ガス管交換工事をあさってやらせて下さいマセ、とあの海坊主君が頼みに来た。
若い大男が、今時見られぬ平身低頭のお行儀の良さ、である。
ハッ、工事には、大穴を掘らさせて頂きマスル、ハイ。
これらの木は掘り上げて、工事の間、別の場所に置かせて下さいマセマセ、ハイ。
ハッ、場所はおよそ、この辺でゴザイマス、ハイ。
きっと、ブラックリストに載せられたのだろうが、礼を尽くされ、最敬礼されればイイキモチである。この頃、そういう扱いを全く受けてないので、ジジイは持ち上げるのがいちばん。青年は実社会の勉強をしたようだ。偉い。
こちらも年長者として、度量と誠意を見せねばなるまい。と、やりましたねぇ。
・二日間、地面に這いつくばって、細かい敷石をどけた。
・躑躅は花を諦めて、掘り上げ易いように、大刈込をした。
・みやこわすれの群落(大袈裟)や2本のまゆみは、まとめて裏口へ移植した。
・竜の髭と藪柑子は全て刈り取り、堆積していた数年分の落葉は、完璧に掃除した。
・玄関先の鉢植えは全て避難した。
そして今日、ようやく工事の準備は完了したつもり。
これで、土足で踏み荒らしても、どってことあるまい。工事は能率よく、早く終わるだろう。
ところが昼過ぎから雨が降ってきて、夜には雪になり、積雪するとの予報だ。
雪が積もったら、高麗は雪国満州里。うっかりすると根雪になる。
期限付き工事だから、中止はすまい。玄関周りはシッチャカメッチャカドロンコになる。親方ひとりの復元工事をどうしよう.......。
頭が痛くなってきた。れれれ、腰が攣る。
この1ヶ月、降雨予報は全て外れた。
しかし、今度は当たるだろう。そういう星の下に生きている。