『フェイズIV 戦慄!昆虫パニック』(1974年9月公開 アメリカ・イギリス合作 83分)
監督 …… ソール=バス(54歳 1996年没)
脚本 …… メイヨ=サイモン
音楽 …… ブライアン=ガスコーン
撮影 …… ディック=ブッシュ
編集 …… ウィリー=ケンプレン
製作・配給 …… パラマウント映画
『フェイズIV 戦慄!昆虫パニック』(原題『 Phase IV』)は、世界的グラフィックデザイナーとして活躍したソール=バスが監督した唯一の長編映画作品である。バスは1968年に、短編映画作品『 Why Man Creates(なぜ人間は創造するのか)』で第41回アカデミー賞・短編ドキュメンタリー映画賞を受賞していたが、その卓越した映像演出とアリたちの不気味な存在感で、自然の脅威について警鐘を鳴らす本作品を生み出した。
日本では劇場未公開となったが、ビデオソフトが発売され、テレビでも数回放送された。その際のタイトルは『戦慄!昆虫パニック 砂漠の殺人生物大襲来』、『昆虫パニック』、『 SF 超頭脳アリの王国 砂漠の殺人生物』。
タイトルの「フェイズ(Phase)」は「局面」「段階」の意味で、アリと人類の戦いが「フェイズ1」から「フェイズ4」まで4段階に分けて描かれる。
作品の最重要ポイントであるアリの撮影については、ハリウッドにおけるマクロ撮影の第一人者ケン=ミドルハムが起用された。ミドルハムは、1971年にドキュメンタリー映画『大自然の闘争 驚異の昆虫世界』で撮影を担当していた。
ミドルハムは、超クローズアップのレンズや、ハイスピード撮影、遠隔撮影の装置を駆使し、脚本に書かれたドラマをすべて本物のアリを使って撮影している。
ロケーション撮影はアフリカのケニヤで、スタジオ撮影はイギリス・ロンドンのパインウッド・スタジオでイギリス人スタッフを中心にして行われた。
完成した作品の、思弁的なストーリーと美しい映像は、単純明快で商業的な動物パニックホラーを望んでいたパラマウント映画の期待とは正反対のもので、特に『2001年宇宙の旅』(1968年)を思わせる「人類進化のヴィジョン」が描かれていたという結末部分にパラマウント側は猛反対した。同社は監督であるはずのバスから作品の編集権を取り上げ、最後のフィルム1巻ぶんをカットして、93分あった作品を83分に短縮。宣伝広告やポスターにもバス自身は関わることができず、先行公開されたヨーロッパではトリエステ国際 SF映画祭でグランプリを受賞したにも関わらず、アメリカではわずかな館数で公開されるのみとなった。
現在の83分版のエンディングのあとに、人類進化のヴィジョンを示す映像があったという断片は予告編にわずかに残っており、そこには本編で使われていない、顔のない奇怪な人物の映像が一瞬だけ映されている。
あらすじ
宇宙で突如として発生した不可解な現象を契機に、アメリカ・アリゾナ州の砂漠地帯に奇妙な巨大構造物やミステリーサークルが出現するようになる。
興味を持った生物学者のチームが研究・対策用の隔離ドームを建造して調査したところ、これらが飛躍的に知性の発達した新種アリの集団によって造られたものであることが判明する。さらに、アリたちは人類と交信することを望んでいた。彼らは人類による数々の実験に対する怒りを示していたのだ……
おもな登場人物
ジェイムズ=レスコー …… マイケル=マーフィ(36歳)
暗号・言語解読に精通した生物学者。カリフォルニア州サンディエゴの海軍海底センターに所属している。
アーネスト=ホッブズ博士 …… ナイジェル=ダヴェンポート(46歳 2013年没)
イギリス人の生物学者。アリの生態系で発生した異常をいち早く察知し、レスコーを助手に選ぶ。
ケンドラ=エルドリッジ …… リン=フレデリック(20歳 1994年没)
アリの襲撃から奇跡的に助かり、隔離ドームに避難してきた少女。
エルドリッジ氏 …… アラン=ギフォード
ケンドラの祖父。農家。
ミルドレッド=エルドリッジ …… ヘレン=ホートン(46歳)
ケンドラの祖母。
クリート …… ロバート=ヘンダーソン
エルドリッジ家の農場で働く男。
《はいはい途中途中》
監督 …… ソール=バス(54歳 1996年没)
脚本 …… メイヨ=サイモン
音楽 …… ブライアン=ガスコーン
撮影 …… ディック=ブッシュ
編集 …… ウィリー=ケンプレン
製作・配給 …… パラマウント映画
『フェイズIV 戦慄!昆虫パニック』(原題『 Phase IV』)は、世界的グラフィックデザイナーとして活躍したソール=バスが監督した唯一の長編映画作品である。バスは1968年に、短編映画作品『 Why Man Creates(なぜ人間は創造するのか)』で第41回アカデミー賞・短編ドキュメンタリー映画賞を受賞していたが、その卓越した映像演出とアリたちの不気味な存在感で、自然の脅威について警鐘を鳴らす本作品を生み出した。
日本では劇場未公開となったが、ビデオソフトが発売され、テレビでも数回放送された。その際のタイトルは『戦慄!昆虫パニック 砂漠の殺人生物大襲来』、『昆虫パニック』、『 SF 超頭脳アリの王国 砂漠の殺人生物』。
タイトルの「フェイズ(Phase)」は「局面」「段階」の意味で、アリと人類の戦いが「フェイズ1」から「フェイズ4」まで4段階に分けて描かれる。
作品の最重要ポイントであるアリの撮影については、ハリウッドにおけるマクロ撮影の第一人者ケン=ミドルハムが起用された。ミドルハムは、1971年にドキュメンタリー映画『大自然の闘争 驚異の昆虫世界』で撮影を担当していた。
ミドルハムは、超クローズアップのレンズや、ハイスピード撮影、遠隔撮影の装置を駆使し、脚本に書かれたドラマをすべて本物のアリを使って撮影している。
ロケーション撮影はアフリカのケニヤで、スタジオ撮影はイギリス・ロンドンのパインウッド・スタジオでイギリス人スタッフを中心にして行われた。
完成した作品の、思弁的なストーリーと美しい映像は、単純明快で商業的な動物パニックホラーを望んでいたパラマウント映画の期待とは正反対のもので、特に『2001年宇宙の旅』(1968年)を思わせる「人類進化のヴィジョン」が描かれていたという結末部分にパラマウント側は猛反対した。同社は監督であるはずのバスから作品の編集権を取り上げ、最後のフィルム1巻ぶんをカットして、93分あった作品を83分に短縮。宣伝広告やポスターにもバス自身は関わることができず、先行公開されたヨーロッパではトリエステ国際 SF映画祭でグランプリを受賞したにも関わらず、アメリカではわずかな館数で公開されるのみとなった。
現在の83分版のエンディングのあとに、人類進化のヴィジョンを示す映像があったという断片は予告編にわずかに残っており、そこには本編で使われていない、顔のない奇怪な人物の映像が一瞬だけ映されている。
あらすじ
宇宙で突如として発生した不可解な現象を契機に、アメリカ・アリゾナ州の砂漠地帯に奇妙な巨大構造物やミステリーサークルが出現するようになる。
興味を持った生物学者のチームが研究・対策用の隔離ドームを建造して調査したところ、これらが飛躍的に知性の発達した新種アリの集団によって造られたものであることが判明する。さらに、アリたちは人類と交信することを望んでいた。彼らは人類による数々の実験に対する怒りを示していたのだ……
おもな登場人物
ジェイムズ=レスコー …… マイケル=マーフィ(36歳)
暗号・言語解読に精通した生物学者。カリフォルニア州サンディエゴの海軍海底センターに所属している。
アーネスト=ホッブズ博士 …… ナイジェル=ダヴェンポート(46歳 2013年没)
イギリス人の生物学者。アリの生態系で発生した異常をいち早く察知し、レスコーを助手に選ぶ。
ケンドラ=エルドリッジ …… リン=フレデリック(20歳 1994年没)
アリの襲撃から奇跡的に助かり、隔離ドームに避難してきた少女。
エルドリッジ氏 …… アラン=ギフォード
ケンドラの祖父。農家。
ミルドレッド=エルドリッジ …… ヘレン=ホートン(46歳)
ケンドラの祖母。
クリート …… ロバート=ヘンダーソン
エルドリッジ家の農場で働く男。
《はいはい途中途中》
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