林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

巾着田が森に?

2009-07-31 | 高麗便り


巾着田の蓮が咲いている。僅かに残った田圃の稲は大きくなった。
水嵩を増した高麗川では、お爺さんが投網で頑張り、子どもたちは跳ねている。
結構結構。


ところが、だ。
市は巾着田を駐車場に変えるのか、と思っていたら、今度は森にするらしい。
善意でやっている方々には申し訳ないが、巾着田は、拡張してしまった駐車場を田畑か原っぱに復元することが正解ではないだろうか。

植樹なら、あいあい橋袂の外来樹ニセアカシア林を伐採し、昔から里山にある落葉樹を混植すれば、と思う。原っぱの真ん中に一直線にモミジを植えるとは...........。


巾着田は3分の1が民有地とか。
その内、市民農園として使われている一部2200㎡を約1400万円で買い上げる由。これも結構結構。
更に公衆便所を水洗化したり、鹿台堰の改修も予定している、とか。

既に1億円で買い上げた旧新井家住宅は、その後、どういう風にしようとしているのか全く聞こえてこない。いつものように仲良しだけが集まって、観光客の巾着を掠め取る道具にしようと企んでいるのだろうか。それも悪くはないが、スマートにね。

因みに、今ある丸太小屋風汲取り便所は壊して、現在の管理事務所を大きく建て直し、その中に広い水洗公衆便所を作ればいい。同時に近くのガラクタな観光協力会売店や、雑多な看板を整理統合して、景観を綺麗にして欲しい。また腐食して、取り外したままの水車はどうしたのか。

補助金をアテにしながら、なし崩しにあれこれ厚化粧を付け加えるのは、もう止めよう。
先ず、将来的にどういう巾着田にするのかを決めて、毎年少しずつ「計画に沿って整備」してゆこう。計画には外部有識者や新住民の意見を汲み上げて下さいね。

「綺麗にする」とは「ヘタな欧風化」ではなく、「新しい里山風景化」ということです。
コンクリ使っても構いませんよ。


蝶ネクタイ

2009-07-31 | 遠い雲

就職先ではネクタイ着用を義務付けられていた。
夏、一生懸命に働いているフリをするには、背広は着なくても、ネクタイは必要だった。上司の評価は、むしろ背広は着ない方が良かったようだから。

ネクタイは、力仕事もさせられる駆け出し社員にとって邪魔なモノだった。
昼飯のラーメンの丼に垂らしてしまうこともあり、大損害を蒙った。
ホンコンシャツが発売されたあの頃は、まだ蝶ネクタイが結構使われていて、ネクタイの代わりとして、人事部も認めてくれていた。

蝶ネクタイをしてみると、胸のまわりがサッパリして、気持ちがいい。
値段はネクタイよりずっと安く、色柄も豊富だった。

ボータイなど普通の蝶ネクタイは結ぶのがややこしい。
だからワイシャツの襟にパチンと挟むだけの簡単着脱仕掛けがあるものを使った。
これは首周りの襟裏に紐を通さず、首が楽で便利なものだった。

だが、痩せた人が付けると食堂の給仕係か楽団員に見えてしまう。
若い男がするとキザかナマイキに見え、今思い出すと我ながら恥ずかしい。
サスペンダー同様、少しメタボな人や団塊以上の人に似合う。

ネット通販で調べてみると、蝶ネクタイは礼装用、芸人用、そしてお犬さま用しか無く、まさに絶滅危惧種である。
特に夏場、復活させたいものの一つですね。

挿絵は山藤章二画「熊倉一雄」。スポーツニッポン社刊「軟派にっぽんの100人」から。