林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

バカの壁

2006-09-28 | 重箱の隅

養老孟司先生が、バカ・バカ・バカ・バカ・・・・と連呼。争って養老先生のご本を買うバカが多いのも、バカバカバカしい。

森男は先生を同年・同郷の超秀才として注目していた。
少しはリコウになろうと思って、先生のご本を沢山()読んだ時期がある。
多くの書評で「簡潔平易」とされていたし、新書なんかではないハードカバーの単行本は、立派で書棚の飾りにもなった。

ご本は確かに、難しい漢字は無いし、平明な文章だった。
しかし、森男にはさっぱり分からない。
毛沢東思想・ランゲルハンス島・頭足綱八腕目軟体動物・禅・ユング心理学・カミオカンデ・・・・・・・。
さっぱり分からないのは、先生の責任ではなく、森男とは別世界のことだったのだ。
突き放したような書き方に、参った参ったと思った。

南伸坊さんの「解剖学個人授業」(新潮文庫)を読めば、分かるだろうと、読んでみたが、分からなかった。
伸坊さんは、難しい事を易しく、面白く書かれるところが好きなのだが、分からなかった。
伸坊さんは、よく理解している、と先生に褒められているが、やはり個人授業を受けなければダメなのだろう。
伸坊さんの頭は「お結び」型。森男のは「絶壁」。脳味噌の体積に差がある。
更に、森男の脳味噌が、体形同様水脹れか、隙間があるかもしれないので、先生に解剖して貰う必要があると考えている。

大ベストセラー「バカの壁」は、新潮社編集者の「聞き書き」。最新の「まともバカ」は大和書房の「新編集」。
分かり易い訳だ。出版社や編集者がリコウなのだ。泥鰌は何匹いるのか。
そういうことがあって、森男は養老孟司さんのご本に、「バカの壁」を築いてしまった。

先生のお母さんの養老静江さんを特集したNHKTVを見たことがある。
「現役最高齢の女医」として紹介された。

お母さんは、神奈川県の山奥の名家に生まれたが、貧しい人々への医療が必要、と発奮し、東京の有名小児科医の許へ出奔。
頭角を現したが、その大先生と良くない関係になってしまった。
一緒にいた書生に諌められて、開業医として独立。
数年後、商社員となった元書生と再会、結婚。夫は数年で病死。
その後、鎌倉に小児科医院を開業して、孟司先生と、お兄さんの二人を育てあげた。
お母さんと、同居する自称「高等遊民」のお兄さんは、家事はしない。
近所の人々や、患者さんたちが掃除洗濯炊事をやってくれるし、惣菜を持ってくる。          
 「このセンセ、憎らしいのよ」
なんて言いながら、近所の人々は喜んで支えているのだ。
小児科医といっても、患者は「小児」ではなく、「大人」。
難病を抱えた患者さんたちだが、弁当持参で、医院に一日中滞在する人もいて、
 「先生のところにいると、身体が楽になる」
と言いながら、家事を手伝う。

森男の母は、この8月に、101歳の天寿を全うした。
義姉の献身的な介護のお蔭だ。
また、近所のホームドクターの助言と処置と励ましのお蔭でもある。
母のホームドクターも小児科の女医。
永六輔さんは、ホームドクターを持て、と説いている。
人間は老いると、子供に戻るから、ホームドクターは小児科の女医に限る。

編集後記。

養老先生について、正確を期そうとして、ネット百科辞典の[Wikipedia]を読んだ。
かなり嫌味な評伝ですね。
その記述を批判する意見も書いてあって、辞典編集部は、「議論中」と断り書きを入れてある。
つまり、オープン百科事典の編纂過程を楽しめる。

森男の養老先生に対する態度は「批判」ではなく、「敬遠」だ。
向学心のある方のために、「バカ本シリーズ」だけでも紹介しようと思った。
だが、バカ・バカ・バカで[バカの壁ハウス]という豪華別荘を箱根に作った、という件を読んで、ヤメにした。
分からぬながらも読んだ時、先生の「東大教授はサラリーマンより給料が低い」との記述に、森男は深く同情した。「同郷同年のお仲間だ!」と。
ああ、それなのに、それなのに..........。


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