「大鹿村騒動記」は面白かった。この映画は生きる哀しみや辛さを隠し味にした大人の喜劇だ。
曲者揃い豪華出演者の演技。愉快な粗筋と何気ない台詞。錦秋の山里。明るく侘しい音楽.....。
衣装、撮影、編集など全てが見事。今年の日本映画の大きな収穫になるだろう。
風祭善(原田芳雄)は鹿料理食堂をやっている。村歌舞伎の大看板で、商売より歌舞伎優先。
恋女房が親友・治と駆け落ちしても、離婚届に判を押さず、独り身をかこつ。
村はリニア新幹線で揉めているが、村歌舞伎には一致協力する。
盗った善の女房が呆けてしまい「手に負えないので返す」ために、尾羽打ち枯らした治が帰ってきた。
憎いけれど事件は20年も昔。二人への怒りは今ではかなり冷め、互いに反省もしている。ぎくしゃくしながら不思議な三角関係が成立する。
村民個人の事情は互いに何もかも知れわたり、互いに傷付けず役割を心得ている。
村に台風が襲来する。豪雨に見舞われたことを機に、物語は一挙にに急展開する。
村歌舞伎は豪華絢爛と上演され喝采を浴びた。急遽出演した女房は.......、それは映画をご覧下さいね。
祭りは終わり秋は深い。若者たちは村を出る。
森生は、村人たちと食堂見習い君のシアワセを、泣き笑いしながら願った。
・・・・・・ 仇も恨みも これまでこれまで ・・・・・・
森生は以前、原田芳雄を尖がっただけのアングラ俳優と誤解していた。
宮沢りえ主演の暖かい反戦映画「父と暮らせば」で、巧いなぁ、とほとほと感心した俳優である。
映画では格好良かった原田は、映画封切りの舞台挨拶に病み衰えた姿で現れ、二日後に亡くなった。
惜しいことだが「大鹿村騒動記」で、人々の記憶に残る俳優になった。........ 合掌。
原田の盟友・故忌野清志郎の「太陽の当る場所」が胸を打った。
ここで突然ですが、大鹿村は実在し、「日本で最も美しい村連合」に加入している。
映画は、大鹿村に惚れ込んだ原田の企画により実現したらしい。集めた村の資料を大量に提供した由。
こんなに魅力的に描かれた大鹿村は故原田芳雄に村民栄誉賞を贈るべきではないか。
そして不肖森生はリニア新幹線に反対する薀恥庵先生のご意見に賛成します。
東京大阪間が1時間になって、いいことがあるだろうか。同じ美しい村・福島県飯舘村を思い出してみよう。
米倉経団連は歌舞伎を楽しむ余暇なぞ認めず、別の仕事を押し付けるはずだから。
始めの写真は「信州の観光・イベント情報」さまからお借りしました。
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>米倉経団連は歌舞伎を楽しむ余暇なぞ認めず、別の仕事を押し付けるはずだから
全く同感です。便所の中でビフテキを食うより清澄な渓谷でオニギリを喰った方がいい。
私の記事にコメントをいただいてから
とても気になってました。
いつも辛口の森生さん。
「大鹿村、、、。」を
絶賛した手前、どんな記事になるのかと、、、。
良かったと言うことで、胸を撫ぜおろしてます。
いきなり、「生きる哀しみを隠し味にした大人の喜劇」。
そうそう、私が何か記事で書き忘れたと
思っていたフレーズ。
ありがとうございます。
さすが、先輩。
素晴らしい記事を
ありがとうございました。
ただ、カテゴリーがよいしょっ。が
ちょっと気になりました、、、。
ああいう石頭の老人を 先ず 公職から追放しないと
日本の復興はありえないでしょうね
出て行きたいなら とっとと出て行け です
暑くて参ってたところ まっちゃんさまのブログに押されて 観てきました
この映画は ワカモノには ただ面白いだけでしょうね
そこへゆくと われわれは 別の楽しみもある
歳をとって良かった
まっちゃんさまも 早くこちらにいらっしゃいな
カテゴリーを増やさないつもりでしたが ご指摘のとおり ぴったりしない記事があります
暫く 考えてみます
NHKBSプレミアムで「父と暮せば」という
映画があります。
相手の女優さんは宮沢りえさんです。
原田芳雄さんは好きな俳優の一人。
7月21日にTVで「火の魚」を見ました。
去年かな一度TVで見たのですが忘れられず
又見られたので得した気分になりました。
原田芳雄さん上手い俳優です。
このコメントそれまでに間に合うかな。
22時じゃお休みかも知れませんね?
残念! 地デジになってから BSが映らなくなりました
有線放送に加入しているのに 衛星は別料金!憤慨してます
「父と暮らせば」
深刻な内容を 地味ですが飄々として 面白い映画です
宮沢りえも上手かったけれど 原田芳雄の父親の幽霊役は名演でした
「火の魚」は気付かず 見逃しました
評判は良かったようですね