長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

失われたエロマンガ家をもとめて  孤高の流れ星・香愁(果愁麻沙美)、一瞬のきらめき

2012年07月13日 23時49分26秒 | マンガとか
 あぢぢ、あぢぢ~。どうもこんにちは、そうだいでございまする~。
 いや~、ヤバいですねぇ……湿度がたっぷりある蒸し暑さの到来であります。明け方か夕方にドッカーン!!と豪雨が降って、日中は基本的に晴天、という流れもかなりおなじみのものになってきちゃいましたね。昼間の試験勉強がきついなぁ。まぁ、そのぶん夜中にやってるからいいんですけど。

 あいかわらず「もう安心!」の最初の子音の「m」さえも見えていない勉強の進度なのですがまぁ、今のところは独学の良さというところでマイペースに無理せずやれてきております。
 こういうときは、現在のお仕事にしろ次のお仕事探しにしろ、友達と会うにしろひとり遊びにしろ、とにかくなんでもいいけど外に行くのが最高の気分転換になりますね。もともと一日中がんばって詰め込むということができないたちなもんで、適当にフラフラしながらやってま~す。
 試験勉強は「新しいことをおぼえる楽しみ」が味わえるのがいいですね。ここがないと頭にも入ってこないから。高校時代の私自身に教えてやりたいですよ、ホントに……脳細胞若いくせに休ませてんじゃないよ、コノヤロ~!! 恋しろよ!

 実はその、おとといに自分の中では「史上最大規模の息抜き」をしたんですが……これは今は語るのはやめておきましょう。来月の試験後に語っても遅くはないでしょうから。この幸せは胸の中におさめておきたいです。まさかこんな日を迎えてしまったとは。大学時代の自分に自慢してやりたいですよ! 思わずフラワーカンパニーズの『深夜高速』のサビ部分を絶唱してしまいかねないひとときでした。


 さぁ、そんなことはいいとしまして。

 今回は久しぶりに、読む方々に「知らねぇよ、そんなもん!」と思わせてしまうようなお題をあつかってみたいと思います。いや、まぁ毎回毎回この『長岡京エイリアン』の存在自体が「知らねぇよ、そんなもん!」なわけなんですが。

 「2010年9月の記事」といいますから、もう2年ちかく昔のことになるんですけど、私はこの『長岡京エイリアン』で、自分がど~しようもないポンスケ高校生だったころに愛読していたエロマンガ雑誌『月刊COMIC Zip 』(フランス書院)との出逢いの思い出を語ったことがありました。

 この雑誌は、「日本の官能小説出版界の雄」としてその名をとどろかせるフランス書院が、1994年8月から2003年2月までおよそ10年間刊行していたもので、もともと隔月刊だったものが1995年8月からは月刊誌化されていました。
 さらにたどると、この『COMIC Zip 』はフランス書院の主力エロマンガ雑誌だった『月刊COMIC パピポ』(1991年6月~2007年10月)から分立した増刊号『隔月刊 パピポ外伝』(1992年10月~99年5月)からさらに独立したものでした。

 あぁ~、あったあった、『パピポ』! でも、知らない作家さんもいるし、それになんか「浮気」するのはいけないんじゃないかという100% 意味のない倫理観から、私は『パピポ』買わなかったなぁ~。
 私が『COMIC Zip 』を買っていたのは確か1995年の夏から翌97年いっぱい……くらいだったかなぁ。
 たいして長くは購読していなかったものの、いい感じに実験的な作品が多くあって、思いっきり世界観のできあがっている SFファンタジーものから、「かなりキツいこと」をヒロインに強要する日常ものまで、なかなか読みごたえのある充実した雑誌だったと記憶しています。

 そうか、ちょうど『COMIC Zip 』が月刊化したときから読み始めたのか。そういえば、雑誌の最後の『ジャンプ放送局』みたいなハガキコーナーでも、「月刊化おめでとう!」みたいな投稿があったような。エロ、マンガ、活字にかかわらず雑誌ならどこでもそうですけど、はがき投稿コーナーの充実度は雑誌全体のクオリティのいい指針になりますよね。

 こういう資料で振り返ってみると、『COMIC Zip 』が月刊誌となった1995年から、『パピポ外伝』が休刊する1999年までの1990年代後半がフランス書院のエロマンガ部門にとっての「最盛期」だったことが見えてきますね。その後は2003年に『COMIC Zip 』が、2007年には『パピポ』が休刊して、ついにフランス書院はエロマンガ市場から撤退して現在にいたっているというわけなのです。
 そういえば、大学時代(2000年代初頭)に近所の古本屋で「1冊60円」みたいなたたき売りで休刊直前の『COMIC Zip 』がならんでいたのを見たときには、「まだやってたんだ!」という感慨と、「知ってる作家さんがひとりもいない……」という孤独感におそわれたものでした。時はそうやって流れていくんだねい。

 1995~97年ごろに『COMIC Zip 』で作品を発表していた作家さんは基本的に全員大好きだったのですが、現在も現役で活躍なされているのはどのぐらい残っておられるんでしょうか。
 私が思いつくかぎりでは、安藤慈朗(当時はあるまじろう)先生と小野敏洋(当時は上連雀三平 大好きだった!!)先生と朔ユキ蔵先生くらいかなぁ。あれ、朔先生は『COMIC Zip 』じゃなかったかな?
 みなさん、現在は一般マンガ家として大成なされているんですけれども、小野先生は「あんなエロマンガ」を描いていたのに今は『コロコロ』系みたいな子ども向けの作品をフィールドにしてるんですからね……まぁ天才ですよ。「超危険」と「ごく健全」の両面を持っていながら、そのどちらもが小野先生なのだというこのバランスは、現在存命の作家さんの中では最も「手塚治虫に近い」ものがあるんじゃないんでしょうか。今はエロマンガ描いてないんですか? 描いてほしいなぁ~! でも、描いたら大変なことになるんだろうなぁ~。

 前置きはここまでにしておきまして、今回私が注目したいのは、そんな個性的な作家陣の中でも特に強烈な異彩を放っておられた、この作家さんなんです。


香愁(かしゅう 別ペンネーム・果愁麻沙美)


 具体的なプロフィールはまったくわかりません! おそらく女性であることは間違いなさそうなんですが……

 このひとは異色でしたねぇ~!! なにが異色って、本物の少女マンガ家もはだしで逃げ出す美麗な描線で「かれんな美少女」と「白皙の美少年」とのロマンスを描いておきながら、いざ「こと」におよぶとプレイがアブノーマル、アブノーマル!!
 具体的にどうアブノーマルなのかを説明するのは……やめときます!
 やめときますが、香愁先生が作中でよく使うアイテムに「灯油をじゅぽじゅぽするアレ」があるということだけを言っておいて、あとはみなさまのご想像にお任せしたいと思います。危険だ~!!

 この方はまぁ~ほんとに、自身の作品に貫かれている「美学」みたいなものがバチコーン!と定まっている方でして、まず美少女か美少年しか出てきません。年をとった人物が登場するとしても、ステッキの似合うダンディか古城に住まう王侯貴族といったふぜいの、気品あふれる紳士淑女にしかセリフは割り当てられないのです。
 手がける作品は短編・長編を問わず、すべての作品で10代の女の子が主人公になっていて、現代の日本が舞台なら必ず偏差値の高そうなシャレオツな制服の女子中高生、中世ヨーロッパふうのファンタジー設定なら白亜の城のお姫さま、という感じで相場が決まっていました。

 そ、そんなかれんな乙女たちが、現実の世界でやったら即刻病院送りになりそうなあんな目にあわされるとは……!
 好きでしたねぇ。

 私のいろんな技術不足のせいで、手っ取り早く画像というかたちで香愁先生のものすごさを説明できないのが大変に恐縮なのですが、香愁先生の魅力は、「美しいものしか描かない。そして、その美しいものを美しくけがす!!」という、その妥協のない哲学に裏打ちされた美麗な細密描写。これに尽きます。
 確かに、2010年代の現在から見れば多少、キャラクターの顔つきが1990年代のアニメ的(いわゆる『新世紀エヴァンゲリオン』以前)で目が大きかったりもするのですが、ぜい肉のかけらもない、常に立体的なリアリズムをたたえている男女の肉体描写と、そこからバンバン繰り出されるアクションの数々は、エロマンガだの少女マンガだのという障壁を超えて、「香愁というジャンル以外の何者でもない」孤高の存在感をはなっていたんじゃないかと思います。
 私もそんなにマンガを読んでいる人間ではないのでデカい口はたたけないのですが、とにかく「絵のうまさ」という点においては、私は今までエロだろうが一般だろうが、この香愁先生以上だと認識したマンガ家さんには一度も出会ったことがありません。

 そんな香愁先生だったのですが、私が夢中になっていたのは高校生時代のたった2年間ほど。その後はさすがに大学受験でエロマンガからも離れていってしまい、『COMIC Zip 』も香愁先生も、忘却のかなたへ置き去りにされていってしまったのでした。


 ところが、そんな私が去年あたりからやり始めるようになったのが、自宅にいながらにして絶版になった本やら廃盤になったCD やらがチョチョイのチョイクリックでお安く手に入るアマゾンショッピングというわけ! 遅すぎ……

 と、いうことでありまして、私が香愁先生のことを思い出し、「『COMIC Zip 』以外にどんな仕事をやってたんだろう? 古本で安くなってるだろうし、ここはいっちょ、香愁先生の単行本をコンプリートしてみっか!!」と決意するまで、さほどの時間は必要なかったのでありました。

 さァ、その結果わが家に集まったのが、以下のラインナップというわけ。


知ってどうする!? 香愁(果愁麻沙美)エロマンガ・オールワークス

『とこしえのソドム』(1994年8月 三和出版)「香愁」名義
 1993年4~9月に『COMIC フラミンゴ』などに掲載された短編8作を収録

『プラグインせのあ』(1995年6月 三和出版)「香愁」名義
 SFアクション長編『プラグインせのあ』シリーズ全9話を収録

『風のクルエルティア』(1996年5月 三和出版)「香愁」名義
 怪奇コメディ長編『風のクルエルティア』シリーズ全9話を収録

『シリー・ピーチ・ラヴ』(1996年8月 三和出版)「香愁」名義
 実の兄を慕う妹・水音(みずね)は、兄を恋のライヴァルに取られないようHに頑張ってしまう……(『Silly Peach 』)
 『とこしえのソドム』以降に掲載された中シリーズ『Silly Peach 』全6話と短編8作を収録

『夢跡のメモリオーラ』(1997年8月 フランス書院)「果愁麻沙美」名義
 1996年7月~97年3月に『COMIC Zip 』に掲載された短編8作を収録

『ベルジェフスカの城 残酷美学物語』(1999年5月 三和出版)「香愁」名義
 謎の都市・ラズモフスカ、そして世界の破滅を企てるベルジェフスカ大学。その恐るべき野望を阻止せんとする美少女戦士達の命をかけた戦いを描く。
 1997年8月~99年2月に『COMIC Zip 』で連載されたオカルトアクション長編『ベルジェフスカの城』全3章を収録

『ウラ23区』(2000年4月 三和出版)「香愁」名義
 教え子と関係する女教師の孤独な内面が垣間見える『「さん」づけの孤独』、オフィス街でH行為に至ってしまうカップルを描く『丸の内 HIGH NOON SNAP』ほか。
 1998年1月~99年3月に『COMIC フラミンゴ』と『COMIC Zip 』に掲載された短編8作と単行本書き下ろし短編『透明な劇場』を収録

『まりのゲリラ』(2001年8月 三和出版)「果愁麻沙美」名義
 オレは万里野まりの。下町の天才バレリーナ。昔に家出したママの帰りを待ちながら、オヤジと二人の貧乏暮らし。この町には旧日本軍の宝が隠されてるって噂があって、オヤジは何か知ってるみたいなんだよな……
 2001年1~7月に『COMIC アイラ』で連載された昭和活劇長編『まりのゲリラ』全7話を収録

※その後、「果愁麻沙美」名義で『COMIC アイラ』にて2001年8月~02年3月に長編シリーズ『ソニア・ソニック』を連載し、2002年4月に短編『改造都市?』も掲載していたが、2002年9月に『COMIC アイラ』は休刊し、『ソニア・ソニック』の単行本化はされていない


 これだけだったんですね。香愁先生の単行本は8冊しか刊行されていなかったんです。
 もう10年以上のことになるんですよ……当然ながら、ほとんどのアマゾン価格は「1円」! 哀しきお手ごろ価格でありました……

 ところで上述のとおり、『COMIC Zip 』で先生が使用していたペンネームは「果愁麻沙美」だったのですが、今回の文章では便宜上、使用頻度の高かった「香愁」のほうで統一させていただきたいと思います。
 入手できた作品を読むかぎり、先生の中で「香愁」と「果愁麻沙美」とを掲載雑誌や作品ごとに明確に使い分けているというルールは特にないらしく、単に1990年代後半から「果愁麻沙美」というペンネームも使うようになった、ということだけのようです。

 それにしても、ついにすべて集めてしまった……でも集めたところで、なんかひとつだけ願いごとがかなったりするノベルティは、ない! ギャルのパンティひとつ降ってきやしません。

 ともあれ、今回こうして香愁先生の単行本をぜんぶ集めることに成功し、ドキドキワクワクしながらページをめくっていったわたくし。
 出版された全作品を読了したあと、心に残ったのはこういった思いでした。

う~む、総じてエロくない!!

 まぁ、そりゃあそうですよ……一般のマンガ界だってそうかもしれませんが、エロマンガ業界は「絵柄のはやりすたり」が非常に激しく、ちょっとでも古臭い要素が見え隠れしていれば、(主に)読む男性読者の気持ちの昂ぶりは一瞬にして冷めきってしまうのです。
 あと、これは私の経験が根拠となっているだけの私見になるのですが、エロマンガの内容の「過激度」は、ちょうど『COMIC Zip 』が刊行されていた時期に当たる「1990年代後半~2000年代初頭」をピークにして頭打ちになっているような気がするのです(絵のクオリティはそれ以降も上がり続けているとしても)が、それ以前、つまり上の香愁作品でいう『とこしえのソドム』~『シリー・ピーチ・ラヴ』の4作品に関しては、ちゃんとそれなりの「こと」には及んでいたのだとしても、今の視点から見れば「描写がソフトすぎて実用的でない」レベルだといわざるを得ないわけなのです。なにをまじめな口調で語っているんだ、おれは……

 とはいいましても、香愁先生特有の「美少女を美少女と見ない危険プレイの連続」は、なんとすでに第1単行本『とこしえのソドム』に収録されている処女作『SHY SHY DRESSING 』からしっかり始まっていました。ちなみに、そこで最初に展開されていた危険プレイは「人間いけばな教室」。先生、最初っからトップギアよ~!!
 毎回ヒロインたちにムチャ振りされていたあれこれをリストアップしたい衝動にもかられるのですが……やめときましょうね、うん。

 今回の全作品コンプリートでわかった、香愁先生に関する新事実はいろいろあったのですが、まず私から見てけっこうおもしろかったのは、私がそれしか知らなかった先生の『COMIC Zip 』での仕事が、もっぱら「アウェー」の要素を多分に含んだものであった、ということです。

 上のラインナップを見てもわかるとおり、香愁先生のホームグラウンドは『COMIC Zip 』のフランス書房ではなく、『COMIC フラミンゴ』と『COMIC アイラ』の展開されていた三和出版だったのです。いつからかはわからなかったのですが、先生は『フラミンゴ』末期の表紙イラストも担当していました(少なくとも2000年いっぱい)。
 三和出版のエロマンガ雑誌の流れとしましては、1993年ごろ~2000年5月に発行されていた月刊エロマンガ雑誌『COMIC フラミンゴ』の後継誌が『COMIC アイラ』(2001年1月~02年9月)で、その流れは『アイラ・デラックス』(2002年10月~05年4月)、『フラミンゴR』(2005年5月~06年8月)と続いて途絶えたと、まぁこんな感じになります。

 現在、エロマンガ市場から完全撤退しているフランス書房とは違って、三和出版は2012年現在も『月刊COMIC MASYO(ましょう)』という雑誌を展開しているのですが、実は同じ三和出版でも、香愁先生のいた『フラミンゴ』~『フラミンゴR』の流れと、この『MASYO 』とはまったく別系統のエロマンガ雑誌となっているようです。
 そう、『COMIC MASYO 』はいたって健全なエロマンガ雑誌なのですが、『フラミンゴ』系はこれ、「SM 」と言うのも生やさしい「鬼畜系」!! え、血? 流れないわけがないでしょう。

 誓って言いますが、こんな個人ブログをつづって、一応ある程度の変態を自認している私そうだいでも、実はこの『フラミンゴ』系はなかなかどうして敷居の高いものがあります……現在は後継誌はないわけなのですが、むしろ2005年までよく続いてたもんですよ。
 『フラミンゴ』系の常連作家陣は、駕籠真太郎、天竺浪人、町野変丸、掘骨砕三、しのざき嶺といった感じでして……知っている人の実に97% がドン引きし、3% がモーレツに興奮する陣容です。みなさん、「氏賀Y太」という先生のお名前の読みかた、わかります? その読みあげた言葉こそが、『フラミンゴ』系の本質だと言っても間違いないわけなのです。なんで「フラミンゴ」なんでしょうか……鳥の名前じゃなくて「映画の名前」が由来なんでしょうね、きっと。

 そんな中で作家としてのキャリアを開始させたのが香愁先生だったんですから、そりゃあムチャしますわな。たぶん、『フラミンゴ』~『アイラ』での立ち位置は「かわいらしい絵柄の箸休め」みたいなところだったのではないかと。レベルの目盛がムチャクチャなんですよ!

 ここまできてやっとわかったのですが、エロマンガ家としての香愁先生は、実は「ホーム」ではエロさはさほど要求されておらず、「アウェー」となった『COMIC Zip 』のほうが逆にエロマンガ家らしい仕事になっているという、なんとも不思議な逆転現象が発生していたのです。可愛い娘には旅をさせよ、ってことなんでしょうか。

 ここに、私が今回のタイトルで香愁先生のことを「孤高の流れ星」と言いあらわしたゆえんがありまして、先生の活動自体は1993~2002年の9年間ということで、決して短い期間ではなかったのですが、「独特の美学を持ち続けた」香愁という才能が「エロマンガ家としての人気」という歯車とかみあったのは、私が目の当たりにした『COMIC Zip 』出張時期の約2年間に限るものがあったんじゃなかろうかと思うんですね。
 わかりやすく言えば、香愁という流星が大気圏に突入してきらめいた時期、そここそが第5単行本『夢跡のメモリオーラ』に凝結されている期間だったということだったのです。

 実際に香愁先生の画力は、場数を踏んだことによる上達もさることながら、『COMIC Zip 』のお仕事と時を同じくしてパソコン技術を積極的に導入したことによって1996年ごろを契機に爆発的にアップしており、ここにきてやっと香愁イズムが、単なる「少女マンガ調のエロマンガ」という部分を脱して「香愁」という一ジャンルを築くにふさわしい「肉体」をそなえた、とも言える段階にいたったんですね。

 ところが、はっきり言わせていただけるのならば、香愁先生が「読んでエロいマンガ」という意味でのエロマンガを描いた時期はこの『夢跡のメモリオーラ』だけだったと言わざるをえませんでした。

 その後、先生は『ベルジェフスカの城』と『まりのゲリラ』という、自身のキャリアのクライマックスとも言えるとてつもない2大長編を世に問うことになったのですが、これがまた、エロくないエロくない!! 画力は引き続きうまくなっているのにも関わらずですよ!?

 これはもう、端的に言えば香愁先生の美学が成熟しすぎて「エロマンガ」という即物的・実用的な要求を完全に突き抜けてしまった。そういうことだったのではないでしょうか。
 この2作品は1コマ1コマに投入された情報が絵柄・セリフともに異常に濃密過ぎて、1回や2回読んだだけではまるで展開が理解できない、けれども読めば読む程じわじわおもしろくなってくる「するめマンガ」になっているのです……

 ところで、そこのエロマンガを読んだことのあるあなた。あなたがエロマンガに要求するものって、「するめ」じゃなくて、最初にパッと読んだ段階でちゃんと「役に立つ」ってところじゃありませんこと?

 そうなんです。香愁先生の作品レベルは、そのキャリア終盤ではすでにエロマンガの領域を超えてしまっていたのでした……流星は大気圏を突破したかと思ったら、地上に落ちることなくまた大気圏に突入して大宇宙へと消え去っていったのだった! 地球素通り!!

 だってさぁ、「謎の都市ラズモフスカ」とか「ベルジェフスカ大学」とか言われましても、ねぇ……こっちはウキウキワクワクしながら人目を気にしつつ買ったわけでして。思春期の男どもはガン首そろえて「ポッカ~ン」ですよ。客が悪かったね、先生!


 ともあれそんなわけでして、私があのとき惚れ込んだ香愁先生は、自身の哲学を体現できる肉体を手にしたのち、手に入れたがゆえにその速度をゆるめることができなくなり、狭い日本マンガ界をあとにすることとなったのでした。こんな退場の仕方をしているお方がいたとは……ただひたすら敬服するばかりです。

 こんなわけなので、今回のコンプリートで私は「エロいマンガ」を入手することはかなわなかったのですが、『ベルジェフスカの城』と『まりのゲリラ』という「もんのすごいマンガ」を手に入れることはできたのでした。これはいい買い物でしたわ!

 特に『まりのゲリラ』。これがまぁ~すごい。
 この作品は、いちおうやたらと女性キャラが裸になる展開はそこかしこに用意されてはいるのですが、肝心の「こと」におよぶ場面は単行本一冊ぶん、まるまる一切ありません!
 時代設定は「昭和30年代の公害はなやかなりしころの東京」で、主人公は「下町の天才バレリーナ少女」。作品のテーマになるものは「旧日本軍の隠し資金」で、それをめぐって争うのはむさい顔のおっさんだらけの地元・荒川警察署と謎の公安2人組。少女たちに襲いかかるのは突然変異で巨大化した体長1メートルものザリガニ軍団……

 エロマンガの要素がひとっつもないのですが、な~んかおもしろそうじゃありませんこと? 主人公たち下町のバレエ学校生徒は、家が貧乏なので着の身着のままのレオタード&タイツ姿で生活しているという涙ぐましいライフスタイルです。でも、それにめげず下ネタを連発しながら大人たちをだしぬいていく彼女たちの明るすぎる勇姿には間違いなく、それまでの香愁作品お決まりのパターンである、受身一辺倒のヒロイン像にはなかった新境地がありました。
 ここにきて初めて、「今までの恨み!」とばかりに男どもに高々と反旗をひるがえすこととなったヒロインたち。だって、肛門括約筋で人の指を折ったり、膣圧で人のベロをぶっちぎったりするんですよ!? 痛快ね~。

 また、ここに登場するオッサン連中も今までにはなかった非常に人間くさくて欠点の多いキャラクターばかりになっていて、そこにも大きな可能性に満ちた輝きがありました。出てくる顔ぶれがのきなみ俳優の小林昭二、寺田農、天本英世、岸田森といった面々にそっくりなのも、実に香愁先生らしいお遊びでしたね。

 ただ、とにかく残念なのはそんな『まりのゲリラ』が香愁先生の最後の単行本となったことですね。いや、むしろこれは、香愁先生があえて世間に突きつけた「絶縁状」だったのかもしれません。そのあとに連載されて単行本化されることのなかった『ソニア・ソニック』も読んでみたい気もするのですが、『まりのゲリラ』が、まったくエロくなくてもひとつのマンガ作品としてびっくりするほど完成された作品だったので、ここをもって香愁先生のキャリアの完結と見ても良かったのではないでしょうか。


 まぁいろいろ言ってきましたが、こんなに長々と語っておきながら、作品がほとんど全部「絶版」という、この意味のなさね。すすめたところで読んでもらえないんじゃんか~!!

 じゃあ、この記事を読んでいるあなたに何を言いたいのかといいますと、とにかく昔に「香愁」という不世出の天才がいたという事実を知っていただきたかったのです。そして、機会があったらどこかの古本屋さんで入手して読んでいただければうれしいし、もっと欲を言うのならば、わたくしのようなファンがいたことを、何らかの形で「香愁先生ご本人」に知っていただけたのならば、もうそれ以上の喜びはないと。
 可能性もゼロにひとしいし、ありえないことなのかもしれませんが、こうやって個人ブログに思いのたけを語っていれば、まかり間違っていつの日にか、大宇宙のどこかにいるはずのあの流星にその声が届く日があるのかも。少なくとも、私は心の中にその希望の灯をともしながら生きていきたいんですなぁ。

 完全なる自己満足ですけれども、そんなロマンを夢見ながら、今日も遠大なる香愁ワールドをひもとく私なのでありました~。

 いや~……何回読んでもわけわかんねぇわ……
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出逢いもあれば別れあり……  モーニング娘。の「卒業ソング」の歴史をふりかえる

2012年07月09日 14時45分11秒 | すきなひとたち
 ひえいいぃ~、どうもこんにちは、そうだいでございますっと。
 ここ数日、千葉は7月だというのに肌寒い夜が続いておりまして……シーツだけだと少ないんだけど、数日前にかたづけたばっかりの掛け布団をここでまた引きずり出すのもなぁ、ってモヤモヤしながらのビミョ~な寝入りになっております。すっきりしないねぇ。
 ただ、今のところ、本日のお天気は久しぶりの快晴。例によって夕方にどうなるかはわかりませんが、もうそろそろ夏も始まるでしょ!

 昨日は試験勉強の息抜きに東京に映画を観に行きました。「息抜きばっかじゃねぇか!」って言ったそこのあなた……なんでわかったの?

 まぁ、8月はじめの試験にいくまで最後の映画鑑賞ということでね。選んだのは、前にもちょっとふれていた、これ。

『私が、生きる肌』(監督・ペドロ=アルモドバル 2011年 スペイン映画)

 アルモドバル監督って、巨匠巨匠っていっても、まだ還暦むかえたばっかなんですね。思ってたより若いなぁ。

 いや~、おもしろかったねぇ。この作品と前回のアカデミー賞スペイン代表の座を争ったという『ブラック・ブレッド』(監督・アグスティー=ビジャロンガ)もこの前に観てすっごくおもしろかったわけなんですが、それと比較しても、きれいに対称的な魅力に満ちた作品だったと思います。

 どう対称的なのかっていいますと、『ブラック・ブレッド』は「人間が成長していく過程」を克明に描いていたのに対して、この『私が、生きる肌』はなんと、登場するキャラクターがほぼ全員「成長を思いっきり否定して生きている人間」ばっかりなんですね! 本人の願うと願わざるとに関係なく。
 『私が、生きる肌』の場合は、この「成長」という言葉がかなり拡大されていて、「大人になること」「父親・母親になること」「娘・息子になること」、そしてついには……あんなことまで否定しちゃうの!? ってところまでいっているという。映画をまだご覧になっていない方のためにも、これ以上は詳しく言わないわけなんですが。

 こんな作品を、あの「女性賛歌3部作」をつくった監督が撮るのかというところが非常に興味深いのですが、「人間として自然に生きること」の素晴らしさや過酷さを追究してきたアルモドバル監督だからこそ、その真逆で「自然を否定して生きることを選択した人間」の悲劇を描くこの作品にも、単なるキワモノ映画にならない無常観がこもっているんでしょうなぁ。

 この映画を私にすすめてくれた親友は、この予告編を観たときに「江戸川乱歩みたい!」と感じたという話をしてくれたのですが、実際に観た私に言わせていただければ、この『私が、生きる肌』はむしろ「手塚治虫みたい!」な作品でした。
 もちろん、いい感じにあぶらのぬけたアントニオ=バンデラス演じる主人公が世界的に有名な医師という設定も手塚チックな印象を強くしてはいるのですが、それよりももっと本質的な問題として、

「それ」をやってしまった人間を描くのが手塚治虫で、「それ」をやりたくてもやれない人間を描くのが江戸川乱歩

 っていう差があるような気がするんですね。んで、『私が、生きる肌』は、やってしまった世界が舞台になっているんです。

 ひえ~、これ以上は何を言ってもネタバレになるから言えないや。まぁ、「それ」っていうのは「自然に生きることの否定」というわけなんですよ。でもホントは、大乱歩の作品にも「それらしいこと」をやってる作品はあるんですけどね……

 『私が、生きる肌』、前回の『ブラック・ブレッド』に引き続いておすすめです!
 これは確かに、とんでもない展開の連続する物語ですが、決してアルモドバル監督の「意外な一面」を見せつけられる作品ということなのではなく、アルモドバル監督のいちばん大事にしている王道を別の角度からとらえなおしただけの、きわめて本流な作品だと思います。
 でも、こんなに波乱万丈な物語を、「あのラストシーン」でしめるとは……いかにもアルモドバル監督らしいといいますか、ファンサービスといいますか。
 『ブラック・ブレッド』もそうでしたが、映画はラストシーンで監督の力量がわかるもんですな。そこまでちゃんと力を温存しているか、力を使い果たして形式的なしめ方だけになっているか。あとになってふりかえった時、ラストシーンがパッと思い出せない映画はたいていダメよね。

 あ、あと、主演のバンデラスさんもとってもよかったなぁ。
 観る前は「あのバンデラスが世界的な名医? うさんくせぇ~。」などと失礼なことを考えていたのですが、全盛期にくらべていい感じに年をとったというか、枯れた雰囲気もかもし出すようになったバンデラスさんは、今回の役に非常にぴったりな「悲愴感」を身にまとっていましたね。
 このバンデラス医師のたたずまいというのがけっこう大事でして、ただ単に「俺の天才的な超絶医療技術で自然なんか否定してやる!!」というだけの人物だったら、そこらへんの B級SF映画のマッドサイエンティストと変わりがないわけなのです。
 ところが、この作品の中でしじゅうバンデラス医師の眉間に深々ときざまれているしわは、どれほど完璧に計画を遂行しても決して満足することのできない、「しょせんは地球の片隅で息をしている生き物なんだよな、俺も……」という諦観をこれでもかという程にあらわしているのです。
 どんなに超人的な仕事をして前人未到の境地に達したのだとしても、いつかは必ず破綻するだろうということを見通しているバンデラス医師の遠い視線は、冒頭からず~っと、映画のクライマックスに用意されている末路を見すえていたんですね。もはや「色っぽい」などという次元をゆうに超えている激シブ演技は、間違いなくこの映画の本質をガッチリつかんでいる証拠だと確信いたしました。惚れるよね~!!

 さァ、こんな感じでいい映画も観られたから、あとは勉強に邁進マイシン! と思ったらば……

 乗る地下鉄のいたるところに、いよいよ今月末公開の「ノーラン監督バットマン3部作」最終作こと『ダークナイト・ライジング』を宣伝する大看板が!! ベインさん、メインの敵役になれてほんとによかったね……

 ギャ~!! 前作の『ダークナイト』を映画館で3回観たわたくしであります。これは残酷な誘惑のテーゼだ!
 でもまぁ、試験が終わったあとでもまだ劇場公開中だろうから、あせらずにちゃんとガマンすることにいたしますか。圧倒的な不入りで公開1週で打ち切りになったら観られませんけど……むしろ、そうなったほうがおもしろいですけどね!

 実に楽しみですねぇ。思い起こせば、『ダークナイト』公開前の「ヒース・ジョーカー」だって、さんざん「大丈夫か!?」って心配されてたわけなんですから。今回はどんな予想外が巻き起こるのでしょうか。
 個人的にはやっぱり、男子校の応援団長なみの硬派さでむさくるしい群像しか撮ってこなかったノーラン監督が、果たして「女性らしい女性キャラの最高峰」ともいえるキャットウーマンをどう描くかに注目したいですね。いままでみたいに「女はよくわからん……」に逃げたら男がすたりますぞ、団長!!


 さてさて、またしても前ふりが長くなってしまいましたが、今回はそんなノーラン監督が苦手とする「女性」のみなさんをテーマにしたお題に……って、もう強引すぎるからいいや。モーニング娘。の話題で~っす☆

 前回にも言ったように、今月にリリースされた新曲『One・Two・Three 』をもって、私が愛するモーニング娘。は「シングル通算50枚目」という大記録を打ち立てることとなりました。15年ですよ……これはもう「女性アイドル業界」だけでなく、「日本歌謡界」全体の奇跡と言ってさしつかえないでしょう。15年、浮き沈みの激しい日本歌謡界のトップシーンに立ち続けているのです。

 現在は、2003年に加入した「第6期メンバー」を最年長として「第10期」までの10名が在籍しており、現在は来るべき第11期のオーディションも開催中だというモーニング娘。なんですが、今回はちょっと、この悠久の15年間の歴史を、ある角度からながめてみたいとおもいます。


モーニング娘。「卒業ソング」の歴史


 はい~、こんなわけなんですけど。出逢いがあれば別れもある、ということでね。
 なんか、せっかく記念すべきシングルが出たばっかだというのに思いっきり不吉なキーワードで申し訳ないんですが、ここはまぁ、膨大な情報を含む歴史をわかりやすく通観するひとつの「手がかり」ということでご勘弁願いたいと!

 あの、のっけからぶちこわしなことを言ってしまいますが、この「卒業ソング」というのは決して、「メンバーの卒業」を歌詞の内容に盛り込んだ曲ということではありません。
 5thアルバムの『 No.5』(2003年3月)に収録されている『卒業旅行』のように、いかにも卒業ソングらしい楽曲も長い歴史の中には存在しているわけなのですが、今回私が「卒業ソング」と言っているのは、そういうものではないんですね。
 非常にざっくりした定義としましては、

リリース前に「特定のメンバーの参加する最後のシングルとなることが公表されていた」タイトル曲

 ということになります。つまり、内容はまったく卒業と関係していない陽気なナンバーだったとしても、聴く人に「あぁ、○○ちゃんのいるモーニング娘。も、これで最後なんだな……」という感慨をリリース当初から沸きあがらせていたもの、としたいのです。

 こういうことなので、以下にまとめたように、長いモーニング娘。の歴史の中では、結果的に「明確な卒業ソング」のないまま卒業していったメンバーも、意外と多くいらっしゃるんですね。「今になって思うと、あれが最後だったんだね。」というものはのぞいていますので。

 そんなこんなで、ごたくはここまでにしときまして、ちゃっちゃとならべてまいりまっしょい!


4th『MEMORY 青春の光』(1999年2月リリース オリコンチャート2位)
第1期メンバー・福田明日香(14歳)の卒業ソング
 ……卒業発表は1999年1月で、卒業は同年4月だった(在籍期間は1年8ヶ月)

9th『ハッピーサマーウェディング』(2000年5月17日リリース オリコンチャート1位でグループ3度目のミリオンヒット)
第2期メンバー・市井紗耶香(16歳)の卒業ソング
 ……卒業発表は2000年5月7日で、卒業は同年同月21日だった(在籍期間は2年1ヶ月)

18th『AS FOR ONE DAY 』(2003年4月リリース オリコンチャート1位)
第2期メンバー・保田圭(22歳)の卒業ソング
 ……卒業発表は2002年7月で、卒業は2003年5月だった(在籍期間は5年1ヶ月)

21st『愛あらば IT'S ALL RIGHT』(2004年1月21日リリース オリコンチャート2位)
第1期メンバー・安倍なつみ(22歳)の卒業ソング
 ……卒業発表は2003年7月で、卒業は2004年1月25日だった(在籍期間は6年6ヶ月)

23rd『女子かしまし物語』(2004年7月リリース オリコンチャート3位)
第4期メンバー・辻希美(17歳)と加護亜依(16歳)の卒業ソング
 ……2人の卒業発表は2004年1月で、卒業は同年8月だった(在籍期間はともに4年5ヶ月)

25th『THE マンパワー!!! 』(2005年1月19日リリース オリコンチャート4位)
第1期メンバー&第2代リーダー・飯田圭織(23歳)の卒業ソング
 ……卒業発表は石川梨華と同じ2004年5月23日で、卒業は2005年1月30日だった(在籍期間は7年6ヶ月)

26th『大阪 恋の歌』(2005年4月27日リリース オリコンチャート2位)
第4期メンバー・石川梨華(20歳)の卒業ソング
 ……卒業発表は飯田圭織と同じ2004年5月23日で、卒業は丸1年後の2005年5月だった(在籍期間は5年2ヶ月)

30th『Ambitious! 野心的でいいじゃん』(2006年6月リリース オリコンチャート4位)
第5期メンバー・紺野あさ美(19歳)と小川麻琴(18歳)の卒業ソング
 ……2人の卒業発表は2006年4月で、紺野あさ美の卒業は同年7月(在籍期間は5年0ヶ月)、小川麻琴の卒業は同年8月だった(在籍期間は5年1ヶ月)

33rd『悲しみトワイライト』(2007年4月リリース オリコンチャート2位)
第4期メンバー&第4代リーダー・吉澤ひとみ(22歳)の卒業ソング
 ……卒業発表は2007年1月で、卒業は同年5月だった(在籍期間は7年2ヶ月)

41st『気まぐれプリンセス』(2009年10月リリース オリコンチャート4位)
第7期メンバー・久住小春(17歳)の卒業ソング
 ……卒業発表は2009年9月で、卒業は同年12月だった(在籍期間は4年8ヶ月)

44th『女と男のララバイゲーム』(2010年11月リリース オリコンチャート6位)
第6期メンバー・亀井絵里(21歳)と第8期メンバー・ジュンジュン(22歳)とリンリン(19歳)の卒業ソング
 ……3人の卒業発表は2004年8月で、卒業は同年12月だった(在籍期間は亀井絵里が8年0ヶ月で、ジュンジュンとリンリンは3年10ヶ月だった)

47th『この地球の平和を本気で願ってるんだよ!』(2011年9月14日リリース オリコンチャート2位)
第5期メンバー&第6代リーダー・高橋愛(25歳)の卒業ソング
 ……卒業発表は2011年1月で、卒業は同年9月30日だった(在籍期間は10年1ヶ月)

49th『恋愛ハンター』(2012年4月リリース オリコンチャート3位)
第5期メンバー&第7代リーダー・新垣里沙(23歳)の卒業ソング
 ……卒業発表は2012年1月で、卒業は光井愛佳と同じく同年5月18日だった(在籍期間は10年9ヶ月)


明確な卒業ソングがなかった歴代メンバー

第1期メンバー・石黒彩(21歳 在籍期間2年5ヶ月)
 ……7th『LOVE マシーン』がリリースされた(1999年9月、オリコン1位&ミリオンヒット)のちに卒業発表(1999年12月)と卒業(2000年1月)がたて続けにあったため

第1期メンバー&初代リーダー・中澤裕子(27歳 在籍期間3年8ヶ月)
 ……11th『恋愛レボリューション21』がリリースされた(2000年12月、オリコン1位&ミリオンヒット)のちに卒業発表(2001年3月)と卒業(同年4月)がたて続けにあったため

第3期メンバー・後藤真希(17歳 在籍期間3年2ヶ月)
 ……15th『Do it! Now 』がリリースされた(2002年7月24日 オリコン3位)のちに卒業発表(2002年7月31日)と卒業(同年9月)がたて続けにあったため

第2期メンバー&第3代リーダー・矢口真里(22歳 在籍期間7年1ヶ月)
 ……26th『大阪 恋の歌』がリリースされる(2005年4月27日 オリコン2位)直前に、自身の恋愛スキャンダル騒動の責任を取るかたちで即日脱退(同年4月14日)したため

第6期メンバー&第5代リーダー・藤本美貴(22歳 在籍期間4年6ヶ月)
 ……33rd『悲しみトワイライト』がリリースされた(2007年4月 オリコン2位)のちに、自身の恋愛スキャンダル騒動の責任を取るかたちで即日脱退(同年6月1日)したため

第8期メンバー・光井愛佳(19歳 在籍期間5年7ヶ月)
 ……49th『恋愛ハンター』がリリースされた(2012年4月 オリコン3位)のちに卒業発表(2012年5月4日)と卒業(同年同月18日)がたて続けにあったため


 こんな感じなんでございますよ~。みなさんはどの曲が記憶に残っていますか?

 こうやってざっと見てみると、やっぱり2002年のごっちん卒業までは「メンバー卒業」と「新曲リリース」という2大イベントの足並みがなかなかそろっていない時期が続いていたということがよくわかりますよね。
 特に、市井さんにとっての『ハッピーサマーウェディング』とごっちんにとっての『Do it! Now 』は非常に不思議な「ネガとポジ」の関係になっていまして、それぞれがかなり性急な卒業だったことは共通しているらしいものの、卒業宣言しているのに『ハッピーサマーウェディング』が卒業ソングらしくなく、卒業宣言していないのに『Do it! Now 』がいかにも卒業ソングらしい悲壮感に満ちているのが実に興味深いです。さすがは「姉妹」。

 しっかしまぁ、それ以降の「卒業宣言の翌年に卒業」というパターンが定着していた2002~05年は、思えばハロー!プロジェクトにとっても日本全体にとっても、のんびりした時代でしたなぁ……
 石川さんの卒業なんて、「宣言の1年後」って! メンバーもファンもどんな顔をして1年を過ごせばよかったのやら。しかも、いよいよ卒業が目前になった時期に「別のメンバーがパパッと脱退」っていう、このズッコケ感!! いかにもチャーミーさんらしい流れでしたね。

 こうまとめてみるだけでも、15年という歴史の長さと、人それぞれの個性的な卒業のかたちというものが浮き彫りになってきますよね。決してメンバー個人個人の意思や事務所の戦略といったもののどれかが主導してきたわけではない、いろんな要因が複雑に混ざり合った上で形づくられてきた「生きた集団の記録」が見えてくるような。深いねぇ~!

 そういえば、50thシングルのリリースにあわせて、こんなトピックも持ちあがっていましたね。


レコチョクの「モーニング娘。名曲ランキング」、1位は『恋愛ハンター』
 ( BARKS 2012年7月4日の記事より)

 モーニング娘。の記念すべき50枚目のシングルとなる『One・Two・Three / The 摩天楼ショー』の7月4日リリースを記念して、レコチョクが、ユーザー投票による「モーニング娘。名曲ランキング」を発表した。

モーニング娘。名曲ランキング

1位 …… 恋愛ハンター
2位 …… LOVE マシーン
3位 …… リゾナントブルー(36thシングル 2008年4月リリース オリコン3位)
4位 …… なんちゃって恋愛(40thシングル 2009年8月リリース オリコン2位)
5位 …… 恋 ING (2003年11月にリリースされた20thシングル『Go Girl 恋のヴィクトリー』の B面曲)
6位 …… 気まぐれプリンセス(41stシングル 2009年10月リリース オリコン4位)
7位 …… I WISH (10thシングル 2000年9月リリース オリコン1位)
8位 …… 抱いて HOLD ON ME!(3rdシングル 1998年9月リリース グループ初のオリコン1位)
9位 …… 涙ッチ(2010年3月にリリースされた10thアルバム『10 MY ME』の収録曲)
10位 …… サマーナイトタウン(2ndシングル 1998年5月リリース オリコン4位)

 投票実施サイト …… レコチョク 音楽情報( iモード、EZweb、Y!ケータイ)
 投票実施期間  …… 2012年6月22~29日


 なるほどねぇ~。こういうランキングになりましたか!

 具体的にこの調査が、どのくらいの規模を対象に実施されたのかはよくわからないのですが、『恋愛ハンター』がトップに輝いているあたりに、新垣リーダーと光井さんのダブル卒業の衝撃覚めやらぬ雰囲気がよく出ていると思います。
 そのほかにも、5位と9位にシングル A面になっていない曲がランクインしていたりして、1997~2000年代前半の泣く子も黙る「黄金期」よりもむしろ、ライヴコンサートの完成度の高さで根強いファンを広げることとなった「プラチナ期~現在」を評価する票が多かったのが、私としてもとてもうれしいです。過去の遺産だけでやってるわけじゃないということですね!
 でも、3位の『リゾナントブルー』ってカラオケで唄うのがものすんごく大変な難曲なんですよ!? このアンケートはレベルが高い!

 最新のシングルがナンバー1だなんて……泣かせるじゃねぇか。モーニング娘。とハロー!プロジェクトはファンに恵まれてますね。
 ただ、私はこの『恋愛ハンター』よりも、次の『One・Two・Three 』のほうが好きです。『恋愛ハンター』は、自分を追い詰めている「背水の陣」感が強すぎて、カッコいいんだけどちょっと怖いんですよね。それよりはやっぱり、女性ならではの艶っぽさを出す余裕もできている『One・Two・Three 』のほうがいいなぁ。

 こうやってランキングを見てみると、結成から現在までコンスタントにプロデュースを続けてきているつんく♂さんのものすごさに、あらためて恐れ入ってしまいます。大きなトラブルも起こしていないから目立たないわけですけど、15年間つつがなくやれてきているってこと自体がとてつもないことじゃないっすか!? しかも、プロデュースしているのはモーニング娘。だけじゃないんですよ……

 結成から10年以上たっても『涙ッチ』のような名曲をかっ飛ばすことができるとは。
 むろんのこと、モーニング娘。というグループを構成する要素は無数にあるわけなのですが、その中でも最も大きく、かつよそのアイドルグループにないモーニング娘。ならではの成功ファクター。それはもうやっぱり、「プロデューサーがプロフェッショナルかつ勤勉なロッカーであること」、ここなんじゃないでしょうか。それこそまさに、公務員も真っ青な働きっぷり!! 15年間無欠勤!

 まぁ、そんなこんなで50枚目をむかえたわけなんですけれども、これからも気負わず急がず、モーニング娘。という名の王道を突き進んでいっていただきたいと思います。そうすれば、「100thシングル」だって夢じゃあない!! その時「CD 」があるかどうかのほうが怪しいもんですけど。


 ということで、最後はまぁ~、よそさまのランキングをのっけちゃったわけですからね。こうなったらひとつ、誰も聞いていないのに勝手に対抗して、自分の考えたランキングをのせておしまいにしたいと思います。これだから個人ブログはやめられな~い♡


天下御免!! そうだいが選ぶモーニング娘。名曲ランキング(2012年7月現在)

1位 …… 泣いちゃうかも(38thシングル 2009年2月リリース オリコン3位)
2位 …… SEXY BOY そよ風に寄り添って(29thシングル 2006年3月リリース オリコン4位)
3位 …… そうだ! We're ALIVE (14thシングル 2002年2月リリース オリコン1位)
4位 …… 女に幸あれ(34thシングル 2007年7月リリース オリコン2位)
5位 …… AS FOR ONE DAY (18thシングル)
6位 …… 好きな先輩(2002年3月にリリースされた4thアルバム『4th いきまっしょい!』の収録曲)
7位 …… 踊れ! モーニングカレー(2006年11月にリリースされた31stシングル『歩いてる』の B面曲)
8位 …… リゾナントブルー(36thシングル)
9位 …… 笑顔 YES ヌード(32ndシングル 2007年2月リリース オリコン4位)
10位 …… 春 ビューティフルエブリデイ(2007年3月にリリースされた8thアルバム『SEXY 8 BEAT 』の収録曲)


 こんなランキングですね。でも、これからどんどん変動していくんだろうなぁ。いや、むしろ変えてくれるような名曲の出現を心から待ち続けております!
 ただし、今回のところはひとまず、この言葉を叫んで終わりにしたいと思います。

プラチナ期、ばんじゃ~い!! 亀井絵里さんに幸せあれェエ!!
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最近ハマってます  ビタミンさんの『ソウトーーク』シリーズにドイツ名優たちの魂を見た  無条件降伏

2012年07月05日 18時14分05秒 | ふつうじゃない映画
 むっしむし~!! どうもこんにちは、そうだいでございまする~。いや~、千葉は今日も蒸し暑かった……

 ヤバいです……勉強する時間が足りません。タイムリミットは確実に近づきつつあるのに……
 頭に入れなきゃならんことは山ほどあるんですが、テキストに集中しようとすればするほど眠気が……眠って目覚めれば時間がまた足りなくなってる! やってみると1ヶ月は意外と長いような短いような。ちゃんと寝てコンディションを整えてからの長期戦型か、寝る間も惜しんで詰め込む短期戦型か、それが問題だ!!
 まぁ、それと並行して今のお仕事と次の職探しもやってるんでねぇ。とにかく忙しいんですけど、体調を崩してどれも実を結ばないという最悪のシナリオだけは避けねばなりません。

 体調といえば、3ヶ月前に結婚式に出たときに撮影していただいた集合写真を、そのとき結婚された大学時代の先輩からメールで送ってもらったんですけど。
 ちょっと自分でびっくりするくらいにやつれてましたね、今年の春は。思い出せば確かに生活的に大変な時期ではあったんですけど。
 頬がげっそり、こけてましたねぇ~! 今はおかげさまでいくぶん安定した中でいろいろやってるんですけど、やっぱり無理はしちゃいけませんな、30こえたら。イケメンじゃあもちろんないんですけど、一時期の玉木宏さんみたいな顔つきになってたようです。戦争映画にでも出るんですか!? みたいな。
 そういえば、2~3人の知り合いの方から「大丈夫!? ちゃんと食べてる?」とか言われてたわぁ。
 もともと甘いものが好きなほうではなかったので、食生活でなんとなくやせたのかな~、なんて思ってたんですけど。

 今年の夏も身体と脳みそをフル回転させて乗り切らなきゃいけないっていうのに……うなぎでも食べますかぁ~。すき家とかで。


 んま、そんなオッサンの近況はさておきまして、昨日7月4日はいよいよ! あの日本歌謡界の最高峰に輝き続けるアイドルグループ・モーニング娘。の、記念すべきなんと「50枚目」のシングルとなる最新作『One・Two・Three 』がリリース開始となった日でありました。

 いや~、ついに出てしまいましたね~。我が『長岡京エイリアン』は、第8代リーダー・道重さゆみさん率いる新生モーニング娘。を、わけても歴代メンバー史上最高の「まるさ」を誇りつつある鈴木香音(かのん)さんを強く応援します。あこがれるなぁ~。

 みなさん、私は確かに観たんです。今年春の日本武道館コンサートで、1万人の観客を相手にして仁王立ちになったズッキさんのぶあつい背中を!! ほんとに13歳か!?
 その力強さ、その中に秘めた燃えるような熱い決意。私はそこに、ゲーム『信長の野望』でいうところの「上泉信綱」や「ももち三太夫」が配下についてくれた時に匹敵するほどの絶大な信頼感をいだいたのです。伊賀の地を踏みにじる者は、なんぴとたりとも許さないニャン♡

 そういえば、夕べはそのリリースにあわせてYou Tube のユーストリーム放送で『モーニング娘。生田衣梨奈(いくた えりな)セルフプロデュース 生祭り(いくまつり)!』なる番組も放送されていました。
 これはもう、モーニング娘。第9期メンバーきってのベルセルク(狂戦士)と畏れられる生田さんが1人で進行していくという驚愕のトーク番組だったのですが、ゲスト出演した元メンバーで先代・第7代リーダーの新垣里沙さんを信頼できるストッパーに迎えて送られた内容はまさしく唯我独尊、生田さんの生田さんによる新垣さんのための放送に仕上がっていました。新曲紹介そっちのけ!

 ただし、新作PV をご覧いただいてもおわかりの通り、生田さんはかなりぶっとい筋がズンと通った「男前なまなざし」の持ち主でありまして、そんな彼女が今よりももっと魅力的で安定した歌唱力を身につけたとき、彼女自身と、彼女の属する第9期、そして第9期のいるモーニング娘。が過去のどの時代にもなかった新境地に突入していくことは間違いないでしょう。
 今後の日本芸能界の趨勢が、いかほどの試練を彼女たちに突きつけるのかはわかりません。おそらくは楽なだけではない、生半可な気持ちでは踏破できないような苦難の道行きとなることでしょう。
 まして今年は、ともに「芸能界デビュー10周年」をむかえることなった、同じハロー!プロジェクトのお姉さんグループのBerryz工房と℃-uteがかつてない盛り上がりを見せているアニバーサリーイヤーでもあるのですからもうタイヘン! このアイドル戦国時代、強敵は外にいるばかりではないのだ!!

 でも……まぁ、たいていのトラブルにはみまわれてきたモーニング娘。でありますから! 大丈夫でしょうよ。逆に私なんかは、応援するだけでなく彼女たちから勇気をもらわなきゃいけないくらいです。

 最新シングル『One・Two・Three 』も、決して「カッコイイ」や「かわいい」といった言葉だけではかたづけられない奥深い魅力に満ちた作品ですが、これからも果敢にハイレベルな世界に挑戦していっていただきたいです。求めよ、さらば与えられん!!

 とね、ともあれこんな感じで「通算50枚目シングル」という大快挙も達成したことなので、次回あたりにはそれにからめた企画みたいなことを、例によって誰からも頼まれていないのにやってみようかなぁ、なんて考えております。これも息抜き、息抜き~。


 さて、で、先月から引き継いでいる今回のお題はといいますと……熱きオッサンたちの終わりなき闘い!!
 私が最近になってやっと夢中になった「総統閣下×けいおん!」系 MAD動画シリーズの雄『ソウトーーク』シリーズ(作・ビタミンさん)についてのあれこれでございます~。

 前回の資料にあげたように、『ソウトーーク』が属している「総統閣下×けいおん!」系は、もとをただせば「ヒトラー総統が現代日本で話題になっているなにかに憤慨する」というルールにのっとって、映画『ヒトラー 最期の12日間』のワンシーンに投稿者各自のセンスによる嘘字幕が差し込まれていくという内容の「総統閣下シリーズ」の派生作品として誕生しました。
 しかし、今になって正調の「総統閣下シリーズ」の作品と比較してみると、『ソウトーーク』はまったく別物と言っていい独自の進化&深化を遂げており、「思えばかなり遠くへ来たもんだ……」という感慨を観る者にいだかせてくれるのです。はなれすぎ!!

 今年のはじめまでに私が使っていたパソコンがニコニコ動画も視聴できないほどの旧式「Me 型」だったこともありまして、私自身が「総統閣下シリーズ」に接することになったのはそうとう最近で、その存在を人づてに聞いたのも、去年2011年3月の東日本大震災直後のことだったかと思います。
 その時は確か、「なんでも映画のヒトラー総統がスーパーの買い占め騒動(当時)にブチギレしている変な動画があるらしい」といううわさを聞いてビックラこいていたものです。
 その当時は、混乱する日本中で巻き起こっていた買い占めや、あまり役に立たない物資の被災地への過剰な殺到ぶり、そしてついには政府の対策の立ち遅れにまで、まったく縁もゆかりもないはずのヒトラー総統が激怒して、「買ってどうすんだ!! ホントに必要な人の邪魔するな!」や、「もっと相手のことを思いやれ!!」と、人が違ったような漢気あふれる喝を連発するというところに異様なセンスを感じて、「不思議なモンがはやってるんだなぁ……」と思っていました。

 そんな「人の道をさとす」系の他にも、「総統閣下シリーズ」はリアルタイムで世に出ている映画、アニメ、マンガといった作品のどこかに閣下がブチキレるシリーズが陸続と生みだされていっており、特に昨今の「オールスター総登場祭りでなんとかやってます」という感じの『仮面ライダーシリーズ』や『スーパー戦隊シリーズ』、そして『プリキュアオールスターシリーズ』の風潮に一石を投じる提言を披露する作品には毎回、私も瞠目させられていました。ただ作品そのもののバタバタぶりを批判するだけでなく、そんな作品を観てもいないのに批判するファンの態度さえをも批判する総統閣下の慧眼ぶり……いや、ただのおたくなんですけど。

 ところで、こういった無数の「総統閣下シリーズ」にはいちおうの共通ルールのようなものがあるようで、まずおおもとの大前提として、ドイツ映画『ヒトラー 最期の12日間』のワンシーンである、「作戦本部のヒトラー総統が、自軍の戦闘力の致命的な減衰を隠していた部下の将軍たちにブチギレし憔悴する」という、ヒトラー総統を演じる名優・ブルーノ=ガンツの実力がいかんなく発揮された約3分ほどの場面を利用して嘘字幕を入れていくという要件があります。
 もちろん、これに投稿者が自分の意図で別の作品のシーンやBGM を挿入したりすることも自由なのですが、もともと無音の中で激しいセリフの攻防だけが展開され、カット割りも実に巧妙に配置されているこのシーンにオリジナリティを入れていくのは、投稿者のセンスが試されるそうとうにリスクの高い采配になります。
 つまり、約3分間の「定型のシーン」を利用して笑いを生み出していくこの「総統閣下シリーズ」は、差し込む嘘字幕に、観る人の多くを「ほほう……」とうならせるクオリティが要求されることもさることながら、いっぽうで投稿者が自由にアレンジをきかせた時点でスベるリスクが格段に上がってしまうという、非常にバランスのとり方が難しいジャンルになっているのです。

 そういう意味では、もともとの原型となった「総統閣下シリーズ」は、「あえて厳しく限定された条件の中から自分のセンスを提示していく」という、まるで俳句か短歌のようなストイックさを要する笑いのジャンルになっているんですね。日本人が好きそうだねぇコリャ。


 さて、そういった母体に対して、そこから生を受けた「総統閣下×けいおん!」系の1作である『ソウトーーク』シリーズはどんなことになっているのでありましょうか。

 『ソウトーーク』の魅力。それはすなはち、「定型を重んじながらも、時として不動明王のごとき果断さで定型をも微塵に破壊してしまう緊張感」!! ここ! ここなんですなぁ。大げさな言い方でなく、本当にここがすごいんだ。

 『ソウトーーク』の大前提はと言いますと、もうこれはなんといっても、「リアルタイムで放送されているというアニメ『けいおん!』や『けいおん!!』を、総統地下壕作戦本部に陣取る閣下と部下たちがワイワイガヤガヤ騒ぎながら視聴する」という、その男子中学生の部室のような雑多感にあります。冗談でなく、視聴するときには音量調整に気をつけなければなりません。

 だいたいの大すじとしては、地上では血で血を洗うソ連軍とのベルリン攻防戦が展開されている真っ最中だというのに、毎週火曜日深夜1時30分に作戦本部に集まって、真剣なおももちで『けいおん!』『けいおん!!』の放送を待ち受ける総統閣下たちというくだりから『ソウトーーク』は始まっていきます。そう考えると不謹慎極まりないオッサンたちなのですが、まるで別の戦争に挑むかのような真剣さで『けいおん!』に立ち向かっていく皆さんの気迫に圧倒されてしまい、思わずツッコむタイミングを失ってしまいます。

 たま~に、映画本編と違わない字幕で本気の作戦会議が繰り広げられたりもしているのですが、肝心のところで脱線が始まってしまい、


ヨードル 「総統閣下、なにか対策を!」

閣下   「何もないに決まってるだろ!!」

ヨードル 「ですよね~。」

閣下   「つか、貴様ら普通に作戦会議してるが、アニメより戦争が好きなのか!?」

部下一同 「アニメのほうが好きに決まってますよ!!」

閣下   「それなら、『けいおん!』を観るぞ!」


 閣下、逆ギレ……なんなんでしょうか、この正々堂々とした逃避っぷり。これを青筋をたてた一流のヨーロッパ俳優陣が精魂こめて演じているのです。

 そして、いざ放送が始まると、『けいおん!』や『けいおん!!』本編の映像と、「TV の前に集まっている」という設定の『ヒトラー 最期の12日間』の面々の映像とがテレコで展開されていくわけなのですが……この時のナチス首脳陣の反応がいちいちうるさい!!


閣下      「澪タン、めがっさ可愛いにょろ!!」

カイテル    「和(のどか)の寝起きのシーンなんてのも観てみたいな。」

閣下      「和などどうでもいい! それより澪のほうが可愛いに決まってる。」

ゲッベルス   「ムギのほうが可愛いに決まってるだろ、ちょび髭ナチ野郎!!」

閣下      「うるせえ!! お前もナチだろうが、ムギ厨!!!」

(唯が律に   「あ。何みてんの~?」)

フェーゲライン 「もちろん俺のことを見ているんだよ!!」

閣下      「んな訳ないだろ!!!」

(唯がギターの練習中に 「あ、いてっ。指の皮むけちゃった。」)

ブルクドルフ  「おい! 唯ちゃん!! 大丈夫か!!!
         俺の唯ちゃんを傷つけるギターなんて、ダサいし!!!」

閣下      「ギターにキレんな!!!」

(さわ子先生が唯に 「あら~……この分じゃあ、またすぐ皮むけるわよ。」)

ヨードル    「俺の皮も……」

閣下      「下ネタ自重しろ!!」

クレープス   「てか、マジかわ唯なんですけど!!」

(唯      「うう……ギターを弾きながら歌が唄えない……」)
(さわ子先生  「仕方ないわね。先生が特訓してあげる。」)

部下一同    「俺が教えます!!」「いろいろ教えちゃうぞ~。」

閣下      「あ~も!! 貴様らは関わろうとするな!!!」


 こんなていたらくでありまして……こんなの、ほんの序の口なんですよ!?
 うるさいし、それに盛り上がるコメントの弾幕で画面は真っ白になるしで、『ソウトーーク』はとにかくにぎやかなんです。

 しかも、『アメトーーク』をモデルにしたと思われるこのタイトルにも実は大きな偽りがありまして、『ソウトーーク』では、総統閣下本人はまるでトークに参加できません。
 上の例からもおわかりのように、も~ほとんどの閣下の発言がツッコミ! ただひたすらに部下の暴走を食い止めることしかできない時間が続くんです。そりゃ寿命も縮むわ…… 

 ところがそれに対して、従来の「総統閣下シリーズ」では閣下の憤怒に恐れをなすことしかできなかったゲッベルス以下の部下たちは、この『ソウトーーク』ではその恨みとばかりに、閣下を閣下と見ない暴言の応酬で一致団結してしまいます。


閣下      「京アニは狂ってしまったのか……」

クレープス   「『ハルヒ』の話すんな! クソじじい!!」

ブルクドルフ  「今、『けいおん!』の話以外のやつをするなんて、ダサいし!!!」

ヨードル    「お前、総統の職を」

フェーゲライン 「辞めて♡ 」


 んも~、むちゃくちゃ。


 とにかくこんな感じで『ソウトーーク』は、ほんわかした『けいおん!』『けいおん!!』を視聴しているのに開始数秒でテンションが MAXに達してしまう閣下とその部下たちのうるささが特色となったオンリーワンな激烈シリーズになっているのです。

 現在、28話ぶんが公開されている『ソウトーーク』なのですが、その魅力をすべて語るのはちょっと、この回だけではできそうにありません。とにかく百聞に一見は如かずで、まだご覧になっていない方にはとにかく一度観ていただくことをおすすめしたいのですが、まずそのとっかかりとして、私はこの稀代のおもしろ動画シリーズの魅力を2つだけあげておきたいと思います。


 まず1つめは、これはもうなにはなくとも「投稿者であるビタミンさんの全センスを総動員した作品世界の完成度の高さ」ですね。

 たとえば、上のようなにぎやかなやりとりは、まず『けいおん!』の萌えポイントとなるシーンと、それに激しく反応する閣下たちのやり取りとのバランスのとり方が、先行する「総統閣下シリーズ」とは比較にならない難易度となっているはずなのです。3分間の定型を守る必要はなくなったのですが、今度はゼロからビタミンさんが作っていかなければならなくなるわけで、これはもう、『ヒトラー 最期の12日間』や『けいおん!』シリーズの映像を素材にしてはいつつも、ほぼ完全にオリジナルな作品になっているといっても過言ではないでしょう。ここを、独自の編集センスとギャグ感覚でコンスタントに2年にわたってシリーズ化しているのがものすごいんですよ。

 むむ~、残念ですが、上のようなセリフの抜き出しだけじゃあ『ソウトーーク』のおもしろさはわからない! とにかくカット割りのあざやかさが笑いにつながっているんです。

 たとえば、ビタミンさんは2回にわたって、「静かに語っている総統閣下」と「激高する総統閣下」という2つのカットを切れ目なくつなげることによって、「ノリツッコミをする総統閣下」という驚天動地の進化を現出せしめています。


ヨードル  「こうなることを想定してすでに、閣下の澪コレクションをヤフオクに出品しておきました。(キリッ」

閣下    「さすが、仕事が早いな……って何してるんだ貴様ら!! つか、イラッとするから(キリッ を使うな!」
                                                   (第2期第21話鑑賞回より)

クレープス 「今日は水着回です! (地図を指して)先ほど、ここらへんの防衛部隊が壊滅したそうですが、もうすぐ『けいおん!』が始まる時間なので、そのことはキレイさっぱり忘れましょう!」

閣下    「そうだな、嫌なことは忘れて……って忘れようとするな!!」
                                                   (第1期第4話鑑賞回より)


 また、第1期第8話と第2期第15話の2回にわたって、総統閣下がベルリン放映ヴァージョンの『けいおん!』での主人公・平沢唯の声優に挑戦したために、終始「バーカ!!」や「おっぱいぷるんぷるん!!」などとしか絶叫しない主人公になってしまうなど、とにかく『ソウトーーク』は全編にわたって、ビタミンさんの「おもてなしスピリッツ」がいかんなく炸裂した、おもちゃ箱をひっくり返したようなワクワク間に満ち溢れているのです。
 特に私は、第2期『けいおん!!』の第13話の放送が見送りになってしまったために閣下一同が騒然となる鑑賞回の「オチ」には、本気で「うわ~、やられた!!」とうなってしまいました。これはもう、ビタミンさんという映像作家の独立したオリジナル作品ですよ。だってひっかかっちゃったんだから。もう降参!

 もうひとつ、ビタミンさんのテクニックを語る上で忘れてならないのは、素材にしている2作品以外に臨時で引用される映像作品の「昭和くささ」で、もちろん福留さんが司会をしていた時代の『アメリカ横断ウルトラクイズ』や TVシリーズ版の『スパイ大作戦』、『ファミコンウォーズ』のTVCM に『アタック25』のBGM に『日光テレビショッピング』のよりにもよって「入れ歯洗浄剤・がんばれおじいちゃん」など、閣下たちが見ているTV の中から流れる他の番組のセレクトがいちいち古臭い! も~最高ですね。

 ビタミンさん……いったいどんなおじさまなんですか? 『相棒』シリーズが好きらしいことはわかるんですが……30代前半の私よりは年上ですよね?


 ビタミンさんの話が長くなりましたが、『ソウトーーク』の魅力はそれだけではありません。

 もう1つの大きな魅力は、それはもうやっぱり、『ヒトラー 最期の12日間』に出演したガンツさん以下の役者陣のクオリティのハンパない高さですね。

 よく考えてみれば、2時間ちょいある長編映画といっても、出てくる役者陣の「表情」といったものは普通は限定されるもので、特に『ヒトラー 最期の12日間』は「敗戦目前」という最悪の極限状態に置かれた人々が延々と映し出されていく物語であるわけなのですから、登場人物の「喜怒哀楽」を切り貼りしてまったく別の物語を創るということはむしろ他の映画よりも至難のわざであるはずなのです。ましてや、「総統閣下シリーズ」にいたってはたったの3分間だけ!

 ところが、『ヒトラー 最期の12日間』は素材が豊富なんです……しかも、怒り狂っているおじさんの姿なんて、そこらへんにいる役者さんがやっているのを観ても2~3回観たら飽きてしまうのが普通のはずなんですが、ガンツさんの「怒り」は、何度観ても、どのパターンを観ても飽きがこない!! それはもう、その怒りの中に「帝国の滅亡を一身に背負わなければならない老人の断末魔」が克明に再現されているからなのです。そこまで極限に追い詰められた人間が「めがっさ可愛いにょろ!!」「好きでもいいじゃなイカ!!」と語っているというところに、『ソウトーーク』ならではの、残酷さと裏返しの笑いがあるんですよ。

 また、そんな怒りっぱなし、絶望しっぱなしの総統閣下だからこそきいてくる、あのワンカットだけの「ニヤけ顔」のチャーミングさといったら!! こういうこともできるから、ブルーノ=ガンツという役者さんはいいんですよねぇ~。ほんとにいい笑顔。

 おそらく、「総統閣下シリーズ」や『ソウトーーク』のおもしろさの核心には、間違いなく「渾身の力をこめて『ヒトラー 最期の12日間』の撮影に臨んだ俳優陣の真剣度」が大いに関わっています。おそらくこれは、おもしろ動画に使われる、などとは夢にも思っていないガンツさん以下の「命を燃やした仕事」だからこそ、はからずもユーモアがにじみ出てしまっているという、人間ならではの逆転現象なんですよね。
 人間っていうのは本当におもしろいもので、ブルクドルフ陸軍大将役のユストゥス=フォン=ドホナーニさんの「ダサいし!!!」と聞こえる絶叫は本当に味わい深いものがあるんですよねぇ。『ソウトーーク』ではさんざん変態キャラ扱いされている「ハゲ」ことヨードル陸軍上級大将役のクリスチャン=レドルさんも、ちゃんと観れば相当に密度の高い演技をしているんですよ。それなのに、そこがなんともおかしいんだ。

 残念ながら、日本でもその名が知れ渡っているのはヒトラー役のガンツさんとユンゲ女史役のアレクサンドラ=マリア=ララさんくらいなのかも知れませんが、ドイツ初の「アドルフ=ヒトラーを人間として描いた映画」というふれこみにもあるように、尋常でないプレッシャーの中で制作されたこの『ヒトラー 最期の12日間』に出演した俳優さんは、セリフのない役まで全員が自身最高の演技をもって撮影にのぞんだという緊張感がビンビン伝わってくる気迫に満ち満ちているのです。

 もうホントに全員の演技が素晴らしいのですが私はここで、あえて『ソウトーーク』の中ではセリフがゼロに等しいマルティン=ボルマン官房長役のトマス=ティーメさんの、圧倒的な「目の泳ぎ演技」をたたえたいですね。この人が部屋の隅っこでオロオロしているのとしていないのとでは、現場の切迫感の伝わり方がまるで違うんですよ! セリフがあろうがなかろうがしっかり「仕事」はする。これ、名優の最低条件なりィ!!

 とにかく、こういった最高峰の演技合戦を、本人たちのあずかり知らぬところでしめしめと「活用」しているからこそ、ビタミンさんの『ソウトーーク』はいいんですねぇ。おそらく、事前に「そういうおもしろコントをする。」といって俳優ご本人たちが同じ条件下で撮影したとしても、これほどまでのおもしろさを生み出すことは不可能だったでしょう。

 「意図しない笑いを意図的に創り出す」。これこそがビタミンさんの『ソウトーーク』の魅力の根本なのです。


 ただし、私としてはひとつだけ意見を言わせていただきたいことがありまして、役者さんではないアドルフ=ヒトラー本人や閣僚たちの本物の資料映像をさしこむのはいいとしても、それらの本人たち、『ソウトーーク』でいうのならばヨーゼフ=ゲッベルス宣伝大臣などのニュース映像における肉声にまで嘘字幕をつけるのは、ちょっと個人的には好きじゃないんだなぁ。
 やっぱり、『ヒトラー 最期の12日間』で熱演している役者さんの演技がおもしろいから『ソウトーーク』はいいのでありまして、そこに実際の戦争犯罪者である人間たちの「生の声」を差し込むのは、私としては急に醒めるというか、素直に笑えないものを感じてしまうのです。
 私は「ナチス・ドイツの失敗」をそういう形で笑い飛ばすのは正しい歴史の解釈にはつながらないと思うし、そういう観点から、アドルフ=ヒトラーの本物の演説に嘘字幕を入れている別の投稿者さんのシリーズには少なからぬ違和感をおぼえてしまうのです。

 あくまでも、「総統閣下シリーズ」は『ヒトラー 最後の12日間』というフィクション作品からの創作。私はそこには明確な線引きが必要なんじゃないかと考えていますが、どうでしょうかね?


 でもまぁ~、もう30話ちかく作ってるなんて、ビタミンさんも大変ねぇ……
 シリーズ最新作の「第1期第13話鑑賞回」(2012年4月 UP)なんて、公開までに「8ヶ月」もかけてるんですからね! 早く次回作が観たいという期待の声も高いとは思うのですが、ビタミンさんご本人の納得のいく新作の完成を気長に待ちたいと思います。


 ……え? 『けいおん!』のおもしろさはどうなんだって?

 実は、私はまだよくわかんない!! たぶん『けいおん!』単体だけだったら、私がハマることは今までもこれからも、ないだろうね!!

 女の子たちのバンド話はほどほどでいいから、もっとおじさんを出せ、おじさんを~!!
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2012年6月度版 そうだい短期観測調査(そうだい短観)

2012年07月01日 10時42分21秒 | 日記
 ペペイペ~イ。どうもこんにちは、そうだいでございます~。

 いや~、6月もあっという間に終わってしまいました。ホントに早かったですわ。
 試験勉強に新しい職探し、そして、息抜き!! この3色だけでいろどられた月でしたね。

 試験は最初の本番が来月8月だし、職探しも「スタートにつけたかな?」という手ごたえはつかめたものの、まだはっきりした成果は出ていません。まだまだこれからよ!

 だもんで、今月7月も引き続いてこの2つを並行してやらなきゃならんということで。大変ですけど、お互いがお互いの息抜きになるんでねぇ。両方とも大事にしていきたいですなぁ。
 ただまぁ、どちらかというとやっぱり試験勉強に照準をあわせなきゃいかんかな。なんてったって来月が本番ですから!

 ヒエ~、ちゃんと試験勉強するのなんて何年ぶりでしょうか!? はっきし言って、のるかそるか問答無用の筆記試験にいどむのは大学受験以来の約15年ぶりってことになるのかも……
 がんばらんばいけんねぇ。先月はいろんな理屈をくっつけて遊びに行くことが多かったですから。今月こそは本気出していかなきゃあ、あとで大後悔することになります。めざせ、一発合格!! 来年も受験料を払うのなんてもったいない! ナントシテモ今年デ仕留メヨ。

 っつうことでまぁ、いろんなバタバタのあいまに更新していた先月のつれづれを、今回もまとめてみたいと思います~。

 2012年6月の『長岡京エイリアン』全8回。ラインナップは以下のようになりました。


好きなアイドルについて
 映画『星砂の島、私の島 アイランド・ドリーミン』の亀井絵里に驚愕する(2回)
 AKB48のシングル選抜総選挙2012
ミステリーについて
 「金田一耕助シリーズ」映像化の歴史(終)
好きな人について
 家入レオの眼光に乾杯
 足利義昭公の心のふるさと・鞆の浦
観た映画について
 スペイン映画『ブラック・ブレッド』
日記
 やたらひんぱんに友達の家に遊びに行ったり、道尾秀介先生のサイン会に行ったり
5月に引き続いてけっこう怒ってます
 さらば鬼束ちひろ
 原作者の作品に込めた想いさえくみ取れないNHK なんか、ドラマ制作やめちまえ
最近ハマってます
 ビタミンさんの動画『ソウトーーク』シリーズについて(始まったばっかです)


 だいたいこんな感じでしたね~。
 とにかく外に出る機会の多い6月だったもんで、更新ペースはおおむね週に2回くらいになりました。昔はほぼ毎日更新してたんですよ!?
 だいぶ少なくなった印象があるんですけど、まぁ今はこのペースが最適ですね! 更新回数を減らしているのに訪問者数が増えてるっていうのが本当にありがたいこってす……

 でもさぁ、週2回にペースを減らしてみてしみじみ痛感したんですけど、1回ぶんの文量がまぁ~かさむかさむ。ひとつの回にたまった話題が2~3コ入っちゃうから自然に長くなっちまうんだなぁ。
 さらに読みづらくなってすみません……努力、努力の毎日でございます。

 なんか、 NHKにギャーギャー言う話題が2ヶ月連続しちゃいましたね……
 実は、先月に会った友達に「『平清盛』はおもしろいよ。」と直接お言葉をいただきまして、よく考えれば私も本編を1秒たりとも観ていないくせにキャスティングのことだけで怒っていたので(その怒り自体は撤回するつもりはありませんけど!)、あんまりキライキライと騒ぐのもよくないかな、と思ったりしていたんです。
 それに加えて、その友達に教えてもらった NHK FMの6月16日放送の『今夜は一日アニソン三昧Z』。この、「午前9時~深夜1時ゴッソリ生放送」という常軌を逸した本気度を耳のあたりにして、「NHK はやっぱりすごいなぁ!」と感じ入ったりもしていたのですが……またがっかり、ますますがっかり。
 一部の人間がヒドいからこんなことになった、ということは間違いないのでしょうが、だからこそ、そんなヒドい人に最重要級の仕事を任せているという現在の体制を徹底的に改めていただきたいです。日本の文化のためにもホント、お願いします!!


 6月はちょっとだけでしたけど、こんな本も読んでましたね。


道尾 秀介   『ソロモンの犬』(2007年)                          文春文庫
伊坂 幸太郎  『陽気なギャングが地球を回す』(2003年)               祥伝社文庫
池内 紀    『モーツァルトの息子 史実に埋もれた愛すべき人たち』(1998年)  光文社・知恵の森文庫
森 史之助   『事故物件に住んでみた!』(2012年)                  彩図社文庫
小林 宏明   『カラー図解・銃のギモン100 』(2011年)                 学研パブリッシング


 ってなわけで、ますますアツくなる7月も、我が『長岡京エイリアン』を何卒よろしくお願いいたします~。

 さぁさ、今日も勉強ベンキョ~☆
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