隣の調理台から銀杏が飛んできた。
おばばたちが、茶碗蒸しに入れる銀杏の殻を割るのに苦戦してたのだ。
包丁の柄で割ろうとして滑った弾みで、銀杏が鉄砲玉のようにこっちへ飛んできたのだ。
常在戦場油断禁物である。
銀杏はね、紙封筒に入れてレンジでチンすりゃ、殻が弾けて簡単に実を取り出せるよ。
だってさぁ、この福祉センターにゃ電子レンジなんてないんだってば。
じゃぁぺンチを探してくるね。
と隣にあるシルバー人材センターへ行き、道具箱を見せてもらった。
カーじぃは小さプライヤー(ラジオペンチっていうのかな?)を選び、森生は大きい方を借りた。
そんなにでかいんじゃ銀杏が潰れちまうわぃ、俺は道具にゃ詳しいんだぜ。
と普段はいい歳をしてスポーツカーを乗り回してるカーじぃはケチを付ける。
でもさ、でかくて正解だったぞ。ざまぁみろ、ってんだ。
怪鳥の嘴の凹んだところに銀杏をあてがい、柄を慎重に強く握る。
パチンと硬い殻は割れるが、凹み部分だけ遊びがあり、実が潰れるほど嘴が食い込まない。
業者の方、こういう銀杏殻割り鋏、発売して下さいね。
その後、カーじぃと森生は自分の調理台に戻り、ぼた餅を作った。
指導するおっかさんが、餅米を柔らかく蒸かし、一寸捏ね、半餅にしておいてくれた。
あんこはおっかさんが完成品を買ってきたそうだ。便利な世の中だ。
始めに半餅とあんこを人数分に小分けにする。
次に左の掌に置いたハンカチ大のサランラップにあんこを薄~く拡げる。
その中心に半餅の塊を置き、サランラップを握って開く。
最後に右手の指先であんこを薄く延ばし、半餅をあんこで完全に包む。
始めは梃子摺ったけど、5個もやったら慣れてきて、るんるん作業になってきた。
無駄口と憎まれ口が多いカーじぃより巧くなった。
合計42個のぼた餅が出来上がった。
手料理は楽しいよ。
こんなに楽しいことを、女にだけやらせているあなた、それはソンな人生です。
たまには料理をやってごらん。食器洗いは山の神にお願いして。
なお、右手にべっとりくっ付いたあんこは、洗う前に舐めちゃいました。
これ、役得です。
120329
ふきのとう
手作り昼食会の主菜は、今月も野菜天麩羅だった。動物性蛋白源として小鯵と竹輪もあったよ。
今が旬の蕗の塔と芹蓬はおばぁが庭先で今朝摘んだばかりのものとか。どっさり持ち込んでくれて豪気なことである。
犬のお叱呼がかかったた恐れがなきにしもあらずだが、なぁ~に充分水洗いすればいいのさ。
かぼちゃ
天麩羅を揚げたのはこの前と同じおじぃだった。
この人、洒落たバンダナを頭に被り、蕗のとうのように苦味走って、なかなかカッコイイ。エプロンは森生と同じ形だ。
おばぁたちはお株を奪われたのに感嘆頻り。「やっぱり男にゃ敵わないわねぇ」とだとさ。ふんっ。
よもぎ
天麩羅は普通、天つゆにどっぷり浸して食すが、ここで新しい味わい方を教わった。
充分に水気を切った大根おろしに天つゆをかけ、それを天麩羅にほんの少しトッピングして食すのである。
天つゆといっても、蕎麦つゆをただ薄めただけ。
しいたけ
本当は皆でがやがややってて天つゆを作り忘れたんだけど、この方法は塩分は控え目になり、血圧にいいと思う。
脇役だった大根おろしも際立つようになり、なかなかオツな味になりました。
お宅さまでも是非お試しあれ。
せり
そのほか副菜は銀杏入り茶碗蒸し、「のらぼう」のおひたし、お麩と若布と韮の味噌汁で。
食後は森生とカーじぃ苦心の作、ぼた餅が二個だった。
一度に出すのは勿体無いので、別の記事にしますね
120328
このところ身体がどうもヘンだ。朝、目覚めた時から既にだるく、起き上がる気がしないのである。
それでも晴れていれば、お天道さまに申し訳ないので布団から這い出してくる。
しかし今朝は曇っていたのでず~と寝ていて、とうとう朝食と昼飯が一緒になってしまった。
これをブランチといい、セレブなライフスタイルというらしいが.........。
閑話休題。
野口晴哉著「風邪の効用」(ちくま文庫・630円)を読んだ。
話し言葉で書かれた内容は、眉唾的部分も無いわけではないが、なるほど!、と思わせる主張が溢れている。
詳しくはお買い上げ頂き、隅から隅までお読みになることをお勧めしたいので、「あとがき」の5行を下に転記します。
風邪を全うすると、自ずから改まる体の状態がある。
栄養過剰とか、そのための気分の鬱滞とか、億劫になるとか、体が妙に重くて疲れたような感じとか、体が強張り
スムーズに動けないとかいうことが、ここで示したように風邪を経過すれば、自ら消失してしまいます。
そうして、本の隅から隅までを読むのは面倒だ、という方々のために、内容を大雑把に4行に纏めました。
・風邪は癌や脳溢血のような重大な病気に罹ることを防いでくれる。
・風邪は体の無理や偏りから来る疲労や強張りを自然に治す経過なのである。
・風邪の諸症状を、薬で無闇に取り除くことは却って体に害をなすので、避けなければならない。
・風邪の経過を、安静にして見守ろう。
さて、森生は自慢ではないが、しょっちゅう風邪を引いている。
そしてこれまで、「くしゃみ3回・ルル3錠」で簡単に治してきた。どうも、これがいけなかったようですね。
安易に市販薬に頼り風邪の経過を見守らなかったので、体の疲労や強張りを抱えたまま、風邪の諸症状を年中引き摺ってきたのだ。
その挙句の果てに、3年前には急性心筋梗塞を発症する始末だった。
今日は人さまから頼まれている仕事があるわけではないし、明日は人に会う約束があるわけでもない。
「林住記」の記事を更新しようがしまいが、また記事の内容や、記事の出来不出来は、閲覧数には全く影響しない。
閲覧数を増やすには例えば、「オセロ中島」とか「なでしこジャパン」、と記事に入れるだけでいいのだ。
だから明日と明後日はお休みにして、専ら「風邪の経過を見守る」ことにしますね。
くしゅん。
120302
そろそろ身辺整理を始めるご同輩が多いのではなかろうか。
あるいは、新年を迎えるので、古い雑誌や新聞を処分したい。
そういうご同輩のために。
紐で古新聞や古本の束ねる「かます結び」という紐の結び方がある。
かます結びにすると、緩まずしっかり結べるようだ。
朝日新聞が紹介していたので試してみた。
けっこう難しい。ウチでは万札だってこんな難しい結び方はしない
かます結びでは予め全体でどのくらいの長さになるかを予測。
紐を切りとっておかなくてはならない。
そんな難しいこと、できないよ。
写真の玉紐はポリプロピレン製で、紐幅を広げると裂けやすい欠点がある。
でも滑らず丈夫で、ややこしいことなんかしなくてもしっかり結べます。
100円ショップの玉紐は、結んでいる最中に裂けてきて結びにくい。止めたほうが結局トクですね。
NHKまる得マガジン「ひもとロープの結び方」。
かます結びほか、西瓜や靴紐の結び方や、縄梯子や携帯電話のストラップの作り方など満載。
まる得な本です。
111220B
着膨れて日向ぼっこするご高嶺者二人。これこそ「偕老同穴」ではないか。
いや待てよ、正しいかな?と調べたら正しかったが「海綿の一族」という意味もあった。
ん? 海綿はスポンジのことだろぅ?
あんれまぁ、海綿スポンジは動物だった。怪獣ではないが......。
しかも、海綿の胃には海老夫婦が住む、という!
タイヘンなことになってきた。
ウソだと思う方、「かいろうどうけつ」で広辞苑を見てね。ドッキリするよ。
111208A
網戸の上で繰り広げられた、身の毛もよだつ惨劇。
その一部始終を目撃した。
「見たなぁ・・・・・」▼
♀カマキリは用が済んだ♂を食い殺すそうである。
カマキリに生まれなくて良かった。
111101
記事は朝日新聞から。
ふむふむ.................。ん? やばっ。
そういうことだったんだ、あな恥ずかし。
こういう場合どっちかな?
1.やんぬるかな 2.むべなるかな
111002
句集のため「笑う子規」は余白が多い。
思庵で腰掛けているうちに、あっさり読み終わってしまった。
だが税込1680円は決して高くない。
なぜならこの本からは文学的創作欲(大袈裟だね)が刺激され、一日を有意義に潰すことができるからである。
例えば子規の句から。
・・ 紅梅や秘蔵の娘猫の恋 ・・
この句に付けた天野祐吉さんの解説です。
「紅梅」「秘蔵の娘」「猫の恋」
事物の名を三つ並べただけで世界が生まれる。
・・ 原節子小津安二郎金魚鉢 ・・
後年、そんな句を詠んだ俳人もいたそうな。
なぁるほど、俳句とはそういうものか。
それで、今朝のTVや新聞に目を通した後、思庵でおよそ小半時。不肖森生も四句詠みました。
はばかりながらご鑑賞に供します。
・・ 初冠雪吉永小百合新幹線 ・・
この句はちゃんと季語が入っているまっとうな俳句であります。
下三句は、まぁ時事川柳に分類してもいいでしょう。
・・ ユーロ安株安円高投機筋 ・・
・・ 相対性理論と矛盾ニュートリノ ・・
・・ 所得税相続税にたばこ税 ・・
坪内捻典先生が隠居大学講演会で、俳句の上達法を教えて下さった。その一つ。
「他人に見せること」
そこでここに今朝の四句を発表させて頂きました。
悪しからず。
110924
柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺
日本橋丸善でユカイな本を2冊発見し、即、買った。
天野祐吉編集・南伸坊挿絵の「笑う子規」と、佐川和夫編集「名俳句1000」である。
「笑う子規」は、「へー、子規ってそうだったの?」と吃驚させられる面白い句が目白押しである。
天野祐吉さんが選び、簡単な解説と感想を付け、南伸坊さんがヘタウマ絵を加えてる。
ちょっとお行儀が悪いけれど、大切なことだから、その一部を転記しちゃえ。
・・ 睾丸の大きな人の昼寝かな ・・
なぜか度胸のすわった男はアレが大きいと思われている。
が、もちろんアレの大小と人間の大小はまったく関係がない。
それにしても、
褌からハミだしているあの人のアレは大きいなあ。
人間の大小についてまで言及された天野先生、森生に気を使ってくれて、感謝します
「名俳句1000」からは佐川和夫さんによる序文の末尾2行です。
この小冊子が俳句を愛するすべての人にとって、創作や鑑賞する際の一助になるならば、
俳句を嗜む風流人としてこれに勝る喜びはない。
............ 困ったなぁ。実はネタ切れの際、森生は名句をパロって記事を捏ね上げる一助にするんです。
それにしても名句が1000句とは、多からず少なからず、丁度いい分量ですね。
佐川先生、そして天野先生も、怒らないでね。
うふふふ。
天野さんは「柿食へば」を笑う俳句に分類している。
そういえば確かにこの有名句、ヘンでオカシイですね。
教科書と学校の先生を、信用しちゃいけません。
110922
きのう投函した同期会開催を知らせる封筒が、今日ドサッと返って来た。
付箋には「定形外封筒のためあと40円分の切手を貼ってから投函せよ」と書いてある。
つまり「この封筒では120円払え」ということだった。
カツとして直ちに郵便局へ行き、担当者に詰め寄った。
「あーた、おととい同じものに100円切手を貼って持って来たら、これなら80円でいいです、と言ったじゃないの」
「おとといは、20円余計に受け取っていながら、これは一体どーゆーこと?」
若い担当者はおどおどしながら、郵便局でしか見かけない封筒用定規(あれ欲しい)を当て、
「ほら、定型より幅が2cm大きいでしょ?重量は25gないからオッケーですが........」
う~む、一昨日投函した封筒は使い残した古封筒で、この封筒より少し長いが幅が少し狭かったようだ。
きのう投函し返されてきた封筒は100円ショップで13枚入り105円のものを買った。種類は「角型7号」とあり、少ない品揃えの中から、大は小を兼ねる、とようやく探し出したものだった。
封筒の表面総面積はおとといの封筒より小さいが、横幅が2cmほど定型を超しているのだ。
でも、じじいはそんな弱味は言わないよ。言うわけないじゃないか。引退後の経験から、若いもんには高飛車が限ることを学んでいる。謙譲や遠慮は連中には通じず、軽く見られるだけだからね。
担当者は恐れおののいて、
「あのぅ、幅を2cm折り込んで糊付けして下されば、このまま80円で構いませんが.......」
と総務省的姑息な解決法で森生のご機嫌を伺う。
「そんな皺だらけでべとべとのものは送れないよ、じじいに対する嫌味みたいじゃないか」
とやむなく40円切手を買おうとしたが無いそうだ。更にやむなく20円切手を2枚づつ貼付することにした。
だが混んでる郵便局内で切手をいちいち貼るなんて冗談じゃないよ。切手の糊なんか美味いもんじゃないし。
「お客さまのアタシに誤解を与えたのはあーただから、切手の貼付と投函はお頼みします」
と面倒臭い作業を押し付けた。
担当者は恐縮して引き受けてくれた。
後で舌出してるかもしれないけど、そんなことは知らぬホトケさ、放っとけ、だ。
本当は往復葉書でよかったのだが雨が多いので封筒にし、案内状と出欠回答葉書を同封したのである。
葉書では「往」に記入する案内文の文字が小さくなり、じじいたちには読みにくいことにも配慮した。
しかしこれらの心配りはムダだったどころか、懇親会経費に食い込むことに。それとも自腹を切るのかなぁ。
イナカでは百円ショップも郵便局も品揃えが貧弱で、選択が思うに任せない。
こういう不便の中で便利に暮らすのは楽ではないが、郵便局社員は親切であった。
アリガトね。
定型の決まりは「内国郵便料金・荷物運賃表」の「郵便物の料金」欄に書いてある。
がたがた言ってたらこれを下さったが、こんな小さい字は読めないよ。
100円ショップでは13枚入り「角型7号」1袋105円。飯能駅ビルの文具店では同じ枚数で「洋1定型郵便」が136円。
角型7号の郵便料金は120円だが、「洋1定型郵便」は80円。
結局、郵便番号を記入する枠が印刷されている封筒が定型で、無いものは定形外になるのでした。
しかも、角型はプリンタで宛名を印刷できず、おとといの晩は一心不乱に宛名書き。
毎度、100円ショップでは結局ソンをさせられております。安物買いの銭失い、とはアタシのことでした。
110907
俳人の金子兜太(かねことうた)は秩父の人である。そして現代俳壇の重鎮でもあるらしい。
俳句は風雅、軽妙、飄逸であらまほしい。
しかし現代俳句の字余りは響きが悪い。また、難しい漢字やカタカナが多く、クソマジメで堅苦しく、苦手である。
だから金子兜太は名前しか知らず、まるで興味が無かった。
金子兜太、現代俳句協会名誉会長、朝日俳壇選者、「海程」主宰。
「林住記」のために秩父の記事を書いている時、朝日新聞26日夕刊「時の回廊」に金子兜太が出ていた。
むむふむ、と読んでみた。面白い。
その記事の中には6句載っていて、そのうちの3句がいい。
太平洋戦争末期、トラック島で激戦、飢餓に耐え、捕虜を体験。最後の帰国船で島を去る時の句。
・・ 水脈(みお)の果て炎天の墓碑を置きて去る ・・
帰国後日本銀行に復職し組合活動に邁進。地方を転々。出世か句作かで鬱屈した挙句、創作の道を選んだ時。
・・ 朝はじまる海へ突っ込む鴎の死 ・・
兜太先生は「この句を境に生まれ変わった」と話している。戦友の死とそれまでの自分の死を重ねてもいる由。
この句も字余りで「朝あける」としたほうがいい、とオノレの分際も弁えず添削したが、先生のも悪くはないね。
「俳句にも社会性が必要」と考え、森生が苦手な前衛的かつ反戦反核句を数多く発表したらしい(違うかな?)。
だが森生は世間から「分からない」と批判された未知の句より、若い頃、何気に生まれたと言う次の句がいいなぁ。
・・ 曼珠沙華どれも腹出し秩父の子 ・・
今度の秩父行きで、出逢った子どもは内田家住宅で見た写真の僅か3人だけ。秩父は大丈夫か。
腹出し子どもがぞろぞろいる秩父を歩きたかった。どの子も街の子と同じだった。これ、上から目線だろうか。
なお、秩父34番札所水潜寺に、句碑があるそうです。
金子兜太はおん歳91歳。熱烈な支持者に囲まれ、断固として揺るがない、とか。
生まれ育った秩父が誇り、と言う(他のネット調べ)のも好ましい。(ウィキ説では生まれは山の向こうの小川町)
種田山頭火も若い頃はヘンな俳句と思っていたが、今は好きである。
金子兜太はこれからなのかもしれない。
食わず嫌いはいけないな。 反省。
「炎天の墓碑を」も「炎天の墓」でいいんじゃないか、と思いますが。
重ね重ねの失礼じゃないかって?
はい、失礼です。猛省。
金子兜太先生の写真は朝日新聞から転写しました。
110729B
わが猫額亭の東電との「ご契約」は40アンペアで、基本料金は1092円であることが分かった。
6月の使用量は142kwh。電卓を叩いて、前年同期の88%だったことも知った。
普段から倹約してるので、まぁこんなもんでしょう。
毎月郵便受けに入ってる「電気使用量のお知らせ」をよ~く見るとヘンなものがある。
「太陽光促進付加金1kwhあたり3銭」とあり、4円請求されている。
なんじゃい!これは.......。東電は原発推進派じゃないのかい? 今に損害賠償賦課金を請求されるぞ。
40アンペアの契約が適切かどうか気にかかる。
契約アンペア数を変更計算・電気料金節約術を読んでもアンポンタンだから、即行動に移せない。
何台もある電気製品の使用説明書を探さなくてはならないからだ。
唯我独善にして世界最大公害企業東電に、節電の協力をしたくはない。
腰が引けてるのが丸見えな海江田大臣の指図は無視したい。
だが節電を東電不買運動と考えれば、少し納得できる。
電気量料金とは使用電気料金のことだろう。
その内の1段料金と2段料金と燃料費調整額が何のことか分からない。
110705