログラマーやSEといったコンピュータの仕事に向いているのかどうかの『適性』を客観的に判断する試験です。能力テストではなく、あくまでも仕事との相性を見る検査です。

そのテストでエンジニアに向いていないと判断されても、面接で営業やマーケティングといった別の仕事に振り分けられ、新入社員はおおよそ自分に適した職種に就くことができ、一方で、企業としては、離職率を低く抑え、高い生産性をあげることができるわけです。

最近、SEやプログラマーといったコンピュータにかかわる職業で、欝病などの精神的な病に冒される人の増加が社会問題として表面化してきています。数が増えたというより、自ら病院に行く人が増えたので顕著化したということです。大手企業では、心療内科の産業医やカウンセラーを抱えるところも出てきました。日本社会全体として欝病患者が増えておりますが、なかでもコンピュータ関係に従事する人に多いと言われています。

とくに20代後半から30代にかけての作業に熟練した中堅層に多発しているようですが、納期に追われるプレッシャーや過労、電磁波によるストレスだけでなく、コンピュータそのものが人の精神に作用する影響が大きいことに加えて、本人の『適性』の問題があります。しかし中小企業では適性試験を設けていないところが殆どですし、慢性的に人手不足の業界なため、とにかく確保してしまおうという企業も多いのです。適性試験をパスした人でも長期にわたる勤務ののちに、精神を病んでしまうこともあります。

欝病はいったん罹患するとやっかいな病です。その人の周囲にも影響を与えてしまいます。企業内では予防対策マニュアルなども作られているようです。そもそも『適性』が合っていない人にその職業を続けさせることが問題なのです。しかしいったんITエンジニアとして就職すると、他業種に転職しようにも過去の経験が物を言うため、”自分に向いていない”とわかっていてもなかなか仕事を変えることが難しいのが現状です。

適性テストが必ずしも100%正確とは限りませんが、はじめてその職業に就く人には自分に向いているかどうかなんてわからないわけですから、入社時にそういった検査を行うことには従業員にとっても企業にとっても意義があるわけです。

ただし、仕事が自分に向いていないとわかっている人の中でも、耐性が高い方もあり、そういう人は、ほどほどに手を抜き、帰宅したら頭を切り換え、週末はアウトドアスポーツや楽器演奏、旅行などをしてうまくストレスを開放しながら、うまく仕事と上手につきあっています。1人で楽しむ趣味よりも、家族や仲間とコミュニケーションの時間を持つ人は心の均衡がうまく保てるようです。

一方、適性があると見える人が、コンピュータに麻薬中毒のようにはまりこんでワーカホリックとなり、プロジェクトの失敗や大きなトラブルなどの挫折をトリガーとして精神のバランスを崩したり、性格異常をきたすケースがあります。仕事とプライベートの切り替えがうまくできない人、自制心が働かず、はまりやすい性格の人はコンピュータを職業としないほうがよい場合があるのです。

もっとも本人が好きなのだから誰も止められないですが、そうした人達は、精神を病んだり人格障害となるところまではいかなくても、バーチャルな世界とだけ関わっていることに快感と快適さを覚えて人間関係が希薄になることから、対人関係が苦手になり、友達や彼女ができなかったり、職場の人と協調できなかったり、さらには職場の”困ったちゃん”と化すことがあります。

◆ ◆ ◆ 

ソフトウエアの習得は根気だけでなはく、向学心と自立心が必要です。ある程度の基礎は学校で教わりますが、応用力のスキルアップ はその後の辛抱強い独学が決め手となります。その際、その作業が自分の性格に合ってると合ってないでは、モチベーションや上達度がかなり違ってきます。

会社に言われて仕事で使わざるをえない状況の方は、好むと好まざるとにかかわらず、とにかく取り組むしかないと思いますが、自主的にやってみようかな・・・と思っている人はそのソフトウエアが本当に向いているかどうかは自分で判断してみることをおすすめします。方法としては、スクールに入って習ってみるのが一番よいのですが、スクールに行くのもそれなりの投資と時間と体力が必要ですから、相当の覚悟が出来てからにしたほうがよいでしょう。その前に出来ることがあるはずです。

たとえとして、CADしかもライノセラスに限定した話ですと、販社のアプリクラフトさんが、無料でハンズオン(実習体験)セミナーを実施しておられますので、それに参加してみるのもよいと思います。

遠方で参加できない人は前のエントリーのくり返しになりますが、体験版(評価版)をダウンロードしてチュートリアルを試してみたり、『モアイ』のような安価なソフトを購入して自分でいじってみることをおすすめします。独学になりますが、わからないことはメールで気軽に相談できるようですし、ユーザのみが使えるサポート掲示板もありユーザ同士助け合うことができるので、初心者が入っていきやすいと思います。”やっぱ、私には向いていないや”、という答えだったとしても、数万円程度の勉強代なら痛くないと思います。

ちょっと脅かすようなお話でしたが、”適性がない人はやめておいたほうがいい”、という意味ではありません。コンピュータは時代の流れですから、いつまでも避けて通るわけにもいかないと思います。ただ、他の職種と違って、コンピュータが精神や性格にもたらす影響は大きく、根性論だけで無理を通そうとするのは大変危険なことのです。常に自己管理とセルフケアに配慮し、うまく仕事と向き合って心のバランスを保っていくことが必要になります。

コンピュータを使った仕事をする場合の留意点をまとめると以下の様になるかと思います。これから従事する方は心の隅っこに留め置いていただけたら、と思います。

・これからコンピュータ関係の仕事に従事したい場合は、自分との適性を考える。

・適性があると思われる人も、自制心が効かずハマりやすい性格の人は要注意。プライベートではコンピュータをさわらない時間を極力作り、人との交流を持つよう努める。

・適性がない(向いていない)とわかっていても仕事として続けざるを得ない場合、無理をしない。ストレス解消のための時間を十分に持ち、こまめに”ガス抜き”する。

・これから仕事の一部(ツール)としてITを取り入れる場合、まずは体験コースやお試し版で、自分との相性をたしかめつつ、徐々に慣らしていく。

最後に、”苦手だな、私には向いてないみたい。それでもなんとかマスターして仕事で使えるようにしたい。”、と思ったらどうしますか・・・???

それは、よい師(メンター)そして、助け合い励まし合える仲間をできるだけ沢山持つことに尽きると思います。よい師と仲間とのコミュニケーション、、これこそが適性を超えて苦手を克服する一番の良薬だと思います。(^^)


これからCADに挑戦する人必見! 『モアイ』を体験してみました!

2009年02月09日 | ROSE POSYのひとりごと
ミシュレイのMKOさんのブログのエントリーに、『MOI3D』(MOIはモアイ、と呼ぶそうです)というCADソフトが紹介されていました。

え~?35,000円のCADソフト?!どうしても気になってしょうがなく、モアイのWebページをのぞきにいってみました。

”3D Modeling for Designers and Artists”とありますよ。
http://www.moi3djapan.com/index.php

とても簡素な、手作り感満載のページです。アメリカのCadalog社というところのソフトだそうです。NURBSカーブモデリングとのことなので、ライノセラスに似ていそうです。

 
モアイのチュートリアルでの
モデリング例

このソフト、30日間の無償でトライアルできるとのことなので、さっそくダウンロードし、インストールしてみました。いやー、軽い!ものの数分でインストールが終わってしまいました。

さっそく起動してみますと、拍子抜けするくらい簡単な画面。
ライノのように圧倒されるような夥しい数ボタンもプルダウンメニューもありません。たったこれだけで、モデリングできるの???

MOIの起動直後の画面

右に操作パネルがあり、
タブでメニューを切り替えられる。
コマンドをクリックすると、右上にさらに詳しい
設定画面が表示される。

ためしに、まったくマニュアルを見ないでコマンドをいろいろ試してみた後、簡単なオブジェクトをつくってみました。ライノセラスのインタフェースと非常に似ており、まったく違和感なく操作できました。モアイのユーザーインタフェースがよくできているということではないかと思います。





直感的なコマンドボタンで、操作性にも優れています。簡略化されている分、はじめて学ぶ人でもかなり早いペースで基本がマスターできそうです。

モアイは、モデリング専用ソフトですので、レンダリングは別途、専用のソフトウエアで行います。

モアイでモデリングし、
他のソフトでレンダリングした例
その他の作品例はこちら

ファイルを保存すると、3dm形式で保存されます。ライノセラスで1つめの作品ファイルを読み込んでみましょう。問題なく、読み込めます。



地金風にマッピング表示してみました。


ざっと数時間程度の検証でしたが、モアイはこの価格で良く出来たソフトだと思います。きちんとマニュアルを理解すれば、上記の扇風機の作品例のように、かなり複雑な形状もモデリングできると思われます。

以下はこの製品を体験してみて、私が思ったことです。

ジュエリーCADのうち、【ライノセラス+ジュエリー専用プラグイン】(ジュエリーバージョン、EVANCE、RhinoGoldなど)のような組み合わせで使う場合、まずはじめにベースとなっているライノセラスの”お出迎え”が待っています。はじめて画面を見て、卒倒しそうになる、というのは大げさですが、たまげることは確かです。

ライノセラスは、たとえれば張子人形やちょうちんを作るような要領で物体を組み立てていくモデリング方法なので、今まで手作りでジュエリーを作ってきた人にとっては、まったく新しい造形の概念を学ぶことになり、考え方の違いにかなり戸惑ってしまいます。

テクニカルな面でもかなりたくさんのコマンドやオプションやルールを覚える必要があり、複雑な形状になればなるほど必要なオペレーションが増えていきます。もともとグラフィックソフトを扱っていたり、GUIプログラミングの経験がある方は、比較的順応していけると思いますが、普段コンピュータをあまり使わないとか、ネット、メール、ブログ程度しか使わないという方がいきなりCADを始めると、CADはまさに”苦行”になってしまうかもしれません。

今、ライノセラス・ベースでジュエリーCADをはじめてみようか、どうしようか迷っている方や、ジュエリーに限らずCADモデリングがどんなものか知りたい方には、この『モアイ』は入門教材としても最適な製品だと私は思います。

モアイの値段は3万5千円ですが、無料お試し期間の1ヶ月間だけも触ってみる価値があります。マニュアルもダウンロードできますし、オンラインヘルプもあり、ビデオやテキストのチュートリアルもWebに用意されています。

モアイでNURBSモデリングの基本を理解し、CAD用語やだいたいの操作要領を習得できたら、ライノセラスへの移行はとてもスムーズにいけると思います。モアイで培ったスキルはそのままライノという次のステップへ確実に活かせるでしょう。また、モアイで作ったデータを、後々ライノやジュエリープラグインを使ってさらにパワーアップすることも可能です。

モアイの操作に慣れたら、身近な物、たとえば、机、椅子、ボールペン、ペットボトル、携帯電話などの形をモデリングしてみてください。時間を忘れるほど楽しくなってしまった人は、性格的にCADモデリングに向いている人でしょう。

ジュエリーCADを始める前に、(そして、ソフトを購入する前に)まずCADモデリングという作業が自分に向いているかどうかを知りたい人は、テスト的にこのモアイを試してみてはいかがでしょうか。
最後に、モアイのWikiがありましたのでそこにあったメッセージを引用させていただきます。

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Rhinocerosをお使いの方には、間違いなく使えるツールです。
ただ「MoI」は、難しいことをオペレータにさせない、
インスピレーションのままにモデリングできるよう考えられています。
きれいなCG画像を作りたい方は他のツールをどうぞ。
「MoI」はモデリングだけに特化したツールなのです。

自由な3Dモデラにあきらめてた方、Rhinocerosまではいらないけど
設計や金型に使えるデータを作りたいあなたにオススメのツールです。
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ねこをモデルに、マクロレンズを試すの巻

2009年02月07日 | ねこの話

かなり久々にねねさんの登場です。
5kgを超えた激太りのねねさんは、目下、ダイエット中。只今、4.6kgです。1ヶ月に100gのいい感じのペースで、体重が落ちてきています。

ついに、CANON EOS Kiss X2用のマクロレンズを手に入れました。
(って、ちょっと前のことなんですがブログにするのが遅れました。)
それまでクローズアップフィルターでトライしてたんですが、位置決めが難しくて、なかなか上手に撮れないので、やはりどうしてもマクロレンズが欲しくなった次第です。
 
マクロレンズでのジュエリーの初撮影作品は、実はすでにここで登場していました! (^^)V

うーん、、、、正直、一眼レフ+マクロレンズの結果と、愛用のRICOH Caplio とではそれほど大きな差を感じなくて、期待感が大きかっただけに、ちょっと肩透かしをくらった感じでした。 ここまで接写撮影となると、マクロ撮影に強いと謳ってるコンパクトカメラは、それなりにがんばってるということがわかりました。皆さん、Caplioはオススメですよ~。ただし、Caplioが苦手とする光の強いダイヤのような石や赤やホットピンク系の石がEOSではどのように取れるかは未知数ですので、これから比較していきたいと思います。

しかし、それでもやっぱり、このマクロレンズはすごい!
いい感じのボケ感と奥行きを出すことができるんですね。雰囲気のある写真が取れます。暖かくなったら、EOSをもって花咲く公園に行きたくてうずうずしています。

で、今日はジュエリーじゃなくて、ねねさんにモデルになっていただいた次第です。ごゆるりと、”ねこギャラリー”をご鑑賞(!?)下さい。











お立ち寄りいただきまして、ありがとうございました! 



【Trend Watch】景気とデザイン

2009年02月05日 | ジュエリーよもやま話
日本最大のショッピングモール、楽天で今最も売れているリングってどんな感じだと思いますか?ユーザーのレビュー数の多い順で調べてみました。”レビューを書いてくれたら値引きする、おまけをあげる”といったインセンティブに釣られているレビューも含まれますが、事実、すでに買ったわけですし、レビューの数が多いということはそれだけ数も売れていてそこそこユーザが満足している、という1つの指標になります。 

1位 UMU エタニティリング  9,980円

2位 Paraibana エタニティリング 24,150円

3位 KEIKICLUB  エタニティリング  19,800円


週によって前後したりしてますが、だいたいこの”エタニティ”が不動の地位をしめているようです。エタニティって、”永遠”という意味のとおり、本当は石がリング全周を取り巻くものだと思いますが、上面だけのバージョンが”エタニティ”で通用しており、全周のものはあえて”フル・エタニティ”と言わざるをえないような状況です。

週間ランキングをみると、Praibanaさんの”ななこエタニティ”がダントツトップで、何週も続けて上位をキープしています。

だいたい後発ユーザはレビューの内容を見て買いますから、人が人を呼ぶと言いますか、この時期に1000本、2000本といった単位で売れているというのは一種のブームです。何千万、何百万円のジュエリーを相手にしている方は「へっ、安もんだな。ばかくさ。」といったご感想かもしれませんが、ちりも積もれば・・です。薄利多売でも注文が引きもきらず忙しいことは働く人にとって何よりの喜びです。

さて、エタニティじゃないのにエタニティなリング(^^;、正確には、ハーフエタニティっていってほしいですが、デザイナーからしたらまったく仕事のし甲斐がないデザインです。不景気な時期は消費者は保守的なのでやむをえません。ちょっとだけ人より財布の紐が緩い人でも、まるでスーパーで魚や肉を選ぶような厳しい目で選んでいます。
  • どんな服装でもあわせやすくて、流行り廃りがなくて、長く愛用できそうな、使いまわしの効く無難なデザインがいいわ。
  • そんなにお金は出せない。衝動買いは数万円の範囲内ね。
  • でもやっぱり本物のダイヤとゴールドは譲れない。友達に見せても、それシルバーとCZ?って言われたくないもの・・・。
  • つくりもそれなりによくなくちゃね。毎日会社につけていくんだから、ひっかかりがなくて、丈夫に出来ていなくちゃね。
私が注目したのが、パライバーナさんの、”ななこエタニティ”。モノは見ていないのでわかりませんが、売り方が大変上手と思いました。Webページの雄弁さが半端じゃないです。 

素人さんには、”ななこ”(魚子)といったって何のことだかわかりません。でもあえて、”ななこ”をブランドに冠する、その発想に感心しました。Webを見ていただければわかりますが、魚子の道具の写真があったり、職人さんの顔が大写しになってたり、開発秘話があったり、何か特別なもののような気分になるシナリオです。まるで「このネギは私が心をこめてつくりました!」といった農家のオジサンの顔写真つき産直野菜のような新鮮な印象です。

通販では薀蓄が多ければ多いほど、人をひきつけるといいます。
私が”ななこエタニティ”に感銘を受けたのは、このビジネスセンスです。モノの売れない時代、しかも競合がひしめいていて、どこでも作っているような陳腐なデザインにもかかわらず、差別化を図って成功している、これはマーケティングのサクセス・ケーススタディといってもいいかもしれません。

本当に良いものなら”買い得”です。Praibanaさんは満足できなければ全額返金と謳っていますので、試しに1本買ってみようかな、という気にさせます。(自分で作れなくないですけど、おそらくトータルコストを考えたら、この値段は魅力的です。)


発想の転換

2009年02月02日 | ROSE POSYのひとりごと

日々のなにげない小さな発見から、いろいろと気づかされることがあります。今日は『広告』のお話を・・・・。

◆ あたらしい広告のかたち

今日、表参道の駅でエスカレーターに載ったら、ハンドレール(手すり)の、ベルト部分一面に、SONYの新しいミニPCの広告がプリントされていました。ベルト部分はエンドレスに連続しているので、エスカレータにのった人すべてがこの広告を目にすることになります。
このアイデアを最初に考えついた人、かなりエライ!

エスカレータを登り切り、地下鉄・銀座線に乗りました。今度は社内のつり広告と壁広告が、JR東海の広告のみで埋め尽くされていました。”いわゆる広告ジャック”です。JRが他社の電車の広告ジャック、これもある意味、かなりセンセーションです。(しかも銀座線は、JRへの相互乗り入れをしていない。)

東京都内では、バスや電車、タクシーの車両全体がまるごと広告ラップされるようになりました。また、デパートなどのビルディングの壁面が全面、広告がプリントされたシートで被われた例も見たことがあります。上り階段の1つ1つすべてに横長の帯状の広告がはってある駅がありました。地下鉄駅構内の柱も広告が巻き付いています。今時の印刷技術の進歩はすごいと思います。

身近なところではスーパーのレシートの裏に取り扱っている商品の広告なんてのもあります。森永牛乳のパックに森永ココアの広告があったり、さらには女性雑誌に、化粧品のサンプルが付録についていたり、自社内・企業間のco-brandingがすでに始まっています。

アイデア次第で、屋外・屋内のありとあらゆる場所が広告スペースになりそうです。

私も、あったらつい見ちゃいそうな場所をみつけてみました。
こんなところに、広告はどうでしょうか?(笑)

-お菓子(せんべいやクッキー、ガムなど)の個別包装紙。
-アイスキャンデーの棒
-コンビニの割り箸袋の裏面
-コンビニ弁当の器(たべおわると広告が見える。)
-スーパーのレジ袋の裏面
-駅のトイレの個室の壁面 
-飲食店で出るおしぼりの袋とおしぼり本体。


◆従来型広告の危機

新しい広告形態が登場する一方で、従来型の広告はどうなっているでしょうか。

不景気になると、企業は営業費用のうち真っ先に広告費から削ります。広告費が高い順から、つまりTV、新聞、雑誌、・・・の順に縮小されていきます。今流れているCMや広告はかなり前から予定が組まれていたものですが、リーマンショック以後、この暮れあたりから、主要広告主である企業が軒並み経営不振に陥り始めたため、これからさらに広告需要が激減していくと思われ、メディアは他社の不幸をネタにしている場合じゃなくなっています。(なぜか、テレビ局も新聞も自社の赤字転落を報道しないですが。)

テレビは、スポットCM枠が空いてしまい、皆さんもお気づきかと思いますが、ゴールデンタイムなのに埋め草にAC(広告機構)のCMが頻繁に流れたり、深夜の時間帯だと、同じCMが連続で何回も繰り返されるという異様な状況となっています。深夜にしつこいくらい流れてた、あのゴージャスな『じゅわいよくちゅーるマキ』のCMも見られなくなりました。(- _-;)

先に述べた電車についても、社内広告、とくに壁広告はすさまじく歯抜け状態になっています。、電車の広告をつぶさに眺めて”独りツッコミ”するのが大好きな私は、最近は広告がめっきり少なくなって通勤の楽しみも半減です。

広告主が大変だと、メディアも広告業界も大変な状況です。
しかし、だからといって売れない広告枠を空けたままにしておくというのはもったいないことです。今までの構造や体制のままでは、日本のTV局や新聞社は、潰れないまでも、外国の企業に身売りするなんてことにもなりかねません。

ほとんどの産業が冷え込む中でも、急成長中の企業があります。
メディアは、景気回復までの期間限定で、空いた広告枠を将来性のある有望・優良な中小企業向けにう~んと安く開放してみてはどうだろうかと思います。たとえば、環境をテーマにした番組のスポットCMには、環境保護関連のベンチャー企業ばかりを集めてみるとか。

見る方にとっても知らない会社の広告を見るのは新鮮だし、CM枠自体にエンターテイメント性が出てきます。たった1発の広告で、その小さな会社は顧客の心を捉えて飛躍的に成長するかもしれません。メディアにとってもメリットがあります。そうした会社が大きくなれば将来広告クライアントになる可能性がありますしね。

電車の車内広告や線路広告もしかりで、スカスカにしたまま放置おくくらいなら、今はうんと値下げして、とにかく枠を埋めてほしいと思います。車内の荒涼としたイメージが、通勤する人々の気分をさらに暗くさせます。

その他に、複数の企業がコラボして1つの広告を作るというアイデアもメディアの広告収入を減らさず、かつ広告主のコスト負担を減らせる方法ですね。アパレル+ジュエリー+デパートとか、ビール+珍味、とか、カレー+漬け物、etcetc・・・。(笑)


◆構造の見直しが必要?

広告制作会社で働く知人がいるのですが、広告費ってそう簡単には安くできないらしいんですね。

広告代理店→(制作子会社)→下請け制作会社→孫請け制作会社

・・と、1つの制作に何社もの会社が絡んでいるので、全体のコストを下げることが難しい。(それでも、下請け会社は極限まで叩かれまくっている)しかも、主要メディアにおいては、大手の代理店の寡占状態で、価格競争がほとんどないといいます。

でも、地方局の番組では、どうでしょうか。広告費が安いせいか、街中の小売り商店レベルの広告を見ることができます。
地方に旅行をして宿泊先での楽しみの1つは、地方色の強い広告が見られること。また、これがお金かけてないから、ストレートかつシュールで実に印象深い。(笑)東京は、全国放送とほぼイコールなので、そういうCMをみることが難しいですから・・・。

広告業界の中ことはよくわからないのですが、これまでの業界の構造や体制そのもののあり方が問われており、今まさに変化の時期にきているのではないかと思います。

世界経済がこんな脆弱な土台の上に成り立っているものだとは誰も想像できなかったと思います。しかし、アメリカのせいばかりにもしておられず、この機に際して多くの産業では、『今までのやり方でよかったのか?』という反省や見直しが起こっています。
人というのは本当にすごい動物で、転ぶたびに強く賢くなるんですね。

ジュエリー業界はどんな方向に『チェンジ』していくでしょうか・・・。