ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

鋳造勉強会に行ってきました! ~まとめ~

2008年03月17日 | ジュエリーよもやま話

鋳造勉強会のまとめです。
その1はこちら】  【その2はこちら

実際には鋳造しているところは見られませんでしたが、安井インターテックさんのショールームではプラチナの鋳造機についても説明をしていただきました。

上の写真が、プラチナを鋳造する『真空遠心鋳造機』です。

ゴールドやシルバーに比べて、プラチナは融点が高く(約1900度)、それゆえ冷えるときの凝固速度も速くて鋳造が難しい金属だそうです。そのため、短時間で細かい部分まで地金を充填するための工夫がなされたプラチナ専用の鋳造機が必要になります。



なぜこんなに大きいかというと、円盤状の釜の中で、溶解したプラチナの入ったるつぼ(鋳型)を遠心力でブンブン回転させて、地金を充填する仕組みのため、回転のための装置が大きいのです。


空の状態ですが、実際の速度で回転操作をしていただきました。1秒間に1000回回るそうです。このマシンの特長は、回転の動作開始からの立ち上がりが非常に早い(500rpm/0.2秒。つまり一瞬にして目にも留まらぬ速さになるつーことですわ)ことと、温度調節が外部のセンサー(一番上の写真で、山鹿さんが指を差している黒い物体)で光学的に温度を感知・コントロールするところです。対象物にまったく接しないで温度が測れるなんて、はじめて聞きました。

ここまでで、鋳造勉強会はおしまいです。

なぜ地金に巣が入ってしまうかについても、詳しい説明をしていただきました。原因は原型の作り方だけではなく、大部分はやはりキャストの良し悪しにあるようです。鋳造機の進歩でかなり巣が防げるようになったようですが、成功を左右する大きな要素を占めているのが、工程と工程の間に発生する人の手作業であることがわかりました。
たとえば、

・原型ワックスにつける湯口をつける作業
・ゴム形を2つに切る作業
・ゴム型にワックスを注入する作業
・ワックスパターンをツリーにつける作業
・埋没材の配合や脱泡作業
・地金ごとに最適なコンピュータの設定

いくら機器の性能や鋳造技術が進歩しても、これらは機械まかせに出来ない、人間の判断を必要とする作業です。しかも十分な経験を必要とします。どれがうまくいかなくても、失敗の原因となってしまいます。しかも、後戻りをすることが出来ません。

鋳造という工程自体、ジュエリー制作における多数の工程の中のほんの一部に過ぎませんが、実に科学的で奥が深いものだと思いました。
 
  
 


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1 コメント

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分かりやすい。 (校長)
2008-03-18 00:07:28
良い感じに鋳造の工程が説明されています。

本当に、好奇心があふれ出してくるのを感じます。

これからも、一緒に頑張りましょうね・・・
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