長岡京エイリアン

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まさに究極……なにも起きない「生きてることが SF」映画!!  ~タルコフスキー監督『ストーカー』~

2015年10月03日 23時04分32秒 | ふつうじゃない映画
映画『ストーカー』(1979年8月公開 164分 ソヴィエト連邦)


 映画『ストーカー(原題・Сталкер)』は、アルカジイ&ボリス=ストルガツキー兄弟による長編 SF小説『路傍のピクニック』(1972年)を原作とし、アンドレイ=タルコフスキーが監督した作品である。
 人間の本性と欲望、信仰や愛を通じての魂の救済を描く。タルコフスキー監督作品としては『惑星ソラリス』(1972年 スタニスワフ=レム監督)に続く SF映画であるが、未来的な描写や派手な演出は全くと言っていいほどない。実際、この映画において SF的設定と言えるのは、冒頭の短い字幕解説だけである。これは、タルコフスキーが原作小説に注目して、他の映画監督のために脚本化したいと考えた1973年初めから、彼自身が「最も調和のとれた形式をとりうる」構成を練り始め、「合法的に超越的なものに触れる可能性」を見出した74年末から75年初め、そして2度の撮影を経て最終的な完成ヴァージョンに至るまでの約4年の間に、タルコフスキー自身の構想が大きく変わった結果である。『ストーカー』の撮影はタルコフスキーの全作品中、最も準備不足な状態で始まり、スタッフとの軋轢や脚本の全面的な書き換えもあってトラブル続きであったという。

 内容は2部構成になっており、物語が展開する時間は明示されていないが一昼夜であると思われる。タルコフスキーのこれまでの作品と比べても長回しが多く、現実的な時間の持続を強調している。タルコフスキーの他の作品と同様に、「水」が重要なモチーフとして登場するが、それまでの作品とは異なり、水面には油が浮いていたり文明の遺物が底に沈んでいたりして、美しく描かれてはいない。場面ごとに微妙に変化する色調や冒頭でストーカーが登場するシーンのカメラワークに、中世ロシアのイコン様式の影響があるという研究もある。後半には特有の難解なセリフ回しが見られる。
 後に犯罪の種類のひとつを意味する「ストーカー」という言葉が日本語に定着するはるか以前の映画作品であり、ロシア語の原題も英語の「Stalker」をそのまま使っていて、作中では「密かに獲物を追うハンター」という意味で使われている。


あらすじ
 ある地域で「何か」が起こって住民が多数犠牲になり(隕石が墜落したとも言われる)、政府はそこを「ゾーン」と呼んで立ち入り禁止にした。しかし、ゾーンには何でも願いが叶う「部屋」があると噂され、政府の厳重な警備をかいくぐって希望者を「ゾーン」に案内する「ストーカー」と呼ばれる人々が存在していた。
 ある日、ストーカーの元に「科学者」と「作家」と名乗る2人の男性が現れ、その「部屋」に連れて行ってくれと依頼する。だが、命がけで「ゾーン」に入った後も、予想のつかない謎の現象(「乾燥室」や「肉挽き機」などと呼ばれる)で命を落とす危険が待っている。その道行きの中、「ゾーン」とは何か、「部屋」とは何か、信仰とは何かを3人は論じ合う。


主なスタッフ
監督    …… アンドレイ=タルコフスキー(47歳)
原作・脚本 …… アルカジイ&ボリス=ストルガツキー兄弟
音楽    …… エドゥアルド=アルテミエフ(41歳)

主なキャスティング
ストーカー   …… アレクサンドル=カイダノフスキー
ストーカーの妻 …… アリーサ=フレインドリフ(44歳)
作家      …… アナトリー=ソロニーツィン(45歳)
科学者     …… ニコライ=グリニコ
ストーカーの娘 …… ナターシャ=アブラモヴァ




《ほんと、仕事のこと考えずにゆっくり『ストーカー』観た~い。本文マダヨです》

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