埼玉県入間市(ニンゲンではなくイルマ)が、「旧石川組製糸迎賓館」と「旧黒須銀行本店」を見せてくれた。
西武池袋線入間市駅から坂を下りて凡そ10分。
突然サナトリウムのような、タイル貼りの西洋館が現れる。「迎賓館」にしては安っぽい。
周囲の路地を回り、国道16号線側が正面である。玄関の屋根が日本風な入母屋造りでチグハグな印象である。
靴を脱いで上がった広い玄関ホールは大混雑していた。正面にある大理石の暖炉はバカに小さく、不釣り合いだった。
しかし食堂、寝室、応接室、客室などは、室内に入ると印象は一変する。
それぞれの天井、床などには丁寧な木工芸が施され、壁紙が経年劣化しているが、格調高くしかも豪華である。
そして、天井に取り付けた照明器具は控え目で洒落た意匠だった。
但し、森生の腕前ではその良さを撮れません。とりあえず客室、応接室、2階ホール分だけにしておきますね。
入間市が作成した絵葉書には、照明器具を集めて載せた1枚があるので、そちらをお求め下さい。
食堂で小一時間も待たされて、ようやく2階に上がった。
二箇所の踊り場を設け、直角に曲がる階段の構造は美しい。
説明によると、贅沢な木の使い方をしているそうだが、森生にその辺の事情は猫に小判だった。
2階は、ホール、大広間、東和室、西和室など。広いだけで驚くような造りではなかった。
貴賓室が非公開だったのは残念だった。痛みが激しいそうで、早く修繕して下さいね。
便所と浴室、厨房ほか、隣接する和風な外観を持つ別館も、次の機会には是非見たいものだ。
元「迎賓館」には現在、庭園が無い。裏庭はただの空地になっていて、新建材の文化住宅群が丸見えである。
常緑の高木を植えて林にすれば雰囲気が大分改善されると思う。苗木でもいいから適切な配置で植えたらどうだろう。
正面の植込みには雑草が伸びている。こんなに立派な遺産だ、入間市民の皆さん、応援しましょうね。
この後、霞川(だったかな?)を渡り、高い尖塔がある教会を経て、旧黒須銀行へ行きました。
下の記事「教会から道徳銀行へ」に続きます。
次の一般公開は11月10日になります。
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