林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

季節外れの彼岸花

2010-02-09 | 高麗便り

数年前から、日高市の巾着田では、彼岸花を「曼珠沙華」と呼ぶようになった。
文科省の約束では「ヒガンバナ」または「ひがんばな」のはずである。

漢字を読めない市民のために「ひだか市」とする優しいひだか市役所。
それなのにヒガンバナを漢字だらけの「曼珠沙華」にした。

役所に阿りたくない森生は「彼岸花」で通します。

巾着田には百万本の彼岸花がある、と宣伝するのは西武鉄道だ。
本当かどうか分らないけれど、惹句として悪くはない。
お暇な方は数えてみて下さい。

吃驚するほど多いことは事実です。
この沢山の彼岸花はどうしてこんなに増えたのか。
納得できる説明は無い。
高麗川の氾濫で流され増えた、という「高麗川氾濫効果説」がある。

しかし最近「ははぁん!」と思う光景を見てしまいました。
管理事務所が彼岸花を大量に堀り上げ、彼岸花の無い場所に植え広げていた。
だから氾濫効果説より「巾着田管理事務所移植説」が考えられます。

移植、大いに結構です。
昔、ここに自生していた山野草も混ぜて欲しいけれど。
巾着田では稲より大切な彼岸花だ。うんと増やして嘘800万本にしよう。
だがこの作業、ちょっと拙いのでは、と心配でもある。

それは球根一般の栽培増殖法に反していることだ。
彼岸花は金の卵なのに、乱暴です。
大切な彼岸花に対する理解、感謝、愛情が感じられない。

彼岸花は百合科の球根ですね。
球根は花後、葉や茎が光合成で来年の花を咲かせる養分を作り、球根に蓄える。

花の後は、葉や茎や、球根を支える細い根を大切に保護しなければならない。
これ常識。
晩春になり、葉や茎が枯れ、球根が休眠状態になった時に堀り上げる。
大きく増えた球根は分球し、発芽する少し前に植え広げてやる。
これが球根栽培の原則ではないだろうか。
違うかなぁ.......。

彼岸花は秋の彼岸前、休眠していた球根から、突然茎がにょっきり立ち上がる。
そして葉が出る前に、あの赤く怪しい花を咲かせる。
花が終わり葉が出て茂り、養分を作り球根を肥らせ、を繰り返している。

適期前に彼岸花をぶち撒けた職員氏の作業は、以上の球根原則に反してはいませんか?

また、場所柄を考えずに彼岸花を、県道の緑地帯にまで植え広げた。
彼岸花の植付適地は巾着田と墓地である。

彼岸花は100万本が集中してドカンとあるから見事なのである。
途中の歩道からちょろちょろあるのは、観光地の演出として下手クソ。
緑地帯は、夏は葉が無くなり土だけの殺風景になる。
別の片仮名フラワーを植えなければならなくなる。

適所適材適期ではないが、彼岸花球根のバラマキは、まぁ大目に見よう。
しかし最近、大切な葉の上に流行のウッドチップ(木屑)を大量にぶちまけた。
これでは彼岸花は光合成が出来ずに痩せ細り、やがて消えてしまう。

駐車料金で種苗会社から買い入れて、また植え足せばいい。
と言うのかもしれませんが.......。

ここでは彼岸花ではなく「曼珠沙華」だ。普通の球根とは栽培法が異なるのかもね。
しかし、彼岸花を主食にしている市役所や巾着田管理事務所だ。
その辺のところを「ちょうさけん球かくにん」する必要がある。

誤っていたら謝ります。

あ、それから、近年売り出中の「曼珠沙華饅頭」もどうかと思います。
彼岸花には「アルカロイド(アルカイダではない)」という毒が入ってます。
いっそキムチ饅頭にしたら?
市のエライさんたちは、饅頭の食い過ぎかもな。

昔の巾着田は片栗、ねじ花ほか、日本古来の山野草が、次々に咲き競ったそうです
稲田と桑畑だけで、駐車場や看板やバラック小屋は無く、それはそれは美しい田園風景だった由。
以上は、巾着田のほとりで往時を過ごした、さる夫人の証言です。

彼岸花の薀蓄は、ウィキをご覧下さいね。
写真は現在の彼岸花の葉です。


残んの色香

2010-02-08 | 庭いじり

乾燥した北風が、紫陽花の花をドライフラワーにした。

紫陽花は色が変わるので「七変化」ともいう。
でも、本当は八変化します。

紫陽花の花殻に微かに残る花紺は、残んの色香。
お婆さんだってじ~っと見詰めれば、美しいところがあるんです。
(噛み付かれる場合もあるのでご注意)

・・ 北つ風 時の通い路吹き閉じよ 年増の姿しばし留めん ・・

                                       僧正森生

お爺さんだって、........

【本歌】天つ風雲のかよひ路吹きとじよをとめの姿しばしとどめむ(僧正遍昭)


春よ来い

2010-02-07 | 歌の翼に

ゆうべは、激しい風の音で、何度も目が醒めた。

いまは、烈風が眠っていた山を揺さぶり、雑木林がゴウゴウと唸っている。
こんな日に、多峰主山に上るにはヘルメットが必要だ。
町を歩けば看板が飛んでくるかもしれないし、身体が吹き飛ばされるおそれがある。

流石に、町内を徘徊するいつものご老人たちの姿は見られない。
厚手の股引は見つからない。腹巻はとっくに捨てちゃった。フード付き防寒コートは洗濯代がなぁ......。
こんな日は、老人になりかけた森生蛙も、2階で日向ぼっこです。

春よ来い 早く来い。
ふらふら歩くじいちゃんも、おんもに出たいと待ってます。
目をキョロキョロさせながら、ね。

それでは、先ずはユーミンの「春よ来い」を。

そして、じじばばになってしまった先輩諸氏へ、懐かしき「春よ来い」を。


大胆

2010-02-07 | 色めがね

以前、似たような絵を見た記憶がある。
「切り裂く」で検索した。

ルーチョ・フォンタナという、何でも切り裂く芸術家だった。
「時間と空間の一瞬の結合が画期的」、という解説を読んでも「???」ですぅ。
この宅の掛軸の方が、大胆で、上手いのではないか。

                    

もう一つ。これもどこかで見たような........。

                              ▲真ん中の額入り作品は、フォンタナ「空間概念」。


女子大へ行ったぞ

2010-02-06 | 風に吹かれて

今朝は薄日が射しているのに猛吹雪。風花どころではなかった。
吹雪はじきに止んだけれど、骨の髄まで凍る異常な寒さだ。光熱費で破産する恐れがあった。
それで、女子大が開催した公開無料講演会に行ってきました。

ナマの女子大生を近くで拝観すれば、少しは胸が暖かくなるかもしれない。
ご一緒に学食するのが楽しみだ。スウィーツくらいならご馳走してもいい。
韋駄天氏と連れ立ち、いそいそと出発した。

稲荷山公園駅から女子大構内まで少し歩いた。恐ろしい烈風が吹き荒れ、頭上の枯枝が落下してくる。
2時間も前に女子大に到着。れれれ、広い構内に憧れの女子大生は一人もいない。
聞けば、全員東京板橋の本校に移転し、同時に学食も閉鎖したんだとさ。やれやれ。

それで駅まで戻っても、見事にな~んにも無い。お花見の頃は屋台が一杯出るが、冬場はな~んにも無い。
駅前の壮麗な狭山市立運動会館は、施設点検で8日まで全館休館中だわさ。

隣の航空自衛隊入間基地では門衛君たちに阻まれ、侵入出来なかった。基地防衛も結構だが、眼前の飢えた先輩たちを助けてくれよ、なっ。

止むを得ず、二人で手持ちののど飴を舐めあい、また女子大に戻った。
暇人には、これでカロリーは充分なのだ。

講演は「週刊子どもニュース」の元お父さん池上彰氏。
NHKのこの番組は、子どもよりもじじばばに受けが良く、若い森生も好きでした。

開演2時間も前から会場前は人山の白だかり。枯木も山のばばばかりで、じじは3割くらい。あっという間に長い廊下までばばじじが溢れてしまった。
家に居られない同じ境遇のばばじじが多いんですね、この辺りには。

大学職員は恐縮し、しゃかりき働いていたけれど、その対応を猛烈かつ執拗に非難し、激昂する爺さまがいた。
怒声を聞き、その論旨を吟味し、時々様子を交代で見に行くだけでも、全然退屈しなかった。よくまぁ心臓発作か脳溢血を発症しないものだ。

結局、330人収容の大きな階段教室には、補助椅子を出しても入りきれず、はみ出した人々は急遽用意した別教室で、音声のみを聞くことになった模様である。長妻大臣、参考にしてね。
階段教室は人いきれで暑いくらいになった。

演題は、「世界地図から世界を見る・国の数だけ違う世界がある」、です。

池上氏は絶好調だった。時々挟む冗談は、洗練の極みに達し、世界各地で入手した世界地図はあちこちで使った所為か、よれよれびりびり。
氏の講演を聞いた人はゴマンといるだろう。だから、内容に就いては割愛しますね。凡そ、ご推察のとおりでしたよ。

女子大生には一人もお目にかかれず、ひもじかったけれど、有意義な一日で、有り難うございました。
次回は、飯能市郊外にある別の大学で、椎名誠氏の講演会を聞くつもりです。
こちらの大学には、ばばっちい男子学生が多いけれど、安い学食がありますのでね。

写真は「東京家政短期大学」狭山校舎のほんの一部です。
ナマアシが美しい女子大生は、イメージですからね。


もぐらを叩け

2010-02-06 | 床屋放談

冬枯れの野原では、もぐらたちがもこもこと蠢いている。
不景気ニッポンでも、小沢一派と検察一派がなにやら怪しげに蠢いている。
この度は大山鳴動、鼠3匹だったが、小沢は潔白だ、と信じている人は土鳩しかいまい。

かといって、検察が正義の味方、とは到底思えない。
官僚を代表して、ついでに天敵民主党を引き摺り下ろそう、と企んでいるに違いない。
冤罪事件を何度も起こしていることや、取調べ可視化に反対なのも忘れてはならない。

政治家に清廉潔白を求めるつもりは無い。
権力やカネなどに対する欲望が強くなければ、政治家になれないのかもしれない。
腐敗にしても、アフガニスタン、その他援助対象国や中国に較べれば、可愛いものだろう。

しかし、小沢一郎氏は、あの歳になっても人相が悪く、説明以前に、話し方は極めて不愉快で、聞く気になれない。剛腕は結構だが、何を企んでいるのか分らない危険人物であるし、自民党の悪い遺伝子が濃厚に受け継いでいる。

鳩山由紀夫氏は、いっときは期待しかけて、暫く待ってやろう、と思っていたが、やはりペケだった。ガンジーの高邁な理想は口先だけ。実体は優柔不断の八方美人。マヌケなドラ息子で脱税犯だった。
近頃の精気の無さは、そろそろ投げ出そうとしているのかも。

朝日新聞は社説で、「国会で疑問に答えよ」、なぞと阿呆陀羅経を書いている。
だが、もぐらが答えるはずが無い。
二人を世論で、徹底的に叩くしかない。世論調査の対象になった方々は、徹底的にこき下ろしてやって下さいね。

かといって、自民党には全く期待していませんよ。
もっともらしいことを言ってるが、小沢鳩山のお手本であり、こんな国にしたのは自民党である。
一体全体、不景気をどうするのか。財政再建は、医療は、年金は........。自民党には重要課題について、論争する力は無いようだ。

いずれにしても、小沢と鳩山の政治的な罪は大きい。沈黙している民主党員も同罪だ。
次の選挙では共産党に入れるか、白票にしよう。
政界のもぐらどもは徹底的に叩かなければならないが、次から次へとキリが無い。

結局、天下泰平で、二世三世議員に甘い選挙民が悪いのだ。
じじばばは炬燵に入ったままでいいから、声を上げろ。
現役や学生、特に派遣社員は、小田原評定に終始している議事堂を取り囲め。
税金泥棒と脱税犯を叩き出せ。


次はビオトープ

2010-02-05 | 高麗便り

巾着田を mottainai ので森にしよう、という人々がいれば、ビオトープを作る役人もいる。
巾着田全体が、もともとビオトープだったはずである。

管理事務所は、これらの余計な施設の維持管理費を毎年捻出しなければならない。
そこで、駐車場を拡張し、駐車料金を掻き集めることになる。
そして、駐車場利用客を増加させるために施設を増やし、施設の費用を稼ぐために駐車場を、という悪循環。

かくして、巾着田はますます厚化粧。里の風景は失せ、やがて町なかの陳腐な公園になるのだろう。
そんな公演に、誰がわざわざ来るのだろうか。
なんだか、イソップ物語ですね。

大方の市民は、巾着田にいろいろな施設を造ることに賛成している。
観光を活性化する、イメージアップになる、町にカネが落ちる、有名になる、などと浅墓だ。

「ビオトープ」という名目なら、仲良し環境団体も無条件に歓迎するだろう。お利口なお役人だ。
この町には「景観保全・環境保護」なぞあり得ない。
社会の趨勢から2~3周は遅れています。


梅原の梅

2010-02-05 | 高麗便り


梅はいつの間にか、ひっそりと咲き始める。
花も実もあり、かんばしきにほひを漂はせておるのに、ここ梅原満蔵寺の梅をおとなふ人は殆どおらぬ。
まるで、.........「林住記」のやうだ

こち吹かば にほひ寄越せよ 梅の花 便り無くとも まろはぐぁんばる  ぞ

                                          .......菅原森真

わが猫額亭東方にある満蔵寺梅林の開花状況でおじゃる。

【本歌】東風吹かば匂ひをこせよ梅の花主なしとて春な忘れそ(菅原道真)


凍える朝に

2010-02-04 | 林住期

寒い。布団から出られない。相も変らぬ国会中継よりもがんこチャンだ。
これ、話は面白く、色がきれい。体形は自分みたい。議員先生たちのお行儀教育にもお勧めできる。

障子に遅い朝日が当たる頃、やっと布団から起き上がった。
凍りついた庭。寒くて、窓も目も開けられない。

ブランチを済ませ、庭に。甚だしい運動不足。道端の霜を見て、多峰主山に上る気持ちは萎えた。
車で町へ行く気力も失せた。

ま、ブログに耽るしかないや。ねっ。


雪の降る夜は

2010-02-03 | 歌の翼に

雪(☆でもいい)の降る夜は 美味しいシチュウ
シチュウ煮えろよ お話ししましょ 自慢たらたら 煮えろよシチュウ

というわけで、チャウダースープという名のシチュウをつくりましたです、はい。
いやぁ、美味い! アタシは料理の鉄人だぁー。

と言っても実は、スウプの部分はレトルトパウチ入り、特価290円也。



じゃがいも2個、玉葱1個、人参1本、薄切りハーフベーコン2袋を適当に切る。
それを鍋にぶちまけ、上から袋のスウプをじゃーっ。
強火でぐらぐら約10分かな? 煮立ってきたら、鼻唄を伴奏に弱火で20分。
いいにおいがしてきたら、解凍したブロッコリー4個を、裂いて加える。
はい、これで3~4人分が出来上がりだ。

これじゃ、あんまり簡単過ぎるので、マッシュルームや白い舞茸を加えてもいい。
剥きあさりを入れたら、クラムチャウダーです。

他にポトフも試しました。
この場合は、キャベツ4分の1個と、ウィンナー6本が加わります。
そして仕上に胡椒少々。
これも絶品! でも写真はシチュウがいい。

この会社はキムチ鍋も作っていますが、あれは、むせるほど辛いので注意。汗と涙が出ます。
豆乳鍋は舌に合わず、キモチ悪くなりますが......。

詳しい商品情報は「ダイショー」HPをどうぞ。
ところで、チャウダーってどういう意味? シチュウとの違いはどこ?

鼻歌には、北原白秋・山田耕筰・倍賞智恵子さんの名曲「ペチカ」もどうぞ。


しもやけ

2010-02-03 | 遠い雲

母がやっと長靴を買ってくれたのは、中学卒業の頃だった。

雪が降ると、「ほうば」を履いて通学した。
歯の間に雪が詰り、直ぐ歩けなくなる。何度も電信柱を蹴とばして、雪を落とした。

蝋燭を歯の間に擦り付けると、水を弾き雪が詰らないことを発見した仲間がいて、忽ち普及した。
しょっちゅう停電があり、蝋燭はどの家でも必需品だった。

足袋はどうせ雪でびしょびしょに濡れるので、素足。
雪道を歩くと、足は冷たさで始めは痛く、やがて、ぽかぽかと暖かくなった。
そして霜焼けができた。

いま、贅沢な足跡を見て、霜焼けの痒さを思い出す。

***

・・ 雪の朝 二の字二の字の 下駄の跡 ・・
                                ..........田捨女

今では長靴の方が、ほうば下駄より安いかもしれません。


特選フォトサロン

2010-02-03 | 高麗便り

雪は醜いものを隠してくれる。傑作フォトの撮り歩きをしてみました。
上の写真は題して「お互い下降線」。下は「ワタチは何処へ?」。

そして、「人生雪どまり」。

俳句を捻ってみました。「降る雪に 椅子を取られて 疲れたなぁ」。

腹が減った。わつ!昼飯は「ワッフル」にしよう。

ちゃんちゃん。

苦いお茶でアイスミマセンですね。


雪合戦

2010-02-02 | 遠い雲

空き教室がある、と聞くが、これが全校生徒ではあるまい。
いい身なりの小学生たちは、危険な雪合戦なぞはしていないようだ。

小学生の頃、雪が降ると、授業は中止し生徒は全員校庭に出て、雪合戦をした。
生まれ育ったところは海辺の町、鎌倉。あの頃は今より雪の日が多く、雪が積もった。
落ち着いて勉強なぞしてられないことを先生は知っていたようだ。

勉強なぞしなくても、その後60年、ともかく生きてきた。

......... 昭和は遠くなりにけり

きょう日、小学生を近くから撮影すると、咎められます。