ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

”13歳のハローワーク”に紹介された、『ジュエリーCADデザイナー』

2009年03月27日 | ジュエリーよもやま話


みなさん、『13歳のハローワーク』ってご存知ですか?

村上龍先生が出された本で大ブレイクしたのですが、将来の日本を担う子供達のために世の中の職業をわかりやすく解説したもので、それがWebサイトにもなっています。実はオトナのワタシも楽しく拝見しております。この世にはいろんな仕事があったんだなぁ、、、と勉強になり、今、ワタシが13歳だったら、今の仕事はしてないなぁとつくづく思いました。



ジュエリーデザイナーくらいまでは理解できたのですが、驚いたことにジュエリーCADデザイナーまで紹介されていました。

村上龍氏の『ジュエリーデザイナー』
http://www.13hw.com/job/05_04_02.html

編集部の『ジュエリーCADデザイナー』
http://www.13hw.com/job/J000100152-a.html




CAD、を理解させること自体が13歳にはムリなのでは~と思いました。CADを使ってジュエリーを作るってこと自体、オトナでもなかなか理解しにくいことなのですが、なんだか無理矢理まとめたなぁ、という感想を持ちました。

村上氏には申し訳ないのですが、この『13歳のハローワーク』ホントーに13歳を相手に説明してますか~???という記述が多いです。

真実はそのまま書くべきですが、2009年はそうだが、、、ということは書かなくていいと思います。だって今13歳の子の10年後なんて誰も占えないですもの・・・・。





オイ、ここまで書くことねーだろ!!って思った部分を抜粋しました。
(村上龍氏の『ジュエリーデザイナー』の説明より)

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完成品に客が満足することが、この上ない喜びだが、綿密に打ち合わせしても、デザイン画だけでは完成品をイメージさせることがむずかしく、返品されること もある。きわめて細かい作業の連続なので、おおざっぱな性格の人は向いていない。また、宝石は贅沢品の代表であるため、利益は常に景気に左右される。現在 は、不況の影響で宝石加工会社などの求人は非常に少なくなっている。また、イタリアなどの宝石専門学校に海外留学をする人も増えているが、ただヨーロッパ の人たちと日本人では、体格、肌の色、ファッション、アクセサリーの好みなどが違うため、海外で習得した技術やセンスがそのまま日本に応用できるわけでは ない。
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これは子供の親に聞かせているものだと思いましたね。
普通の親なら、総じて『やめときなさい』といわせる情報でしかないと思いました。

”子供にあまり甘い夢をみさせるな”、という戒めも必要ですが、あまりに現実的すぎる教示もいけません。大変だとか辛いとか、低収入だよといったネガティブな情報によって、子供達に拝金主義やいかにして楽に稼ぐか、といった不健全な思考を植え付ける元になるのでは?と思いました。


桜の木の下で、もういちどプロポーズ

2009年03月26日 | ジュエリーよもやま話

東京は桜が咲き始めましたね。
先日、桜モティーフのパーツをCADでモデリングして切削していただいたのですが、まだ鋳造にも至っておらず、作品の完成は今年の開花にまったく間に合いませんでした・・・。とほほ。出来上がった頃はすっかり葉桜でしょう。



テレビ東京の3社コラボCM、また出ましたね。前回は、ANA・読売新聞・プラチナギルド、を見ましたが、今回は、ナビタイム・読売新聞・プラチナギルド、でした。テレビ東京をご覧にならない方、今なら、動画が見られるようなので、こちらからどうぞ。
http://www.tv-tokyo.co.jp/fsp5/

ふたりが初めて出会った桜の木の下で、二回目のプロポーズ・・・

定年間近とおぼしき夫から手渡されたジュエリーボックスを開く妻。

『プラチナ?!』

『ふたりの新しい人生、これからも一緒に歩いてくれるかな?』

その後、岸本加世子ふんする奥様、涙目で、ぐふっぐふふっ、と照れ笑い、ダンナにしなだれかかりながら家路につく、

・・・という、いかにもなシナリオ。

辛口で申訳アリマセンが、このCM、あまりに痛すぎて2度目には、ゲップが出ました。(^^;新聞と道案内とプラチナ、まるでナゾかけです。意外性を狙ったかもしれませんが、関連性のないものをムリして寄せ集めた結果、だらだら長いわりには商材の印象が残りにくく、広告の訴求効果が逆に薄れてしまっているように思います。

余計だったのが、『プラチナ?!』の一言。
プラチナ、なんて普通、絶対いいませんって~。撮影に使われたリングのセンターストーン、かなり大きいダイヤモンド、腕にパヴェも入ってゴージャスでした。これ見たらふつう、開口一番、『ダイヤ?!』だと思うんです。それほどダイヤの印象が強すぎました。

ダイヤが主役でなく、Pt地金たっぷりのデザインにすればよかったのになぁ。デビアスさん、漁夫の利を得てにんまりですなあ。(^^;; 

  

この広告の1クライアントであるプラチナギルドさんのサイトに『よい夫検定』というのを見つけました。プラチナ販促に何の関係があるのかわかりませんが、面白かったです。オット(=良人?)の方、これから結婚される(したい)男性の方々も、”受検”してみてください。
http://www.thanksdays.com/kentei/

それにつけてもプラチナギルドさん、どーしても世のダンナにプラチナを買わせたいようですが、今どきのサラリーマン家庭は、奥さんが家計を掌握していて、ダンナさんはお小遣い制の家が多いのです。それに奥さん達、ダンナの小遣いは減らしてでも、欲しいものは自分でさっさと勝手に買ってます。不景気知らずのTV通販やネット通販、相変わらず顧客の主役は女性・主婦層です。

とはいっても、ダンナ方が長年連れ添った奥さんに感謝する殊勝な気持ちは大切ですので、ジュエリーはデートがてら奥さんと一緒に買いに行ってくださいね。きょうびオッサン一人でジュエリーショップなんか入ったら最後、在庫処分の格好のカモです。サプライズのつもりが奥さんに『ゲゲ~!古クサッ!』っていう別のサプライズリアクションをされるカモ。(^^; 

   
 
やっぱりゴールデンタイムのジュエリーのTVコマーシャルは、美しいシーンや美しい女性を主役にしてほしいです。若くある必要はないですが絵的に”きれい”であってほしいと思います。凛としたプラチナの崇高なイメージにぴったりの人に登場していただきたい。非日常的で特別なものだからこそ、甘~い夢を見させて欲しいのですよ。 

CMコラボさせるなら、親和性が大切です。(^^) せいぜい、

『愛はプライスレス。永遠の輝きは、Masterカードで。』 

キラッ

・・・くらいに綺麗にまとめてほしいですね。 


コスチュームジュエリー展

2009年03月15日 | ジュエリーよもやま話
ガブリエル・シャネル(ココ・シャネル)
1960年代
(日本橋三越催事ページより借用)

日本橋三越で開催中の、『コスチューム・ジュエリー展』に行ってまいりました。

コスチューム・ジュエリーとは、貴金属や宝石以外で作られたジュエリー、のことだそうです。

今回の展覧会では、代表的なデザイナーとして、クリスチャン・ディオール、ココ・シャネル、ミリアム・ハスケルの作品が展示されていました。


クリスチャン・ディオール
1960年代

1点1点、丁寧かつ精巧に手作りされており、素材が貴金属や宝石ではないこと以外は、女性を魅了する立派な宝飾品であり、美術品的価値を持つような素晴らしい作品ばかりでした。アンティーク・ジュエリーと呼ばれる歴史的価値を持つジュエリーにも、こうしたガラスや陶器を石として使った作品が沢山あります。


ミリアム・ハスケル
1940年代

ショーやパーティ用ということもあって、全体的に派手で華美な、いわゆる”ゴテゴテ”の組み物系のアクセサリーが多く、最後のほうはおなかいっぱいで飽きてしまいました。(^^;

場外では国内の”コスチュームジュエラー”(ちゅうか、ビーズ作家?)の展示即売会も併設されていて、女性客で盛り上がっていました。組み物はたまにするけど、ビーズはあまり興味のない私には場違いなコーナーでした。

展覧会の隣では、『味と技の大江戸展』をやっており、江戸指物、江戸切子、曲げ物、扇子、筆など職人さんたちが伝統工芸の制作実演をやっていて、むしろ私にはそちらのほうが強い感動を覚え、随分長い時間油を売っておりました。(^^;;


春のあしおと

2009年03月10日 | ROSE POSYのひとりごと

梅が満開です。歩いていると、ふわっ~と甘い香りが漂ってきます。

もう今週あたりで関東の梅の見ごろは終わりになりそうです。・・・でも、もうあと20日もすれば、桜が咲くのですよね。



梅の木にメジロちゃんがいるのわかります?


画像をうんと引き伸ばしてみたら、しっかり写ってました。
これ実はマクロレンズなんですよ。
意外とすごいかも。


バラのつぼみのような
可憐な梅です


咲くとこんな感じ。
優雅で素敵ですね。


最近バタバタといろんなことが忙しくて、この冬は、すっかりジュエリー制作がご無沙汰になってしまいました。CADのほうは、ライノセラスの独学を少しずつ継続しています。トレーニングテキスト、丁寧にたぐっていくと意外と知らなかったことや、習ったはずなのに理解が浅くて応用できていなかった部分が浮き彫りになってきて、かなり勉強になります。少しでも触っていること、これって大切なことですね。

啓蟄も過ぎましたし、そろそろ、私も”冬ごもりモード”から、脱却せねばいけません。描きためていたデザインを昇華させる時が来ましたかな・・・。
 

ダイヤモンドは、こどもの涙?

2009年03月09日 | ROSE POSYのひとりごと

世界がもし100人の村だったら”(フジテレビ)というドキュメンタリー番組をご覧になりましたか?

格差社会、政情不安、戦争などによって過酷な状況に置かれた子供達を取り上げたシリーズ番組です。

先日放映されたテーマの中に、アフリカの『シエラレオネ共和国』という国で、内戦で両親を亡くした子供達が、ダイヤモンドの採掘に従事して糊口をしのいでいるというお話がありました。

『シエラレオネ共和国』は、良質のダイヤモンドを産出しますが、あのデカプリオ主演の、”ブラッド・ダイヤモンド”の舞台となったように、ダイヤモンドの利権をめぐって1991年から2001年まで内戦が勃発し、多くの民間人が虐殺されたそうです。

映像では、まだ10歳にも満たない小さな子供が毎日素っ裸で泥まみれになって泥をかき集めていました。ようやっとダイヤのかけらを見つけても、お金がもらえるわけではありません。1日の報酬はごはんたった一杯です。1日中泥を掘ってもダイヤがまったく採れない日は、ごはんはもらえません。子供達は寄り添って水を飲んで飢えを凌ぎます。

子供を働かせるなんてなんてむごいこと、と思いますが、この国では、戦争で親を失った子供を救済・援助するシステムがありません。孤児となった子供達は、ダイヤ採掘の仕事がなくなったら、生きていけなくなります。

取材に登場した8歳の男の子は、体が悪くて働けない祖母と、目の前で両親を殺されたショックで話すことができない兄の分の食べ物を得るために毎日歯を食いしばって頑張っています。

まだまだ親に甘えたい盛りなはずの子供が、過酷な労働の毎日に何の楽しみを見つけることもできず、日々食べることが精一杯で、学校に行くこともできません。でも、この子の夢は、お金を稼げるようになったら、亡くなった両親に代わって自分を育ててくれた祖母に恩返しをすることと、口の聞けない兄をろうあ学校に行かせてあげること、というのです。そのけなげさに胸が締めつけられました。

これが今、日本の裏側で実際に起こっている話とはにわかに信じられませんでした。世界には、いまだにそんな厳しい現実があることを知らなかったことを恥ずかしく思います。

自分の持っているダイヤや、これから買おうとしているダイヤがどこの国のものかは知りようもありませんが、そのダイヤのために子供達が犠牲になっていないことを祈らずにはいられません。