長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

ヨーロッパの映画なのになんでこんなに気持ち悪いの!? 『薔薇の名前』  前段

2012年10月04日 15時00分47秒 | ふつうじゃない映画
 どうもこんにちは! そうだいでございまする~。

 あの~、今回は大好きなある映画のことについてをつぶやこうかと思っていたんですが……
 この映画、前置きの情報が多すぎる!

 ということで、まずはいろんな情報をのっけるだけでいったんおいて、詳しいつれづれは次回に持ち越させていただきたいと思いま~っす。
 調べものだけで、なっがいなっがい!!


映画『薔薇の名前』(1986年9月24日公開 フランス・イタリア・西ドイツ合作 131分)

監督   …… ジャンジャック=アノー(42歳 フランス)
原作   …… ウンベルト=エーコ
脚本   …… アンドリュー=バーキン(40歳 イギリス)他
美術   …… ダンテ=フェレッティ(43歳 イタリア)
撮影   …… トニーノ=デリコッリ(63歳 2005年没 イタリア)
音楽   …… ジェイムズ=ホーナー(33歳 アメリカ)
製作   …… ベルント=アイヒンガー(37歳 2011年没 西ドイツ)
時代考証 …… ジャック=ルゴフ(62歳 フランスの中世歴史家)

おもなキャスティング
バスカヴィルのウィリアム      …… ショーン・コネリー(56歳 アイルランド)
メルクのアドソ(ウィリアムの弟子) …… クリスチャン=スレーター(16歳 アメリカ)
修道院長アッボーネ         …… マイケル=ロンズデール(55歳 フランス)
盲目の老師ブルゴスのホルヘ     …… フョードル=シャリアピンJr (80歳 1992年没 ソヴィエト連邦)
修道士マラキーア(図書室司書)   …… フォルカー=プレシュテル(45歳 1997年没 西ドイツ)
修道士ベレンガーリオ(図書室副司書)…… マイケル=ハーベック(42歳 2011年没 西ドイツ)
修道士レミージオ(物資係)     …… ヘルムート=クヴァルティンガー(57歳 同年没 オーストリア)
レミージオの下僕サルヴァトーレ   …… ロン=パールマン(36歳 アメリカ)
修道士セヴェリーノ(薬草係)    …… イリヤ=バスキン(36歳 ラトビア)
フランシスコ会の老師ウベルティーノ …… ウィリアム=ヒッキー(59歳 1997年没 アメリカ)
フランシスコ会の指導者ミケーレ   …… レオポルド=トリエステ(69歳 2003年没 イタリア)
フランシスコ会の修道士ヒュー    …… ヴァーノン=ドブチェフ(52歳 イギリス)
ベルトランド枢機卿         …… リュシアン=ボダール(72歳 1998年没 フランス)
名もなき村娘            …… ヴァレンティーナ=ヴァルガス(21歳 チリ)
異端審問官ベルナール=ギー     …… ファリド=マーレイ=エイブラハム(46歳 アメリカ)

※『愛人 ラマン』(1992年)、『スターリングラード』(2001年)などで知られるジャンジャック=アノーの監督第3作
※イタリアの哲学者で中世研究家のウンベルト=エーコ(1932年~)が1980年に発表した処女長編小説を原作とする
※エーコの原作では、現代の中世研究家(エーコ本人?)がアドソの残した手記を発見したことから物語が始まる
※作中の登場人物ホルヘは、エーコが強く尊敬しているアルゼンチンの盲目の作家ホルヘ=ルイス=ボルヘス(1899~1986年)をモデルにしているといわれる
※日本では翌1987年12月の劇場公開
※映画の撮影はイタリアのローマ郊外や撮影都市チネチッタなどで行われ、修道院の内装の一部は西ドイツ中部に現存するエーベルバッハ修道院を改装して撮影された
※ CMディレクター出身のジャンジャック=アノーは1976年に映画監督デビューしており、2作目の『人類創世』(1981年)ではセリフのいっさいない長編映画を監督した
※脚本を担当したアンドリュー=バーキンは歌手のジェーン=バーキンの兄で、本作にはフランシスコ会修道士の1人として出演もしている
※中世カトリック世界の再現を担当したダンテ=フェレッティは、『ドラキュラ』(1992年)や『スウィーニー・トッド』(2007年)などでも活躍している国際的な映画美術家
※撮影監督のトニーノ=デリコッリは第2次世界大戦以前から活躍していたイタリア映画界のベテランで、ピエルパオロ=パゾリーニやフェデリコ=フェリーニの監督作品にも数多く参加していた
※音楽のジェイムズ=ホーナーは『タイタニック』(1997年)や『アバター』(2009年)なども担当したジェイムズ=キャメロン監督作品の常連で、『薔薇の名前』と同年の1986年には『エイリアン2』の音楽も担当していた
※製作のベルント=アイヒンガーは『ネバーエンディング・ストーリー』(1984年)、『ヒトラー 最後の12日間』(2004年)、『バイオハザード』シリーズ(2002~10年)なども手がけていた国際的映画プロデューサーだった
※異端審問官ギーを演じたファリド=マーレイ=エイブラハムは、1984年の『アマデウス』で主役のアントニオ=サリエリを演じて一躍有名となっていた
※アッボーネ修道院長役のマイケル=ロンズデールは、1973年の『ジャッカルの日』でのクロード=ルベル警視役でも有名
※アドソ役のクリスチャン=スレーターは TVドラマの子役として活躍しており、前年に映画俳優デビューしたばかりだった
※修道士レミージオを演じたヘルムート=クヴァルティンガーはオーストリアの国民的な喜劇俳優で歌手だったが、『薔薇の名前』の撮影時にはすでに肝硬変の闘病中であり、本作の公開直後の1986年9月29日に死去したため、『薔薇の名前』が遺作となった
※ホルヘ役のフョードル=シャリアピンJr は70代で俳優デビューしたという映画界ではほぼ無名の人物だったが、「有名な俳優をホルヘ役に起用したくない」というアノー監督の意図に沿ったものだった
※ベルトランド枢機卿役のリュシアン=ボダールは俳優ではなく著名なジャーナリストなのだが、演技のしろうととはとても信じられないナイスヴォイスを披露している
※映画の中で会話に使われる言語は英語で統一されている


 ショーン=コネリーさんって、2006年に俳優業を引退されてたんだ……知らなかった。まだまだやれると思うんだけどなぁ~。若山弦蔵さんも現役なんだし。


『薔薇の名前』の作品世界 …… 1327年のイタリア北部のカトリック修道院
・この時代、カトリックの総本山である教皇庁はフランス王国の干渉によって王国領内のアヴィニョン(フランス南部)に遷都させられており、もともと教皇庁のあったローマはフランス王国と対立する神聖ローマ帝国(ドイツ)によって占領されていた
・物語の主人公であるウィリアムとアドソはフランス王国およびアヴィニョン教皇庁の特使として修道院を訪れており、のちに修道院に参集する教皇庁使節団と、神聖ローマ帝国の息のかかったフランシスコ派修道会との「清貧論争」の調停をつとめる目的があった
・清貧論争とは、ざっくり言えば「キリスト教を布教する者が蓄財していいのかどうか?」という論争であり、突き詰めれば強大な権力を有する教皇庁の存在そのものに疑問を投げかける大問題だった
・登場する異端審問官ベルナール=ギーは実在した人物だったが(1261?~1331年)、『薔薇の名前』で描写されるような拷問や火刑を好む冷酷な異端審問官ではなかったらしく、フランス南部のロデーヴで天寿を全うしている
・『薔薇の名前』で名探偵役をつとめるバスカヴィルのウィリアムは、実在したフランシスコ会修道士で「オッカムの剃刀」でも知られる唯名論哲学者のオッカムのウィリアム(1288~1348年)がモデルになっている
・バスカヴィルのウィリアムも、オッカムのウィリアムと同じく「イギリス出身」という設定になっている
・オッカムのウィリアムは清貧論争で教皇庁を批判する立場をとったため、1326年にアヴィニョン教皇庁によって破門宣告を受け神聖ローマ帝国に亡命している

タイトルの『薔薇の名前』 …… 中世カトリックの修道士モルレーのベルナールの残した説教詩の中の「昨日の薔薇はただその名のみ、むなしきその名をわれらは持つ」(訳・堀越孝一)という一文からとられている


 ひえ~、さすがは中世ヨーロッパ! 我が『長岡京エイリアン』は神聖ローマ帝国を応援します。映画には1秒も出てきてねぇけど。

 そんなこんなで、まったじっかい~☆
 ベレンガーリオさんの自分ムチ打ち100回はもう、伝説的な唐突さですね……

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