過去の課題作品のご紹介はここでちょっと休憩しまして、時計をリアルな時間に戻します。
ガラス工芸をはじめて、早1年半が経ち、はじめての大きな作品の制作に着手することになりました。写真の花瓶を使った作品に取り組みます。高さ23cm、開口部の直径14cmで私からすればかなりの大物です。
きせガラスに図柄を彫る場合、描画済みのマスキングシートを貼って、ラインをナイフでカットし、カットしたパーツをはがしながら彫っていきます。
(私の通っているお教室ハナミズキさんのWeb掲載写真を借用)
上記のようにまっすぐなグラスは簡単ですが、ボウルやお茶椀などの場合、四角のマスキングシートに普通に絵を描いて貼っただけでは、図がヨレたり歪んでおかしな構図になってしまいます。
小さいグラスなどはマスキングシートを伸ばしたり、切り込みをいれてシートを曲げたりしてなんとか図柄を配置できますが、こうした大きいものだとそうもいきません。
そこで、立体の展開図を作って、その上に図案を配置する必要が出てきます。
上の花瓶の場合、ラッパのような開口部のところは、展開図面が必要になってきます。 さて、円錐台の図面を引くには、数式が必要になってきます。ピタゴラスの定理?相似?ルート?積分? 数字に弱い私はもうお手上げです。
そこでひらめいたのが、CADソフトの活用です。ジュエリーCADも、もうすっかり忘却のかなたとなってしまいましたが、Rhinocerosは、幸いWindwos 7でも対応していましたので早速、再インストールしました。もうほとんど覚えてないし・・・・。久々の裸のライノ使いです。
まずは花瓶の開口部の上から3段階の高さで円周を巻尺で測り、なだらかなカーブをもつ円錐台を描きます。(3つの円から出したカーブを回転させてサーフェスを作る)
次に、サーフェスを切り開いて展開図を作るコマンドを実行します。
このコマンドは、リングなどの曲面を持つオブジェクトに文字やロゴを配置したいときに便利ですが、ジュエリーCADをやっていたころは使ったことがありませんでした。いやはや、このコマンドを今使うことになるとは思いもよりませんでした。
Rinocerosはいろいろなファイル形式に対応しているので、イラストレーター形式(ai)に変換します。 こちらが、イラレでファイルを読み込んだところ。A4のアートボードだと、ちょっとはみ出ますが、切り貼りするので問題ありません。
この扇状の中に模様を描いていけばいいということになります。
道具は使いようですね。