ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

芸の道は険しいですのう

2009年12月20日 | ジュエリー作品&試作品

ハワイアン彫りも、ひととおりの文様を教わり、真鍮板での練習から、シルバーのアクセサリーに彫っていく実践編に移りました。(といいつつ風邪を引いてしまい、2週連続お休みしてしまいました・・)

まずは、彫り台となるリングやペンダントトップをこしらえる必要があります。本場のハワイアンジュエリーは台も彫金技法で1つ1つ手作りしていくそうですが、私は時間の節約のためにワックスで原型を作って、ゴム型で複製をとることにします。

真鍮は、硬くて切れが良く、それにすっかり慣れた手で、同じようにシルバーを彫ろうとすると、タガネの感覚がまるで違います。はじめたばかりの頃に後戻りしてしまいました。

シルバーは粘りが強く、切れるというより土を掘るようにタガネが入っていくので、バリが刃に切り取られず残ってしまいます。その痕が陰となってとても汚く見えます。タガネが思うようにコントロールできないと、文様も思い通りに描けません。


葉っぱの線が細すぎて
隙間も多く、失敗です。

シルバーはシルバー向きの彫り方があるようです。もういちど出直しです。
 
上記は、初のリング作品でしたが、あまりの不出来に自己嫌悪に陥ったので、即刻つぶしてボツにしてしまいました。また次の練習に使います。

荒目ヤスリで模様が簡単に削り取れてしまったことからみても、彫りが浅過ぎたようです。深く彫ろうとするとタガネが途中で突っかかって止まってしまうので、粘土をへらですくい取るような要領で浅く彫ってみましたが、模様がきちんと出なくてダメのようでした。



面白そう~!と簡単に飛びつきましたが、ハワイアン彫りは思った以上に難しいです。数ヶ月で終わるカリキュラムになっていたのですが、私にはあまりにも難しかった・・・。

本業の彫り職人さんは、毎日毎日彫り続けて、何年もかけてやっと一人前に売り物を彫れるようになれるのですから、月に数回学校に来てやってる程度じゃ、甘いですね。

恥の掻きついでに、この際、、、、。





先日、ラヴァーグの展示会に出展したペンダン・トトップです。
いちおう、サーフボードをモティーフにしました。(主人はサカナに見えるそうですが、海つながりでどっちでもいいかと・・・)
シルバー台での最初の練習として彫ったものですが、友達が展示会に来てくれると聞いて、私の作品コーナーの目印にしようと、急遽出すことを思いついた次第です。4個すべて完売だったそうで、そのうちの1個はその友達が買ってったそうです。もう、恥ずかしいやら、申し訳けないやらです・・・。

胸を張って人様に出せるものが彫れるにはまだまだ時間がかかりそうです。


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11 コメント

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おひさ♪ (mko)
2009-12-25 23:05:47
他所さん(ラバーグさん)の生徒さんやし、あんまし僕が、出しゃばるのもアレやと思って、、しばし沈黙していたのですが、、光造形のサポート取るには、ダイヤモンドポイント&ダイヤモンドヤスリ&サンドペーパー&AAピンセットが最適です(笑)。。あはは。。

でね。。彫の技術うんぬんや無くて、、なんすけど、、下絵とか描いてますか?昨今やとレーザーマーカーつー便利なモンも有る訳で、、アレで、下絵を地金に焼き付けて、グレーバーマックス使えば、、誰でもピカソ、、もとい!彫師になれると思うのですが、、あはは。。
(^^♪
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おひさしぶりです (ROSE POSY)
2009-12-28 16:55:30
mko師匠おひさしぶりでございます。

サポートについて教えてくださってありがとうございます。なるほど、ダイヤモンドのポイントやヤスリはひっかかりや撥ねも少なくて、サポートを削るのに最適そうですね。さっそく試してみたいと思います!

彫りですが、下絵はお手本の図柄を見ながらマジックインキや鉛筆で地金に直接描いて彫ってます。ハワイアンジュエリーはプロの方は、基本的に下絵は描かずにアドリブで彫ってらっしゃるようですが、私はとてもとてもそんな芸当はできません。

レーザーマーカーはラヴアーグさんには置いてないです。CADで、うっすら下絵の入った練習用土台を作ることも考えましたが、模様のバリエーションがありすぎて何種類も原型を作るのが面倒なのでやめにしました。こういった伝統工芸的な技術には近道なし、、でしょうね。
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あー。なるほど (mko)
2009-12-29 13:11:42
状況理解しました。今現在覚え初めで、彫が甘いのは、理解出来るとして、、全体的にバランスが崩れているのは、実は、別問題でして、、

一つは、考え方と言うか?理解の部分で、もう一つは、正しい下絵の描き方の問題やと思うのですが、、基本ハワイアンって、、洋彫りの中では、亜流な訳で、、図柄をハワイアン風に彫るのは、よしとして、、習う時は、、アメリカ本土流に習った方が、結果出やすいです。

因みに、、ROSEPOSYさんに分かりやすく言うと「彫りあがりは、2レールに見えるけど、彫るのは、1レールです。。」でして、、どんなタガネでも切っ先は、、一本のライン上を移動してまして、進入角度で、、深さ調節、、左右の角度で、幅調節する感覚やと理解すべきで、、

と言う事は、そのものずばりを下絵にするのは、無意味となりまして、、タガネが上を進むラインのみを下絵から抽出して、、描くのが、正しい下絵の描き方です(※練習段階での…)。。
(^^♪
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ついでに、、 (mko)
2009-12-29 13:20:09
で、今現在の彫の技術でも、、もっと綺麗に彫れる訳で、、実地で、、お教え出来たら、、超簡単な事ですが、、

彫り始めと彫り終わり位置を意識しながら彫る感覚でして、、もし下絵のバランスが崩れていないのなら、、それで、今以上に綺麗に彫れますし、、

それには、自分の身長に対する机の高さ、姿勢、目線、、等々重要な要素になりまして、、ついでに言うとグレーバーマックスから入ると洋彫のノウハウは、つかめないと思える訳で、、

洋彫りとは、原則タガネで、彫進むのでは無く、、下のエングレービングブロックの動きで、彫る訳で、、しかしグレーバーマックスやと和彫みたいにタガネを進める事が可能やからついついそうしてしましますが、、

自然なアールを出すのは、ブロックの円運動でして、、だからタガネを持つ右手よりも左手の動きが重要に成るのですが、、はー。

後、、以前に校長先生の彫りを拝見したら自分側から向こう側に彫ってまして、、ま、彼は、天然ですから、、何でも出来ちゃう人ですが、、正式には、、右から左への円運動が基本でして、あの彫り方やと向こう側への認識が甘くなるので、バランス崩すのやと思います。以上。。っす。。あはは。。
(^^♪
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うひょ~ (ROSE POSY)
2009-12-30 21:41:06
MKO先生、

貴重な通信教育?!ありがとうございます。文字だけのご説明でも十分論理的にはとてもよくわかりましたが、実際に先生が彫る場面を拝見したいものですし、きっと洋彫りのご経験のあるmko先生なら
私の手も見てもらえば何が悪いのかが、一目瞭然と思います。

>タガネが上を進むラインのみを下絵から抽出して、、

どのようなラインを描いて彫ればいいのかよくわかってなかったです。先生のみようみまねなもので・・・。

練習していて、いろいろ工夫するうちに、まぐれ的にすごい良いときがあり、(偶然かもですが)しかし、なぜうまくいったのか自分でもきちんとわかってないので、良い形が定着せずに次に彫るとまたヘタに戻ってしまい、うまくいったのはなんだったんだろう、、、の繰り返しです。

要するに洋彫りの基本的なルールについての理解が足りないか根本的に間違っているために、いくら練習しても上達しない気がしてきました。

>自分側から向こう側に彫ってまして、

え??(@_@;) ち、違うのですか・・。
他の先生も、校長先生から教わった方法で上手に彫っておられるので、やっぱり私がヘタなのは別の理由かと思ってますが・・・orz
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Unknown (mko)
2010-01-01 23:38:14
度々すみません。あ、明けましておめでとう御座います。。

で、自分側から向こう側に彫る彫り方が間違っている訳じゃ有りませんが、アメリカ本土だと、その彫方は、ストーンセッターの彫方でして、どちらかと言うとストレート系の彫りを多用し、深く彫る為に力の入れやすい持ち方(※校長先生の持ち方)をするのですが、、、

模様を彫る人(エングレーバー)は、自分に対して、タガネが直角に成る様に持ち、タガネの先をま左に構える持ち方が基本でして、右回転するブロックの動きにカウンターを当てる感じで、その方が、タガネが何処を掘り進んでいるのか?死角も生まれませんし全体を見渡せると思います。

因みに、校長先生も「ハワイアンの彫師に聞いたら、アメリカ本土(GRS)の彫り方を全否定された。。と仰ってましたが、ハワイアンの彫は、緻密と言うよりも自由奔放で、ダイナミックなのが魅力やと思いますし、例えば本土で、お札の原版(※彫師の最高峰)や銃にエングレービングを施す人達と違った考え方を持っているのやと思いますが、、

簡単に説明するとハワイアンは、応用でして、、その応用を練習にしがたい訳で、練習には、練習に適した図柄が有りまして、そっちが基本やと言う訳です。。つまり、最初っから製品的な彫りを練習してもなかなか全体的なスキルアップには、繋がらないと思います。

で、時間が有ったら、、ちょこっとティップスでも僕のブログで、紹介しょうと考えてまして、その時は、またお知らせします。。ね。。
(^^♪
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Unknown (mko)
2010-01-02 00:33:28
あ、蛇足ながら、、ハワイアンは、基本14金に彫る事が多いのですが、、シルバーしかもキャストだと、、それよりもかなり柔らかく成るのは、ご存知やと思いますが。。

硬度の違う地金に対応するには、、彫方では有りません。タガネの角度です。つまり柔らかな地金程にタガネの角度を浅くして、、硬い地金程に角度を、、なんすけど、、

基本は、フラットグレイバーの45度ですが、、ビーズ(爪)を起こす時は、ラウンドを60度にしたり、、ドイツでは、柔らかなプラチナを彫る時は、、17度とかちょっとやりすぎやと思うのですが、、

上記の事は、底(タガネの裏側)が、直線の場合でして、、ハワイアンのフラットみたいにと言うか?和彫りの曲線用片切り形状の時は、切っ先の角度を確認しにくいのですが、今現在を基点として、、浅くしたり深くすれば、微調整は効くと思います。ご参考までに、、
(^^♪
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縦に彫るのか (はりい)
2010-01-13 23:10:56
ふ~ん、ROSEさんは縦に彫ってるのか。知らんかった。私の先生はイタリアで修行したんで、セッティングでも横彫りです。リングなんかは手万力みたいな感じの棒状のヤニ台に付けて彫る訳で、すると左手の力の入れ方も重要になってきて、ちょっともう、縦じゃできないなぁ。
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亀レスすみません (ROSE POSY)
2010-01-15 03:02:29
mko先生、はりいさん、

パソコンの調子がすこぶる悪くて、レスポンスが遅くなりました。申し訳ありません。

そして遅ればせながら、あけましておめでとうございます。新年早々、レスをいただいて、とても嬉しく思います。今年もどうぞよろしくご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願いします!!

縦に彫る、というのは機械彫りだからでしょうか・・・。私も、イタリアの手彫りの洋彫りとパヴェセッティングを日本宝飾クラフトの夏期講座で体験しましたが、右手の動きからして、横に彫るっぽいですよね。

さて、ハワイアンの技法は、わりと古式の職人芸のように、口伝で見よう見まねで体得するものと思われます。
彫り方のノウハウについて論理的に説明するテキストもないですし、先生の手を見て学ぶというスタイルです。

なので、私みたいに覚えの悪い生徒は、いくら練習してもうまくならないようで悩んでいます。自分でも改善のために何をどうしていのかわからないんですが、”ひたすら練習!”って言われても、成功体験のないまま、何百回彫ったって同じレベルなまんまななわけで。

若いときならまだしも、堅い頭の大人になってしまった今では、やはり論理脳で理解しないかぎり、難しい技術は体得できないような気がしてます。CADのようなIT系に関しては、すいすい水を吸うように理解できるんですが・・・。CADは、”見よう見まねで覚えろ系”とは対極的な技術ですもんね。

ハワイアンに関しては、完全に煮詰まってしまった感じで、それが総じて、ジュエリー制作全般に対してモチベ下がりまくりです。悲しいです・・・


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そうだとすると (はりい)
2010-01-15 19:59:36
ROSEさんの悩みは案外、別の先生に見てもらうとすぐ分かるかも。(もし、だれも何も指摘してくれないのなら、ということですが)
「君はこうやってるけど、ここが良くない。なんでかって言うと~」と指摘して説明してくれないとね。
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